1
 アスファルトの地面さえ溶けて流れ出しそうな、残暑の終わらぬ初秋の朝。
 ただ居るだけで汗を掻き、息をするだけで体力を奪う。季節外れの熱帯温度。
 そんな思考能力も低下させる日。一人の女は蜥蜴(とかげ)になる。キッチンの壁にピッタリと身体を寄り添え、物音も立てずに耳を澄ます。
「はぁっ……そーまぁ」
 目を細め、涙ぐませ、想像し、長い黒髪は赤く染まる頬に張り付き、この世の誰よりも妖艶に人の道を破棄する。
 女の行為は最低も最低。
「あっ、でたぁ♪ 凄い、たくさん……でてるよぉっ♪♪」
 オシッコの音を、壁に耳を押し当てて聞いてるのだから。
「あっ、おわっ……ちゃったぁ。うくっ、ぐっ……私は、最低だっ!」
 壁に寄り添ったまま、自己嫌悪でズルズルと崩れ落ちる。しかしどれだけ罵っても、トイレの音を聞いて興奮していたのは事実。
 弟が放尿する音を、息を熱くして、恋する乙女の顔で盗み聞きしていたのは事実だ。
 ブラコン、ショタコン、サディスト、その三つを冠する蛇の化身、平坂 政宗(ひらさか まさむね)。姉として、女として、実の弟、蒼真(そうま)を寵愛する愛欲の神。

 弟の泣き顔が好きだった。
 弟の泣き声が好きだった。
 一ヶ月前までは、それらでサディズムを満たせば良かった。
 しかし今は違う。身体の繋がりを持ってからは、より一層に蒼真へとのめり込んで行く。
 どこが好きだ? と問われれば「全て」と答え、
 いつから好きだ? と問われれば「産まれる前から」と答える程に……
 17を迎えた姉は、9歳を迎えた弟に、恋をしていた。
 だからこの行為も、そんな感情のネジ曲がり。目尻からは涙が零れ、白いタンクトップは汗に濡れて胸の形を浮かべ、下着とジーンズは汗と愛液でぐっちょりと変色している。
 トイレの音をおかずにして、膣壁を擦り上げられる様を妄想していたのだ。
「あれっ、どうしたのマサムねぇ?」
 蒼真はトイレの戸を閉め、台所で手を洗おうとして、壁に寄り掛かり正座して動かない姉を発見する。
「今日、サッカーの試合なのよね?」
 そして蛇口を捻り、冷水で手を洗い、タオルで拭いた後に、やっとそれだけ返された。
 政宗は下を向いたまま。床に座ったまま。
「うんっ! そうだよぉっ♪♪ 決勝まで残ったら、帰りはあさってになるからねっ。じゃ、いってきまーす!!」
 姉の様子が少し変だと気付いてはいたが、蒼真は午後から始まる遠征試合が楽しみで仕方ない。故にワクワク感が心配を押し切り、スポーツバッグを肩に掛けて玄関を飛び出させた。
 残されたのは、女としての本音を隠し、姉として弟を送り出す、恋を覚えた一匹の蛇。
「いっちゃ、イヤ、だよぉっ……」

2
 太陽の位置は空高く、気温が最も照り付ける時刻。
 たった一人で家の中、カーテンを締め切った部屋の中、ベッドの上に居るのは、クーラーを全開にして俯せに横たわる少女。
「んにゅっ、ほし、いよぉっ……そーまのぉ、ふんんっ……おちん、ちん、ほしいぃっ」
 左手は想い人のトランクスを持って口元に添え、右手はジーンズのファスナーを下げてその間。下着越しに幼い秘唇の溝を往復してなぞる。
 ぬちゅぬちゅとイヤラシク蜜糸を引かせ、皮包に覆われた敏感なクリトリスを中指の腹で捏(こ)ねくり回す。
 くちゅっ、くちゅくちゅくちゅ、くちゅり……
「あうっ、あっ、あんっ! ふあぁぁっ!! そぅ、まぁっ……もっと、んんっ、もっとぉっ」
 頬を染め、耳まで赤く染め、ギュッと目を閉じ、甘ったるい声で存在しない相手におねだりする。
 下の口も同じ。これじゃあ絶頂に達せないと、これじゃあイク事ができないと、トロットロの涎を垂らして抗議する。
 ピンク色の突起をプックリと膨らませ、弟のモノに擦り合わせたいと、かくれんぼをヤメて抗議する。
「ほんと、んっ、よくばり、なんだからっ♪ ふぅっ、まってなさい……いま、おちんちん挿れたげるからねっ♪」
 僅かに微笑み、中指と人差し指の間に架かる透明な橋を潤んだ瞳で見詰め、膝を折り曲げて尻を突き出す。
 アヒル座りに上体を前傾させた形で、扇情的で肉欲的な男を誘うポーズで、二本の指を口に入れてしゃぶる。
「んちゅんちゅっ、ちゅぷっ、ぢゅちゅっ、ちゅぷちゅぷ……ちゅぽん♪ はぁぁっ……ちゅぴゅっ、そーまの、おひんひん……んぐんぐ、おいひいよぉっ♪♪」
 まるで自らの指が弟のペニスで在るかのようにネットリと舐め上げ、唾液を纏わせてフヤケさせていく。
 咥えているのは蒼真のおちんちん。自己暗示を何度も掛け、脳内で二本の指はペニスになる。
「ちゅぱっ♪ いいよそーま、今日だけ特別に後ろからシテ……いいよっ」
 口から引き抜き、ヘソの下を通し、再び水っ気たっぷりのシルクに手を伸ばす。
 滑らせてスライドさせ、そのまま触れる……寸前で止まる。頭では蒼真だと言い聞かせても、身体が違うと拒否しているのだ。
 ゴツゴツえぐられたいのはこんな指では無いと、締め上げて吸い付きたいのはもっと硬くて大きなモノだと、幼い二枚貝はピッタリと口を紡いで又も抗議している。
「もぅ、しょーがないなぁっ♪」
 しかし納得のさせ方を知っている政宗は、その過程を余裕の表情で楽しむ。

3
 枕下に準備していた蒼真の縦笛。それを濡れた右手で掴むと、俯せだった姿勢をコロンと仰向けに変えて膝を曲げる。
「そっ、まのぉ……おひんひんっ♪♪」
 自らの指は拒めても、蒼真のモノなら拒めない。一度押し当ててしまえば、後は勝手に咥え込んでしまう。そうわかっているのだ。
 政宗は肉厚でピンク色な伸縮自在の舌を数十センチまで長くすると、縦笛全体にギュルギュルと巻き付けて粘着質な唾液をコーティングしていく。
 ぢゅるっ、ぢゅるぢゅる、もぢゅもぢゅもぢゅ……
 弟との間接キスに小さなオーガズムを感じながら、それでも丹念に天然のローションを湿渡らせる。
「んん~~っ♪」
 そして一旦、舌を離して口に戻すと、縦笛をタンクトップの裾に入れ、プリンの様に震えるバストの間を通過させて、胸元から三分の一程を覗かせた。
 これもさっきと同じ。政宗は蒼真の縦笛をペニスに見立て、パイズリフェラをしようとしている。
「お姉ちゃんがクチで、気持ち良くしてやるからなっ」
 再度目を閉じ、リアルに脳内妄想を描き、頬を紅潮させ、ヌルヌルの縦笛を両手で胸を押し付けて挟み、空入口に接吻して少しずつ咥内に含む。
 ちゅぷっ、ちゅぷちゅぷちゅぷ、ちゅぷぷっ……
 これは蒼真のペニスだと、何度も、何度も、自己暗示を掛けながら。
 ゆっくり、ゆっくり、深くまで咥え。ゆっくり、ゆっくり、顔を前後させる。
 舌を絡み付かせ、頬をすぼませて吸い上げ、咽の奥に当たるまでの長いストロークで、愛おしそうにフェラをこなす。
「ぢゅっ、んっ♪ んっ♪ んっ♪ んっ♪ んんっ♪♪」
 一定のペースでリズミカルに、弟の匂いが染み付いたモノを、人外の口淫で温めていく。
 男ならば数秒で射精に導かれる蛇孔の中。媚薬の原液が溢れ返る魔性の蜜穴を征服するのは、男の生殖器では無く、感度の存在しないたんなる縦笛。
 ぢゅっぷ! ぢゅっぷ! ぢゅっぷ! ぢゅっぷ! ぢゅっぷ! ぢゅるるるるるるるるっ!!
 それを丹念に、妄想の中で弟がイクまで続ける。
 否、イッてもヤメない。次々と迫るアクメに、蒼真が耐え切れず泣き出すまで。
 流れ止まらぬ精液に、涎を垂らしながら恐怖して許しを乞うまで。目を三日月の形にして嘲笑い、咥え込んだペニスは決して逃がさない。
 蒼真の背中に手を回し、抱き寄せて思い切り吸い付く。
 頭を力無くペチペチ叩かれても、精液をビュクビュクと漏らし喘いでも、痙攣を起こして悶え狂うまでは決して離さない。
「ふっ……ぢゅぱっ♪ つゅぎは、ふぅっ、ふぅぅっ……わたひの、ばんだぞそーま」
 嫉妬深い愛欲の神、番(つが)いに選んだ者を人外の快楽で縛り付ける蛇の化身。

4
 描く妄想の中。蒼真は泣き崩れ、もう出せないと限界を訴え、力の入らぬ身体に鞭を打ち、四つん這いになって政宗から逃げ出そうとする。
 そんな妄想。そんな妄想でも、政宗のサディズムは満たされて行き、精神的なエクスタシーで全身はゾクゾクと喜び震えた。
 蒼真の腰を掴んでひっくり返し、ネバっちく濡れているペニスの上に、冷笑を浮かべて見下し跨がる。
 肩で息をする程にテンションは高まり、赤い瞳を輝かせ、黒く長い髪は汗で張り付き、シコる乳首は母乳を滲ませて更なるシミを作り、幼い生殖孔は左右の唇を擦り合わせ、お腹が空いたと涎(よだれ)ダラダラ。
 胸の先からミルクは止まらず、荒く呼吸をする度にピュッピュと噴き出してタンクトップを汚す。アルバの文字は変色してきちんと見る事ができない。
「いれっ、るからな、そーまぁ♪」
 腰を沈める……現実には縦笛を裾から取り出し、笛先でパンツのクロッチを引っ掛けて横にズラし、そのままワレメのスジに押し付ける。
 そしてゆっくりと、
「ふぅぅっ、ふぅぅっ……んっ!!?」
 ゆっくりと狭い肉壁を掻き分け、子宮口をつっつくまでに深く、縦笛を、泣きじゃくる蒼真のペニスを押し込んでいく。
 ずぢゅぅっ!! ぢゅぽぢゅぽぢゅぼぢゅぼぢゅぼぉぉぉぉぉっ!!!
「ふぎいぃぃぃぃぃぃっ!!? ああぁっ、ぁあぅっ……きもちっ、いいよぉっ♪ ふあぁっ、そーまの、チンポ、きもちいいぃっ!! そーまっ! そーまぁっ!!」
 背中をのけ反らせ、舌を出して悲鳴する弟。
 弟の上で一方的に腰を振り、舌をニュルニュルと伸ばして弟の口に差し挿れる姉。
 騎乗位で腰の動きに合わせて舌をピストンし、母乳を撒き散らし、声を出させずに強制イラマチオ。
 長く肉厚な舌が突き入れられる度に、二人分の唾液は口元から溢れ、扁桃腺は舐め上げられる。
 蒼真は涙を流しながら、嘔吐(えず)きながら、クチいっぱいに舌を含んでフェラチオし、政宗がイクのを待つしかない。
 ずぢゅっ! ずぢゅっ! ずぢゅっ! ずぢゅっ! ずぢゅっ!
 膣内を出入りする縦笛の速度が増す。政宗は自らの愛液を掻き出すように、ヒダの一つ一つを押し潰すように、絶頂の予震に身を任せて激しく前後させる。
「あっ、あっ、あっ! あんっ! あんっ!! すきだぞ、そーまぁ……ふんん!! ずっと、おねえちゃんといっしょにっ、いようなぁっ! あっ、イクッ!? そっ……ふああああああああああっ♪♪」


5
 実の弟をおかずにした自慰行為。
 そして今日、これからまた自己嫌悪するだろう。
 蒼真に政宗の力が流れ込み過ぎるのを防ぐ為に、セックスは周に一度と、政宗が昨日決めた。
 今朝も襲い掛かりたくなるのを、蒼真を守る方法はこれしか無いと言う一心で堪えた。
 人の世に隠れ住む擬人化した女動物に狙われぬように、産まれる前から好きだった恋する人を想って。そんな一心で堪えた。
 だが……堪えてはいたが、この決心は防弾加工も施されてない普通のガラス。
 蒼真は政宗とセックスする事によって、擬人化した雌動物達を逆レイプに駆り立てるフェロモンを発するようになる。
 どんな気丈な女も、蒼真を羽交い締めにして路地裏に引き擦り込み、ペニスを扱き立て、子宮の中へ精液を迎え入れたくなるのだ。
 しかし例え蒼真が他の雌に逆レイプされそうになっても、朝にその日分の精液を搾り尽くして勃起できなくしてしまえば良いのではないか?
 それでも足りないなら、搾精蛇に変体してペニスに食らい付き、学校に着くまで扱き続ければ良いのではないか?
 こっちの選択を思い付かなかった事に、政宗は夜までずっと自己嫌悪する。
 蒼真に会える日を、心から楽しみにしながら……




   『吸血殲鬼ヘビお姉ちゃん』
 ヘビお姉ちゃんVSコウモリ幼馴染み

6
 姉弟が別れてから二日後。その朝。市が管理する巨大スタジアムでは、小学生の部優勝チーム対中学生の部優勝チームで、最後のサッカー試合を行っていた。
 午後からは日本対チェルシーの親善試合も有り、これはその前座試合。
 観客席には既に四桁の観客が集まり、将来のJリーガー達を暖かく見守っている。
 しかし開始5分でそんな状況は一変。観客はざわめき出し、様々なチームのスカウトはビデオカメラで選手の動きを追う。
 小学生対中学生。共に県トレへ選ばれているとしても、その実力差は白昼の筈だった。
 小学生が勝つ事はまず無い。有ったとしても一点を競り合う白熱戦の筈。
 だが、5分でスコアは3-0。小学生のチームが圧倒的有利に試合を進めている。
「いくよみんな! ラ・オル・ケスタだっ!!」
 担っているのは、試合開始から出場している小学四年生、身長は130センチにも満たない少年、平坂 蒼真。
 フィールドに立ちながら、選手達を盤上の駒のように把握できる展開力。
 寸分の狂いも無く味方に届けるピンポイントパス。
 相手のバランスを崩しながらボールを奪い取るエンペラータックル。
 左足の踵にボールを乗せて太腿と挟んでジャンプし、迫るスライディングを飛び越えるフラミングコップ。
 どれもが極められ、完成されている。そして最もスカウトの視線を釘付けにしたのが……

「シュートして霧野!」
 ゴールエリア外から打ち出されるチームメイトの低空シュート。
 相手キーパーは三歩も横に動いて正面のシュートに備える。
 その瞬間、蒼真がボールとキーパーの間に飛び込む。
 キーパーはトラップからの逆サイドを狙われると察知し、急いで定位置へ。
「ブゥゥストォォォッ!!」
 違う。そうではない。蒼真はトラップなどしない。身体の向きは常にゴール側。
「サイクロンッッ!!!」
 ボールの位置、角度、、全てをそのままに蹴り飛ばし、二段階目の加速を加える。
 これが伝家宝刀。サッカーの神が愛し与えたギフト、ブーストサイクロン。
 蒼真の夢は世界一のサッカー選手。しかしその夢は、もう一人の神が許さない。足を搦め捕り、愛欲の沼に沈み込ませて行く。
 ドロドロと、快楽の裸身で縛り付けながら……

7
 全ての日程を終えた夕方、高速道路を走る帰りのバス内。子供達はカーテンを閉めて静かに寝息を立てている。
 起きているのは僅かに二人。最後尾に座る蒼真と、隣で寄り添う同い年の幼馴染み霞 姫耶(かすみ ひめか)。
 二人はシートの中央位置に並んで座り、両サイドには荷物が山積み。
「中学生に勝っちゃうなんて、凄いねソー君♪」
 姫耶は大きくクリクリとした目を輝かせ、照れて視線を床に落とす蒼真の横顔を見詰める。
 シャギーの入ったショートヘアに、金色の瞳。白く柔らかな肌に、第二次成長前の典型的な幼児体型。
 背番号の無いユニフォームを着て、魅了の金瞳で男を誘う。
「ううん、みんなの……おかげだよ」
 蒼真は下を向いたまま、そう答えるのが精一杯。
 今年になって九駅も離れた場所に引っ越ししたが、それでも生まれた頃から仲の良かった幼馴染み。学校では一番の話し相手で、最も気心知れた異性。だったはず。
「ねぇソー君? ヒメね、疲れて眠たくなっちゃった。だからね、ひざ枕……して?」
 だったはずなのに、蒼真の鼓動は試合中よりも高くなっていた。
「えっ!? えっ、とぉ、うん……いいよ」
 それは瞳。標的にした雄を奴隷に堕とす魅了の金色。意識下に直接働きかけ、否応なしに従わせる。
 それは匂い。標的だけに薫らせる、極上の興奮剤。
 それを兼ね備えるのは、小学三年生の女子児童。胸の膨らみも無く、腰の括(くび)れも殆ど無い、魅力の無い身体。
 しかしどうだろう? 彼女の前では、キリストでさえペニスを勃起させて扱き出す。
「あっ!? ヒメちゃん、やっぱりダ……」
 蒼真は自らの異変に気付き、慌てて断ろうとするが、
「あはっ、ソー君のフトモモやわらかーい♪」
 ポスンッと頭を乗っけられてしまう。
 全ては姫耶の思い通り、全ては姫耶の打算通りに進んでいる。
 最近になり急に雰囲気が変わった蒼真。姫耶は女として、そんな幼馴染みに好意を抱いた。
 ずっと蒼真の隣に居たい。蒼真のペニスを気持ち良くしてあげたい。蒼真の精液を子宮内に迎え入れたい。抱いたのは、年甲斐以上の狂った好意。
「ダメ、だってばヒメちゃん……早く、頭をどけてぇっ」
 マネージャーの真似事をして試合まで着いて行き、蒼真とできる限り一緒に過ごし、待っていた。自分の力を最大に発揮し、蒼真が襲い掛かって来るのを待っていたのだ。
 だが実際は、近寄れば照れて逃げ出すだけ。だから姫耶は逆転させる。襲われないなら、襲ってしまえばいい。逃げられない状況で逆レイプしてしまえば良い。
「やーだよん♪ ふふっ、あっれぇっ? なんかコツコツ当たってるのがあるよ? コレ……なぁに?」
 姫耶は寝そべったまま、上半身をひねって上目で蒼真を見詰め、口元を吊り上げながら半ズボンに浮き出ているペニスを優しく撫でる。


8
「ヒメちゃ!? さわっちゃダメぇっ!」
 ファスナーに手を掛けた姫耶に驚き、肩を掴んで引き離そうとするが、
「わっ、おっ……きいね? パパよりも、おちんちんおっきぃかも♪」
 それよりも早くジッパーを下げられ、ガチガチに硬度を増して熱を持った生殖器を、あっさりと取り出し外に晒されてしまう。
 蒼真は一気に血の気が引き、姫耶は嬉しそうにペニスへ頬擦りする。
「もっ、いいかげんにっ……」
 掴んだ肩を押し上げようとしても、

「みんな起きちゃうよソー君!!」
 身体を硬直させる大声が、蒼真の体動を完全シャットアウト。

 加えて金色の瞳。声を出すなと命令を下す。
「あっ、ううっ……」
 蒼真は前方を見渡して誰も起きてないのを確認すると、姫耶の肩から手を離し、それを重ねて自分の口を塞ぐ。
「そうだよソー君……バスの中でおちんちんを出してるってバレたくなきゃ、静かにしないと。ソー君が静かにしてくれたら、ヒメも静かにするよ? おちんちんを気持ち良くするだけなんだよ?」
 罪悪に諭しながら、姫耶は躊躇い無く剥け切ったペニスの裏スジに舌を当て、ピチャピチャと音を鳴らして丁寧に舐め上げていく。
 唾液を塗り付けているかのように下から上へ。ご馳走を食べているかのように美味しそうに。エロティックに。
 政宗の調教で無理矢理に成長させられたペニスを、上目使いのまま小さな口で一生懸命に奉仕する。
「ちゅっ、えへへぇ♪ こんなおっきぃの、クチに入るかなぁ? あははっ、いただきまぁす♪ あ~~んっ♪♪」
 涙目で口を塞ぎ、顔をブンブンと左右に振る蒼真を無視。
 ペニスの根元を両手で包み持ち、唾液をいっぱいに溜めた口を大きく開く。その中は薄暗い車内でも、テロテロに妖しく艶めいて見せていた。
 そして、ペニスの先端、カウパーを溢れさせる鈴口にキスし、そのまま……
 ちゅぶっ、ちゅぶちゅぶ、ちゅぶり!
「んむぅっ!?」
 カリ首の下、亀頭部分を、丸ごと咥内に収めてしまう。
「おっひふて、れんぶはいらなひよぉっ♪♪」
 姫耶は頬の内肉と舌で強気に締めて吸い上げ、伝い垂れて来る唾液をローション代わりに、両手で懸命に竿を扱く。
 蒼真以上に耳まで赤く上気させ、容赦無く精液を搾り取る動きを続ける。
 年齢一桁の小学生女子児童。しかしペニスのあつかいは娼婦そのもの。
 蒼真は今までに見た事のない幼馴染みの姿に戸惑いながらも、徐々に沸き上がる快楽の波を必死で堪えていた。

9
 仲の良い幼馴染み。なんでも話せる女友達。そんな掛け替えない友人が、急に脅し強迫し、ペニスをしゃぶり射精させようとしている。
「んんっ!? いっ、たいぃ……」
 しかも、ただの人間じゃなかった。姫耶の背中はユニフォームを盛り上がらせて膨らみ、いったん口を離して覗かせる尖った犬歯。
「いいよねソー君? ちょっとだけ、ちょっとだけだから……血も、一緒に吸わせてね?」
 ちょうどカリ部に付いた、二つの僅かな赤い点。そこから流れる赤い軌跡。
 蒼真はペニスに傷を負い、諦めはしたが驚きはしない。姫耶も政宗と同じなんだと理解したのだ。
 にゅちゅっ、ぢゅっこぢゅっこ、ぢゅこぢゅこぢゅこぢゅこぢゅこ……
 扱き立てる手首のスナップが、淫音を響かせて一層に激しくなる。
 姫耶は再びペニスを咥え込み、恍惚の表情でチューチューと血液を啜(すす)っていく。
「らひてソーくん、ヒメにたくひゃんのまひぇてっ♪」
 ペニスの中心の管が拡張を始める。射精の準備を整える。触覚が敏感になり、指の一本一本の動きまで明確に伝える。
 もう限界。寸前。睾丸から出来立ての精液が噴き上がり、ドクドクと昇り終点を目指す。
 蒼真は歯を噛み締めて目をつむり、射精時に喘ぎ声を発さぬようグッとこらえるしかない。
「そーくん、そーくん、そーくん!」
 姫耶はメインディッシュを待ち切れず、舌でペニス先端の溝をほじって催促する。
 そしてついに、
「んふぅぅうっ!!?」
 びゅるびゅるびゅるびゅるぅぅぅっ!! びゅくんびゅくん! びゅくびゅく、どくんどくんどくん……
 姫耶の咥内へと、凄い勢いで大量の精液を注ぎ込む。
「うぐっ……ふんんっ♪ んん~~んくんく、ちゅるちゅる、ちゅぶちゅぶ、ちゅっ♪♪」
 姫耶はそれを苦にもせず、血液とブレンドして飲み干し、胃に残さず納めていく。
 静かなバスの中に生まれる、二人の荒い吐息。
「ちゅぴゅっ♪ ねぇソー君……今日、家に泊まって……って言うか泊まりなさい。毒、流したから、今日中に家のお薬を飲まないと、サッカーできなくなっちゃうよ?」
 蒼真の目尻から、絶え間無く涙の粒が伝い垂れる。
 なんとなくはわかっていた。姉の時と全く同様な現状。
 でもサッカーを、大切な夢を人質に取られたら、どんなに理不尽な事でも首を縦に振るしかない。

「くるよね? そーま、くん?」

 だから一つ、コクリと頷くだけ。

10
 照らし明らめ、祝福していた平穏は終わる。始まるのは闇夜を駆ける怪物達を見過ごす、ヘカーテの猟奇領域。
 機械色の黒で塗り潰された車庫。連接的な重低音を鳴らし、独眼龍の描かれたシャッターが上がり始める。
 その中に居るのは一人の女性。
「ん……ったくまぁ、私の弟に手を出しやがって……何処のメスだ!!?」
 全身を覆う黒いライダースーツに黒いブーツ、黒いオープンフィンガーグローブに黒いフルフェイスメット。黒を統べ、黒を支配する一匹の黒蛇、平坂 政宗。
 その中に在るのは一台の凶器。
 全体がメタリックシルバーに輝き、重量は300Kgを越え、全長は女の背を越える。見た者の動きを影縫い、封殺し、金縛る、最悪を強制的に連想させる凶々しいフォルム。
 これが女の愛馬、黒き女が支配する白銀のマシン。『FORZA Z SGC・S EDITION、ミンチメーカー』。至上最狂の違法改造モンスターバイク。

 水平線の下に陽は沈み、ミンチメーカーのヘッドライトが更に際立つ。
 エンジン点火、スロットル回転、爆音が展開。早く光を殺したいと、早く闇を犯したいと、ミンチメーカーが狂喜して咆哮する。
「ミンチメーカー、レディッ……」
 黒き女の合図。黒きバイクに跨がり、黒一色で全身を染め、その黒を超越する長い黒髪を持つ。嫉妬、愛欲、蛇の化身。
「ゴォォォォォォウッ!!!」
 政宗は、女から与えられる快楽で蒼真が絶頂すると、それを離れていても感じ取る事ができる。

 そして弟を救う為、恋する人を取り戻す為、平坂 政宗は、夜を駆ける暴風になる。
 轟と。動き、走り、スタートから五秒でトップギアへ。『挽肉屋』と名付けられたマシンも呼応してトップスピード。
 夜の家並みを、夜の町並みを、夜の高速道路を、自慢の髪を靡(なび)かせながら突き抜ける。

「待ってろよ蒼真……お姉ちゃんが、必ず助けるからなっ!!」




    『吸血殲鬼ヘビお姉ちゃん』
  【ヘビお姉ちゃんVSコウモリ幼馴染み】決着編に続く。

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最終更新:2009年01月09日 00:40