12 童話 はしれあかほし

ぜんかいのお話:
よこはま村のめんめんが やきにくパーティーでたいへんなことになったが
じつは それはつらいさんの夢だった。
あにきとふたりだけのせかいを築こうとしたものの、まっていたのはげんじつっ・・・!そう、げんじつだっ・・・ぜんぶっ・・・!
とうのつらいさんは、いまだにゆくえ不明!
いいかげんに あやしい水をのむのをやめろ!




ことしのしゅうかくも ぶじ終わり、やることもなく ちんたらさんぽしていたあかほしは、

気がつけば おりっくす村にきていました。

ちかごろ どんでんがおりっくす村に ひっこしたとはきいていましたが、

こんなにきんじょにあるとは 思いませんでした。


しばらく おりっくす村をさんぽしていた あかほしの耳に、きれいなうたごえがとどきました。

あかほしは、そのこえがきこえるままに、ほいほいとついていきました。


しばらくあるくと、そのうたごえは 丘の上の家からきこえていることがわかりました。

あかほしが、しばらく 家の前でたたずんでいると、歌はやみ、かわりに かみひこうきがとんできました。

それは風に乗り、ふわりふわりと空をとび、あかほしの前にぽとり、と ぶじちゃくちしました。


かみひこうきには、なにやら文字がかいてありました。

いけないと思いつつも かみひこうきをひらくと、そこにはうたごえのぬしである人がつづったであろう、てがみがかかれていました。


 「このてがみをひろった 人へ。

   私は うたうことがだいすきです。

   でも、わたしはびょうきで このへやから いっぽもでることができません。

   私は、じぶんのうたを もっとたくさんの人に きいてほしいのです。

   よかったら、また わたしのうたを ききにきてください。

                                かねこ ちひろ  」


あかほしは、このてがみをみて この(たぶん)女の子に すこしでも力になりたい と思いました。

しかし、てれやのあかほしは はずかしくて 家に入ることができません。

そこで、あかほしは たまたまなぜかもっていた習字セットで、てがみの返事をかいて、家にむかってかえしました。

あかほしの肩では ぎりぎりでしたが なんとか家に入ったもよう。


かみひこうきをかえしたあと、またしばらく うたごえがつづきました。

それは、さむさもわすれる とてもきれいなうたごえでした。


しばらく、ちひろちゃんと へんたいストーカーぶんつうまがいのことをしていたあかほしでしたが、

ある日、こまったことになってしまいます。

何にこまっているかというと、少女に じっさいにあって お話がしたい、といわれてしまったからです。


え、なんで?じっさいにあえばいいじゃん。なんなのwwwwwリア充乙wwwwwww

って思うでしょうが、あかほしには あえないりゆうが ありました。


そうです。

あかほしは、てがみでじぶんのことを

高身長高収入、村のリーダーで 剣道7段柔道6段100メートル走は7秒2、シュミは料理とギター、

首が頑丈でヘルニアとは無縁、今は世界中を飛び回っていて、もうすぐイタリアに行くetc...etc...

などなど、ありもしないことを 少女にいってしまったのです。

さらには、じぶんは ダイアモンドのまじゅつしとよばれているだとかうんたらかんたら。


こまりはてたあかほしは、じぶんに会うのをとてもたのしみにしている 少女のゆめをこわしてはいけない と思い

なぜか こうはいのとりたにに、じぶんのかわりに その少女に会いに行くよう おねがいしました。

まぁ、あかほしよりは高身長ですが。


しかし とりたにには

「じぶん、今じゅうたくかんけいで もめてるんスよねぇ。」

と ことわられてしまい、とほうにくれていました。


「その話、わしにまかせとけ!」

うしろから なにものかがきゅうに ヘッドロックをかけてきたと思ったら あにきかねもとでした。


「おうあかほしよ、そんな話わしにないしょにしとくなんて みずくさいやんけ!

 あんしんせいや!わしがおまえのかぶを ぐっとあげたるからな!!!」

あかほしはぜつぼうしました。まさかあにきかねもとに きかれているなんて・・・。


というわけで、あにきかねもととあかほしは 少女の家のまえまでやってきました。

「くれぐれも、よけいなことは言わないでくださいね!!お見舞いしたらすぐ帰ってきてくださいね!!」

念をおすあかほしに、「わかっとるわ!!」と あいさつがわりの チョークスリーパー。

あかほしはふかいねむりにつきました。


あにきかねもとは ずかずかと家に入っていきました。

すると 少女の母らしきじんぶつが でむかえてくれました。

「あらあら、あなたがあかほしさんですか?むすめからお話をきいていますよ。

 なんでも、せかいじゅうに会社をもち、石油もほりあてたんですってね、ウフフフ」


 あにきかねもと「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


あにきかねもとは ひっしで こみあげてくる笑いをこらえました。

あかほしから きいていた以上のスケールで 話はすすんでいたからです。

母親に むすめのへやをあんないすると 「むすめを げんきづけてあげてください。」

とおねがいされました。


へやにはいると それはそれは かわいらしい まさしくはっこうのび少女が ふとんの上で 外をながめていました。

「ちひろ、あかほしさんがおみえよ。」そう母にしょうかいされたので あにきかねもとは じこしょうかいしました。

「わしが あに・・・あかほしや!!フルイニングとうびょうせいかつごくろうやで!!」


「あ、あなたが あかほしさん?」

なにか、『そうぞうしていたのと まったくちがうわ。』とでもいいたげなかおで 少女はあにきかねもとを見つめました。

「あかほしやゆうてるやろ!!そや、これ みまいのしなや!」

そういうと、あにきかねもとは 少女につらいさん人形を わたしました。


つらいさんにんぎょうは もっているだけで まんせいてきなようつうに さいなまれる、ファンタジーなしろもの。

ちなみにあかほしが 少女にへ、と あにきかねもとにわたした みまい品は すでに食べてしまったのでありません。


「わ・・・わぁ。ありがとう(ぼうよみ)」

すると、少女のびょうじょうが きゅうにあっかしました。

あにきかねもとの うつわのでかさに 神、いわゆるゴッドをかんじてしまったのでしょう、

少女のずのうでは しょりしきれなかったのです。


「ちひろ!!?ちひろ!!?しっかりしなさい!!」

母親は すっかり気がどうてんしていました。

すぐに いしゃがかけつけましたが、むずかしいびょうきなので

ちりょうには とくべつなやくそうがひつようである、と言いました。


そのやくそうは、『グリーンウェル』というやくそうで、ろっこう山のちょうじょうにのみ はえている まぼろしのやくそうなのです。

母親のこえでめをさまし、それをきいていた あかほしは、すぐさまろっこう山に かけだしました。

グリーンウェルをさがしに、あかほしのぼうけんがはじまりました。


ろっこう山は はんしん村やおりっくす村から遠くもないところにある山です。

ほどなくしてあかほしは ろっこう山にたどりつきました。

しかし、ろっこう山には おおくのとらとうが いきをひそめているといいます。

もしまちがって つかまろうものなら、にどとかえってこれないでしょう。そしてきっこうしばりにされてしまうのでしょう。

あかほしは、それでも走り出しました。


「おぉーっとぉ!!ここはとおさねえぜ!!フヒヒヒッヒヒwwwwww」

さっそくとらとうの人にからまれました。

しかし、あかほしは もちまえのぬすみのテクで とらとうの かはんしんのいふくを、いっしゅんでうばいさり

そのすきをついて 走りぬけました。


いっぽうそのころ、あにきかねもとは ちひろちゃんのいえで おちゃがしをもらって くつろいでいました。


とちゅうでなんどもころんだり、まちがえて キンケードとかいうどくのくさをつんでしまったりしましたが、

なんとか ろっこう山のちょうじょうまで たどりつきました。


しかし、なんということでしょう。

ようやくみつけたグリーンウェルは、ほとんどが じぶんのはっぱの重さで 折れてしまっているではありませんか。

そうです。グリーンウェルがまぼろしのやくそうといわれるゆえんは

せいちょうすると みずからおれてしまうという いみふめいな はかなさからのものだったのです。


あかほしは いそいでぶじなグリーンウェルをさがしはじめました。

なんほんか 手に入れましたが、どれくらいひつようなのかをきくのを忘れていたため、どうすればよいかわかりませんでした。

そうこうしているうちに 10本ほどみつけたので、かえろうとした そのときでした。


「マテ・・・」

じごくからの うめきごえのようなこえがきこえたので、ふりむくと そこにはつらいさん?が 木からぶらさがっていました。

「オメェ オデノ グリーンウェル カエセヨ・・・」

しかし ようすが じんじょうではありません。


しかし、つらいさんがふつうだったことは かこに一度もないので、あかほしはとくにおどろかずにすみました。

そして、こんなときのためにもっておいた あにきかねもとのブロマイドをちらつかせ、ちょうじょうのがけからなげました。

すると、つらいさんは ものすごいかけごえとともに がけからおちていきました。


「ちょろいぜ・・・。」

あかほしはそうつぶやくと、いちもくさんにかけだしました。


そのころ あにきかねもとは、もうおそいのでということで 家をおいだされそうになっていました。

(まだぜんぶおかしたべてないから)アカン。といいましたが、ふつうに追い出されそうでした。

あたりまえです。


そして、少女のようだいが ますますわるくなり、気をうしなってしまったころ、

あかほしが はぁはぁいいながら へやにかえってきました。

「グリーンウェルを とってきました!!」


母親は(・・・だれだこいつ・・・)とないしんでおもいながらも、

リアルあかほしにかんしゃしつつ グリーンウェルをうけとりました。


すぐにいしゃが グリーンウェルをちょうごうし、ちひろちゃんは みるみるよくなっていきました。

そして 少女がめをさましたころ、あかほしとあにきかねもとは こつぜんとすがたをけしていました。


「あら、お礼を いおうとおもったのに、もういないわ。」

母親が そうつぶやくころ、とぼとぼとあるく ふたつのかげが。 

あかほしは

あのこにうそをついたぼくには あのこのうたをきくけんりなんて、もってねぇんだよこのやろう―。

そうつぶやいて、目にひかるものをみせながら、はんしん村にかえっていきました。


一ヵ月後、そこにはげんきに外でうたう かねこちひろちゃんのすがたが。

どんでんはしったふうな口で

「はじめから せんぱつのほうがいいっておもってたよ。アカンわ、おさえなんかやらしたら。」

と、よくわからないことをつぶやいていたので さかぐちに へんな目でみられたという。


おりっくす村のほうがくから かすかにきこえてくる 美しいうたごえを聞きながら。

あかほしは

『こんどは うそをつかず、せいせいどうどうと ありのままのじぶんで しょうぶしよう。』

と思ったのであった。

たとえそのけっかが 良くないものだったとしても きっといつか みのる日がくるはずだ、と。


そしてさらにごじつ、ちょうしにのったあにきかねもとが、もういちどちひろちゃんの家に くつろぎにいったところ、

「この人 あかほしさんじゃない」という ちひろちゃんの一言で つうほうされ、

ポリスに たいほされかけたという。


どくしんあかほしの さみしいどれい生活は まだまだつづきそうである。


おしまい。

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最終更新:2009年12月08日 21:27
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