Another story

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airi-kumai

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だれでも歓迎! 編集
709 :名無し募集中。。。:2010/01/29(金) 08:17:09.88 0
「熊井ちゃーん。」

昼休み、同級生とお弁当を食べ終えておしゃべりしていると、後ろから声をかけられた。
んー?と振り返ると、ちぃこと徳永先輩が手招きをしている。

いつもは堂々と教室に入ってきて1人で話し、チャイムとともにダッシュで帰ってってるのに、今日は教室の入り口でただ手招き。
もしかして…この雰囲気は…。

ちぃの手招きに誘われるように近くに行くと「実はね、ちょっとお願いが…。」とお願いしてくる。

あぁ、これはいつものパターンだ。なぁんとなく感づいた。

自分でいうのもアレだけど、わたしはモテる。かぁなぁりぃ、モテる。
廊下を歩いていればプレゼントを渡され、体育館裏に呼ばれては告白を受ける。先生までもわたしをひいきしてるように見えるくらい。
ってことで、このちぃの出してる雰囲気からなにがあるかぴーんと来た。さすがわたし。
ちぃが誰か連れてきてて、その子に告白されるんだ。

「あのね、部活の後輩なんだけどさぁ。どうしても熊井ちゃんに会いたいんだって。で、ね?」

ほら!やっぱりそうだ。そうじゃないかと思ったんだー。
でもね、わたし告白されても受けないよ。今、付き合うとか考えられないし、第1好きとかよくわかんないし…。

まぁちぃのお願いだし、話は聞いてあげるけどさぁ…。

「可愛いから絶対断れないって。」


710 :名無し募集中。。。:2010/01/29(金) 08:18:09.04 0
ハイハイ…で、その子は?

「ほら愛理。隠れてないで、ほら。」

あ。

…。

ハートがなんとか、とか。
胸がときめく、とか。
稲妻が走る、とか。

ほんの何秒か前までは全く理解できなかった。
けど、今はすべてがわかる。いろんな言葉の意味がスゥーッと心に入ってくるのがわかる。あぁ、こんなことだったんだ。

これが、恋。
わたしは、この子に、一目惚れを、する。した。落、ち、た。

ちぃに手を引かれてわたしの前に現れた女の子。
恥ずかしそうに手を前で組んで、うつむき加減の顔でちらちらとわたしの顔を伺う。なんて可愛いんだろう。イヤ、違う。可愛いなんてそんな簡単な言葉じゃいい表せられない。もっと、こう、高いところの、何か。

すごい!恋って、すごい!

711 :名無し募集中。。。:2010/01/29(金) 08:18:56.16 0
「あ、あの…熊井先輩…。」

あぁ、わたしのことを“先輩”って呼ぶってことはこの子は1年生なんだ。イヤそんなことはどうでもいい。
伏し目がちな目も、これ以上ないくらい遠慮してる眉毛も、声も。そしてもうわかる、そんな気がする。この子はわたしと性格すっごく合う。わかる。すごいよ恋!

もうわたしは自分で自分を止められない。
この子が一番最初にわたしのところに来てくれれば、わたしは今まで誰にも断らずにすんだのに。


あ、あのね、すっごい好き。つきあって。わたしと。















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