自然あふれる村。
 そこに一人の女性が住んでいた。
 腰まである綺麗な白銀の長髪、神秘的な真紅の瞳、その女は村で一番美しい女性として有名である。
 しかし、誰とも話そうとも接しようともせず、村人との交友関係は決してよいものではない、むしろ悪い方だった。
 何故なら、白銀の女を村人は恐れており、それにより女も次第に他人を嫌うようになる。
 しかし、そんな他人嫌いな女性にも一人、たった一人だけ心を許す者がいた。


「んんっ……んぷっ!」
「くっ……出ます……ッ!」
 それがたった今、白銀の女に肉棒を咥えられ絶頂した男、名は良太郎(りょうたろう)。
 年齢もうすぐ二十歳……訳あってこの村に越してきた男。
 特にカッコいいわけでもない、ごく普通の人間であり、女の中に精を放ち体を痙攣させている。
 女も良太郎の精液を口内に納まりきれず、口を離すとボタボタと唾液と精液が混ざったものが彼女の胸へと落ちていった。
「んく……ふぅ、相変わらず濃いな、良太郎のは」
「わ、若いっすから」
「フフ、そうか、そうだろうな。もう硬くなっている」
「は、はは、若いっすから」
 女は笑みを浮かべ、良太郎は苦笑しつつ再び来る快感に身を震わせる。
 女の言うとおり、彼女が良太郎のに肉棒を手で数回しごいただけで、肉棒は再び硬さを取り戻していた。
 そんな中、良太郎は自分が置かれた状況を女に尋ねてみることにした。
「ね、ねぇ、白(はく)さん?」
「どうした? 欲しいのか?」
「い、いやまぁ、ここまでされたら……って違くてね? ここ玄関ですよ?」
「それがどうした?」
「あ、あの、普通こういうのは、玄関ではしないものでありまして……」
 そう――良太郎は今日、白銀の女、白の家に訪れていた。
 そして玄関を開けた刹那、全裸の白に押し倒されたのだ。
 しかも、玄関は開けっ放しで……。
 まぁ、白の家は元々ボロボロで誰も住んでいない和風で大きな屋敷で、かなり古いが大きな門もある。
 だがそれでも、大きな隙間小さな隙間から、良太郎と白の行為は丸見えであり、良太郎にとってかなり恥ずかしいものがあるのだ。
 白の家には誰にも寄り付かないので誰にも見られる事はないが、押し倒した張本人は反省するどころか、妖艶な笑みで肉棒をさらにしごきあげた。
「ここは私の家。ならば何処で良太郎としようが私の自由だろう?」
「そ、それはっ……ぅッ、そうなんですけど」
「それに……私の本当の姿を知っているのは良太郎だけだから」
「そう、ですか……」

 肉棒をしごきながら、白は良太郎と唇を重ねる。
 唇が放れると、良太郎は白の言葉に納得してしまう。
 白は人間ではない、その正体は人に化ける能力を生まれつき持っている犬だ。
 人間に化けれるという能力で、白は幼いころから山犬に意に嫌われ天涯孤独の身であった。
 そして犬に見放された白が思いつく事といえば、人間として生きること。
 しかし、人間に化けられるといっても、白銀の犬耳と尻尾は残ってしまう為、それさえも叶わなかった。
 それでも犬の生活よりはマシだったのか、白は人間として村に残り、そして良太郎と出会った。
 出会いは簡単だ、白が犬形態になるところを、たまたま良太郎が目撃してしまった為。
 しかしそれは、白にとっては不運なことでも何でもなかった。
「あの時、良太郎に見られなければ、私は良太郎とこうしている事もできなかった。ずっとひとりぼっちだっただろう……」
「は、白さん……」
「良太郎………私は、ずっと良太郎と一緒にいたい。だめか? 迷惑か?」
 そして良太郎にとって最強の殺し文句が放たれた。
 犬耳と尻尾を寝かせ、良太郎に尋ねるように瞳を潤ませ尋ねる白に、良太郎は即答で頭を縦に振った。
 すると、白の嬉しそうな笑顔とともに犬耳は立ち、尻尾は音を立てて振られている。
 そして白はもう一度良太郎と唇を重ね、良太郎の肉棒を片手で掴みつつ、自らの秘所にあてがう。
「んッ……入れるぞ、良太郎」
「は、はい」
 良太郎に了解を取ると、白は一気に腰を下ろし、良太郎の肉棒を受け入れた。
 そして挿入の感触に浸る間もなく、激しい出し入れが始まり良太郎の体はブルッと振るえ、白は喘ぎ始めた。
「あぁッ、あんッ、はあッ、はぁんッ!」
「ぅく……」
「あぅんッ……き、気持ちいいかぁ? へあぁんッ、りょうた、ろう……?」
「は、はい……とてもいいです」
「そ、そうか、よかった。んッ、私もきもちいいッ……良太郎とッ、あんッ、おそろいだ」
 良太郎の胸に両手を置き、前かがみの姿勢で腰を振る白は、尻尾を振りながら甘えたような声で良太郎に尋ねる。
 白の膣内は肉棒をただ締め付けるだけではなく、ウネウネと動き、まるで別の生き物のように良太郎に快感を射精へと導く。
 その気持ちよさに良太郎もただ頷き、自らも腰を突き上げた。
「ひゃああんッ! りょ、たろ……きもちいいッ、りょうたろうッ!」
「白、さん……もう、出ます……ッ!」
「い、いいぞ、出してくれ……ッ……私の中に、ぜんぶぅッ!!」
 良太郎は限界を迎えたようで、白に射精を訴えると、白はさらに激しく腰を動かし良太郎もラストスパートと言わんばかりに肉棒を突き上げる。
 そして、良太郎と白の我慢は切れて、ほぼ同時に達した。
「あッ……んああああああああああぁぁッ!」
 白の叫びが家中に響き、びゅくびゅくと音を出しながら、良太郎は白の膣の最奥に精を放出させた。
 射精はしばらく続き、その間も白の腰はゆっくり動き続ける。
 そして射精が終わると、二人は繋がったまま見つめあった。

「良太郎、たくさん出たな」
「そ、そうですね……」
「良太郎?」
「なんです?」
「私は幸せだ……良太郎は?」
「俺も、ですね……」
 白は幸せそうに微笑んで尻尾を振り、良太郎に抱きついた。
 良太郎も白の背中に両手を回し、二人はしばらく抱き合っていた。

 白にとって、良太郎は特別な人だ。
 良太郎自身はごく普通の人間だが、ただ一つ、村の誰もが、子供でさえも恐れた尻尾と犬耳を生やした白を、良太郎は恐れず接した。
 ただそれだけ、なのだが、白にとってはこれ以上に嬉しいことはなく、白は精一杯愛した。
 良太郎もそれに答えるかのように白に惹かれているのだ。
「良太郎、私は良太郎の子供が欲しいな」
「が、がんばります……」
 そして今日も二人は愛し合う。
 良太郎がお父さんになる日も、そう遠くはないだろう。

―終―

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最終更新:2007年02月22日 14:00