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ある日の放課後。
ハルヒ「なんなのよ二人でイチャイチャして!SOS団はあたしが作ったのよ!?」
   「なんでいつもみくるちゃんばっかり!!……あたしがいない時はいつもああなのかしら……」
   「……ん?」
寂れた公園でベンチに浅く腰掛け、夕焼け空を見上げて動かない少女がいた。
ブロンドの髪はぼさぼさで、透き通るような白い肌がシワのよった黄色いワンピースに包まれている。
ハルヒ(こんなところに一人で何してんだろ?気味悪いわ)
その前を通りすぎようとしたとき、ふと目が合う。少女は青い瞳をじっとこちらに向けたままそらそうとしない。
耐えきれずに、
ハルヒ「なによ」
ぶっきらぼうに言い放ったが反応は無い。それでも視線を絡めて離さないことにイラついたハルヒは、
少女の前で仁王立ちになり荒っぽい口調で責めたてる。
ハルヒ「人の顔ジロジロ見ないでよ!何か用?それともあたしの顔はそんなに珍しい?」
半開きの唇から返事はなく、少女はハルヒを見つめたまま悲しそうな表情をしていた。
ハルヒ「ねぇちょっとあんた意識ある?おーい!」
肩をつかんで体を揺らし、顔を覗きこむと、その視線はハルヒではなく
もっと遠くに焦点をあてていたことに気付く。ハルヒのことなどまるで見ていない、何を見ているのかも
分からない生気のない眼差し。ようやく、少女はかすれた声でつぶやいた。
アスカ「私が生きてる価値……あるの?」



アスカ(なんでファーストの時だけ……)
    (シンクロ率ゼロ……エヴァに乗れないあたしなんか……)
   (加持さん……)
    (あたしの心……汚れた心……)
   (………………ママ)


ハルヒに体を揺らされ、頭の奥から意識がじわじわと現実に戻ってくる。
アスカ「あたしが生きてる価値……あるの?」
目の前にハルヒの顔。我にかえり、少し慌てる。
アスカ「あ、あんた誰?」
ハルヒ「そっちこそ誰よ!さっきから人の方じっと見たまま動かないし」
アスカの隣にハルヒが座る。
ハルヒ「ていうかあんた大丈夫?心ここにあらずで抜け殻みたいな顔してたわよ?」
アスカ「……もう全部、全部なくしちゃったから。あたしには何も残ってない……」
ハルヒ「なんかあったの?ヒマだし、聞いてあげるわよ」
アスカ「……って、関係無い人になんでこんなこと話してるんだろ。
    ご親切にどーも。別になんでもありませんから。それじゃ」
すっとベンチを立って去っていくアスカ。その足取りは弱々しかった。
ハルヒ「なによあの態度。あーもうイライラしてきたわ!どいつもこいつも……」
飛びはねるようにベンチを立つと、ハルヒは苛つく気持を地面にぶつけるように
ことさら強く踏みつけながら歩いて家路についた。



同日深夜。
翠星石(これは夢の扉……)
    (……蒼星石!)
   (……いつも一緒だったのに……)
    (……アリスゲームの宿命……)
   (寂……さびし…です……さびしいです……蒼星石……)


夢と夢の狭間の世界。いばらに纏われた扉が閉まり、翠星石がひとり。
横を見ると、他の扉と異なり暗い灰色をした扉があった。開けてみると、
翠星石「!!! ひっ、ひやっ」
むこうでは若い男女がキスの真っ最中だった。そしてその周りの建物が
徐々に崩れていき、片方の女だけを残して全て消え去ってしまった。
ぽーっとしたまま立ち尽くす女がこちらに気付いて歩いてくる。
翠星石「に、人間が近付いてくるですぅ……あわわにに逃げないと……」
しかし、足がすくんですぐに動けず、扉から女がこちら側に出てきた。
翠星石「なんですかハっ、ハレンチ女!この翠星石に変な真似したら許さないですぅ」
女は翠星石を見下ろしたままキョトンとしている。
翠星石「ひぃぃいい、ケダモノのように飢えた目で見てきやがるですぅ」
おびえる翠星石の襟首をつかんで女が問う。
ハルヒ「ここ、どこ?」



ハルヒ「人形……? が、喋っ……喋ったの!!?すごいわ!ねぇあなた何者?」
目を爛々と輝かせてハルヒがたずねる。
翠星石「怪しいものではないのですぅ、おおお見逃しくださいませぇ」
ジタバタする翠星石を取り押さえてハルヒがなだめるように言う。
ハルヒ「何をそんなに怖がってるのか知らないけど別にとって食おうって訳じゃないから安心して」
ふふん、と鼻を鳴らして翠星石の腕を掴む。
ハルヒ「あたしはね、ちょっと普通じゃないことが好きなだけよ。で、ここはどこなの?」
翠星石「ほ、本当ですか……? ここは夢の世界ですぅ」
ハルヒ「夢のセカイ!?このたくさんある扉は?」
翠星石「夢の扉、いろんな人の夢の入り口ですぅ」
ハルヒ「へぇーっ!よくわかんないけど素晴らしいわ!こんなセカイがあったなんて!」
翠星石「さっきお前がしてたのは現実世界での願望ですぅ。いやらしい女ですぅ」
ハルヒ「がっ……あんな願望あるわけないでしょ!?適当なこと言わないでよ!!」
翠星石「ひいいぃぃい!野蛮な人間が怒り狂ったですぅ……翠星石のお命もこれまでですぅ」
ハルヒ「口の悪い子ねぇ。ま、いいわ。翠星石ってのはあんたの名前?」
翠星石「そ、そうですぅ」
ハルヒ「ふーん。あたしハルヒ。涼宮ハルヒ。よろしくね」
翠星石「お前によろしくされる覚えはないですぅ」
ハルヒ「……。作ったやつの顔が見てみたいわ。ねぇ、それよりあのデッカイのは何?」
ハルヒが指さした先にあったのは夢の扉、というより巨大な夢の門だった。
翠星石「あんなに大きい……きっと、たくさんのことを抱えた人の夢なのです」
ハルヒ「行ってみましょうよ!」



その大きな門を開けると、様々な映像が混沌と交じり合い、揺れる水面のように動いていた。
ハルヒ「な、なにこれ……!?」
翠星石「分からないですぅ……」


病室のベッドに座る女性を呆然と見つめる幼い少女。
その幼い少女が嬉しそうに走る先に首を吊った女性。
(ママ……あたしを見て……)
船の上、何かの操縦席で生きいきとした表情の少女。
音楽に合わせて、真剣な面持ちで汗を流し踊る少女。
(ママ……あたしを見て……)
暗い部屋のベッドでうつ伏せになり、動かない少女。
何かの操縦席の中で、顔を手でおおって震える少女。
(あたしの価値って何……?)
廃屋の浴槽で虚ろな瞳を空に向ける痩せこけた少女。
(………………………………)


ハルヒ「あっ!!! あの子だわ!」
翠星石「知り合いですか?」
ハルヒ「夢の扉って何?今あたしたちが見てるのはなんなの!?」
翠星石「……それは、さっきも言いましたけど願望だったり、夢や希望、考えや悩み、
    楽しい記憶、嬉しい記憶、悲しい記憶、辛い記憶。その人が抱く心そのものです」
ハルヒ「ふぅん。なるほどね。ってことは……」
翠星石「どうしたんですか?」
ハルヒ「今日の帰り道で会ったのよあの子に。もちろん知らない子よ。
    この世の終わりみたいな様子で一人ベンチに座ってたの。その時言ってたわ。
    もう全部なくしたって。何も残ってないって。
    そりゃね、女の子がひとり公園で呆けたツラしてそんな末期的なセリフはいたら
    誰だって気になるじゃない。話ぐらい聞いてやろうとしたんだけど、
    冷たくあしらわれて行っちゃったのよ」



ハルヒ「詳しいことはよく分からないけど、きっと自信をなくして落ち込んでるのね。
    あの首を吊ってるのは母親?ママって呼んで……でも自殺したってことかしら……」
翠星石「きっとそうですぅ。幼いときに亡くしたんだと思います。その面影が今でも心にあって、
    ずっと見て欲しいと思い続けてるんです。心の傷ってやつです。……分からなくもないですぅ……」
ハルヒ「まさかそんな深い悩みだったなんて……やりきれないわ……」
翠星石「……」
ハルヒ「あら?何かしら?廃屋のところに男の人が歩いてくる……」
翠星石「現実の出来事かもしれないですぅ。いくつもの場面が入り混じっているのは
    夢と現実がごっちゃになってるからですぅ」
ハルヒ「あ……連れてかれる……。ねぇ、あの子の現実にはどうやったら行けるの?」
翠星石「な、何しに行くんですか?」
ハルヒ「ああいう場面で女の子を連れてくのは悪者って相場が決まってるのよ。
    だから助け出して、そしてあの子に元気をあげにいくのよ」
翠星石「そんなこと……なんのためにですか?見ず知らずの他人ですよ?」
ハルヒ「見ず知らずじゃないわよ。見たし、知ってるわ。それに……」
翠星石「それに?」
ハルヒ「あたしはずっと自分がいないと思ってた。その他大勢の一人、自分であることの意味が分からなかった」
翠星石「いきなり何言い出すんですか?」
ハルヒ「番号や記号とどう違うのか分からなくて寂しかった。だから今日までいろんな形で自分を表現し続けた。
    それを見る人がいた。でもまだ寂しかった。本当の意味であたしを見てくれる人なんていなかったから。
    今は違うわ。あたしをちゃんと見てくれる人がいる。だからもう寂しくない。どう思う?」
翠星石「どう思う?って聞かれても……」
ハルヒ「そういう寂しさを知ってるから、あたしにはあの子の気持ちが分かるわ。誰かに見てもらいたい気持ち。
    あの子に必要なのは何なのかも分かるの。あんたは?それとも人形のあんたには分からない?」



翠星石「むッ……! 分かりますぅ!! 翠星石には蒼星石がいつも一緒にいてくれて、何をする時も一緒で、
    今は……今は…ひくっ……もう蒼星石はいないけど……いなくなって……ぅっ、でもっ……
    翠星石の心の中には……ぅぅっ……今でも一緒にいてくれるから……寂しいけど……んくっ……
    ぅっ…寂しいけど寂しくないんですぅ!……ぅぅう…うっうっ…うああぁぁん!ふぅわあああぁぁん!」
突然ハルヒのスカートにしがみつくと顔をうずめ、大声をあげて泣く翠星石。
驚いたハルヒは、しばらく翠星石に見とれていたが、やがて小さなため息をつくと、
泣きじゃくる翠星石の頭をそっと撫でた。そしてほんの少し顔をそむけてつぶやいた。
ハルヒ「なんか……マ、マズイこと言っちゃったみたいだから……そっ、それは謝るわ」
翠星石「うううぅぅ…寂しいですよぅ蒼星石…ぅうっぅぅうわあああぁぁん!!」
泣き続ける翠星石に困ったハルヒは口をアヒル型にして考える。
ハルヒ「そ、そういえば最近、部屋にぬいぐるみでも置こうと思ってたん…だっけ。でも手頃なのがないのよね…
    ぬいぐるみじゃなくて、に、人形でもいんだけど…いいのないかしら…何なら妹…でも構わないわ……」
翠星石「……うぅうぅっ…うっ…うっ……」
泣きやんだ翠星石は、ハルヒの足にしがみついたまま見上げる。
おもむろにスカートの裾をつかむと、
翠星石「ちーんッ!!!!」
ハルヒ「ちょっ!!なに鼻かんでんのよ!!サイッアク!!」
翠星石の頭を小突くハルヒ。
翠星石「いてっ」
ハルヒの方をじーっと見上げたあと、翠星石はぷいっと背を向け、
翠星石「こっちから現実世界に行けますハルっ……ハル…姉……」
そう言ってハルヒのスカートを引っ張りながら歩き出した。



とある廃屋の浴槽で、茫然自失の表情を浮かべているアスカ。
そこに黒服サングラスの男が二、三人近寄ってきた。
黒服1「惣流・アスカ・ラングレーだな? おい、連れてけ」
黒服2「はっ」
歩く気力の無いアスカは引きずられるようにして浴槽から連れ出された。
しばらく歩いたところで、黒服たちの前に、一人の少女が立ちはだかる。
ハルヒ「ちょーっと待ったァ!!」
黒服2「なんだお前は!?」
ハルヒ「ふんっ!そんな怪しさアピールしまくりの格好したやつらに名乗る名前なんてないわ!」
黒服1「構うな。行くぞ」
ハルヒ「そうはいかないわよ、翠!」
翠星石「ハイですぅ!」
ハルヒの呼び掛けにこたえ、翠星石は黒服たちの後ろから、アスカを引っ張っていた一人に飛びかかり、
膝蹴りを後頭部に命中させる。
翠星石「 う っ し ! ! ! です!」
その黒服が倒れると、上に真っ黒な霧のような空間が浮かび上がる。
翠星石「こっち!早く!」
黒服1「なっ……!?」
呆気にとられる他の黒服をよそに、アスカの腕を担ぐハルヒ。
ハルヒ「ほら!ちゃんと立ちなさいよ!!」
アスカ「触んないで……誰よあんた放っといてよ……」
ハルヒ「ごちゃごちゃうるさい!」
翠星石「急いでぇ!!」
アスカを背負うと、黒い空間にハルヒが飛び込む。続いて翠星石も飛び込むと、
その空間が一気にしぼむ。
黒服1「!!?」
ハルヒたち三人は、その場から跡形もなく消え去った。



再び夢の世界。
アスカ「どこ……?ここは……」
ハルヒ「夢のセカイよっ!素敵でしょ?」
アスカ「……たくさん扉があるけど……何?」
ハルヒ「夢の扉。扉の向こうにその人の夢があるみたいなの」
アスカ「意味わかんないけど……夢の世界だもんね。それなら普通のことね……」
ハルヒ「あんた名前は?」
アスカ「……あれ?夕方公園で会ったわね……夢にまで出てきて……」
ハルヒ「そうよ。で、名前は?」
アスカ「アスカよ。惣流・アスカ・ラングレー……」
ハルヒ「アスカね。あたしは涼宮ハルヒ。こっちの子は翠星石よ」
ハルヒの後ろに隠れていた翠星石は、ちらっと顔をのぞかせてアスカの方を見ると、
またすぐにハルヒの背中に隠れてしまった。
アスカ「なんなのこの夢は……」
ハルヒ「……ママに、見て欲しいの?」
その言葉で眉間にしわを寄せるアスカ。
ハルヒ「アスカの夢を覗かせてもらったわ。頑張ってる自分を、落ち込んでる自分を、
    ママに見ていてほしいの?ママに褒めて、慰めてほしいの?」
アスカの眉がぴくりと動き、目を大きく見開いてハルヒを睨みつける。
アスカ「……何が……分かるのよ。あんたなんかに何が分かるのよっ!!? あたしは自分のために生きてるの!!
    大勢の人の中からエヴァのパイロットに選ばれて、みんなあたしを見てくれる!!あたしが活躍すれば
    みんなが喜ぶの!!あたしの努力は報われてきた!!でもそのためにやってきたわけじゃないわっ!!!
    誰かに褒めてもらいたいんじゃない!!自分で自分を褒めてあげたいから頑張ってるのよ!!!
    誰の慰めもいらない!!!!あたしは一人で何でも乗り越えられるもの!!!これまでもそうしてきた!
    これからだってそうよ!!!!何も知らないくせにっ!偉そうなこと言わないで!!!
    なんなのよこの夢は!!?もう最悪嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌嫌嫌嫌嫌イヤイヤイヤァァァッッ ッ!!!」



叫びながら頭を掻きむしったアスカは乱れた呼吸を整えると、急に脱力感に襲われた。
アスカ「ママなんて……もういないのよ……あたしは、一人で生きてるわ……
    エヴァのパイロットになって……それがあたしの誇り……、エヴァに乗ることが生きることなのよ……
    別にママは関係無いわ……あたしの問題だもの……あたしが……」
ハルヒの後ろから翠星石がそっと歩いてアスカの近くに寄ってくる。
翠星石「お前のママはいなくなってないです……」
アスカ「ママはいなくなったわ。あたしを見ようとせず、あたしを置いていなくなったわ……」
翠星石「お前の心に今もいるんです……」
アスカ「……」
翠星石「翠星石には蒼星石という双子の姉妹がいました……いつも一緒、何をするのも一緒の姉妹が……」
アスカ「……」
翠星石「でも、蒼星石は二度と目覚めないかもしれない……翠星石を一人残して……」
アスカ「……あたしと、一緒ね……」
翠星石「違います」
アスカ「……」
翠星石「翠星石の心の中に今でも一緒にいてくれます。それに……」
アスカ「……」
翠星石「今は、翠星石と一緒にいてくれる……翠星石を見てくれる姉がいるんですぅ!」
アスカ「……」
翠星石「心に大切な蒼星石がいて、隣に新しいハル姉がいる翠星石は、
    自分の弱さから、ママから目をそらすお前とは違いますぅ!」



アスカ「ママなんて……あたしは一人でも……一人だわ……」
ハルヒ「そうよ。あんたは一人よ。あたしも一人。世界の中の一人。誰とも変わらない。あたしじゃなくてもいい。
    自分て何?あたしはあたしよ。そう思っても誰も見てくれない。あたしじゃなくてもいいんだから。
    ならあたしって何?誰も見てくれないなら何のためにいるの?誰かが見てくれなきゃあたしなんていない。
    ……あたしは何年もかかったけどそれに気付いたわ。本当に見てくれる人がいる。だからあたしがいる。
    あんたは?今のあんたを見てくれる人はいる?今のあんたはそこにいるの?」
アスカ「……もう……いないわ……エヴァに乗れないあたしなんて、誰も見てくれない。最初からあたしなんて
    いなかったのかもしれない。だからもういいのよ!!どうだっていいでしょ!?
    早く覚めてよ何よこの夢!?何にもいらないしもう何もないのよ!!!
    ああああぁあぁあぁあああぁあああああぁあぁあああああぁぁぁああぁあ!!!!」
断末魔のような声を張り上げるアスカを、ハルヒは突然ぐっと強く抱き寄せた。
ハルヒ「あたしは、あんたのママにはなれないわ。でもママにはできないことをしてあげられる。
    ……ねぇ、アスカ。笑いなさいよ。あたしは、アスカの笑顔を見ていてあげる。それしかできないけど、
    しっかり見ていてあげるから」
いつのまにかアスカの叫び声は止み、その頬を涙がつたい落ちていた。



はっと目を開けると、天井に違和感。アスカは、すぐに自分が知らない部屋にいると分かった。
寝起きでぼーっとする頭は、内側の方からゆっくりと覚めてくる。
アスカ「あれは……夢だったの……?」
部屋を出ると、やはりリビングにも見覚えがない。ここは知らない家だ。だが、
アスカ「なんであんたたちがいるの?」
そこには見覚えのある二人がいた。
ハルヒ「あらおはよう。あたしだって分かんないわよ!翠のヤツがミスったんじゃない?」
翠星石「違いますぅ!!翠星石にもよく分からないですぅ……夢の世界からは帰ってこれたのに、
    何でこんな知らない家に来たのかさーっぱりですぅ」
ハルヒ「まっ、いいじゃない。鍵だってちゃんとあるし。あたし一度でいいから姉妹だけでこういうとこに
    住んでみたいと思ってたのよね!だから何も問題ないわ!」
翠星石「ハル姉の言う問題ないは世間の常識には通用しないですぅ」


アスカ「なんであたしもここにいるのよ?」
ハルヒ「連れてきたからに決まってるじゃない!!今日からあんたはあたしの妹よ!う~ん、そうねぇ……
    やっぱ見た感じ翠が末っ子っぽいから、アスカが次女、翠が三女ね。決まりよ!」


アスカ「……このご飯は何よ?」
ハルヒ「あんたの朝御飯に決まってるでしょ!?」
アスカ「あたしパンがよかった……」
ハルヒ「文句言わないの!あーもう遅刻しちゃうっ」
翠星石「そうですぅ。ハル姉様が作ってくれた料理ですぅ。ありがたく食いやがれですぅ」
ハルヒ「じゃ、あたし学校行ってくるわね!」
アスカ「あ……! 待っ……」
ハルヒ「ん?なに?」
アスカ「えっ……と」
ハルヒ「もう、なによ?急いでんのに!」
アスカ「……ハ……ハルね…ぇ……、ハっ、ハル姉!……っ。髪型変よ?」
一瞬驚いた顔をしたハルヒは満面の笑みで答えた。
ハルヒ「ちっちっ。時代はポニテ萌え、よ?」


ハルヒが玄関を出ていった後、アスカが翠星石に聞いた。
アスカ「あれポニテなの?」
翠星石「違いますぅ。あれはちょんまげですぅ」


3日目スレ101さんのSSに影響を受けて作成されたSSです。