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第271話~第280話」(2009/11/25 (水) 12:47:48) の最新版変更点

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87 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/21(土) 23:53:39.15 0 前スレ&color(blue){>>966 } 第271回 なにしてんだろ私。 会議室のドアの前、ふと我に返って出口へ向かって歩き出した。 「つぐ・・・・なが・・・・か」 小さく、小さく、呟いてみて虚しくなった。 何してんだろうか、私は。 階段を下りようと、足をかけたとき、私は名前を呼ばれて固まった。 「・・・・生徒会長さん?」 名を呼ばれたことに反応をしたのか、その声に反応したのか。 どっちかな。 「なに?」 「いや・・・ももたちしかいないと思ってたから・・・驚いたの」 「忘れ物取りにきただけ。悪い?」 「う、ううん・・・・そんなこと、ないけど」 「じゃあ、帰るから」 「あ、ちょっと待って」 「なに?」 「あのさ、今勉強会やってるの」 「だから?」 「・・・教えてくれない?学校で一番頭いいんでしょ?」 「はぁ?あんたバカなの?」 何を言い出すのかと思ったら・・・。ほんと、バカなやつ。 だから勉強も出来ないんだよって言おうと思ったけど止めた。 ・・・なんとなく言えなかった。 88 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/21(土) 23:54:34.61 0 &color(blue){>>87 } 第272回 「この間はボロボロ泣いてたくせに、なんでそういうこと言えるの? 理解できない。どんな神経してるの?」 「・・・・ももはただ、・・・ちょうど会えたし、勉強教えてって言ってるだけ」 そう言ったきり、嗣永は黙ってしまって、微妙な空気が流れる。 なに、私が悪いみたいなこの感じは。私、何も悪いことは・・・。 「何の教科がヤバイの?」 「・・・数学」 「だろうね、あんたどう見ても理系人間じゃないし」 「・・・・ほっといてよ」 「まぁ、・・・・ちょっとだけ、ならいいよ。」 「ほんと!?じゃあ、こっち!早く!」 嗣永は、私のいいよ、の言葉に顔を綻ばせて笑った。 手を引いて会議室まで引っ張られていく。 正直、その顔は可愛いくて、・・・もう、自分に言い訳するのもめんどうで。 ・・・素直に、可愛くて、羨ましい笑顔だと思った。 この間は泣いてたくせに。私のこと許すつもりなんてないくせに。 何でそんな風に笑うの?笑えるの?・・・わかんないよ。 会議室に入る一歩手前、私立ち止まって手を振り払った。 89 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/21(土) 23:55:24.86 0 &color(blue){>>88 } 第273回 「待って」 「え?」 「・・・・私のこと、嫌いなんじゃないの?どういう心境の変化なの?」 「うん、好きじゃない。でも、嫌いでもない」 「へっ?」 「部室のこと、すっごいむかついてる。昔の事だって、聞きたいことは何も教えてくれない。 でも、いつまでもウジウジしてるのってももの性格じゃないし。 ・・・だから、その、・・・忘れられないことはいっぱいあって、許せないこともいっぱいあるけど、・・・ あー!もうなんかわかんない。でも、まぁ、そういうこと・・・で。」 ・・・よくわかんないって。私も、あんたもなんか全然わかんない。 なんだよそれは、なんなのよ、もう。 「ごめん、やっぱり帰る」 「え?」 「・・・じゃあ、また」 「え、ちょ、待って、生徒会長さん!」 嗣永は声をかけてくれるけど、私はそれを無視して廊下は走り、階段を駆け足で下りた。 モヤモヤする。どうすればいいのかわからない。 なんで会っちゃったんだろう。忘れ物なんて、明日でもよかったのに。 「・・・なんかいろいろと、ダメだなぁ。」 ふぅ、とため息をついて学校を出た。 自己嫌悪?違う、でも、そうかな・・・わからない。 ただ、手にはしっかり嗣永の手の感触が残っていて。 私は知らず知らずにその場所をぎゅっと握り締めていた。 123 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/23(月) 01:19:00.46 0 &color(blue){>>89 } 第274回 「あれ、もも先輩どしたの?」 「あ、すーちゃん」 生徒会長さんに逃げられちゃって、会議室へ戻ろうとしたら すーちゃんが出てきて声をかけられた。 「ね、すーちゃんて生徒会長さんとお友達だよね?」 「え?あぁ、うんなんで?」 「さっきまで、ちょっとここで話してたの。」 「え?佐紀ちゃん来てたんだ?」 「うん、なんか忘れ物したから取りに来たとかなんとか言ってたよ。 でね、勉強会してるから一緒にやろうよって誘ったらノリ気だったのに 急にやっぱ帰るとか言って帰っちゃった」 トイレに行くすーちゃんに着いて行く。すーちゃんはビックリしてるみたい。 「・・そっかぁ」 「なんか、あんたは私のこと嫌いなんじゃないの?とか言われてさ」 「うん」 「そりゃ別に好きじゃないけど、嫌いでもないよって言ったら はぁ?って顔されて・・・その、うん。それにね、すーちゃん前に言ってたじゃん?」 「なにを?」 「えっと、昔とは違うっていうか、優しくなってる、だったっけ?あぁ、それと 急に態度変えられないのはプライドが高いからだってさ」 「あぁ、言ったね」 「それがね、この間もちょっと思ったし、今日も思ったけどよくわかったの。 目が違うなって。ももにトイレで水浴びせてたあの人とは違うなぁって。」 「ほぉ。言った通りでしょ?」 124 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/23(月) 01:19:41.09 0 &color(blue){>>123 } 第275回 「うん、すーちゃんって人をよく見てるよね。すごい。」 「で、もも先輩は佐紀ちゃんのことどう思う?」 「・・・うーん。正直許せないことはいっぱいある。怒ってることもある。 でも、それをずっとずっと引きずりたいとは思わないんだ。・・・・ ・・・うーん、・・・・うん、なんかよくわかんないや」 ももは笑って誤魔化した。 自分の中で処理しきれない気持ちだから、言葉にするのは難しい。 でも、ずっと思っていた生徒会長さんに対する嫌な気持ちはここ何日かで確実に薄まってて 可愛いとこもあるなって思えるほどで。でもだからって、 謝られたりして簡単に許せるようなことでもないし、本人にはそんな気なさそうだし。 えりかちゃんとはなんか・・・違うっていうか・・・。 「ま、・・・なんて言えばいいのかな、佐紀ちゃんもさ、いろいろやって 後悔してないはずはないと思うんだ。特に今、昔とは違うもも先輩と対峙してさ そのときのこと考えたら、いろいろ思うところはあるはずなの。 まぁはね、そのことを佐紀ちゃんにちゃんと言って欲しいの。素直に、話して欲しい。 それはもちろん、もも先輩にね。時間はちょっと必要だろうけど・・・」 トイレから出てきたすーちゃんは手を洗いながらそう言った。 すーちゃん、あの人のただの友達ってワケではなさそう。 いろいろ知っていて、いろいろ考えてて、その中でこうして欲しいってそう言ってる。 年下なのに、すっごく大人っぽい。すごい、なんて素直にそう思った。 125 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/23(月) 01:20:57.65 0 &color(blue){>>124 } 第276回 お昼を食べて、午後はみんなで好きに集まって、勉強会をした。 途中で帰る子もいたし、最後まで残っている子もいた。 ももは、くまいちょーに呆れられながらも頑張って数学の勉強をした。 くまいちょーって頭もいいし綺麗だし背も高いし・・・ずるいなぁ。 あいりん羨ましいぞ!って・・・まぁ、くまいちょーをフったのはももなんだけどさ。 結局最後まで残っていたのは、いつもの3人・・・プラスくまいちょーだった。 会議室の中を片付けて、まだまだ暑い中庭を歩いて下足室へ向かう。 「もも、今日楽しかったよ。」なんて満面の笑みで愛理が言ってくれる。 企画してよかったなぁって思った。うんうん、愛理はいい子いい子。 頭を撫で撫でしてあげると、照れくさそうに「もうやめてよ」なんて言われる。 可愛い子だなぁ・・・。 「ね、もも、うち会議室にペンケース忘れた!」 「えぇ?もう、早く取ってきなよ」 「う、うん、・・・さ、先帰らないでよ?」 「どうしようかなぁ」 「もう!」 「はいはい、早く行っておいで」 そそっかしいみやが慌てて会議室へ戻っていく。 先に帰らないで、なんてみやも可愛いなぁ・・・・ちょっと嬉しかったかもしれない。 恥ずかしがり屋さんだから、ちょっと顔も赤かったし。 愛理とくまいちょーと3人で、中庭のベンチに座ってみやを待っていた。 太陽はまだギラギラとちょっと暑くて、アイスでも食べようよ、なんて話をしてた。 126 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/23(月) 01:21:54.41 0 &color(blue){>>125 } 第277回 「あーもう、最悪・・・」 走って、階段を駆け上がって会議室へ向かう。 幸いにもペンケースはすぐに見つかって、急いで会議室を出た。 きっと待ってくれているだろうけど、ほんとに先に行かれてたら ちょっと悲しい・・・。だから、出来るだけ急いで戻ろうと走り出した直後、 「あっれー?みやじゃーん!」 「え・・・?」 「あぁ、やっぱりー!」 後ろから声をかけられて振り返ると、見覚えのあるやつが 相変わらずの、うちの斜め上を行くだらしなさで着た制服姿で立っていた。 ポケットに手まで突っ込んで、・・・。 「・・・あんた自宅謹慎中じゃん。なにしてんの?」 「いやね、週明けから登校していいよって言われたの。 でね、今日の午後いろいろ、プリントとか取りに来いってうるさいし、来てみた」 「え、復帰すんの?」 「ちょっとみやつめたーい!もう、友達に向かってひどいぞ」 「・・・・・・みや、帰るから」 「えぇ、ちょっと待ってよ。どうせ家は近いんだし一緒に帰ろうよぉー」 「え、えぇ・・・まぁ、いいけど」 「よっし。じゃあ、行くよー!」 腕を掴まれて、中庭へと歩いていく。 あぁ、最悪。ペンケース忘れるよりもっと最悪。・・・なんでこいつがいるんだか。 学校一の問題児、今年の初めに問題を起こして今までずっと自宅謹慎だったやつ。 みやの幼馴染。元、問題児仲間。 ・・・嫌な予感がする。すっごく嫌な予感。
87 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/21(土) 23:53:39.15 0 前スレ&color(blue){>>966 } 第271回 なにしてんだろ私。 会議室のドアの前、ふと我に返って出口へ向かって歩き出した。 「つぐ・・・・なが・・・・か」 小さく、小さく、呟いてみて虚しくなった。 何してんだろうか、私は。 階段を下りようと、足をかけたとき、私は名前を呼ばれて固まった。 「・・・・生徒会長さん?」 名を呼ばれたことに反応をしたのか、その声に反応したのか。 どっちかな。 「なに?」 「いや・・・ももたちしかいないと思ってたから・・・驚いたの」 「忘れ物取りにきただけ。悪い?」 「う、ううん・・・・そんなこと、ないけど」 「じゃあ、帰るから」 「あ、ちょっと待って」 「なに?」 「あのさ、今勉強会やってるの」 「だから?」 「・・・教えてくれない?学校で一番頭いいんでしょ?」 「はぁ?あんたバカなの?」 何を言い出すのかと思ったら・・・。ほんと、バカなやつ。 だから勉強も出来ないんだよって言おうと思ったけど止めた。 ・・・なんとなく言えなかった。 88 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/21(土) 23:54:34.61 0 &color(blue){>>87 } 第272回 「この間はボロボロ泣いてたくせに、なんでそういうこと言えるの? 理解できない。どんな神経してるの?」 「・・・・ももはただ、・・・ちょうど会えたし、勉強教えてって言ってるだけ」 そう言ったきり、嗣永は黙ってしまって、微妙な空気が流れる。 なに、私が悪いみたいなこの感じは。私、何も悪いことは・・・。 「何の教科がヤバイの?」 「・・・数学」 「だろうね、あんたどう見ても理系人間じゃないし」 「・・・・ほっといてよ」 「まぁ、・・・・ちょっとだけ、ならいいよ。」 「ほんと!?じゃあ、こっち!早く!」 嗣永は、私のいいよ、の言葉に顔を綻ばせて笑った。 手を引いて会議室まで引っ張られていく。 正直、その顔は可愛いくて、・・・もう、自分に言い訳するのもめんどうで。 ・・・素直に、可愛くて、羨ましい笑顔だと思った。 この間は泣いてたくせに。私のこと許すつもりなんてないくせに。 何でそんな風に笑うの?笑えるの?・・・わかんないよ。 会議室に入る一歩手前、私立ち止まって手を振り払った。 89 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/21(土) 23:55:24.86 0 &color(blue){>>88 } 第273回 「待って」 「え?」 「・・・・私のこと、嫌いなんじゃないの?どういう心境の変化なの?」 「うん、好きじゃない。でも、嫌いでもない」 「へっ?」 「部室のこと、すっごいむかついてる。昔の事だって、聞きたいことは何も教えてくれない。 でも、いつまでもウジウジしてるのってももの性格じゃないし。 ・・・だから、その、・・・忘れられないことはいっぱいあって、許せないこともいっぱいあるけど、・・・ あー!もうなんかわかんない。でも、まぁ、そういうこと・・・で。」 ・・・よくわかんないって。私も、あんたもなんか全然わかんない。 なんだよそれは、なんなのよ、もう。 「ごめん、やっぱり帰る」 「え?」 「・・・じゃあ、また」 「え、ちょ、待って、生徒会長さん!」 嗣永は声をかけてくれるけど、私はそれを無視して廊下は走り、階段を駆け足で下りた。 モヤモヤする。どうすればいいのかわからない。 なんで会っちゃったんだろう。忘れ物なんて、明日でもよかったのに。 「・・・なんかいろいろと、ダメだなぁ。」 ふぅ、とため息をついて学校を出た。 自己嫌悪?違う、でも、そうかな・・・わからない。 ただ、手にはしっかり嗣永の手の感触が残っていて。 私は知らず知らずにその場所をぎゅっと握り締めていた。 123 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/23(月) 01:19:00.46 0 &color(blue){>>89 } 第274回 「あれ、もも先輩どしたの?」 「あ、すーちゃん」 生徒会長さんに逃げられちゃって、会議室へ戻ろうとしたら すーちゃんが出てきて声をかけられた。 「ね、すーちゃんて生徒会長さんとお友達だよね?」 「え?あぁ、うんなんで?」 「さっきまで、ちょっとここで話してたの。」 「え?佐紀ちゃん来てたんだ?」 「うん、なんか忘れ物したから取りに来たとかなんとか言ってたよ。 でね、勉強会してるから一緒にやろうよって誘ったらノリ気だったのに 急にやっぱ帰るとか言って帰っちゃった」 トイレに行くすーちゃんに着いて行く。すーちゃんはビックリしてるみたい。 「・・そっかぁ」 「なんか、あんたは私のこと嫌いなんじゃないの?とか言われてさ」 「うん」 「そりゃ別に好きじゃないけど、嫌いでもないよって言ったら はぁ?って顔されて・・・その、うん。それにね、すーちゃん前に言ってたじゃん?」 「なにを?」 「えっと、昔とは違うっていうか、優しくなってる、だったっけ?あぁ、それと 急に態度変えられないのはプライドが高いからだってさ」 「あぁ、言ったね」 「それがね、この間もちょっと思ったし、今日も思ったけどよくわかったの。 目が違うなって。ももにトイレで水浴びせてたあの人とは違うなぁって。」 「ほぉ。言った通りでしょ?」 124 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/23(月) 01:19:41.09 0 &color(blue){>>123 } 第275回 「うん、すーちゃんって人をよく見てるよね。すごい。」 「で、もも先輩は佐紀ちゃんのことどう思う?」 「・・・うーん。正直許せないことはいっぱいある。怒ってることもある。 でも、それをずっとずっと引きずりたいとは思わないんだ。・・・・ ・・・うーん、・・・・うん、なんかよくわかんないや」 ももは笑って誤魔化した。 自分の中で処理しきれない気持ちだから、言葉にするのは難しい。 でも、ずっと思っていた生徒会長さんに対する嫌な気持ちはここ何日かで確実に薄まってて 可愛いとこもあるなって思えるほどで。でもだからって、 謝られたりして簡単に許せるようなことでもないし、本人にはそんな気なさそうだし。 えりかちゃんとはなんか・・・違うっていうか・・・。 「ま、・・・なんて言えばいいのかな、佐紀ちゃんもさ、いろいろやって 後悔してないはずはないと思うんだ。特に今、昔とは違うもも先輩と対峙してさ そのときのこと考えたら、いろいろ思うところはあるはずなの。 まぁはね、そのことを佐紀ちゃんにちゃんと言って欲しいの。素直に、話して欲しい。 それはもちろん、もも先輩にね。時間はちょっと必要だろうけど・・・」 トイレから出てきたすーちゃんは手を洗いながらそう言った。 すーちゃん、あの人のただの友達ってワケではなさそう。 いろいろ知っていて、いろいろ考えてて、その中でこうして欲しいってそう言ってる。 年下なのに、すっごく大人っぽい。すごい、なんて素直にそう思った。 125 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/23(月) 01:20:57.65 0 &color(blue){>>124 } 第276回 お昼を食べて、午後はみんなで好きに集まって、勉強会をした。 途中で帰る子もいたし、最後まで残っている子もいた。 ももは、くまいちょーに呆れられながらも頑張って数学の勉強をした。 くまいちょーって頭もいいし綺麗だし背も高いし・・・ずるいなぁ。 あいりん羨ましいぞ!って・・・まぁ、くまいちょーをフったのはももなんだけどさ。 結局最後まで残っていたのは、いつもの3人・・・プラスくまいちょーだった。 会議室の中を片付けて、まだまだ暑い中庭を歩いて下足室へ向かう。 「もも、今日楽しかったよ。」なんて満面の笑みで愛理が言ってくれる。 企画してよかったなぁって思った。うんうん、愛理はいい子いい子。 頭を撫で撫でしてあげると、照れくさそうに「もうやめてよ」なんて言われる。 可愛い子だなぁ・・・。 「ね、もも、うち会議室にペンケース忘れた!」 「えぇ?もう、早く取ってきなよ」 「う、うん、・・・さ、先帰らないでよ?」 「どうしようかなぁ」 「もう!」 「はいはい、早く行っておいで」 そそっかしいみやが慌てて会議室へ戻っていく。 先に帰らないで、なんてみやも可愛いなぁ・・・・ちょっと嬉しかったかもしれない。 恥ずかしがり屋さんだから、ちょっと顔も赤かったし。 愛理とくまいちょーと3人で、中庭のベンチに座ってみやを待っていた。 太陽はまだギラギラとちょっと暑くて、アイスでも食べようよ、なんて話をしてた。 126 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/23(月) 01:21:54.41 0 &color(blue){>>125 } 第277回 「あーもう、最悪・・・」 走って、階段を駆け上がって会議室へ向かう。 幸いにもペンケースはすぐに見つかって、急いで会議室を出た。 きっと待ってくれているだろうけど、ほんとに先に行かれてたら ちょっと悲しい・・・。だから、出来るだけ急いで戻ろうと走り出した直後、 「あっれー?みやじゃーん!」 「え・・・?」 「あぁ、やっぱりー!」 後ろから声をかけられて振り返ると、見覚えのあるやつが 相変わらずの、うちの斜め上を行くだらしなさで着た制服姿で立っていた。 ポケットに手まで突っ込んで、・・・。 「・・・あんた自宅謹慎中じゃん。なにしてんの?」 「いやね、週明けから登校していいよって言われたの。 でね、今日の午後いろいろ、プリントとか取りに来いってうるさいし、来てみた」 「え、復帰すんの?」 「ちょっとみやつめたーい!もう、友達に向かってひどいぞ」 「・・・・・・みや、帰るから」 「えぇ、ちょっと待ってよ。どうせ家は近いんだし一緒に帰ろうよぉー」 「え、えぇ・・・まぁ、いいけど」 「よっし。じゃあ、行くよー!」 腕を掴まれて、中庭へと歩いていく。 あぁ、最悪。ペンケース忘れるよりもっと最悪。・・・なんでこいつがいるんだか。 学校一の問題児、今年の初めに問題を起こして今までずっと自宅謹慎だったやつ。 みやの幼馴染。元、問題児仲間。 ・・・嫌な予感がする。すっごく嫌な予感。 187 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/24(火) 16:48:34.16 0 &color(blue){>>126 } 第278回 「ごめん、お待たせ」 と、みやの声がして振り返ると、そこにはもう1人いた。 ・・・相変わらずのだらしない制服の着こなしをしてる。 「めぐちゃんなにしてんの」 「あー!ももちゃーん!元気!?」 「いや、うん・・・停学じゃなかったの?」 「週明けから復帰なの。さっき、みやに会ったから着いてきた」 「え?誰?」 愛理が首を傾げてる。そっか、知らないんだ。 その隣でくまいちょーはヤバイ、って顔をしてる。 めぐちゃんのヤバさを知ってるんだ、くまいちょーは。 「みやの幼馴染で、村上って言いまーす。めぐでいいよ」 「え、あ、はぁ・・・」 「ちょ、可愛い!ねぇ、名前は?学年は?」 「え、え、っと」 めぐちゃんはにゅっと前に出てきて、半ば無理やりに愛理の手を握った。 顔を近づけてじっと見るもんだから、あいりん困った顔してる。 「熊井です、生徒会の副会長してます。よろしく」 ムっとしたのか、くまいちょーはちょっと怒った声でめぐちゃんに手を差し出した。 めぐちゃんは「え、あぁ・・・」と残念そうな顔でくまいちょーの手を握った。 188 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/24(火) 16:49:25.38 0 &color(blue){>>187 } 第279回 「あの、私は愛理っていいます。鈴木愛理・・・1年です」 「1年の愛理ちゃんか。よし、もう覚えた。可愛い子の顔は忘れないの。」 「はぁ・・・」 愛理は困ったというかどうしようみたいな顔をしてももやみやの顔を見てくる。 ったく変わらないなぁ・・・この軟派な雰囲気。 めぐちゃん、こと村上愛はみやの幼馴染。 高校に入ったばっかりの頃、この2人は問題児って言われてて 何かと先生に反発して成績も最悪。でも、みやはそれだけだった。 ももとか、文芸部の先輩たちと仲良くなって、バカは相変わらずだけど素行不良はない。 だけど、めぐちゃんは・・・・・ってこの話は長くなるからまた今度。 くまいちょーも同学年だし、色んな噂聞いているはずだからいろいろ知ってるだろう。 あんな顔してるのも納得。・・・まぁ、そんなに悪い子じゃないんだけどね。 ◆ 前を歩く、愛理とももと熊井ちゃん。 うちらは後ろで話をしながら歩いていた。 「めぐ、愛理には手を出さないでよ」 「なんで?」 「恋人いるんだよ」 「そうなの?なーんだ・・・」 「・・・反省してんの?」 「え?」 「・・・あのこと」 「まぁ、してるから出てきたんじゃないの」 「なんでそんな他人事なの。めぐがやったことなんだよ?」 189 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/11/24(火) 16:50:22.18 0 &color(blue){>>188 } 第280回 「でもあたし悪くないと思うんだよね」 めぐは悪びれる様子もなく、そう言い放つ。 「・・・・・・・してないじゃん、反省」 ちょっと呆れたうちは、そう言った。 「だけどまぁ、もう何もしないよ。興味なくなったし。」 「ならいいけど・・・」 「みや、変わったね」 「え?」 「前なら、あたしの心配なんかしなかったのに」 「そう?」 「そうだよ」 そう言ったきり、めぐは黙り込んでしまった。 なんだかなぁ・・・。 愛理と喋るときだけえらくニコニコしてたけど・・・。 ◆ 「ちょっともも、なんでいるの、あの村上が」 「いや・・・わかんないけど」 「どんな人なの?」 愛理は何も知らないから、純粋に知りたがってる。 だめ、あんなやつのことなにも知らなくていい。 先生が言ってたんだよ、あんな問題児見たことないって。 そんなやつに愛理関わっちゃだめだよ。

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