「う~寒い寒い寒い、もう、これだからアタシは冬が嫌いなのよ」

スーパーからの帰り道、吹き付ける木枯らしに彼女が体を震わせて愚痴を漏らす。
その両手には、本日の戦利品である特売の箱ティッシュ五箱入り158円の入ったビニール袋をぶら下げていた。
本日の目玉商品であったこの箱ティッシュは本来、お一人様一個限りの品なのだが、
彼女は自分の分とたまたま休暇だった俺の分を別々にレジを通す裏技を使って二個ゲットしたのである。
無論、これはある意味反則技なので、善良な主婦の皆さんはなるべく真似をしない様に。

「冬は嫌いって言うけど、その代わりこたつがあるじゃないか」
「あ、言われればそうね。 なら早く家に帰ってこたつの中で丸まりたいわ。
もう寒い外を歩いた所為で尻尾まで冷えちゃって本当に辛いわよ、もう……」
「そうだな。それに娘が学校から帰ってくるまでまだ少し時間はあるから、家に帰ったらゆっくり出来るだろうし」
「うんうん、あー、早くこたつの中で身も心も温まりたいわー」

あ、そうそう、俺の妻である彼女の名はシルキー、
彼女は元々、俺が八年ほど前まで通っていた大学に飼われていた猫だったりするのだが、
ある日、キOOOな教授の変な薬によって猫耳少女に変化する奇想天外な出来事が切っ掛けで、
あれよあれよと言う間に身も心も結ばれて結婚、そして娘も授かり、今に至っている。
娘は既に小学校に通う年頃、親に似て少々我侭な所もあるが、明るく性格もあって校内の人気は結構な物らしい。
今の時間からすると娘は今頃、苦手な算数の授業を受けている真っ最中であろう。

「あー、寒い寒い寒い寒い! もう、今日は一段と寒いわ、一体なんでなのよ!」
「仕方ないだろ、今日は朝に初雪が降ったって話だし……これからもっと冷え込むかもな」
「うえ、雪が降ったの!?……うわぁ、最悪……」

彼女は元々猫だった所為か、どうやら寒いのは苦手らしく、
冬の肌寒い時期となると、暖かいこたつに入り浸りになってしまう悪癖が出たりする。
が、夕飯時となると彼女自身もお腹が減るらしく、渋々といった感じで料理を作り始めるのだ。
その時は必ずといって良いほど、彼女は

『あ~あ、この時ほど、猫の姿の時は気が楽だったと思う事はないわ。
あの時は何もしなくてもご飯はキミが持ってきてくれてたから、こうやって料理を作る必要もなかったし』

と、愚痴を漏らすのだ。
しかし、そう言いながらも、彼女は創意工夫を盛り込んだ美味しい料理を作ってくれる辺り、
彼女は人間の主婦としての生活をある意味満喫している様である。

「よし、我が家にとうちゃーく! さーて、こたつちゃん待っててねー」
「おい、買った品物は如何するんだよ? 玄関先に放り出しっぱなしは行けないだろ?」
「あ、それはキミに任せた。アタシはさっさと暖まりたいので後は宜しくー」

言って、彼女は我が家に着くなり、尻尾を上機嫌に揺らしながらとっととこたつのある居間へ去って行ってしまった。
やれやれ……買った物を仕舞うのは俺の仕事って訳ですかそうですか、これだから猫ってのは勝手気侭で困る。
と、ここで文句を言ったって始まらない。とりあえず先ずは生鮮食品を冷蔵庫に仕舞わないとな、
今日は結構多く物を買ったから全部仕舞うのは一苦労だぞ、っと。

「シルキー、物は全部仕舞ったぞ」
「うん、ごくろーごくろー、んじゃあキミも一緒に暖まりましょ」
「はいはい、お言葉に甘えさせて頂きますよ」

暫く後、荷物の収納を済ませた俺は居間に入ると
薄ら寒いキッチンで食品を仕舞っていて身体が冷え込んでいた事もあり、
彼女の言葉に素直に甘え、彼女と向かい合わせになる形でこたつに入り込む事にした。
うん、冷え込んだ身体にこたつの温かさが良い感じに染み込んでくる、
やはりこたつは世界に誇れる日本文化と言えるな。

本当はここでミカンも欲しい所なのだが、
元々猫だった彼女と、その血を受け継いだ娘はミカン等の柑橘系の匂いが苦手な所為もあって、
こたつにミカン、と言う取り合わせは我が家では味わえなかったりするのが少々残念だったり

そういえば、さっきから彼女がもぞもぞと何かやっているようだが……何をしているのだろうか?
そんな彼女の妙な動きに俺が訝しげな眼差しを向けていると、彼女はいきなりこたつの中へ潜り込み―――

「とうっ!」
「――――どわっ!?」

俺の居る方へ飛び出すと、俺へ抱き付く様にして身体を軽く圧し掛からせてくる。
無論のこと、この突然の奇襲に俺が反応出来るはずもなく、俺は敢え無く彼女に押し倒されてしまった。

「おい、一体何の真似だよ、シルキー……」
「んにゃ? さっき言ったでしょ? 『君も一緒に暖まりましょ』って」
「ああ、確かにさっき言ってたが……って、まさか、さっき言ったのは性的な意味でか?」
「ご名答! 娘が小学校に上がってからずっとご無沙汰で、いい加減そろそろやりたくなったのよね~」

驚き半分呆れ半分な俺へ言いながら、俺の履いてるズボンをずり下ろし始める彼女。
見れば俺を見下ろす彼女の目は既に情欲の色へ染まり、顔を紅潮させ、更に息も荒くさせていた。
をいをい、マジですか……?

「あのな、まだ昼前だぞ? もう少し後でもいいじゃないか?」
「駄・目・よ! 今やりたいと思ったら即やるのがアタシのポリシーなの、それはキミも分かってるでしょ?」

はい、説得失敗。
どうやら俺の交渉LVは彼女の頑固さを解すには到底及ばない様で。


「だ、だが、やってる最中に娘が帰ってきたら――むぐぅっ!?」

それでも俺は諦めずに説得を続けようとしたが、
その矢先に彼女の唇によって説得しようとした俺の口を塞がれてしまった。
更に間の悪い事にちょうど説得しようとして口を開けた所だった為、口腔に彼女の舌に容易く侵入されてしまう。

……くち…ちゅく…くぷくぷ……

奥へ引っ込めようとした俺の舌を彼女の舌が強引に絡め取り、
唾液の交じり合う音を立てて彼女の舌粘膜の感触を無理やり味合わせてくる。
ざらざらとしていながらも何処かねっとりとした物が俺の口腔を舐りまわし、俺の意思を無理やり快楽の方へ傾かせる。
クソ、最初の頃に比べて格段に舌使いが上手くなってる……。

「んふふ、陶然としちゃって可愛い顔、見てると思わず虐めたくなっちゃう」

酸欠と快楽によって呆然とした俺の顔を見下ろし、彼女は鼠を捕えた猫その物な笑みを見せる。
そして、俺を身体で抑えこんだまま腰を艶かしくくねらせ、数度、頬や唇へバードキスを繰り返す。
その際、俺はパンツごとズボンを脱がされて露出した下半身に、何やらぬるりとした物を感じた。
ひょっとして、まさかとは思うが……

「シルキー、お前……さっき、何かもぞもぞしてるなと思ってたら、その時にパンツを脱いでたのか!?」
「うん、大当たり!」

耳をピンと立てて飛びきりの笑顔を浮かべて言いましたよ、この人。
つか、マイサンに濡れた股間をぐりぐりと押し付けるんじゃないって、反応しちまうだろ……

「ふふ、大きくなってきた。何だかんだ言ってキミも発情してるじゃないの」
「いや、それはシルキーがアソコを押し付けてくるから……うあっ!」
「ふふーん、そう言いながらキミのここは先っぽから涎垂らして大喜びよ? 嘘吐きの変態さん」

クソ、怒張したマイサンを握られているお陰で全然否定できねぇ。
少しは自重しろよ股間のマイサン! いや、俺自身の性欲と言った方が良いか?
と言うか、シルキー、爪を伸ばした状態でマイサンを握らないでくれ。爪が当たって痛いんだから。

「んじゃ、そろそろ挿れるわよ……んっ!」
「や、やっぱ止め――をうっ!?」

俺が制止の声を上げる間すら与えず、
彼女が軽く身じろぎする様な動きで腰を下ろし、しどどに濡れた秘所の中へマイサンを沈み込ませてゆく。
たちまちマイサンを愛液にまみれた肉襞がみっちりと詰まった膣壁がぬっとりと纏わり付いて歓迎し
俺の快楽のボルテージを強制的に引き上げてゆく。

「あ、ああ……アタシの中でキミのアソコがドクンドクンって震えてる、気持ち良いよぉ」

胎内のマイサンの感触に、彼女は快感を感じているらしく口元から涎を垂らし、プルプルと身体を震わせていた。
と言うか、俺自身もものすっごく気持ち良い、彼女の僅かな身じろぎからさえも快感を感じてしまう。

「そ、それじゃ……動くよ……」
「いや、もうちょっと…待って……」
「駄目、アタシは我慢できない……んにゃあっ!」

俺の言葉を振りきって、彼女が腰を動かし始める。
こたつの中という限定された空間の中ながら、元は猫であった体の柔軟さを生かして巧みに腰を動かし、
それによってマイサンを包み込む膣壁の動きの複雑さを強くさせて、俺に与える快感を強めてゆく。
うっ、くそ、気持ち良すぎる……けど、我慢だぞ、俺!

「んみゃぁ! ひゃん、みゃうん! みゃぁん!」
「うぁっ、動きっ、激しすぎっ! もう少し、緩めてっ!」

次第に腰の動きは激しさと複雑さを増し、その動きに合わせてマイサンを包み込む膣壁がリズミカルに締め付けてくる。
無論の事、俺は必死に制止の声を上げるのだが、すでに意識を快楽に支配された彼女のネコ耳に届く筈が無く。
結局、俺が出来る事と言うと、彼女に初めて会った夜の時のように精を出すのを我慢するしか他が無かったのだった。

「みゃあん、気持ち良いよぉ! キミのアソコに奥を突かれて気持ち良いよぉ!」
「ううっ……! くうっ……! うくぅ……!」

しかし、こたつががたがたと抗議の音を立てるのも気にする事無く彼女はより激しく腰を振りたくり、
肉襞をマイサンへ愛液を塗りたくりながら熱く蠢かせる事で、俺の意識から我慢のする意思を削ぎ落としてゆく。

「ずんずんって胎を突かれて、卵子が降りてきちゃう! 赤ちゃんが出来ちゃう!」

そ、そう言えば、今日は危険日だとか彼女が言っていたような……!
だったら尚の事我慢をしなければ! 只でさえ娘一人に色々と経済的な意味で苦労してるってのに。
流石に二人目なんて今の俺の安月給ではきつ過ぎるぞ!

「精子一杯、一杯出して! アタシを孕ませてっ!」
「うっ、うっ、あっ、ううううっ!」

だが、彼女は腰を打ち付ける様に振りたくり、マイサンの先っぽへ弾力のある子宮口をリズミカルに押し付け、
更に肉襞がマイサンの全体を抱きしめる様に締め付けた事で、俺の我慢は破城槌を叩き付けられた様に瓦解し

「うぐっ、で、出るっ!!」
「あ、一杯来たっ 一杯、どくどくぅってっ!!」

身体の内で何かが弾けるような感覚を感じながら俺は達してしまい、
マイサンの先端へピッタリと張りついた子宮口へ、欲望の白濁液をドクドクと注ぎ込んでいってしまう。
それによって彼女も同時に達し、こたつをひっくり返すほど身体を大きく仰け反らせる。
あ゛あ゛あ゛ぁぁ……ジーザス!(なんてこった)

「ああ……アタシの中に一杯注がれてる……アタシのお腹があったかいよぉ……」

俺の後悔を余所に、彼女は胎内へ今も注がれる精の感触に、身を震わせて喜びを表す。
それに合わせてか、俺のマイサンを包み込む膣壁が微妙に蠢き、尿道に残る精の残滓すらも搾り出してゆく。
どうやら、彼女は身も心も孕む気マンマンな様で……つか、俺の意思は蔑ろかよ。泣けるで!

「……んじゃ、もう一度やりましょ」

そして、残滓すらも全て搾り取った後、彼女はとんでもない事を言い放ち、再び腰を動かし始める。

「おいおい、もう一度って……まだやる気かよ?」
「当前よ! いったん火の付いたアタシの性欲は簡単には消えないわよ!」
「やっぱりこうなるのか……もう好きにしてください」

妙に張りきって腰を動かす彼女を前に、俺は素直に諦めて身を任せようとしたその矢先。

「……パパ、ママ……何やってるの?」
『!?』

横合いから掛かった妙に冷めた声に、俺と彼女が驚いて振り向いてみれば
其処には今しがた学校から帰ったであろう、ランドセルを背負った娘の姿があった。

「ちょ、何で今日は早く帰ってるのよ!? ひょっとして早退でもしたの!?」
「あの、今日は半ドンだったんだけど……ママ?」
「…………」

娘が呆れ混じりに返した言葉に、遂に絶句する彼女。
半ドン、まあ言わば午前中に学校が授業が終わる日の事を指す。
絶句する彼女の様子からして、どうやら今日がその日である事を完全に失念していたのだろう。
だから俺は言ったのだ、やってる最中に娘が帰ってきたら如何するんだって……

「それじゃ、私は宿題やってるからお二人ともご勝手に仲良くしててね」

言って、娘は冷たい眼差しを向けて、さっさと自分の部屋のある二階へと去っていってしまった。
そして後には、突然の水入りに茫然自失する彼女と、それによってすっかり萎えてしまった俺が残されたのだった。




……それから数ヶ月後、彼女が妊娠している事が発覚した。
どうやら、俺の財布はこれから冬の時代に入る様で……妻子持つサラリーマンって辛いね、ハハ……(涙

―――――――――――――――――――終われ―――――――――――――――――――――

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最終更新:2009年01月11日 01:21