「あーづーいー…しんどいー…」

高2の剣道部の夏合宿。僕、坂崎 将(さかざき しょう)は今それの真っ最中なわけで。

避暑のためとある高原で行われたそれは、いつもの何倍もきつくて何倍もしんどかった。
僕の足の裏は踏み込みすぎて皮が割れて荒地状態になっているし、
ピーク時はなんか幻覚っぽいものまで見た。

しかーし!4泊5日の日程で今日が4日目。
今この練習と午後の部内の練習試合を乗り切れば、夕飯はBBQ&花火そして明日は練習なし!パラダイスじゃー!
二日目と三日目はゴールが見えなくて泣きそうだった…でも今この午前練習ももう終わろうとしている。
ようやく見えた光に違う意味で泣きそうだった。

そして午前練が終わり、いったん昼食のため宿舎へ戻る。
汗だくもいいところなので部屋の中ではみんなパンツ一丁になる。
それも部屋は全員高2男子なので気兼ねなく。

「よっしゃー、もう後は楽だー」
「適当に試合やってたらいいからな」
「やっぱりお前はそう言うと思ったわ…
 もうちょっとやる気出せよ、しんどいのはわかるけど…」

僕がそう友達につっこみを入れていると、突然何人かが騒ぎ出した。

「うわっ、でかっ!!」
「ちょっと、こっちくんなって!!」

そっちを見やると全開にした窓から特大のトンボが侵入してきた。
天井や壁にごつごつぶつかっては部屋中を旋回しまくっている。
みんなそのトンボを着替えかけのまんま目で追っていたが、
約一名、極度の虫嫌いの友達だけはできるだけ離れようと逃げ回っている。

「これオニヤンマ?めずらしー!」
「そんなこといいから追い出せって早く!」

大きさからして確かにオニヤンマのようだ。
珍しがったり嫌がったりで、おのおの違う理由でワーキャー喚いていた。
するとかなりお祭り男でテンションの高い奴がトンボの登場でさらにテンションがあがり、
なかなかの速さで飛び回っているオニヤンマにめがけて…

「おらあああぁぁぁ!!」

ちょうどテレビに映っていた高校野球のピッチャー張りのストレート。
ただし投げたものは白球ではなく…はいていたトランクス。
それは見事にトンボに命中、ストライクですね。

「ええええぇぇぇ!?」

僕は二つの意味でびっくりいたしましたよ、ハイ。
そしてトランクスはオニヤンマを包んだまま俺の布団の上に着地。
皆が盛り上がる中、かわいそうに思った僕はトランクスをそいつのほうに足蹴して、
僕の布団に横たわってジジジ…と弱弱しい羽音を発していたオニヤンマを拾い上げる。

「将、もう無理じゃない?翅折れてる?」

そうは言われたものの、このまま見殺しにするわけにもいかず、全開の窓へ駆け寄る。
外に立っている物干し竿にどうにかして乗ってくれないものかと指に乗せて移し変えようとする。
無理に放すと落ちてしまいそうなので慎重に…
でも、なかなか指から離れようとしてくれない。
そうこうしているうちになんかだんだん指が痛くなってきた…
そのオニヤンマの口元を見ると、僕の指にガッツリ噛み付いていた。
途端なかなか強烈な痛みが指を襲う。力が入ったせいでさらに牙が食い込む。

「あだだだだだだ!!!」

指から振り払おうとしたが踏みとどまる。落としてしまったら、助けようとしてるのに本末転倒だ。
結局抵抗しなかったため、ちょっと指の肉は持ってかれました。

「うぅ…しゃあない…」

指に乗せたままロビーを通り外へ出る。少し花が枯れはじめた紫陽花の葉っぱがあったので、
そこにゆっくりと乗せる。今度は素直に乗ってくれた。
どうやら翅も折れていないようだし、餌(僕)も食べたからすぐ元気になるだろう。
そこへ着替えの終わった友達二人がやってきた。
やさしいと言われてだいぶ照れくさかった。

ロビーで、噛まれた指を消毒して絆創膏を張る。少し、ほんの少しだけ疲れが飛んだ。

どうにか午後の試合も終わり、いよいよお肉タイム、もといバーベキューの始まり。
かなり飢えていたので、僕は燃えていた。けれど…

「ようやく終わったなー、今思い出してもやばかったわ…」
「よっしゃー、食うぞー!…あれ、将?」
「すまん、さき行っといてくれー…えーと…」

会場へ移動、のついでにオニヤンマがどうしているか確認することに。
なんか愛着が湧いてしまってどうにも気になっていた。
少し日が傾きかけて、薄いオレンジに染まった葉っぱを見る。
乗せた所にはいなかったので安心した…のも束の間だった。

「うわ、これ…」

乗せたときは気付かなかったけど、
よく見ると、その紫陽花は蜘蛛の巣だらけ。
それも凄い数あって、ひとつひとつのサイズが相当大きい。
不安になってガサガサとオニヤンマの姿を探す。
指の絆創膏には蜘蛛の糸が絡まるばかりで、肝心の姿はどこにもない。
蜘蛛の巣に引っかかってないという事は多分大丈夫だと思いたいけど、弱っていた事を考えると…

会場から変えるときも夕暮れの中、その紫陽花の株を掻き分けてを探しまくった。
中学生にちょっと変な目で見られたけど、そんなことは良かった。
こんなに感情移入するのも確かにどうなのか、と思いもするけど。

それでも、

「無事でいてほしいな…」

どうか回復してどこかへ飛んでいっていますように…

翌日、とうとう我が家へ帰宅。もう、限界です。
夕飯も入浴もいいとこに、テレビの内容もあまり頭に入らず、
ベッドに入った途端、どんどん瞼が重くなっていく。やっぱり自分の寝床はすばらしい。

静かな部屋。色々な物思いに耽る。
天井を見上げて、その中でもずっと気になっていた事。
それが独り言になって出てくる。

「あのオニヤンマ、大丈夫かな…」

絆創膏が外れた指、赤く腫れてる牙の痕のある指が豆電球の逆光を受ける。

ボーっとした頭の片隅で心配しながら、瞼が完全に閉じていった…


クーラーのタイマーが切れて、久しぶりに都会の暑さに襲われる。
とにかく蒸し殺されないうちに手探りでリモコンを…あれ?体が動かん?
つーか、なんか部屋が暑いというより体が熱いんだけど…

「あ~、おめざめですかぁ?」

すぐ横から、聞いた事のないゆったりした甘い声がした。
でも突然の事で体がこわばる。なんだ?なんなんだいったい?

「そんなにこわがらなくても~だいじょうぶですよ~」

右にチラッと視線をずらすとまだ寝ぼけ眼の僕の目の前に、女の子の顔があった。
衝撃的すぎて、言葉も出ず、口をパクパクするしかできない。

「えへへっ、びっくりさせちゃってごめんなさい~、べつに泥棒とかじゃないですからね~」

その女の子はなんつもりか知らないけど僕に抱きついて腕をぎゅうっとまわしていた。
同じ年齢くらいの、少し不思議系の入った、可愛い顔の女の子。
おっとりとした目つきに吸い込まれそうだ。
そしてよく考えたら、体が密着してるんですけど、女の子と。
ヤバイ、まともに女の子と対応した事ないうえ、5日間禁欲だったから…いやそうじゃなくて!

「Ω?>|=)~=()’%()~~」

とりあえず口から音は出たけど…混乱しすぎて自分でも何語で喋っているやら。
今の所わかっているのは僕に抱きついてるこの子がめっちゃ可愛いという事だけ。
そんな僕をこの子は意外にしっかりフォローしてくれた。

「そうですよね~いきなりこんな状況だと、混乱しちゃいますもんね~」

首をガクガク縦に振る僕。

「じゃあ、自己紹介します~。わたしは薄刃(うすは)っていいます。
 もっと混乱するかもしれませんけど~、わたし、あなたに介抱してもらったオニヤンマなんですよ~
 あのあと、あなたの荷物にくっついてここまで来たんです~」

中3で受験勉強を詰め込んだ以来に、頭が真っ白になった。

「…その話をこのご時世に信じろと…?」
「やっぱり驚きますよね~、でも私の眼をよ~く見たら信じてもらえると思いますよ~」

どう対応していいかわからなかったので、言われるがまま暗い中その子の眼を凝視…
すると驚いた事に、彼女の眼の色が、人間ではまずありえないエメラルドグリーンで、
そして何より、彼女の眼の表面には細かい複眼が何十も浮かび上がっていた。
混乱している僕の脳は、それだけで彼女が本当にオニヤンマだと認識してしまった。
一度刷り込まれてしまうと、そんな常識はずれのファンタジーな発想も、なかなか覆せない。

「マジですか…」
「マジですよ~、えへへ~」

気の抜けた笑い声を上げる目の前のトンボ少女。
つっこみたいところが70個くらいあるんですけども、全部聞くと夜が明けそうなので省く事にした。

「で、何の用なんですか?」

脳みそがどうにか再起動し始めた。
ただし、目の前の可愛い女の子がトンボの擬人化という情報を以ってして。

「ほかでもないですよ~、あなたにお詫びとお礼がしたいんです~」
「へ?僕?」
「もちろんあなたですよ~」

薄刃と名乗ったそのトンボ女の子は俺に抱きついたまま目の前でにっこり微笑んできた。尖った八重歯が見える。
ヤバイ、すごく可愛いんですけど…

「まずは~、わざわざ助けようとしてくれたのに、噛み付いたりしてすいませんでした~
 あんなものぶつけられて~、あのときの私、警戒心100%だったんです~」
「まぁ確かに、それはわからんでもないけど…」

しかしこんな喋り方からして、この娘が誰かに警戒心を抱くなんて想像が付かないけども…

「それに~、少しおなかが空いてたんで~、ついついつまんじゃったんです~」

…僕はおつまみ感覚で食べられたってことですか?柿の種と同レベルですか?

「そのまま食いちぎって逃げようとしたんですけど~、うまく飛べなくなってて~
 仕返しに殺されるって思いました~。
 でも、あなたは噛み付いた私に怒りもせずに~植え込みに戻してくれたんです~」

感謝されているものの…ずっとひっかかってたところが…

「でも僕が置いたところは…危険だったんじゃ…」
「はい~、正直、周りが蜘蛛の巣だらけなのはビビリましたけど~まぁ、なんとかなりました~
 それにあなたは~わざわざ私を心配してくれて~何度も私を探してくれてたので、全然気にしてないです~
 むしろ~、別の植え込みでその様子を~、無事を祈ってまでしてもらってるところも全部見て~、
 こんなに思われたの初めてだから、とっても嬉しい気持ちでいっぱいになりました~
 改めて~、助けてくれてありがとうございます~」

なんか少しだけ、薄刃の様子がもじもじしてておかしい気もしたけど、
感謝されて喜ばしいのと体が密着しているのと、まだテンパっているせいでそんなことを頭に入れる余裕は無い。
まだ、?のジャングルをさまよっている僕にかまわず、薄刃は話を続ける。
その内容はどんどんエグくなっていた。

「それで~、わたしにとっては~ここまでわざわざ人になってくるほど、
 あなたが好きになっちゃいました~
 それでもって盛っちゃったんで~、これからあなたにべったりくっつく事にします~」

第二次思考停止。
僕の限られたThe・ブレインメモリーでわかるのは、とってもいろんな意味でやばい状況だ、という事。
そして僕の口は、ごもっともな言葉を発する。

「変な冗談は、やめてください」

すると薄刃は不敵な笑みを浮かべ、まわした腕を少し緩める。

「冗談だったら~、わたし、あなたにこうやって裸で抱きついたりしないですよ~?」
「は、だ、か…?」

密着が緩まった事によってできた僕と薄刃の隙間を覗き込むと…

「…パァ――――――――――――!!…んぐっ!!」
「夜中にそんな大声出しちゃダメですよ~」

凄い叫び声を出したあと、僕の口は薄刃に塞がれた。
抵抗するものの、寝てる間に筋肉痛が来ていて、全く思うように動けない。

薄暗い中、まだ発展途上の谷間が見えて、
自分の大事なところと裸の女の子の大事なところが…2枚の布しか挟まず触れ合ってるのまで見えて。
対女性経験値0の僕は、一瞬でそこがそそり立つのを感じた。
しかも5日間も出してないから…相当膨らんでる。

「あれ?冗談はよせって言ってなかったですか~?
 あなたは自分の分身こんなにして、本気モ~ドなのにですか~?」
「違っ…これは…」
「言い訳したって~、こんなんじゃ説得力無いですよ~?ほらほら~」

薄刃はその状態から体を上下にうごかして、自分の秘書で僕の膨張を布越しに擦り始めた。
先端が布に擦れて、少しだけ薄刃の裂け目に入り込んで。そのはじめて味わう感触に思わず声が漏れる。

「あっ…!やめぇっ…!」
「だめですよ~、わたしだってできあがってるんですから~」

最初は布の擦れる音しかしなかったのに、だんだん外からも内からも濡れてきて、
もうグチュグチュと耳に残るエッチな水音しかしない。その音のせいで余計に興奮してしまう…

「っはうぅ…!」
「ふふっ、やっぱり年頃の男の子は正直ですね~」
「そっちこそ、顔真っ赤にしてるでしょうが…」
「むぅ~、そんなこと言うと~…」
「!?、なにして…」

僕の反論がどうやら癇に障ってしまったみたいだ。
薄刃は少しむくれて、でも楽しそうに僕のズボンを引き剥がした。

「あなたのお肉、おいしかったですよ~
 …だから~、精子はもっとおいしいんでしょうね~…あむっ、ちゅうううぅ…」
「…っ!!!」

薄刃は顔をもぐりこませて、僕を咥えてきた。
そのままバキュームされて一気に竿も中身も吸い上げられる。

「また、噛み付いちゃいますね~…はむっ♪」
「もう、ムリぃ…っ!!」

また噛まれて、ただし今度は甘噛みで竿に止めを刺されたのが引鉄で、
5日分が、沸騰したような勢いで迸って直通で薄刃の口の中へ。
薄刃は嫌がるそぶりもなく、吐き出された濁流を唇の端から一筋こぼしながら飲み込んでいく。

全て飲み終えると、少しむせ返りながら、いっそう赤くなった顔をまた僕の顔の前に持ってきた。

「けほっ、けほっ…あ~、おいしかったですよ~、おかげで軽くイッちゃいました~
 あとは~、わたしも気持ちよくしてくださいね~?」

薄刃に体の上に乗られて組み敷かれる。
エメラルドグリーンの瞳が妖しく輝く。
まるでおいしそうな獲物を目の前にしてる感じだった…いや、実際にそうなのかも…
そしてすっかり薄刃の可愛らしさと独特な雰囲気に中てられて全快した僕に、
一気にびしょぬれになった薄刃の腰が落ちてきた。

「はぐうっ…!!」
「えへへ~…すご~い…なかが、いっぱいになっちゃいましたぁ~…」

薄刃の中はもともとがトンボとは思えないくらいに蕩けてて、熱くて、柔らかくて。
肉の襞が自分の全部を包み込んでいる。
少しでも彼女が動くと、それが電流になって二人の全身に駆け巡る。

「あはは~…きもちいいよぉ~…」
「~~~~っ!!」
「言葉もでないですか~?ホントに正直ですね~
 じゃあ~、うごきますよ~、いっぱいいっぱい感じちゃいましょうね~」

薄刃はおっとりした口調と正反対の、乱暴ともいえるくらいの激しい動きで腰を上下した。
一番奥まで入り込むたび、先っぽがガツンガツンと薄刃の奥に突きこんでいく。
竿はそのたびにキュウッと締め付けられて、走ってくるさっきよりも何十倍も強い電流に
どうしようもできなくて、喘ぐしかできなくて。

「あぁっ、ふあぁあっ!!」
「あうんっ、ひゃぁ~…すごいよぉ~!」

唇をかみ締めても、一往復の快感だけでも耐え切れずにすぐ絶叫してしまう。
薄刃はもうすっかりスイッチが入って、恥ずかしがる様子もなく僕の上で跳ね回っている。
複眼のせいもあるのか、本当にどこを見ているかわからないくらいに目はとろんとしてる。
でも僕を締め付ける襞は緩むどころかいっそう強く僕を犯していく。

クーラーのついてない部屋は汗のにおいと女の子の甘い匂いが混ざって、余計に熱気を帯びている。
暑さと気持ちよさで僕は涙腺と唇が緩んで、涙と涎が顔を伝う。
僕のその様子は、それに気付いた薄刃を余計に昂らせてしまったらしい。

「あはぁ~…そんなにきもちいいんですか~?
 じゃあ~、もっといいことしてあげます~」
「いいこと?…むぅ!?」
薄刃の舌が目元と口元を伝って僕の涙と涎を味わったあと、そのまま口の中へ侵入してきた。
唇も重なって、お互いの吐息がお互いの肺の中へ送り込まれる。
逃げ場を失った熱は、今一番熱い部分に集まって確実に絶頂への成分になっていく。

薄刃の舌がねばっこい。唾液だけじゃなくて、自分の精子も混じってる。
その舌を絡められて口の中も犯されていく。
自分の精子が口にしみこんでいくから、いけないことをしてる、という背徳感が膨らんでいく。

「ちゅるぅ…どうですか~?じぶんのだしたものの味は~?」
「それを…いうなぁ…」
「あっ…おちんちん、おっきくなりましたよ~
 じぶんのだしたもの味わって感じちゃったんですか~?」
「ちがうぅ、ちがううっ!!…そんなんじゃ…くああっ!!
 もう、だめ、だめ…っ!」
「もう限界なんですね~?はう~、わたしも、そろそろ…ですね~」

さらに膨らんで余計に敏感になった分身は、薄刃の数往復を食らっただけで限界に近づいていった。
とどめとばかりに薄刃は一番上まで腰を引き上げる。

「さぁ、いっしょに~、イッちゃいましょうか~♪…そ~れっ!!」
「はああああああっ!!」
「うぁう~っ!!わたしも~っ!!」

一気に薄刃が腰を落とし、子宮を突き破りそうなくらい薄刃の奥へ飲み込まれた僕は、
そのままマグマを噴火させてしまった。
勢いよく発射されるとともに、もう全身の力が抜けていく。
一方、薄刃はというと、背中を反らして射精の感覚に痺れていた。

「ひゃぁ~…、いっぱい、でてますよ~…あつくてどろどろして、わたし、本気でイッちゃってますぅ~…」

薄刃はそのままゆっくりと僕にたおれこんできた。そして再び唇が重なる。

「もう~…はなしませんよ~…やさしいうえに~、こんなに交尾の相性ばっちりなんですから~…」

その言葉を最後に聞いて、僕は気を失ってしまった。
「ん…」

蝉の声で目覚める。時計を見るともう昼過ぎ。
と同時に、昨日あったことを思い出し、あわてて周りを見渡す。

…寝巻きはちゃんと着てる。クーラーも点いてる。

「夢か…あんな夢見るなんて、どれだけムラムラしてるんだ…ちょっと抜いとこう…」

ズボンを下ろして昨日の夢を思い出してついつい半勃ちになったものを引っ張り出す…

「あ~、オナニーしようとしてますね~?」

聞き覚えのあるゆるい声に背筋が凍る。それとともに後ろから腕が伸びてきた。
…夢じゃなかった。

「今までもとの姿に戻って隠れてたんですよ~、昨日の事思い出してたでしょ~?
 恥ずかしいところ見られちゃいましたね~」

背筋が凍ったかと思えば、その言葉に全身が羞恥で熱くなる。
何とかしようとして、竹刀を振りかざすという、自分でも後で考えて意味不明な行動にでてしまった。
でももっと意味不明なのは、昨日僕が犯された相手、薄刃だった。

シャキン、という音とともに僕の竹刀が真っ二つに。
呆然とする僕、にやりと牙のような八重歯を見せる薄刃。
よく見ると薄刃の背中からは透き通るように薄い、トンボの羽。

「秘技、ウィングカッタ~です~、すごいでしょ~?」

急に出てきたRPGっぽい技に硬直する僕を薄刃は遠慮なしに押し倒す。
また体がくっついて、違うところが性懲りもなく硬直してきた。

「そんなに抜きたいんなら~、わたしが抜かせてあげますね~」
「ちょ、ストップ!」
「だめです~、ずぅ~っとべったりくっついちゃいますからね~♪
 大丈夫です~、許婚として~、ちゃんとあなたが大人になるまで結婚はガマンしますよ~」
「そういう問題じゃないし!つーかいつから許婚になったの!?」
「今日からですよ~、止めようと思っても無駄ですよ~、恋する乙女は何よりも強いんです~」
「やめっ、ああああぁぁぁぁ!!!」

僕の一度きりの青春は、可愛いオニヤンマ少女にすべて持っていかれるのでした…
「あぁ…疲れた…」
「合宿ってそんなに大変なんですね~」
「いや、それもそうなんだけど、薄刃に犯されるのもだいぶ…」
「将さん、そうやっていう割にはとっても気持ちよさそうでしたけどね~」
「う…」
「あはは~、なにもいえませんね~」
「そっちだって、後半壊れてたくせに…」
「だって気持ちよかったんですも…あ~!」
「ん…?ああ、蚊が飛んでr」

バクン!!

「……え」
「う~ん、やっぱり都会のはあまりおいしくないですね~
 …あ~、お見苦しいところをお見せしました~、てへっ☆」
「あは、あははははは…」

可愛くても、トンボはトンボでした…

グハッ、タイトル付け忘れた…
一応、「eat&fly」で…

久しぶりに書いたのでもう腕が地についてると思いますが
我慢してやってくだされば幸いです。

ちなみに夏に剣道をして外を歩くと、すれ違う犬がみんなはなれていきます・・・(泣)

それではノシ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年08月28日 20:47