「……ゴクッ」
 青年は緊張した面持ちで生唾を飲んだ。既に辺りは暗くなり、赤い満月だけが照らすいつもの古い寺の前に青年は立っていた。
 今日、青年の通う学校は早めに終わり、青年は午後を回った時間には家にいた。
 しかし、自室で予習をしている時シャー芯が切れたことに気づいた青年は近くの雑貨店に行ったが何故か休みだったので、仕方なく自転車で3時間ほどかかる街まで買いに行ってその帰りに寄ったのだ。
 久遠から赤い満月の日には外に出てはいけないと言われていたので、青年はそのまま素通りしようとしたのだが、タイミングがいいのか悪いのか少年らしき悲鳴が聞こえたのでここにいるというわけだ。
「……ええい!」
 寺の中で何が行われているのか、青年には大抵予想はついていてた。恐らく狐娘か久遠がいるのだ、しかも誰かに何かをしているに違いないので行くのを多少躊躇うものの気合を入れて走り出す。
 勢いよく数段ある階段を飛び上り、青年は寺へ入る。
「あ! た、助けてください!」
「なっ!」
 青年が目にした光景は、大きな尻尾を2本生やした黄金色の狐が少年の服を引き裂いていた。少年は抵抗しジタバタと暴れているものの、所詮は少年の腕力が敵うわけがなく少年の素肌が露出していった。
「お前っ! 何やってんの!!」
 狐娘か久遠か区別がわからない青年であったが、とにかく少年を救出すべく狐に向かって声を上げる。
「……」
 しかし、狐がその声に気づき、少年の服を切り裂いている前足を止め青年に振り向いた時、青年の動きは少し止まる。
 青年を見るその目は、真紅に輝き美しくもあり不気味でもあった。まるで獲物を見つけた狼のように目をぎらつかせ青年を見る。その視線に青年の背筋に寒気が走り、思わず青年は一歩引くもすぐに立ち直した。
 狐娘の狐姿しか見たこと無い青年。仮に目の前にいる狐の正体が狐娘だったとして、それでも何か違和感というのを青年は感じた。
 いつもの目は、獣の瞳ながら何処か人間味のある目であったが、今の目はほぼ完全に獣といってもよかったからだ。
 そんな青年の心情を他所に、狐は少年から離れジリジリと青年に詰め寄っていく。少年は安堵の表情を浮かべ青年の表情は引き締まる。
「来るか……」
 そう呟き青年がポケットに手を入れた時、狐は青年に向かい牙を剥き出し飛び掛った。
 構える青年。しかし、こんな事もあろうかと青年にはある対策があった。
 切り札とも言える物を、青年はポケットから出し狐に見せる。
 するとどうだろうか、狐は青年が取り出したものを見るなりその場に座り、まるで犬のように2本の尻尾を左右に振っている。
「ほ~れ、ほ~れ、欲しいか~~?」
 青年は切り札を持っている手を左右に大きく振ると、狐も追うように首を振る。
「お手」
 青年の手の上に前足を乗せる狐。既に狐ではなく犬と化しているのは気のせい。
「ほれ! いってこい!」
 そして切り札を寺の一番端に向け青年が投げると、狐は猛スピードで追っていった。その隙に、青年はすぐさま少年に駆け寄り来ていた大きな上着を少年に着せた。
「今のうちに逃げるんだ。あいつは俺が何とかするから」
「でも……今投げたのって」
「油揚げだ。いいから早く」
 少年は戸惑うが、青年はいいからとだけ言うと、少年の背中を押して寺の外に出させる。心配そうな面持ちの少年だったが、青年がニコリと笑うと一礼だけし、急いでその場から立ち去った。
「さて、残りは、あれ?」
 少年が完全に立ち去ったのを確認した青年は、意を決したように立ち上がる。油揚げはもうない、覚悟はできているという表情で油揚げ食べている狐のほうを見ると、そこにはもういない。
 その代わり、青年の頭上が太陽が雲に隠れたかのようになる。
「上か!! って何で人型うわっ!!」
 時既に遅し。青年は何故か人の姿になっていた狐に押し倒される。その狐は、例の狐娘だった。


「お前かっ! はな、れろ!」
「……」
 青年も狐が狐娘だと確認すると、強めの口調で狐娘に言うが彼女は何も喋らず、青年の上に乗り何かを探すように青年の体を触りつくす。
 しばらく青年の体を触っていた狐娘だったが、ムッとした表情になると長く鋭い爪で青年の服を先ほどの少年同様引き裂き始めた。
「なっ! 何すんだよ! や、やめろっ!」
 青年も激しく抵抗するが、元々力では狐娘のほうが勝っている為、青年の服は見るも無残な姿となり青年の上半身はほぼ裸となった。
「……?」
「な、何だよ?」
「……っ……っ?」
 狐は裸となった青年の胸や首や腕を再び触りだした。青年は上半身にくすぐったい感触が流れる中、気づいた。
「油揚げなら、もう無いぞ?」
「っ!!」
 狐娘は驚く。どうやら油揚げを探していたらしいのだ。しかし、青年が最初に投げたのでもう無くなっていた。
 もう無い、そう感じ少ししゅんとなる狐娘だったが、今度は別の欲を満たすことにした。
「うわっ! お前っ! ちょっやめっ!」
「っ……っ!」
 狐娘は素早く青年の下半身に移動し、青年が穿いている紺色のズボンを引き裂いた。
 青年も抵抗はするもそれは無駄であり、トランクスごと引き裂かれたズボンからは、青年のイチモツが姿を現す。
「ハァー、ハァー……ゴクッ」
 少し硬くなっていた青年のイチモツを、狐娘は興奮したように呼吸を荒くし、欲望に駆られた瞳で見つめる。その青年は感じたのか、イチモツはピクッと動くとますます硬くなっていった。
「ぁ、ん……じゅるっ」
「うぁっ! ちょ」
 そして既に透明液が出始めていたイチモツを、狐娘は美味しい物を食べるように口に咥えた。青年は声を漏らし、狐娘の頭を引き離そうとするが、既に思考が麻痺しつつあった。
「んじゅっ、じゅるるっ、ふぅ、ハァ、ちゅぶ、じゅぶっ!」
「んっ! クッ!」
 頭を上下に動かし口でイチモツをしごき上げ、舌を絡めイチモツから溢れ出る透明液を喉を鳴らし飲んでいく狐娘。いきなりハイペースに刺激され、青年に早くも射精感がこみ上げる。
「じゅっ、じゅるるるるる……っ!」
「くあっ!!」
 狐娘が唾液と青年の透明液を口に溜め、一気に吸った時、青年は耐え切れずに狐娘の口内に精液を放った。
「んんんっ! んっ、んく、んくっ」
 青年の精液を、一瞬眉を顰め受け止める狐娘だったが、口内で精液を味わい喉を鳴らし飲み込んでいく。
 すべて飲み干した狐娘は、そのまま口から抜くことなく再び舌を絡ませながら上下運動を再開する。
「ま、また? ち、ちょっと待てって」
 射精で、より敏感になったイチモツを舌で刺激され、声を上げる青年。
 青年のイチモツは数往復で完全に硬くなった。
「んじゅっ、はぁ、ハァ、ハァ」
 青年のイチモツが硬くなったのが分かると、狐娘は呼吸を乱しながら口から離す。
 口周りに付いた精液を舌で舐めとる。口から精液と唾液がミックスされた液を一筋垂らしながら微笑み、狐娘は青年に跨ぐ。
「ハァ、ハァ、んぐっ!」
 そして尻尾でイチモツを既にぐしょぐしょになっている秘所へあてがうと、そのまま一気に挿入し根元まで飲み込んでいった。


「んっかはああぁぁ!!」
「くっ!」
 挿入の快感の波に、青年は声を漏らし狐娘は少し達したようだ。
 しかし、その予兆に浸るわけでもなく、狐娘は腰を振り激しく上下運動を開始した。じゅぶじゅぶと言う卑猥な音が寺に響き、何度も膣奥を刺激され、狐娘は狂ったように腰の動きをさらに早くする。
 それに合わせるかのように青年の腰も動き狐娘を刺激する。
「ぐっあぁ! んがぅっ! くうぅんっ!!」
 狐娘はまるで本物の獣のような喘ぎで、頭をバサバサと振り黄金色の髪の毛を乱し、快感に身を寄せている。淫らな彼女を下から見て、青年に再び射精感がこみ上げイチモツは今にも狐娘の膣を汚そうと膨張していた。
「また、やば……」
「んんあぁっ! くっあああぁぁぁ!!」
 青年の前に、狐娘が達し膣内をキュッと締め付ける。それに耐え切れなくなり、青年は狐娘の膣奥に精液を放った。
 ドクドクと大量に凄まじい勢いで精液が放出され、狐娘の膣の中にそそぎ込まれていく。
「んくっ! あぐっ! あんっ!」
 狐娘は達したことで数秒その予兆に浸っていたが、やがて再び激しく腰を動かし始めた。狐娘の膣を出入りしている青年のイチモツはすぐに硬さを取り戻し、再び狐娘を刺激する。
「今日は、いつもより、激しいんだな……」
 青年が思わず声を上げてしまうほど、狐娘は発情期とはいえより乱れている。そんな彼女に抵抗をやめ興奮を覚えた青年も、腰を突き上げ続ける。
 自由になった両手で狐娘の2本の尻尾を掴み、イチモツをしごくように上下に動かしながら。尻尾は彼女の敏感ポイントという事を青年は知っていた為だ。
「あぁ! ぐっ! うくああぁっ!」
 青年の行為に、狐娘はさらに激しく喘ぎ、腰を動かしながら青年に覆いかぶさると、青年の口に自らの口を押し当て夢中で舌を絡ませる。
 口と膣と尾を同時に刺激され、狐娘は青年と口を重ねながら達した。
 ビクビクと痙攣しながらも更に快感を得ようと腰を振り続ける。そして青年も、狐娘の舌を感じながら再び狐娘の膣に精液を注ぐ。
「んっ! ……んっ……っ!」
 狐娘も射精を感じながらも腰を振り続ける。下の結合部からは、行き場を失った青年の精液が狐娘の液と混ざり溢れ出し床を汚す。
 そして、イチモツは衰えるどころか射精してもなお硬くなっていた。
「んふっ! ハァ、ハァ、ハァ」
 口を離して体を起こし、飛び跳ねるように上下運動をする狐娘。その表情は既に快楽に支配され、青年もただ快感を求めている。
 そして、二人は何度もお互いの体を求め合い、赤い満月が照らす寺には、ただ肉と肉がぶつかる音と狐娘の獣のような喘ぎだけが響いていた。


 翌日の早朝。スズメがチュンチュン鳴き、少し霧が立ち込める中、青年は狐娘を背負いながら歩いていた。服はあらかじめ青年が予備として常備しているのでそれを青年は着ているが、狐娘は裸。
「やれやれ……」
 青年は少しやつれている。あれから、一晩中青年と狐娘はやりあった。一体何回狐娘の膣に出したか、青年には覚えが無い。あったとしても、青年は思い出したくも無かった。
「ちっ、人の苦労も知らないで寝やがって」
「んんっ、むにゅ……」
 青年の背中には気持ちよさそうに寝息を立てている狐娘、2本の大きな尻尾もだらしなく下がり地面に引きずられている状態だ。
 そんな狐娘を背負いながら、青年は狐娘の家にたどり着いた。
 古き良き日本の家と言う様子の、大きく和風な家。
 玄関のインターホンを青年が鳴らすと、しばらくして一人の男が出てきた。
「はい? あ、君か」
「どうも」
 出てきた男には青年は見覚えがあった。以前、青年が狐娘の家に行った際にあった、狐娘の父親で人間だ。
 男はニコリと笑って青年を出迎えると、背中の狐娘に気づき苦笑い。
「あ、もしかして、またこいつやっちまったのか? すまんなぁ、うちのバカ娘が。昨日は赤い満月だったから大変だったろぉ?」
「え? あ、まぁ、はい」
「とりあえず上がりなよ。お茶でも飲んでっていってくれ」
 男はそう言うと、青年にも断る理由もなく体力上限界を迎えつつあるので、狐娘宅に上がらせてもらう事にした。
 その際、背中の狐娘は自室に寝かせ、青年は居間へと案内され座布団の上に座る。
 ちなみに久遠と狐娘の弟はまだ帰ってきていないのか、家は静まり返っている。
「ほれ、お茶。俺が入れたから美味くは無いと思うけど」
「ども」
 男は青年にお茶を出し、お互いお茶を啜る。静かな朝、口を開いたのは青年だった。
 青年は昨晩のことを洗いざらい男に言った。
 いつもの発情とは違った事等を。男はそれを聞き終えると、ニコッと笑う。
「あぁ、言ってなかったかなぁ。あの双子に狐の血が通ってるのは知ってるな?」
「はい」
「それで、久遠もそうだけど、何故か発情期が赤い月の夜なんだ」
 男は語りだすが、青年はこの時疑問に思った。
 発情期が赤い月の夜……なら、昼間求めてきたのはただやりたかっただけ? と。
 そんな青年の心情など知るはずの無い男は語り続けた。
「満月になるにつれ発情は増し、赤い満月の日に、久遠達の発情は最高潮に達する」
「それが、あの」
「まっ、そういうことだ。最高潮に達すると、理性までほぼ無くなってほとんど野生に近い形になる。要するに本能で男を犯すってな」
「な、なるほど……」
 青年は思わず納得してしまう。そんな中、再びお茶を啜った男は青年に向かい真剣な面持ちで聞いた。
「君、昨日家の娘としたんだろ? 何回あいつの中に出した?」
「は? えっと……」
 突然の質問に、青年は腕を組み考え始めた。
 何回膣に出したか、それは青年にも覚えてはおらず、そんな青年の様子を男は笑って見ていた。
「そうか、覚えてないほど出したか。若いことは良いことだが、こりゃ孕んだな」
「ぶっ!!」
 そして、男が軽い口調でとんでもない事を言った時、青年は飲んでいてたお茶を思いっきり噴出した。
「なっ、何言ってんですか!」
「だって。まぁ、君なら俺も安心だ。これからもうちのバカ娘をよろしく頼むよ。しかし孫の顔が見たい気持ちっての、今分かったなぁ」
「ち、ちょっと、待った! あんた何言って、何この空気!?」
「俺の嫁抱いたくせに……」
「ギクッ!」
 一人で話を進める男に対し、青年は猛講義といこうとしたが、男の呟きに肩を震わせた。
「ふわぁ~、おはよー」
 居間に微妙に重い空気が流れる中、先ほどまで寝ていた狐娘が欠伸をしながら全裸で居間に現れた。
「おお、お早う。よかったな~、この青年がお前のパートナーになってくれるそうだぞ?」
「え? ホントに!? やった♪ 君とはエッチの相性がいいんだよね~♪」
「………」
 そして男は狐娘に青年にとって勝手な事を伝えると、狐娘は両手を挙げてにっこり笑顔で喜び、青年は今後の自分の人生が不安になった。
「ところで、昨日の夜の事覚えてないんだけど、あたしなんかやった?」
「そこに正座で座れ」
 とりあえず青年は狐娘に説教をする事にした。