浅瀬にゆらゆらと揺れるそれが、ある日女になった事を誰も知る者は無い。
地球より遙か彼方、宇宙の深淵の闇から放たれた一本の矢が青い星へ向かって突き刺さった。
矢の先にあったのは浅瀬でゆらめく肉厚な……。



白い人工砂の敷き詰められたビーチに太陽が降り注ぐ。

ヌーディスト達や、たるんだ肢体の白人女、陰部まで見えそうな尻が丸出しの若い美女の中で、彼女は白いという以外は目立たなかった。

沖から浅い水底に段々と陰が近寄って来る。
水の中を漂っていた彼女が、海底に腕を付き、体を重そうに空中に押し上げ、ざばりと髪を振り上げる。
邪魔そうに垂れた長い金髪を掻き上げると、豊満な乳房が美しい曲線美を見せる。
彼女は怠そうに立ち上がった。
ごぽりと口から粘っこい水を吐いて、深呼吸をする。
髪の張り付く濡れた素肌が光を反射して上下する。
彼女は少し歩くと砂浜に立ち、ぼんやりと辺りを見回していた。
「やあ、一人?」
すぐに声をかけてきた若い男に、全裸の彼女はぱっちりとした青い瞳を見開いた。
洞窟の底の水のように薄い青い瞳。
柔らかそうな桃色の唇を蠢かせる。
「あ……」
「もしかして外国人?」
機転の効くらしいその若者は彼女にタオルを差し出した。
体中の毛を伸ばし放題にしているのはヨーロッパ人だろうかなどと考え、様々な片言を交えて彼女に笑いかける。
下半身の金色の陰毛からは愛液を思わせる海水が滴り落ちている。
薄く微笑んだ彼女は若者に付いていくと、一緒に座り込んだ。
連れは居ないようだ。
若者は手応えを感じて、彼女に飲み物を差し出した。
「まだ灼けてないね。どこから来たの?」
彼女はふと、目の前の椅子に座っていちゃつき合う恋人に目を止めた。

軽いキスを交わし合う恋人同士。
ちらりと舌が見える。

美しい彼女は振り向いて傍らの若者を見た。
若者は彼女の異変に気づかない。
「アイスクリームも食べる?」
彼女は飢えた獣の光を瞳に宿すと、ゆっくりと若者の唇に噛み付いた。
驚く彼に構わず、浅黒く灼けた太い首筋をぺろりと一舐めすると彼女は嬉しそうに微笑んだ。
「あ!……そうだ!部屋に来ない?中には酒もあるよ」
パーカーを肩に掛けてやり、大きなタオルで腰を隠す。
若者の体は既に少々の反応を示し始めている。
あまりの展開の早さに戸惑いながらも彼は嬉しそうに支度を整える。
「さっきから何も喋らないね。だけどミステリアスで素敵だよ」
「あ……ふ?」
微笑みながら見つめ合う様子は一見何の変哲も無いカップルに見える。
だが、彼女の本質は人間では無い。
「さあ、行こう」
にわか作りの恋人達は嬉しげに、ビーチの背後にそびえる白いホテルへと入っていった。

―――――――――――――――――――――――――――



―――――――――――――――――――――――――――

ベッドの上に若者が転がっていた。
「う……あ……ふ」
嬉しげに微笑みながら、彼女は彼の顔に跨ると、若者の開いた口の中に股を押しつけた。
脚の付け根、性器からチュルチュルと小さな肉の花弁が飛び出し、すっぽりと口の中へ納まる。
「あっ…あん……うん…」
腰を淫らに動かしながら、肉芽の先が柔らかい舌に突き刺さった。

明るいリゾート地に端を発した、通称「吸血鬼」事件はこうして幕を開けた。

―――――――――――――――――――――――――――

ベッドルームに誘い込み、ソフトドリンクを手渡したにも関わらず彼女は少しも飲まなかった。
邪魔くさそうに服を脱ぐ、というよりは剥ぎ取ると裸になってベッドに座り、若者を誘うように微笑む。
「積極的だね。もしかして、置いて行かれたの?まさか、こんな綺麗な君を……」
側に座ると、話もそこそこに押し倒すようにして若者は唇を奪われた。
ねとねとと舌を絡ませ、貪るようにキスを交わす。
「キス、上手いね……っていうか、何だろう……全然他の人と味が違……」
若者の頭にとろけるような感覚とまた別に、舌から麻薬のように甘く刺すような感覚と痺れが広がっていく。
「凄いよ……キスだけでイきそうだよ……」
強く舌を吸い出され若者は口から涎を垂らす。
恍惚とした表情の男に、彼女は豊かな腰を擦りつけた。
既に溢れる蜜が幾筋も垂れ、膝まで濡らしている。
「もうこんなに出てる。恋人に捨てられたのかい?そんな男はやめて僕と……」
若者は水着を下ろしてベッドの下に蹴っ飛ばした。
きりきりとはち切れそうに屹立したペニスを彼女がさも美味そうに舐め始める。
「あうっ……あ……ふぐぐ……」
先に溜まった水玉をちゅるりと舌で舐め取ると、口の中で味わうようにして美しく笑む。
彼女は舌なめずりをすると、かっぽりと亀頭を銜え込み、舌先をもっともっとと鈴口へ擦りつけた。
「あうん……ダメだよ。そんなに……出ちゃう……」
彼女の肩に手を乗せると、ぐちゅりと涎を垂らして彼女が不思議そうな顔で起きあがる。
「う……い……?」
「さあ」
今度は彼女をベッドに押し倒し組み敷くと、愛撫も無しに濡れた性器へペニスを突きつけた。
「もうこんなに欲しがってる」
薄桃色の秘部に焦らすように擦ると、くぷくぷと溝で泡立つ音がし、若者の腰に耐えきれない快楽の種を植え付ける。
「う、……欲し……」
「欲しいのかい?」
「……ほ……欲しい……」
先で彼女の可愛らしい豆を弄っていた若者は体勢を整え照準を定めると、ずぶりと入り込んだ。
「あ……あ……あぐっ……ふ……う」
割り入れられる快感に彼女が喘ぐ。
イった様子も無いのに、ぬるぬるに濡れそぼった彼女の膣が彼の逸物をきつく締め付けた。
「ああっ……凄いよ……締まる……気持ち良い」
「……す……よ……気持ち」
彼が一突きすると彼女の躰はビクリと震え、脈打ち飲み込むような動きでペニスを締め付けた。
「あぁ……いい……気持ち良い……最高だよ……こんなの」
脈動が遅くなるのを見計らってゆっくりと膣壁を擦り上げる。

ぐちゅっぷちゅっ、ぐちゅっぐぽ……

突く度に彼女の蜜が泡立って白くなって、淫らな粘着音をたてる。
「あ――!」
獣じみた叫びを上げ、彼女は金髪を振り乱し狂乱する。
むっちりとした白い太股をぐいと押し広げ、大きく開けられたピンク色の秘部に赤黒いペニスを何度も送り込んでは引き、押し込んで掻き回す。
あらゆる方向から突き上げて敏感な部分を探し、大きく割り入れると奧にある敏感過ぎる部分を亀頭で押してやる。
「あっ……えっ……あが……」
「ここが良いみたいだね……」
小さく揺れ、子宮口へ触れるペニスの先が彼女を深い快楽の頂上へと追い上げて行く。
彼女は絶頂に達し、膣を震わせて狭め、上の口からは涎を垂らした。
「このままだと、僕が気持ち良くないんだ」
小さな揺れを刻んで責め続けた彼がゆっくり腰をスライドさせる。
「あ……あ……あぁ――」
「イきっぱなしだね……凄いよ」
爪を立てて肌を掻きむしる彼女の手を抑え付けると激しく腰を打ち付ける。
「一回じゃ収まりそうにないから……」
激しく膣を擦り、数度ぺたぺたと音を立てるとずんと突き上げる。
「……はぁっ…はっ…」
ひくっと若者が震えた。
限界に達したペニスの先から腫れて締め付け脈打つ膣内へ勢い良く精液が飛び出す。
「あ……」
彼女が射精の小さな衝撃に反応する。
ぴくり。ぴく。
数度彼のペニスが脈打つと、彼女の膣はそれを飲み込むように絞り上げた。
「凄い……こんなの……」
驚く男に彼女は艶っぽく笑いかけた。
繋がったまままた、一頻り濃厚なキスを交わす。
たわわな乳房の先を指で転がすと彼女の奧が柔らかく蠢く。
「あ……固くなって来た」
ずちゅりと腰を回すと簡単に彼女は絶頂に達した。
「あ――」
脈を打ち、よりきつく締め付ける膣が彼に痛みさえ引き起こす。
「ああ……きつい……痛いくらい……気持ち良い……死にそうだ」
若者は結局抜かず勃起した楔を再度彼女に打ち込む。
彼女はぐったりとして、彼の律動に任せ柔らかな張りのある躰を揺らす。
「んあ……気持ち……良い……う」
「僕もだ……このままずっと……」
乳房をねろねろと舐め、ずぶりと突き上げる。
「あ……あ……」
彼女の汗まみれの肌から苦い塩の味がする。
若者は一度躰を抜くと彼女を腹這いにさせた。
ぷりんと形の良い尻を抱え上げ、どろどろに溶けた部分にペニスを押し込む。
「あぁん……ああっ」
「もっと、いろんな体位を試したいんだけどね……気持ち良すぎるんだ……」
パンパンと音を立て短い突きを繰り返すと若者は絶頂に達しもう一度彼女の中に精を吐いた。
―――――――――――――――――――――――――――
若者はそうして何度も彼女とセックスをした。
しかし疲れて眠り、目覚めると体中が麻痺し動けない。
彼女は、動けない彼をゆっくりと吸い取り、飲み尽くした。
―――――イソギンチャク女は、部屋の中を歩く内に偶然踏んだリモコンで点灯したテレビの前にへたり込んだ。
ぼんやりとテレビに見入る。
発光する画面の中では忙しく人間達が喋り、動き回る。
女はクローゼットを開けると服を取り出した。
男物の服の中から、出来るだけ明るい色の女物に見える服を選んで羽織る。
テレビを振り返り画面の中の女を観察する。
ベッドに無言で横たわる男の血まみれのネックレスを外すと首にかけた。
「う……あ……」
鏡とテレビを交互に見ながら発声してみるが上手くいかない。
彼女は鏡を放り出した。
鏡は壁に当たってカチャンと割れた。
外の灯りが割れた鏡に反射してキラキラと輝く。
「お……?」
それは彼女のやってきた海の光を思い出させた。
お腹も満ちたし、海に帰りたい。
言葉を成さない思いを抱え、彼女はドアノブと格闘すると数分後にはホテルを後にしていた。

―――――――――――――――――――――――――――

男の体を喰らうという長い食事の後、日も暮れかけ、巨大な赤い太陽が沈んでいく。
海の中へ戻ろうと試みた彼女は海水をしこたま飲んで砂に倒れていた。
苦しみと悲しみが一緒になって、初めての涙を流す。
「う―う――げほっ……うっ……うぇっ……えっ…えっ……あー!」
人は半裸で転がり泣き叫ぶ美女を遠巻きに歩く。
彼女の傍らに少年が座り込んだ。
「大丈夫?」
「う?」
「喋れないの?」
少年は幼さの残る顔に寂しげな微笑を浮かべた。
「うー……」
「ほら、立って」
日に焼けた手を差し出すと、つられて彼女は立ち上がった。
少年は丸出しの股間に顔を赤らめながら彼女の服を整えてやる。
まだ十代の少年は彼女と背が変わらない。
「お腹減ってない?一緒に食べよう」
そう行って少年は彼女をレストランへ連れて行った。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「食べないんだね」
人真似をして水を飲む彼女に話しかける。
「うぃ」
彼女はこっくりと頷いた。
少年の向こうで、ちょうどカップルの女が恥ずかしそうに頷いたのを真似たのだ。
「僕の名前は○○○って言うんだ。言ってなかったね」
少年が問わず語りに語り始める。
彼は大金持ちの息子であったが、家庭内の愛情に恵まれず今日も両親に捨て置かれたまま日がな一日ビーチに居たのだった。
拾った女、しかも知能の低そうな見るからに怪しい風体の女に同情し自分を投影しているようだ。
彼は少な目の食事を終えると、彼女の服を見やった。
ぶかぶかと肩が落ちたシャツから鎖骨が覗いている。
「……。もっと似合う服を着せてあげるよ」


―――――――――――――――――――――――――――


高級服を扱う店に入ると店内の人物はぺこぺこと辞儀を繰り返した。
「彼女に似合う物を」
数店に入り適当に選ばせ、全て買い上げると部屋に送るよう指示する。
彼女以外の人間には、少年の様子は人に命令し慣れた小さな王子といった印象を与えた。
夜になっても明るい街を彼女は連れ回され、小腹を空かせ始めていた。
しかし、たっぷりと摂った男の精液と血で、まだ「狩り」をする気分にはなれなかった。
それに彼女はこの世界に慣れ始めたばかりで何も分からない。
体中の神経を刺激する情報に頭がはち切れそうだった。
「大丈夫?疲れさせたみたいだね。帰ろう」
小さな王子は悲しげな様子で俯いた金髪の中を覗き込んだ。
途中の店で着替えたカジュアルな靴と服の中で、それでも少し窮屈さを感じながら彼女は覚え立ての肯定の意を示して見せた。

ホテルに入るとキーを受け取る。
彼はどこでも丁重に扱われた。
他人には虚勢を張るように傲岸不遜な態度を取るが心中では誰かに保護されたいという感情が溢れ、逆に庇護欲を掻き立てる存在を欲している事に、少年は気づき始めていた。
……僕には彼女が必要だ。彼女に必要なのは僕では無いのかもしれないが。
酷く寂しい己に気づき苦笑する。
……名前も分からない彼女に適正な人物が現れるまでのお遊びに過ぎない。
……だが、それまでに。


少年はドアを開けた。

―――――――――――――――――――――――――――
風呂場に二人で入り体を洗ってやる。
「あは……あひゃひゃ……」
「おい、こら。暴れるなよ」
泡まみれの彼女はくすぐったがって暴れた。
「あっう――うふ……」
浴槽に向き合って入ると気持ちよさそうに唸り声を発する。
「本当に喋れないの?エレナ」
少年は勝手に付けた母の名前で呼びかけた。
「う?」
「真似してみて」
「ま……し……」
「エレナ」
「え……えれ」
「そうそう」
「……そうそう」
少年は噴き出した。
半ばオウム返しにしていた彼女も一緒に笑いだす。
一頻り笑い合うと少年はお湯の中で桜色に染まった彼女、つまり「エレナ」をきゅっと抱きしめた。
「あ……エレナ……好きだ」
猛り始めた部分が湯よりも熱い。
「エレ……ナ……好き……」
拙い舌使いでエレナが答える。
「本当?僕を好き?」
至近距離で青い海の色の瞳を見つめると少年は幸福感で頭がクラクラした。
「ほんと……を……好き」
「っ……」
エレナは口の中に飛び込んできた舌を舐め返す。
舌に含まれた目に見えないほどの細かな棘が彼の舌を痺れさせる。
耳を塞がれくちゅくちゅと音が頭へ響く。
湯の中、下半身の穴からぬるりと涎が垂れた。

「んっ……凄い。何でだろ……頭がおかしくなりそう……」
エレナの唇を貪り、整った白い顎に涎を溢れさせた少年が荒々しく呼吸する。
「ああっ……ダメだ。ここで良いかい?」
「う……」
エレナも興奮した様子でかぶりを振った。

――――丁度小腹が空いた所に良い「おやつ」だ。

「ん……あぁっ!」
ぐっと肉を割って入ってくるペニスの感触にエレナは仰け反って喜悦の声を漏らす。
奧まで一気に突き当てると少年は柔らかく跳ね返す桃色の肌に抱きついた。
「あ……エレナ……気持ち良い。何……凄い。ヌルヌルで……」
穴の奧から肉手がぬらぬらと彼の赤く勃起したペニスに絡み付く。
水中へ大量に溢れた蜜が、湯気のように滲んだ。
「あっ……ぁあ……」
とろけるような快楽がエレナの腰を侵し始める。

――――そういえば何、これは。とろけそうに気持ち良い。今はコレを味わって、ゆっくり、ちょっとづつ食べれば良いわ。
湯を波立たせ、ゆっくりと下半身の「口」を突き始めた少年の腰をすらりとした脚で抱え込んだ。
「あっ……はぁ……はぁっ……エレ……っ」
数度彼女を突き上げると少年は放精した。
餌の死の瞬間のの痙攣を彼女に思い出させるように、ひくひくと彼女の腕の中で戦慄し、甘いシロップを彼女の「口」に流し込んだ。
「んんっ……」
黒く日焼けした肩を抱き寄せるとエレナは「膣」をひくつかせた。
飲み込むように蠢かせ溢れた蜜混じりの湯ごと吸い上げる。
「ああっ!」
放出し敏感になっていたペニスを刺激され少年は叫んだが思いの外力強い腕と脚に逃げることが出来ない。
エレナが少年の唇に噛み付く。生かしておく為に獲物を傷つけないように軽く噛んでやる。
「うっ……ん……」
促された少年がエレナにキスし舌を絡ませる。
半ば食われかけているとも知らず快感に下半身と頭を痺れさせ、膣の中で勢いを取り戻した陰茎を膣壁で緩く扱いた。
少年の腰がむずむずと疼く。
くちゃくちゃとキスを交わし合い、舌を放すとだらしなく白い糸が落ちる。
「ごめん……早くて」
エレナは媚びて見上げるように見つめ、微笑んだ。
汗と湯で明るい金髪が桜色の頬と唇に張り付いて艶めかしい。
少年が指で髪をどけてやると、涎まみれの紅い唇が指を吸った。
膣から抜いて半分勃起していた下半身にぞくりと血が集まるのを感じる。
「……ベッドに行こう。このままじゃのぼせてしまう」

―――――――――――――――――――――――――――
数日を少年と共に過ごし、何度も「セックス」を行ったが、彼女は少年を食べ尽くさなかった。
余程腹が減っていなければ排泄液だけで事足りると学んだ彼女「エレナ」は、飽きず彼をベッドに誘い、体中を舐め、旺盛な十代の少年の精を搾り取った。

彼の言う「口」で何度もペニスを含んで舐めてやる。
最初より出が悪くなった、白い甘い液が彼女の口の中にとろりと漏れ出す。
「はあぁ………」
少年が溜息を漏らし、彼女は最後の一滴まで飲み込んで口を放す。
「……凄いよ。舌が何本もあるみたいだ……」
舌なめずりすると、彼の唇に唇を当てる。
口内の唾液を啜り、飲み込む。
こけた頬の少年がキスに答え舌を蠢かせた。

――――こちらも出が悪い。まだまだ空腹には程遠いが、他の餌を味見しておくのも悪くはない。


数日を少年と共に過ごし、何度も「セックス」を行ったが、彼女は少年を食べ尽くさなかった。
余程腹が減っていなければ排泄液だけで事足りると学んだ彼女「エレナ」は、飽きず彼をベッドに誘い、体中を舐め、旺盛な十代の少年の精を搾り取った。


彼の言う「口」で何度もペニスを含んで舐めてやる。
最初より出が悪くなった、白い甘い液が彼女の口の中にとろりと漏れ出す。
「はあぁ………」
少年が溜息を漏らし、彼女は最後の一滴まで飲み込んで口を放す。
「……凄いよ。舌が何本もあるみたいだ……」
舌なめずりすると、彼の唇に唇を当てる。
口内の唾液を啜り、飲み込む。
こけた頬の少年がキスに答え舌を蠢かせた。

――――こちらも出が悪い。まだまだ空腹には程遠いが、他の餌を味見しておくのも悪くはない。


下半身でペニスを銜え込み少し揺さぶってやると固さが少し戻る。
膣口をぎゅっと締め付けると少年が仰け反った。
合わせていた唇が離れ、吐いた唾が飛び散る。
「ああっ……ダメ。死んじゃうよ……こんなの……」
散った唾を舐め取りながら、下半身のきつく閉じた穴の中の触手を蠢かせる。
無理に鬱血させた陰茎が充分な固さを取り戻し始める。
少年の平らな胸の上のお飾りのように付いた乳首を指先で転がすと、ペニスがぷっと極少量の精液を吐いた。
ペニスの根本まで這い出ていた肉手がちゅるりと戻り、きゅっと吸い上げる。
「美味しい……美味しい……」
ずぶずぶと腰を上下に動かしながら、膣内の肉手でペニスを扱く。
腰に彼女を跨らさせたまま少年は顔色が目に見えて悪くなり、ぐったりと腕を広げた。
「も……ダメ……」
諦めた彼女が萎れた茎を吐き出す前に、少年は奈落の底へ落ちていくような感覚の中深い深い眠りに落ちていった。


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最終更新:2007年10月23日 21:14