「コロちゃん良く来たねー」
「こんにちはー」
うちの母親がニコニコしながらお茶を運んでくる。
コロは隣の老夫婦に飼われた雑種の女の子。誰からも好かれる、可愛らしいイヌだ。
おかっぱの髪の毛にイヌミミ、ちみっちゃい妹キャラでぼくらの家族ぐるみで付き合いがあった。
お隣とは垣根で仕切られており、コロはひとっ飛びでうちに時々やってくる。
コロの着ているセーラー服がよく似合う。今度高校に上がるうちの妹、洋子のものだった。
「着てくれる子がいれば」とうちの母親がコロにプレゼントしたのだ。
今日はちょっと寒いので、グレーのカーディガンを上から羽織っている。
コロはぼくのことを「お兄ちゃん」と呼ぶ。

「また、来てるの?あのイヌっころ」
妹の洋子が二階からコロを見ている。
洋子は動物嫌い。特に隣のコロに対しては異常なほどに敵対心を持つ。
やはり、同い年ぐらい同士だからだろうか。似たもの同士は仲が悪いって言うし。
この妹、結構おませさんという噂もちらほら聞く。

「こんにちはー」
コロが来た。しかし、うちから返事はない。
「こんにちはー」
縁側に上がり、ガラス戸をノックする。
「るすかなあ」
奥から出てきたのは洋子。
「なに?」
「わー、洋子ちゃん。こんにちはー」
「お兄ちゃんならいないよ、今日は大学のゼミで遅くなるって。飲み会みたいだよ」
「のみかい?」
「お酒をお飲んで遅くなるってさ」
「ふわあ。なーんだ」
コロは耳と尻尾をダランとさせた。
「残念だったね(わたしで悪かったね)」

コロと洋子は、縁側でジュースを飲みながら何か話している。
「コロちゃんって、誰が好き?」
「んー。お兄ちゃんかな?」
(この小娘、獣の癖に生意気な)と洋子は胸の奥でつぶやいた。
「そうそう、コロちゃん。男の子ってさ、元気なお姉さんがだーいすきなんだって」
「???」
「特にね、酔っ払ったりしてる時はもう、ぼくを襲って!って感じなんだってさ。」
「…おそう?」
「女の子もお酒を飲んでいい気分になると、やっぱりエッチい事考えるんだって」
「えっちいこと??」
「コロちゃんにはまだ早いかなあ、エッチいこと。大好きな人とする事だよ」
「ふーん。コロもかなあ」
「んふふふ。動物さんなら、言わなくても分かるよね?」
洋子はいたずらっ子の目をしていた。
「コロのお父さん、お母さんは優しいけどもうお年寄りだし…『おそって』あげられないのかなあ」
「もう、かわいいね…。あっ、約束があるからまたねー」
洋子はニシシと笑い、わざと分かるように兄のエロ本をばさりと落とし、奥へ引っ込んだ。
コロは本を拾い上げ家に帰った。

深夜12時半。ようやくぼくは、家に着いた。
ゼミの飲みの後にカラオケ。また飲みに連れ出される所を必死に抜け出したのだ。
持っている合い鍵で、玄関の扉を開けようとする。
がさがさ!
突然、生垣の中から音がする!
「誰だ?」
頭の中がぐらぐらする中、ぼくの目に映ったのは、尻尾をばたつかせるコロの姿だった。何故か、カンビールを両手に持っている。
「お兄ちゃんですか?」
「誰?コロちゃん?」
「おそってあげるね」
「は?」
「コロちゃん、今日はお兄ちゃんをおそってあげまーす!」
コロはぼくの股間を狙って飛びついてきた。
微かに、コロは酒の匂いがするし、顔も赤らんでいる気がする。
兎に角、家に入れなくては。イヌの酔っ払いなんぞ見たくもない。

居間にコロを連れ、冷蔵庫から麦茶を用意し、雰囲気を変えようとテレビをつける。
間の悪いことに、エッチな洋画が放送されていて丁度濡れ場のシーンがぼくらの視界に飛び込む。
カンビールを空けてコロはグイっと飲む。
「ニシシシッ。お兄ちゃんもこんな事されたいんだあ」
慌ててテレビのスイッチを切り麦茶をコップに注ごうとするが、手が震えて落っことしてしまった。
顔を近づけるコロ。甘い息が掛かるくらいの距離。
「今日のコロは、オオカミさんになっちゃいまーす」
「ま、待ってく…」
コロの柔らかい舌がぼくの口の中に入る。極上のアメを舐めるよう。
ちゅぱっ!
コロは幸せそうな顔をしている。彼女は獣、彼女の牙がぼくの理性を切り裂く。
「お兄ちゃんは、恥ずかしがり屋さんですねえ」
コロの右足が、ぼくのオスの証を優しくさする。だんだん、付け根が痛くなってきた。
手でその部分を隠そうとすると、ひっぱたかれた。
「もー!きょうはコロのどれいになりなさい!」
そんなSっ気たっぷりのセリフを吐くと、いきなりぼくのオスをズボンの上からぱくっとくわえ、おいしそうに舌で転がした。
「ねえ、お兄ちゃん。うれしいでしょ?」
ぼくは何も答えなかった。いや、答えたくなかった。



「お兄ちゃんも、いっしょにオオカミになりなさい!」
コロはぼくのズボンを引き摺り下ろす。恐るべし獣の血。
ぼくのオスはピーンと跳ね上がり、パンツの穴から顔を出した。
すかさずコロは手を捕まえて、パンツから完璧に脱がし、大事そうにキスをする。
じゅる!じゅる!
「コロのつば、つけたあ」
唾がぼくのオスを気持ちよく包む。コロは自分の手を見て赤かった顔をさらに赤くする。
「うわあ、べちょべちょだよお。ふふふ、コロといっしょだね」
膝立ちしているコロは、自分でスカートを捲ると、純白のパンツにコロの蜜がべっとりと付いていた。
ゆっくり自分のパンツを下ろすと、まだ生え始めた秘密の草原が糸を引いて湿地帯になっている。
「ねえ、なめなくていいの?」
コロの甘美な湿地帯がぼくの顔に近づく。ぼくは草原に飛び込む。
くすぐったさと、背徳感に包まれながらぼくの舌で濡らしながら、音を立てて舐める。
コロが喜ぶんだったら、ぼくは奴隷になる。
「くうん」
コロがイヌに戻った。尻尾をばたつかせる音が聞こえる。
「…そろそろ、お兄ちゃん…」
もうこれ以上しゃべらないでくれ。かわいいコロが、淫らなメスイヌに変身している。
ぼくとコロが密着する。コロは制服を着たまま、ぼくは上着のまま。
しかも自分の家の居間で淫らな姿をさらすとは。
困ったことに、ぼくの白いハチミツは、早く外に出たがってる。
と、思っていると二階から誰か来た。
「うるさいなあ」
洋子がぼくらの声に気付いたらしい。こんな姿、実の妹に見られたら死んでも死にきれない。
「コロ…」
「だめです。コロとお兄ちゃんのじゃまする人は許さないのだ」
洋子の足音がドン底へのカウントダウンに聞こえる。



「誰よ?」
遂に、禁断の扉が開かれた。南無三!
(きゃああああああ!)とでも言ったのだろうか?洋子は、見てはいけないものを見てしまった。
その瞬間ぼくはコロを突き飛ばすと、ぼくから白いハチミツが飛び出してしまった。
「くうん。あしがあったかいよお」
コロの太ももを陵辱していく白いハチミツ。
「見るな!!」
もう遅い、遅すぎる。兄として人としてもう…サイテーだ。
「お兄ちゃん。コロはきょう、とってもいい子でした…」
コロは疲れて、そのまま寝てしまった。
洋子は洋子で泣き出してしまった。
ぼくは…。

「どうするのよ…」
ぼくらは、コロの体をきれいに拭いてあげた後、両親、お隣が起き出す前にコロをお隣に帰した。
「なあ、洋子」
「…わかってるよ」

翌日、と言うよりその日の午後。コロは家に来なかった。
洋子は洋子でいつもよりおとなしく見える。やんちゃぶりはどこに消えたのか。
心配になったぼくと洋子はお隣を訪ねる。
窓辺では、コロはすやすやと昼寝をしていた。寝顔でも今はコロの顔を見るのは恥ずかしい。
お隣さん夫婦の会話が聞こえる。
「おかしいんだよねえ。昨日買ってあったカンビール、全部無くなってるんだよ」
「わしゃ、知らんよ。こんなに飲めるか」
犯人はすやすやと寝ていた。


おしまい。