CCTP(クラウドコンピューティングトライアルプロジェクト)

(計画書:http://www.ieice.org/~swim/jpn/CCTPPlan.pdfの要約版)
1.プロジェクトの目的
(1)エンタープライズ用途(ビジネス系、含む非営利系)の情報システムにとって、クラウドコンピューティングは次世代経営情報技術として本命になりうる画期的技術なのか、単なるバズワードに終わるのか、学会研究会として、不偏不党の第三者的、かつ学術的立場から、見極めること。
(2)エンタープライズ情報システムにおけるデータそのものやデータ処理方法は、まさに企業の魂であり、生命線ともいえる。行政などでは、個人情報の保護が欠かせない。それらを外部にゆだねることの不安やリスクとひきかえに如何なるメリットを享受しうるかを見極めること。
(3)もし本命になりうる技術ならば、リレーショナルDBの多様な検索の不使用や粒度の大きいACIDトランザクションの不使用など、従来の分散システム構築方法の常識を覆す可能性があり、クラウドコンピューティング技術をエンタープライズ情報システムへ適用するための実践的ノウハウ(実践的知見)を獲得することが、エンタープライズ情報システムの構築技術者(あるいは企業)にとって、重要かつ喫緊の課題であり、実践的ノウハウを獲得すること。
上記のため、SWIM研究会が推進するプロジェクトとして、複数参画者で構成する集団的研究活動を行うこととしたい。産学の多くの方々の自発的かつ積極的な参加をお願いします。
 
2.プロジェクトの進め方
     プロジェクト計画の策定
     プロジェクト体制の確立
参加者の募集、ステアリング委員会、要件定義WG、構築WG、評価WGの立ち上げ
     共通仕様としての要件定義の確立(要件定義WG
ビジネス系の要求仕様書(要件定義書、要求定義書、システム要求仕様書、システム仕様書)を要件定義WGメンバーの間で検討し、確立する。
     プロトタイプ構築(構築WG
上記の共通の要件定義にしたがって、参加者は、サービス提供者を選別し、プロトタイプを参加者個別に構築する。ただし、参加者の自発的判断であり、構築は義務ではありません。
     評価作業(評価WG
プロトタイプ構築によって得られたノウハウをお互いに持ち寄り、得られたノウハウの整理を行い、共通のノウハウをまとめる。(Give & Takeの精神。共通の仕様をサービス提供者各社の機能を用いて実験し、それを持ち寄りノウハウを総合・共有することは、個別の研究活動では困難、ゆえに集団的研究活動が必要。 


3.マイルストーン
     プロジェクト計画書発行、参画者の応募、(メール、HP       2009/12
     プロジェクト計画書の意見公募(Request for Comment   2010/1     
     参画者の確定、参画者が事前調査を完了、                           2010/2
     プロジェクト計画書の公開、意見収集、改定完了、                 2010/3
     プロジェクトスタート、                                                                 2010/4
     要求仕様書、不明点の解決、                                                   2010/5
     各社のクラウドコンピューティングサービスの疑問点解決、   2010/6
     各参画者の情報システム開発完了、                                       2010/8
     成果の評価、とりまとめ、                                                          2010/9
     成果の外部発表(例えば案、CEATECでのチュートリアル)、2010/10
     成果の検討、議論、今年度のまとめ、                                      2011/2

4.参考文献
(1)        「日経コンピュータ」200992日号、特集:グーグル 次の一手
(2)        情報処理学会誌 200911月号(「情報処理」 Vol.50 No.11
特集:クラウドコンピューティング
(2)-1
丸山不二夫「クラウドの成立過程とその技術特徴について」
(2)-2中田秀基「Googleのクラウド技術」
(2)-3石田愛「Amazon EC2
(2)-4藤田昭人「クラウド技術とオープンソース」
(2)-5首藤一幸「スケールアウトの技術」
(2)-6山下哲也「クラウドとモバイルデバイス」
(2)-7萩原正義「クラウドアプリケーションの分析と開発手法」
(2)-8浦本直彦「クラウドコンピューティングにおけるセキュリティとコンプライアンス」
・上記のうち、エンタープライズ情報システム開発に最も直接的なものは、(2)-7
・そのための予備知識として、(2)-1から(2)-3(2)-5
・クラウドコンピューティングを有償のベンダーサービスではなく、オープンソースで実現する方法が(2)-4
・クラウドコンピューティングで懸念となるセキュリティを扱っているのが(2)-8
(3)        「日経SYSTEMS」 200912月号 
特集:クラウド革命に備えよう
(4)        ニューヨークだより(IPA)20099
  「クラウドコンピューティングの産業構造とオープン化を巡る最近の動向」
  http://www.ipa.go.jp/about/NYreport/200909.pdf
(5)      クラウド活用による経営システム改革~NECの実践とソリューション~
以下(6)(13)、日経SYSTEMS(3)の紹介資料
(6)        米持幸寿、「クラウドを実現する技術」、インプレスジャパン
(7)        城田真琴、「クラウドの衝撃」、東洋経済新報社
(8)        日経BP社出版局編、「クラウド大全」、日経BP
(9)        Nicholas G. Carr、村上彩訳「クラウド化する世界」、翔泳社
(10)    ()グルージェント、「Google App Engine for Java [実践]クラウドシステム構築」技術評論社
(11)    並河祐貴、安達輝雄、「クラウドAmazon EC2/S3のすべて」、日経BP
(12)    西田宗千佳、「クラウドの象徴セールスフォース」、インプレスジャパン
(13)    マイクロソフトエバンジェリストチーム、「.NET開発テクノロジ入門」、日経BPソフトプレス
以下(14)は、情報処理(2)-2の紹介資料
(14)    西田圭介、「Googleを支える技術-巨大システムの内側の世界」、技術評論社(2008)
以上

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最終更新:2010年02月28日 15:39