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96 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/16(火) 02:00:21.86 0 &color(blue){>>95 } 第381回 「妬かないの?」 「え?なんで?」 「他の人に好きって言われたんだよ?妬いてくれないの?」 「・・・いや、みやは別に好きじゃないし」 「またそうはっきり言うんだから。ちょいちょい傷ついてんだけどなぁ。」 ももはあからさまに落ち込んで見せた。わかってる、演技してるって。 だって顔笑ってるもん。でも、だけど、一瞬、本当に悲しいって顔をしたから だから・・・・素直になってみた。あの、会長さんみたくはいかないけど。 「・・・正直言うとちょっと妬いた」 「え?なんて?もっかい!」 「もう言わない」 「えぇ、みや言ってよー」 「言いません!」 「みやぁ!」 なんて、結局はいつもの言い合いになって笑って終わり。そう思ってた。 だけど、一瞬でもしてしまった嫉妬がうちのことを変えた。 いや嫉妬してる時点でもう変わってたのかもしれないけど。 好きだと言われててもあんまりピンとこなかったし、 ももとのやりとりも好きと言われてからも普段と変わらなくて意識なんかしてなかった。 思えばそれは決断することから逃げていたのかもしれない。 だけど、今日の話を聞いて会長さんに嫉妬した。 それはももを好きだって言ったこともあるけど、素直に決断したことへの 羨ましさもあったと思う。すごいなって、感覚。 でもそれがなんとなく悔しくもあった。・・・うちは素直じゃないから。 97 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/16(火) 02:02:23.42 0 &color(blue){>>96 } 第382回 ・・・会長さんにももは渡したくないな。 妬いて、羨ましくて、悔しくて、 ・・・だからやっぱり、ももは渡したくない。 「もも、・・・・うち、ももが好きかもしれない」 ももの家からの帰り道、星空にそっと呟いた。 誰の耳にも届くことのない言葉が小さく響いてすぐに消えた。 ・・・でも、まだ「かもしれない」だから。 まだ、違うかもしれないから。 だから、この気持ちはまだ、心の中に置いておこう。 122 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/18(木) 01:07:30.34 0 &color(blue){>>97 } 第383回 「ありえない」 「ていうか眠い」 「まだ7時過ぎなんですけど」 「昨日遅くまで勉強してたから眠い・・・」 「何を考えてるんですか、いったい」 「さぁ、全くわからない」 「・・・ちょっと寝てもいいですか?」 「てか普通に狭い」 「ちょっとみやそっちいってよ」 「やだよ、千奈美が行けばいいじゃん」 「まあまあ、ケンカしないの」 「そういやえりかちゃんなんでいんの」 「いや呼ばれたから」 「入んの?」 「たぶん」 「あ、ご、ごめんなさい」 「いいよ、狭いんだから当たらない方がおかしいよ」 ここにいる全員がもれなく、一言は文句を言った。 それはすべて、部長に向けられている。 そしてその部長は、人を朝の7時過ぎに呼び出しておいて なぜかいない。 「もも何やってんの、あぁ、超腹立ってきた」 「まぁまぁ、みや」 「だめ、来たら絶対怒ってやる」 123 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2010/03/18(木) 01:08:13.72 0 &color(blue){>>122 } 第384回 ・・・しかし、狭いなぁ。 何が悲しくてこんな狭い部室に16人も・・・。 イスは3つしかないから、地べたに座る人もいるし机に座る人もいる。 ・・・満員電車くらい、狭い。ぎゅうぎゅう。 ももが来たところで、ゆっくり立ったり座ったりする場所は一切ない。 何を考えてんだか。 あ、実際活動を始めたらどうなるんだろう?ここではもちろんできないし この間みたいに会議室・・・もいつでも借りられるわけじゃないし。 かといって部室変わるのは当初の目的からして相当矛盾してしまうし。 たいたいももがそんなの絶対いやって言うし。 じゃあ、どうするんだろう? そういえば、会長さんいないな。・・・ひょっとして、みんなにお披露目、的な? 「みんなごめーん!部長、ただいま参上!なんつって」 しょうもないことを言いながら、部長、ことももは現れた。 ドアを開けた瞬間ぎょっとした顔をしたことをうちは忘れない。 だから、ももは部屋には入らずドアを開けた状態で話をすることに決めたらしい。 「もも遅い、一番遅いってどういうこと」 部屋の真ん中辺りにいるうちは、入り口のももへ声をかけた。 「ごめんごめん、まぁ、そう怒らないの」 軽い。非常に軽い!みんなどんだけ狭くて暑い思いしてると思ってんのあのバカ。 124 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/18(木) 01:08:54.15 0 &color(blue){>>123 } 第385回 「ごめん、みんなをここへ呼んだのは朝一で報告があったから。」 ももがそういうとみんなは一斉に顔を見合わせた。 「なんと、部員が目標に達しましたー!!ほら、みんなもっと盛り上がる!」 もものハイテンションは朝からきつい。みんな低いテンションのまま手を叩いて盛り上げる。 「なんかイマイチだなぁ、まぁ、いいか。一番最後の部員、清水佐紀ちゃんでーす!」 「・・・・どうも」 ももが引っ張ってみんなの前に出したのが、生徒会長さんだった。 みんな「えっ・・・」って感じで固まった。 ちょっと恥ずかしそうに下を向いてる生徒会長、・・・・ちょっと可愛い。悔しいけど。 「え、会長なんで」 「いやぁ、まぁ、いろいろあって」 「そ、そうですか・・・あ、でも嬉しいです」 「よ、よろしくね」 入り口付近で愛理といちゃついてた熊井ちゃんが声をかけた。 ビックリと言うか、唖然と言うか、そんな顔をしてる。 そりゃそーだ。全員、いや、よく見ると茉麻と梅田先輩はそうでもなさそう。 きっと知ってたんだ。確か、友達とか言ってたし。 「で、まぁ、紹介はここまで。とにかく嬉しくてさ、文芸部の存続はほぼ決定だし!」 「あ、あの!そのことでちょっと」 ももが嬉しそうに言った後、前田ちゃんが口を開いた。 125 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/18(木) 01:10:26.38 0 &color(blue){>>124 } 第386回 「あの、なんだっけ社会なんたらっていう同好会、一人増えて、文芸部と同じ人数みたいで・・・ 確か上回らなきゃいけないとか言ってませんでした?」 「そ。じゃなきゃ、ここは没収」 冷たい声で会長さんが言う。あぁ、やっぱり生徒会長だ。とある意味安心感。 「えぇぇぇ、ちょ、じゃあ明日までにもう一人集めなきゃいけないの!?」 「そういうことだよ、もも」 「ごめんなさい余計なこと言って・・・」 いや、前田ちゃんは悪くない。 なんだかその申し訳なさそうな顔、こっちが余計申し訳ないよ。ごめん。 だが、全員に、もれなく疲労感が襲った。それでなくても朝早くに呼び出されて 天敵生徒会長が仲間に入りまーすとか衝撃的なこと聞かされて さらにやっと集まってほっとしたところにまだ一人必要だとか知らされて。 ・・・・がっかりしないほうがおかしい。 ◆ 全員で、校門に立って勧誘をした。が、もちろんテスト前にそんなところに関わろうとする 奇特な人はいない。いるわけがない。もも以外は、当然わかっていた。 そこでうちとももはなんとかあいつを巻き込もうと、屋上へ向かうのだった。 174 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/22(月) 01:14:02.37 0 &color(blue){>>125} 第387回 朝、部室に集められてまあ狭くて暑くていろいろあって、 私たちは校門で勧誘活動・・・だけど、まあ脈はない雰囲気。 飽きた私は校舎の間を抜けて、中庭のベンチに座った。 校門前の喧騒とはうってかわって、すごく静かな場所。 …と思ったら、一人付いてきたみたいだ。 「えーり、サボってんなぁー」 「飽きちゃった」 「あはは、私も」 舞美は疲れたのか小さく笑って、私の隣に座った。 そりゃそうだよね、朝早かったし。 …って私まだ正式に入るとは言ってないんだけどなぁ。 でもまぁ、文芸部は結構おもしろい。活動じゃなくて、・・・人のことだけど。 なんていうか、個性的っていうかさ。 「えり、試験終わったらデートしよう」 「へ?」 「へ?じゃなくて。約束だったでしょ」 「あぁ、・・・覚えてたんだ」 「当たり前じゃんか。えり、入部してくれて助かったし・・・うん」 舞美はちょっと恥ずかしそうだ。デート、なんて言ったせいかな。 かくいう私も赤くなってるわけで。 175 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/22(月) 01:15:07.29 0 &color(blue){>>174} 第388回 「どこいきたい?」 「そうだなぁ・・・・どこでも」 「もう、またそうやって困る返事をするんだから・・・」 「舞美考えてよ。」 「えぇ・・・・うん、まあわかった」 照れくさそうに困ったように舞美は髪をいじりながら頷いた。 なんだかちょっと可愛い。きっとあんまり人に見せない無防備な顔。 「愛理ちゃんはいいの?」 「・・・・まだ考え中」 「デートするからには、吹っ切ってもらわなきゃ」 「・・・・・それはちょっと難しい」 「冗談だよ、いいよ別に。」 急にテンション、というかトーンの下がる舞美。 吹っ切ってるはずないか。 愛理ちゃん目当てでわざわざ東北から転校してくるんだもんね。 その本気度はわかってる。だからこそ、辛いんだけどさ。 でもあんまり考えると余計に辛いから、極力考えないようにしてる。 話をしているうちにチャイムが鳴って、私たちは教室へ急いだ。 …そういや、部員は本当に大丈夫なんだろうか? 部長さんが言ってた「心当たりあるから任せて」とは一体誰のことなんだろう。 …なんとなく、いや、なんとなくだけど嫌な予感がした。 まあ、でも今はとりあえず勉強に頭を切り替えよう・・・・。 230 名前:&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/27(土) 00:54:38.96 0 &color(blue){>>175} 第389話 お昼休みの屋上。 あたしが常駐してるとわかっているからなのか、誰もいない。 うーん、快適。静かでいいや。 そのうち、ももちゃんかみやが来るだろう・・・今日のお弁当はなにかなぁ。 と、お弁当を開こうとしたら神妙な顔したももちゃんとみやが現れた。 なんだろ? 「めぐちゃん、お願いがある」 「めぐ、真剣に聞くように」 「な、なによ?」 そういう風に切り出されると身構えてしまう。な、なんだ? 「文芸部入って」 「入って」 「え?いやだよ、てか前に断ったじゃん」 「緊急事態だから」 「めぐが入ってくれないと困るの」 「ちょ、ちょっと、、まず理由を言いなさい」 もう、そういう感じで言うのはやめてよね。 ちゃんと理由を説明しなさい。 …なんかこの2人って全然似てないと思ってたけどちょっと似てきた・・・。 ももちゃんが慌てながら、みやが適時訂正と補足をしながら説明してくれた。 ふむふむ。なるほどねぇ。 231 名前:&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/27(土) 00:55:25.19 0 &color(blue){>>230} 第390話 「・・・っとまぁ、そういうこと」 「だからさ、めぐ頼むよぉ」 「・・・・あと一人なんでしょ?じゃあどっちかのクラスから適当に・・・ていうか」 「なに?」 「生徒会長が入部ってそれネタじゃないよね?」 「そんなわけないよ、ももが入部させたんだから」 「・・・じゃあ、余計入るわけないじゃん」 二人から顔を背けて空を見上げる。悪いけど、入部は出来ないよ。 そりゃ、力にはなりたいけど。水と油なんだよ、あたしとその人。 それに、・・・他の子が嫌がるでしょ、あたしなんて。 「めぐちゃん、前に他の子が怖がるとか嫌がるとか言ってなかった?」 「あぁ、うん。今も思ってた」 「そりゃ初めはそうかもしれないよ、でもめぐちゃんそんな人じゃないじゃん?」 「そうだよ、あんな噂。愛理もめぐのことそんな人じゃないって言ってたし」 「そうだとしても・・・だめだよ」 むやみに近づいて怖がらせる必要はない。 あたしはこうして静かな場所にいられればそれでいい。それで幸せ。 「・・・村上さん、入ってください」 「あれ、前田ちゃん?」 「どうしたの?・・・って村上さんって言った?」 「憂佳、なにしてんの」 「え、憂佳!?」 「ちょ、めぐなに知り合い?」 みやとももちゃんが現れた憂佳にびっくりしてる。 あぁ、そうか知らないのか。あぁ、説明めんどいな・・・とりあえず今日はいいか。
96 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/16(火) 02:00:21.86 0 &color(blue){>>95 } 第381回 「妬かないの?」 「え?なんで?」 「他の人に好きって言われたんだよ?妬いてくれないの?」 「・・・いや、みやは別に好きじゃないし」 「またそうはっきり言うんだから。ちょいちょい傷ついてんだけどなぁ。」 ももはあからさまに落ち込んで見せた。わかってる、演技してるって。 だって顔笑ってるもん。でも、だけど、一瞬、本当に悲しいって顔をしたから だから・・・・素直になってみた。あの、会長さんみたくはいかないけど。 「・・・正直言うとちょっと妬いた」 「え?なんて?もっかい!」 「もう言わない」 「えぇ、みや言ってよー」 「言いません!」 「みやぁ!」 なんて、結局はいつもの言い合いになって笑って終わり。そう思ってた。 だけど、一瞬でもしてしまった嫉妬がうちのことを変えた。 いや嫉妬してる時点でもう変わってたのかもしれないけど。 好きだと言われててもあんまりピンとこなかったし、 ももとのやりとりも好きと言われてからも普段と変わらなくて意識なんかしてなかった。 思えばそれは決断することから逃げていたのかもしれない。 だけど、今日の話を聞いて会長さんに嫉妬した。 それはももを好きだって言ったこともあるけど、素直に決断したことへの 羨ましさもあったと思う。すごいなって、感覚。 でもそれがなんとなく悔しくもあった。・・・うちは素直じゃないから。 97 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/16(火) 02:02:23.42 0 &color(blue){>>96 } 第382回 ・・・会長さんにももは渡したくないな。 妬いて、羨ましくて、悔しくて、 ・・・だからやっぱり、ももは渡したくない。 「もも、・・・・うち、ももが好きかもしれない」 ももの家からの帰り道、星空にそっと呟いた。 誰の耳にも届くことのない言葉が小さく響いてすぐに消えた。 ・・・でも、まだ「かもしれない」だから。 まだ、違うかもしれないから。 だから、この気持ちはまだ、心の中に置いておこう。 122 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/18(木) 01:07:30.34 0 &color(blue){>>97 } 第383回 「ありえない」 「ていうか眠い」 「まだ7時過ぎなんですけど」 「昨日遅くまで勉強してたから眠い・・・」 「何を考えてるんですか、いったい」 「さぁ、全くわからない」 「・・・ちょっと寝てもいいですか?」 「てか普通に狭い」 「ちょっとみやそっちいってよ」 「やだよ、千奈美が行けばいいじゃん」 「まあまあ、ケンカしないの」 「そういやえりかちゃんなんでいんの」 「いや呼ばれたから」 「入んの?」 「たぶん」 「あ、ご、ごめんなさい」 「いいよ、狭いんだから当たらない方がおかしいよ」 ここにいる全員がもれなく、一言は文句を言った。 それはすべて、部長に向けられている。 そしてその部長は、人を朝の7時過ぎに呼び出しておいて なぜかいない。 「もも何やってんの、あぁ、超腹立ってきた」 「まぁまぁ、みや」 「だめ、来たら絶対怒ってやる」 123 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2010/03/18(木) 01:08:13.72 0 &color(blue){>>122 } 第384回 ・・・しかし、狭いなぁ。 何が悲しくてこんな狭い部室に16人も・・・。 イスは3つしかないから、地べたに座る人もいるし机に座る人もいる。 ・・・満員電車くらい、狭い。ぎゅうぎゅう。 ももが来たところで、ゆっくり立ったり座ったりする場所は一切ない。 何を考えてんだか。 あ、実際活動を始めたらどうなるんだろう?ここではもちろんできないし この間みたいに会議室・・・もいつでも借りられるわけじゃないし。 かといって部室変わるのは当初の目的からして相当矛盾してしまうし。 たいたいももがそんなの絶対いやって言うし。 じゃあ、どうするんだろう? そういえば、会長さんいないな。・・・ひょっとして、みんなにお披露目、的な? 「みんなごめーん!部長、ただいま参上!なんつって」 しょうもないことを言いながら、部長、ことももは現れた。 ドアを開けた瞬間ぎょっとした顔をしたことをうちは忘れない。 だから、ももは部屋には入らずドアを開けた状態で話をすることに決めたらしい。 「もも遅い、一番遅いってどういうこと」 部屋の真ん中辺りにいるうちは、入り口のももへ声をかけた。 「ごめんごめん、まぁ、そう怒らないの」 軽い。非常に軽い!みんなどんだけ狭くて暑い思いしてると思ってんのあのバカ。 124 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/18(木) 01:08:54.15 0 &color(blue){>>123 } 第385回 「ごめん、みんなをここへ呼んだのは朝一で報告があったから。」 ももがそういうとみんなは一斉に顔を見合わせた。 「なんと、部員が目標に達しましたー!!ほら、みんなもっと盛り上がる!」 もものハイテンションは朝からきつい。みんな低いテンションのまま手を叩いて盛り上げる。 「なんかイマイチだなぁ、まぁ、いいか。一番最後の部員、清水佐紀ちゃんでーす!」 「・・・・どうも」 ももが引っ張ってみんなの前に出したのが、生徒会長さんだった。 みんな「えっ・・・」って感じで固まった。 ちょっと恥ずかしそうに下を向いてる生徒会長、・・・・ちょっと可愛い。悔しいけど。 「え、会長なんで」 「いやぁ、まぁ、いろいろあって」 「そ、そうですか・・・あ、でも嬉しいです」 「よ、よろしくね」 入り口付近で愛理といちゃついてた熊井ちゃんが声をかけた。 ビックリと言うか、唖然と言うか、そんな顔をしてる。 そりゃそーだ。全員、いや、よく見ると茉麻と梅田先輩はそうでもなさそう。 きっと知ってたんだ。確か、友達とか言ってたし。 「で、まぁ、紹介はここまで。とにかく嬉しくてさ、文芸部の存続はほぼ決定だし!」 「あ、あの!そのことでちょっと」 ももが嬉しそうに言った後、前田ちゃんが口を開いた。 125 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/18(木) 01:10:26.38 0 &color(blue){>>124 } 第386回 「あの、なんだっけ社会なんたらっていう同好会、一人増えて、文芸部と同じ人数みたいで・・・ 確か上回らなきゃいけないとか言ってませんでした?」 「そ。じゃなきゃ、ここは没収」 冷たい声で会長さんが言う。あぁ、やっぱり生徒会長だ。とある意味安心感。 「えぇぇぇ、ちょ、じゃあ明日までにもう一人集めなきゃいけないの!?」 「そういうことだよ、もも」 「ごめんなさい余計なこと言って・・・」 いや、前田ちゃんは悪くない。 なんだかその申し訳なさそうな顔、こっちが余計申し訳ないよ。ごめん。 だが、全員に、もれなく疲労感が襲った。それでなくても朝早くに呼び出されて 天敵生徒会長が仲間に入りまーすとか衝撃的なこと聞かされて さらにやっと集まってほっとしたところにまだ一人必要だとか知らされて。 ・・・・がっかりしないほうがおかしい。 ◆ 全員で、校門に立って勧誘をした。が、もちろんテスト前にそんなところに関わろうとする 奇特な人はいない。いるわけがない。もも以外は、当然わかっていた。 そこでうちとももはなんとかあいつを巻き込もうと、屋上へ向かうのだった。 174 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/22(月) 01:14:02.37 0 &color(blue){>>125} 第387回 朝、部室に集められてまあ狭くて暑くていろいろあって、 私たちは校門で勧誘活動・・・だけど、まあ脈はない雰囲気。 飽きた私は校舎の間を抜けて、中庭のベンチに座った。 校門前の喧騒とはうってかわって、すごく静かな場所。 …と思ったら、一人付いてきたみたいだ。 「えーり、サボってんなぁー」 「飽きちゃった」 「あはは、私も」 舞美は疲れたのか小さく笑って、私の隣に座った。 そりゃそうだよね、朝早かったし。 …って私まだ正式に入るとは言ってないんだけどなぁ。 でもまぁ、文芸部は結構おもしろい。活動じゃなくて、・・・人のことだけど。 なんていうか、個性的っていうかさ。 「えり、試験終わったらデートしよう」 「へ?」 「へ?じゃなくて。約束だったでしょ」 「あぁ、・・・覚えてたんだ」 「当たり前じゃんか。えり、入部してくれて助かったし・・・うん」 舞美はちょっと恥ずかしそうだ。デート、なんて言ったせいかな。 かくいう私も赤くなってるわけで。 175 :&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/22(月) 01:15:07.29 0 &color(blue){>>174} 第388回 「どこいきたい?」 「そうだなぁ・・・・どこでも」 「もう、またそうやって困る返事をするんだから・・・」 「舞美考えてよ。」 「えぇ・・・・うん、まあわかった」 照れくさそうに困ったように舞美は髪をいじりながら頷いた。 なんだかちょっと可愛い。きっとあんまり人に見せない無防備な顔。 「愛理ちゃんはいいの?」 「・・・・まだ考え中」 「デートするからには、吹っ切ってもらわなきゃ」 「・・・・・それはちょっと難しい」 「冗談だよ、いいよ別に。」 急にテンション、というかトーンの下がる舞美。 吹っ切ってるはずないか。 愛理ちゃん目当てでわざわざ東北から転校してくるんだもんね。 その本気度はわかってる。だからこそ、辛いんだけどさ。 でもあんまり考えると余計に辛いから、極力考えないようにしてる。 話をしているうちにチャイムが鳴って、私たちは教室へ急いだ。 …そういや、部員は本当に大丈夫なんだろうか? 部長さんが言ってた「心当たりあるから任せて」とは一体誰のことなんだろう。 …なんとなく、いや、なんとなくだけど嫌な予感がした。 まあ、でも今はとりあえず勉強に頭を切り替えよう・・・・。 230:&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/27(土) 00:54:38.96 0 &color(blue){>>175} 第389話 お昼休みの屋上。 あたしが常駐してるとわかっているからなのか、誰もいない。 うーん、快適。静かでいいや。 そのうち、ももちゃんかみやが来るだろう・・・今日のお弁当はなにかなぁ。 と、お弁当を開こうとしたら神妙な顔したももちゃんとみやが現れた。 なんだろ? 「めぐちゃん、お願いがある」 「めぐ、真剣に聞くように」 「な、なによ?」 そういう風に切り出されると身構えてしまう。な、なんだ? 「文芸部入って」 「入って」 「え?いやだよ、てか前に断ったじゃん」 「緊急事態だから」 「めぐが入ってくれないと困るの」 「ちょ、ちょっと、、まず理由を言いなさい」 もう、そういう感じで言うのはやめてよね。 ちゃんと理由を説明しなさい。 …なんかこの2人って全然似てないと思ってたけどちょっと似てきた・・・。 ももちゃんが慌てながら、みやが適時訂正と補足をしながら説明してくれた。 ふむふむ。なるほどねぇ。 231:&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/27(土) 00:55:25.19 0 &color(blue){>>230} 第390話 「・・・っとまぁ、そういうこと」 「だからさ、めぐ頼むよぉ」 「・・・・あと一人なんでしょ?じゃあどっちかのクラスから適当に・・・ていうか」 「なに?」 「生徒会長が入部ってそれネタじゃないよね?」 「そんなわけないよ、ももが入部させたんだから」 「・・・じゃあ、余計入るわけないじゃん」 二人から顔を背けて空を見上げる。悪いけど、入部は出来ないよ。 そりゃ、力にはなりたいけど。水と油なんだよ、あたしとその人。 それに、・・・他の子が嫌がるでしょ、あたしなんて。 「めぐちゃん、前に他の子が怖がるとか嫌がるとか言ってなかった?」 「あぁ、うん。今も思ってた」 「そりゃ初めはそうかもしれないよ、でもめぐちゃんそんな人じゃないじゃん?」 「そうだよ、あんな噂。愛理もめぐのことそんな人じゃないって言ってたし」 「そうだとしても・・・だめだよ」 むやみに近づいて怖がらせる必要はない。 あたしはこうして静かな場所にいられればそれでいい。それで幸せ。 「・・・村上さん、入ってください」 「あれ、前田ちゃん?」 「どうしたの?・・・って村上さんって言った?」 「憂佳、なにしてんの」 「え、憂佳!?」 「ちょ、めぐなに知り合い?」 みやとももちゃんが現れた憂佳にびっくりしてる。 あぁ、そうか知らないのか。あぁ、説明めんどいな・・・とりあえず今日はいいか。

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