13 童話 しもさんと愛のテーマパーク

前回のお話:あかほしはきょうもげんきに走りまわっている。

※このおはなしは フィクションです とうじょうするじんぶつだんたい(ry


 ながいながい冬もおわりが近づき、はんしん村のめんめんは外にでて かつどうするようになりました。

なつばに ちんたらしてたツケがきて、すっかりしょくりょうのびちくが なくなっていたあにきかねもとは、

きょうも、にっかである とりたにの しょくりょうそうこあさりをしようとした その時でした。


 あにきかねもとのゆうびんうけに、なにやらてがみが入っていたのです。

あにきかねもとは、それを手にとって なかみをすぐにみました。

そこには、「シモラガーランドごしょうたいけん」とかかれたかみが はいっていたのです。

「なんや、これ。」



 『はんしん村のみんなへ。

  みなさんには、ふだんからおせわになっていますね。

  ぜひとも せんじつわたしがかいてんした『シモラガーランド』にしょうたいさせてください。

  かならずやみなさんを、ゆめとかんどうのせかいにひきずりこんでみせます。

                                         シモ    』



 あまりにこぎたなく、かぎりなくあやしかったので、やぶりすてようとしたそのときでした。

「あ、あにきかねもとのところにもとどいていたんですか、これ。」


 そこに、おなじかみをもった とりたにがすがたをあらわしました。

「おうとりたに。なんなんやこれは。」

「かみですね。」

「おーいシモー。」


 それはさておき、そのなぞのしょうたいけんは、村じゅうの人々のゆうびんうけに入っていました。

ゆいいつ、さいきんひっこしてきたジョニキのところには はいっていませんでした。


 これはよだんですが、なぜかジョニキがひっこしてきたときから、しもさんは何かが気に入らない様子で あくたいをつきまくっていました。

かじょうに やのにボディタッチをする、あいさつをしない、(とりたにの)のうさぎょうどうぐを投げるなど、しもさんはあれていました。

 しまいには、すれちがいざま あいさつどころか、ジョニキにたんをはきすてる というしまつ。

しもさんはとジョニキは けんえんの仲でした。


 あにきかねもとも、しもさんの かずかずのあくたいは、村のふうきにかかわると思いました。

そこであにきかねもとは、しもさんをたき火にさそい、小一時間せっきょうをしました。

が、しもさんは

「チッ・・・ッせーな・・・反省してまーす」

と、あきらかに反省していないたいどをとるばかり。


 そんなこんなで 今回もあきらかにはぶにされ ふてくされたジョニキは、気晴らしに おなごをかこってにやにやと遊んでいました。



 みなが そのなぞのしょうたいけんをもち、どう判断するかきめるため 村のしゅうかいじょにあつまりました。

まゆみ村長いわく、ちかごろきんじょに、なぞのきょだいしせつができていて、そこにしもさんがよくでいりしていた、というのです。

きっとそれがシモラガーランドというところなのでしょう。




しかし、そこはかとなく あやしいそのばしょに、みずからホイホイついていくやつは いるのでしょうか。

いいえ、いません。


でも、しもさんが わるぎがあってこんなかみをくばっているわけではないことは 村のみんなもわかっています。

そうです。しもさんには、すむいえも わるぎもないことは、みんなわかっているのです。

そう、すむいえが、ないことは。


 このみんなにくばられたしょうたいけんをどうしようか、いくべきか いかぬべきか。

しもさんをつかまえて きいてみるべきか。

かっぱつないけんこうかんが ながいあいだ かわされました。



 「そうだ!」

その中で、いまのいままで ちんもくをつらぬいていたつらいさんが、なにか ひらめいたかのように叫びました。


 「『辛い』という文字も、あにきかねもとのフルスイングによる一閃をたすことによって、『幸い』という文字になりますよ!!」

つぎのしゅんかん、つらいさんは あにきかねもとのフルスイングで こうとうぶをきょうだされ、しあわせそうにじめんと せっぷんしていました。

「キスでもしてんだな・・・。じめんさんと、ねつれつなやつをよォ・・・。」

そういうとあにきかねもとは、たきびのじゅんびをはじめました。


 そうこうしているうちに、まぁわるいことにはなるまいということで、いちどうは シモラガーランドにおとなしく 出頭することにしました。

村から30分ほど歩いたところに、それはありました。


「ようこそようこそ、よくきてくれましたね、シモラガーランドへ。しはい人の しもやなぎです。今日一日、たのしんでいってくださいね。」

そこには、いつもとかわらぬかっこうをしているしもさんのすがたがありました。


あにきかねもとは、「しもさんって、しもやなぎっていうなまえなんだ。」と思いました。


 えんないに入った めんめんをでむかえたのは、おそるべきこうけいでした。

きょだいな犬のきぐるみが、こぎたないおっさんのむなぐらをつかんで おなかをなんどもなんども おうだしているのです。


「おいおっさん、もういちどおれのしんろで寝ていてみろ、つぎのたきだしは ないとおもえ。」

「ひぃ、す、すいません!」

犬のきぐるみが手をはなすと、おっさんはいちもくさんににげだしました。


「なんなんだ、あれは・・・。」

おもわずあかほしがそうつぶやくと、しもさんはニッコリとわらい

「あれは、シモラガーランドの主人公マスコットキャラクター、ラガーです。」

といいました。


 それいがいにも あたりをみまわすと、すわって休むはずのベンチは、そのほとんどが さっきのようなおっさんの ねどことかしていました。

これでは すわってきゅうけいもできません。

あぜんとしているいちどうに、しもさんが

「さぁ、さいしょのアトラクションにつきましたよ」

と こえをかけました。


「さいしょのアトラクションは、ダンボールハウスです。」

しもさんがゆびをさすほうには、いぜんもてなしてもらった ダンボールハウスがありました。(2話参照)

「さぁさぁ、みなさんはいってください。」

しじされるがままに みんなが入っていくと、7人目でダンボールハウスははれつしました。とうぜんのけっかです。


 はれつしたダンボールハウスをみて


あぜんとするしもさんでしたが、すぐにきりかえました。

これしきでへこたれていては、たにんのしょくりょうは うばえないのです。いきていけないのです。



「つぎのアトラクションは、ダンボールキャッスルです。」

そこには、さきほどのダンボールハウスよりもすうだんおおきな、それはもうおしろのような大きさのダンボールのおしろがそびえていました。

とりたにが なにげなく かべに手をついていると、ちょうど手のぶぶんとかさなって なにかが かいてあることに気がつきました。


『うしろを振り向いた時 おまえは…


                       すまんな。』


ガオン!!

ついふりむいてしまったとりたにでしたが、とくになにもおこりませんでした。

しいてあげるなら、「mizuno」とかかれた なぞの 黒いかわのようなものが おちているだけでした。 


 はんしん村のめんめんがつきすすむ ダンボールキャッスルの中は、ニット帽とながいひげがにあうおじさんたちが 足にまとわりついてきて、

「なにかくれよぉぉぉぉ!!」

とせがんでくるという なド迫力アドベンチャーアトラクションでした。



「つぎのアトラクションは、スプラッシュダンボールです。」

それは、さきほどの犬のマスコット、ラガーがあらわれ、つぎつぎとダンボールハウスをはかいしていくこうけい。

はたして、珍百景とうろくなるか。


 中にいた人たちは、いちもくさんに中からとびだし

「ラガーだ!ラガーがきたぞー!!」

とまわりにけいかいをよびかけつつ、にげまどっていきます。

そんなものはおかまいなしに、ラガーの手によってつぎつぎととびちるダンボール。

【ラガー襲撃記念】しもせん【飛び散るダンボール】


 もはやだれもラガーをとめられない―。みんながあきらめかけたそのときでした。

しもさんがきゅうに、きもちがわるいテンションにはやがわりして、

「そうだ、こんなときは まほうしょうじょ めぐちゃんをよぼう!」

と叫びだしました。その名前は、とりたににとってトラウマでしたが、みんな そんなことしるよちはありません。


「「「「めーぐちゃーん!!」」」」

みんながなぜかノリノリでさけんだけっか、なんと自分たちの目の前には!

「まほうしょうじょ、メグドリルさんじょう!!私、ラガーをたおします!必ずたおします!」

いかにもな まほうしょうじょのかっこうをした、ひらのアゴドリルがいました。


 メグドリルは、ラガーのくりだすこうげきをかわしつつ、ピンポイントでズドンズドンとラガーにアゴドリルこうげきをくわえていきます。

しもさんは、ねつのはいったひょうじょうで

「がんばれっ・・・!!がんばれめぐちゃんっ・・・!」

と、こぶしをにぎっています。



ラガーはメグドリルのこうげきにたじたじ、ついにはしっぽをまいてにげていきました。

「やった!さすがめぐちゃんだぜ!俺たちにできないことをやってのける」「そこにしびれるあこがれるぅッ!!」

さっきまでにげまどっていたおっさんたちも、足をとめてめぐちゃんにかけより 熱いしょうさんをあびせます。


めぐちゃんは、はげしいたたかいにより きずついていました。

しもさんがさけびます。

「おうとりたに!めぐちゃんに、ふっかつのほうようや!」

よばれたとりたには めぐちゃんと目が合いました。そして―。


とりたには ずつうとはきけをうったえ、きたくしました。

とりたにたかし、再起不能(リタイア)―。


「メグちゃん、だいじょうぶかい!?」

「きずはあさいよ、しっかり!」

みながしんぱいしてかけよったそのときでした。


「ジョー・バズーカ!」

どこからともなくかかった とつぜんのかけごえとともに、あたりいったいがふきとびました。

なにがおこったのでしょう。いちなんさって またいちなんとは このことです。


つちけむりが、まわりをおおいつくします。

ようやくけむりがはれたとき、そのむこうにあにきかねもとは 一人の男がたっているのを見ました。

「ジョ・・・ジョニキ・・・。」


 そう、女とあそんでいるさいちゅう、がまんしきれずに けんじゃタイムをむかえてしまったジョニキは、

じぶんだけが のけものにされているげんじつに とつぜんげきどし、シモラガーランドをこわしにきたのです。


とびちったおっさんたちが いたみにうめきごえをあげています。

「おい、しもさん!これもアトラクションのうちなのか!?」

しかし、こたえはきこえませんでした。


しもさんは、きゅうにすがたをけしました。

「しもさん?しもさんはどこだ!」

みんなが、しもさんがどこにいったかあたりをきょろきょろしていました。


ジョニキは、ひょうじょうひとつうごかさず すがたがみえないしもさんにむかって こう言いはなちました。

「おれが思う たしかなことは シモ! てめーのつらを次みた瞬間 オレはたぶん… プッツンするだろうということだけだぜ!」

なんということでしょう。

しもさんは、まるで時間をとめていたかのように、いっしゅんでジョニキのずじょうに いどうしていました。

その手には、ラガーがかかえられています。


「クククッ!あいけんラガーだッ!」

しもさんは ラガーをりょうてにつかみ、じょうくうから おもいっきりジョニキにぶつけにいきます。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

それに対し、はげしいこぶしのつきで押し返そうとするジョニキ!

「もうおそい! 回避不可能よッ! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーーーーーッ」

ラガーをはさんだ、はげしいこぶしの繰り出しあいがまきおこります。


「オラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァーーーーーッ!!」

ブシュウウウアアアアアアアアアア!!!

【ジョニキ襲撃記念】しもせん【飛び散るラ●ー】

そして、りょうしゃのはげしいたたかいの果てに―。



 数時間後。

しもさんがおおきななべをかかえて、シモラガーランドのじゅうにんたちの方にむかっていきます。

じゅうにんたちは しもさんのもつなべのはなつ いいにおいにつられて、かけよっていきました。

「おぉー、きょうのメシはなんなんだい、しもさん!」

「きょうのめしは、ごうかけんらん、とくせいラガーなべだ!!」



その後、はんしん村にぶじ きたくした 村のめんめんだったが、しばらくは声をはっする者さえ いなかったという。


そのなかで、ひらのだけが とてもいいえがおであったという。


                おしまい。

後日・・・

テーマパークとしてまったくなりたっていないシモラガーランドは 3日でへいえんした。

しもさんはもとのせいかつにぎゃくもどり。

はんしん村のめんめんの心に おおきなきずだけを のこした。

ひがいしゃのひとりのあにきかねもとは ひきこもりがちになってしまい、

むらのけいじばんにつらいさんのわるぐちをかくのが ゆいいつのたのしみになってしまった。

ttp://ameblo.jp/tomoaki-kanemoto/

参考サイト↑

しかし、あにきかねもとにかまってもらっていると かんちがいしたつらいさんが、またしてもそうどうをおこす。

そのすがたに きょうかんをえた謎の男、ガッツとつらいさんはじょじょに接近していくのであった・・・。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2010年03月11日 20:52
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。