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「第51話~第60話」(2009/08/02 (日) 01:13:35) の最新版変更点
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613 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/15(水) 16:56:47.62 0
&color(blue){>>612 }
第51回
帰り道、人気の少ない駅前。
「・・・今日はありがと。」
「ううん・・・ももこそごめん。みやの気持ちも考えずに余計なこと・・・」
「助かった。ももが来てくれなきゃずっと泣いてた」
「・・・・そっかなら、よかった。」
ももはニコっと笑ってくれる。癒される。
「・・・愛理のことはもういいの。本当にもういいの。辛いけど、でも、
応援するって決めてるから・・・だから、もう平気だから」
「わかった。もも、もう言わない。」
「・・・うん。」
辛い決断だけれど、愛理の幸せのために、きっぱり諦める。
心底応援してあげたい。今はそんな気持ちだった。
泣いてすっきりしたから・・・・かもしれない。
「・・・ねぇ、みや?」
「ん?」
「ちょっと、目、瞑って」
「え?なんで?」
「いいから、早く」
「え?う、うん・・・・」
なんだろう?うちは半信半疑で目を閉じた。
すぐに唇に柔らかいものを感じた。びっくりして目を開けると・・・・
ももが、うちにキスをしていた。
ももは目を閉じて、穏やかな顔をしていた。
頭が混乱して、さっき打ち消したことが浮かんでくる。
・・・不思議と、嫌じゃなかった。だから、ももを振り払わなかったのだと、思う。
626 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 00:38:34.79 0
&color(blue){>>613 }
第52回
「・・・ごめん」
唇を離して、そう言った。
なにやってんだろう。恥ずかしいったりゃありゃしない。
かーっと顔が真っ赤になっていくのがわかる。
「ももっさ、うちのこと好きでしょ?」
「・・・だったら?」
「素直に言ってよ、もう」
みやがそう言ったあと、身体がふわっと浮いたような心地になった。
びっくりして状況を確認すると、みやが、ももを抱きしめていた。
身体はこれ以上ないくらい密着してる。
あーもう・・・・ガラにもなく、緊張してしまう。
「強がるって、それ、うちのマネじゃん」
「・・・だって」
「言ってよ、もも」
「やだ」
「あーもう、強がり」
「・・・みやと一緒でしょ。っていうか離してよ帰れない」
「やだ、言うまで離さない」
「言ってなんになるの?」
「うちにももを好きにさせる、とか?」
「・・・無理だよ、諦めてるし」
「なんで?うち、愛理のこと諦めたよ。フリーだよ」
なんでそういうこと言うかな。好きにさせてみろ、そう言われてる気分。
だったら本気出しちゃうよ?
627 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 00:51:55.75 0
&color(blue){>>626 }
第53回
「愛理を好きなうちに遠慮してたんでしょ?ももの性格的に」
「・・・そうだよ」
「だったらもう関係ないでしょ」
「・・・みや、そんなすぐに愛理のこと吹っ切れるの?」
「どうかな。でも、新しい恋したら吹っ切れるかも?」
早く言え、みやはそんな表情でももを見つめてくる。
無論、手は離してくれないから逃げられない。
新しい恋ってそんな・・・簡単に言うけどさ・・・。
どうせ、しばらくは吹っ切れないであの2人見て泣くくせに。
で、またももーって泣きつくくせに。
人の心なんてそう簡単には変わらないんだ。
逆に、そう簡単に変わっちゃう人なんてももはイヤ。
でも、変えられるなら変えてあげるのも面白いのかもしれない。
そんな風に考えたことなかったな。無理だって、はなから諦めてたから・・・
みやの胸がドキドキしてるのが伝わる。
みやは、ももが言うのを待っているはずだ。
平静な顔して、緊張を隠して待ってる。
ももだって、緊張隠して、強がってる。
言おうか、やめておこうか。
・・・・いや、キスしちゃった時点で・・・・言ったも同じか。
言わないでモヤモヤするよりも、いいのかもしれない。
それは、ももにとっても、みやにとっても。
なら素直に伝えよう。
628 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 01:06:34.92 0
&color(blue){>>627 }
第54回
すーっと息を吸って、吐いて、
隠し通そうと決めていた言葉を口にした。
「・・・・みや」
「んー?」
「好き・・・ももは、みやのこと好き」
「・・・・・うん」
「ずっと好きだった、でも、諦めてた。どうせ無理だから隠そうって。」
「うん」
「・・・みや、すぐには無理だってわかってる。吹っ切れるって思ってても、
これってそう簡単にはいかないよ。だけど・・・もものこと好きにさせてみせる、絶対」
「・・・おっけー。期待してる。・・・はい、帰っていいよ」
みやはももを離してそう言った。言えと言ったくせに、言われた本人が顔真っ赤でどうすんの。
こっちだって恥ずかしすぎてあんまり顔上げたくないのに・・・・
バカだなぁ・・・みやは。でも、そんなとこが可愛いくて大好き。
「だめ。好きにさせるんだから、一緒にいてもらう。なんか飲んで帰るよ、みや」
「あ、ちょ、もも引っ張らないでよー!」
「早く歩いてー!」
無理やり理由をつけてみやを引っ張ってみやのバイト先へ向かう。
ほんとはただ一緒にいたいだけだけど、なかなかいい理由かもしれない。
あとは・・・部室だ。
愛理があの話を聞いて態度をどうするのか。
明日には返事、聞けるかな・・・・。
でも、それよりも、好きな人との時間を、今は楽しもう。
630 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 01:09:36.70 0
&color(blue){>>628}(&color(blue){[[>>552>第41話~第50話]]}の続き)
第55回
「・・・あー・・・だめ、これ恥ずかしいね」
唇が離れて先輩は顔を真っ赤にして、自分を手で仰いだ。
私も同じくらい恥ずかしくて下を向いて先輩の肩におでこをくっつけた。
すると、先輩は私を抱き寄せてくれた。ふわり、と優しい心地。
「でも、あ、あの・・・う、嬉しかった、です・・・」
恥ずかしくて顔を真っ直ぐ見られない私は先輩の肩に向かって喋った。
「愛理ちゃん耳まで真っ赤だ。可愛いなぁ・・・・もう」
「え、えっと・・・」
「あ、・・・そういえば」
「?」
「・・・愛理ちゃんの唇、甘かった」
「なっ・・・!え、そ、それはケーキじゃ・・・」
「多分ね。・・・・美味しかった・・・なんてねw」
先輩が私の耳元で喋っている。耳にかかる吐息と、その内容で
さらに真っ赤になってもうこれ以上ないくらい恥ずかしかった。
それから、ずっとソファに座って話し込んでいた。
家族のこと、学校のこと、好きな食べ物、とにかくなんでもいいから
先輩に知ってほしくて、私も知りたくて、必死になってしゃべっていた。
それでも、門限があって、帰らなきゃいけない時間に近づく。
私は時計を見て、立ち上がった。
「あの、そろそろ・・・時間なので・・・」
「え、帰っちゃうの・・・?」
先輩も立ち上がって私を引き止めてくれる。
嬉しい、すごく嬉しくて・・・私だってもう少し一緒にいたいけど・・・
631 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 01:10:17.73 0
&color(blue){>>630 }
第56回
「・・・・でも」
「やだ、一緒にいたい」
「せ、せんぱいでも」
「・・・・・ごめん、ワガママ言って」
謝った先輩。でも、後ろから抱きしめられていて、
先輩の腕はお腹に回されていて離してくれない。
「あの・・・帰れないです」
「・・・・やっぱりだめ?夕食食べていってよ、なんなら泊まってくれても・・・」
「え・・あの、それ・・・・」
泊まる、ってそれは・・・あの、えっと・・・!
「ち、違うよ!そういう変な意味じゃ!」
先輩は慌ててしどろもどろになった。ちょっと可愛いなぁなんて思ったりして。
「変な?変なってどういうことですか?」
可愛いから、ちょっとだけ意地悪してみる。
後ろから抱きしめられたまま後ろを向くと、すぐ近くに先輩の顔があって
それは真っ赤になってて目があっちこっち忙しく動き回っている。
「・・・・・うぅ、ごめん。」
「えへへ・・・先輩って可愛いところもあるんですね」
「・・・それって褒めてる?」
「そりゃ、もちろんそうです♪」
先輩の方に向き直って腰に抱きつくように腕を回した。
・・・あ、ちょっと失敗。目の前には胸があって・・・柔らかくって・・・
泣いてるときは全然気にならなかったのに・・・あぁ、だめ意識したら余計に・・・!
あ、でもちょっとだけ安心したかも・・・・私と一緒くらいで。
633 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 01:11:29.31 0
&color(blue){>>631 }
第57回
先輩は私の顔を覗き込んで聞いてくれる。ち、近いです・・・・すごく。
「・・・どうする?」
「・・・家に電話、してみます」
「ほんと?よかった。じゃあしてみて!」
私が折れると、先輩は嬉しそうにニコニコ微笑んだ。
先輩の顔を見ているとずっと一緒にいたいような気分になってしまうけれど、
きっと・・・ママはうるさいんだろうなぁ。パパはまあどうでもいいけど・・・
携帯をカバンから取り出して、家に電話をかける。
先輩は隣でワクワク、っていう顔をして私を見つめている。
「・・・・あ、もしもしママ?あのね、先輩のおうちにお邪魔してて・・・・
夕食を一緒にって誘ってもらってるんだけど・・・食べてきてもいい?」
【先輩って桃子ちゃん?みやびちゃん?】
「ううん、あの、生徒会の先輩で最近仲良くさせてもらってるんだけど・・・」
「ちょっと、かして」
「え、あ、」
先輩は私から携帯を取り上げて、自分が話し始めた。
な、なにするんだろう・・・?
「はじめまして、2年生の熊井といいます。愛理ちゃんとは仲良くさせて頂いております。
本日は我が家に誘っていろいろ話をしていたのですがまだまだ話足りないところもあり、
また、両親も愛理ちゃんといろいろ話をしてみたいと希望しておりまして・・・・
夕食を一緒に、と思っているのですが、いかがでしょうか?」
ママはなんて言ってるんだろう、よく聞こえないなぁ。
しかし先輩は丁寧に喋るなぁ・・・すごい。お嬢様って雰囲気が出まくってる。
635 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 01:12:37.07 0
&color(blue){>>633 }
第58回
「・・・その、まさかです。ですから、ご安心ください。はい、では。失礼します。」
「・・・ママ、なんて?」
「愛理をよろしくお願いします、だって。泊まっていってね」
「え!?ご飯だけじゃ・・・」
「・・・熊井、なんて珍しいでしょ?あんまりない名字だからね」
先輩はニヤっと笑った。
「え?どういうことですか?」
「まぁ、いいじゃんいいじゃん!あ、食事1人分追加って言ってくるからちょっと待ってて!」
先輩はごまかすようにそう言うと部屋を出て行った。
私は先輩の部屋に一人、取り残されて・・・・。
「え、どうしよう・・・泊まるだなんて・・・用意もないし・・・」
ほんとにどうしよう。困った、困ったよみや!もも!
嬉しいはずなのに、朝まで一緒なのに、困った!って気持ちが先行する。
まさか一緒に寝たりしないよね?もしそうだったら?どうしよう!!緊張して絶対眠れないよ・・・
そこでみやの言葉がまたもや浮かぶ。
『もしかして、襲われちゃったりしてw』
あぁ、もう!みやは余計なことばっかり!
だめ、急展開過ぎる!は、初めて喋ってたのつい最近なんだよ?
・・・でも、キスはしちゃったしなぁ・・・・。
恋愛ってこういうもんなのー!?誰か教えてー!
同人誌じゃこういう急展開はだいたい陵(ryかレ(ryかなんだけどー!
こんな展開私書いたことないんだけどー!
「・・・・って、なんでママ納得しちゃったの!?」
さっきの疑問が再燃して、で、また困惑して、恥ずかしくなって
もうなに考えてんだがわけのわからない状態のまま、ソファの上で先輩が戻ってくるのを待っていた。
670 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/17(金) 18:22:56.55 0
&color(blue){>>635 }
第59回
「ごめん、お待たせ!」
先輩が部屋に戻ってきてそう言った。
「ママも喜んでたよ」
「は、はぁ・・・」
頭が混乱気味でまともに返事が出来ない。
「・・・ごめん、いやだった?」
だけど、優しい先輩は私のことをとても心配してくれるから・・・
とりあえずなんとか心を落ち着けて返事をした。
「え、いや、嬉しいです!」
「そっか、よかったぁ」
私が笑顔を見せると先輩も笑ってくれて嬉しそうな顔をしてくれた。
そこで、私は1つ疑問を持った。この部屋にベッドは1つで・・・
「あの、・・・私、どこで寝たらいいですか?」
「へ?」
「泊まっていけって先輩が・・・」
・・・先輩、今忘れてましたよね、自分で泊まってけって言ったこと。
「あぁ、そっか。じゃあ、来客用の部屋を準備・・・ってだめ」
「え?」
「ここで寝ればいいよ、ベッドも大きいし。キングサイズなんだよ、これ」
ぽんぽんとベッドを叩く先輩。
まぁ、確かにこれ3人以上寝れそうな感じもしますけど・・・
671 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/17(金) 18:23:38.72 0
&color(blue){>>670 }
第60回
「でも、それはちょっと・・・先輩に悪いです」
なんとなく申し訳ないような気持ちになるから・・・。
「そんなことないよ、あ、べ、べ、別にうち変なことしようって気じゃ・・・!」
先輩は慌ててそう言って恥ずかしそうに下を向いた。
「わ、わかってます!」
私も慌てたように少し大きな声でそう言った。
こういう話、というか雰囲気になるたびにみやのコトバが出てくるから
あーもう!といちいちみやに怒る私。
先輩はベッドに腰掛けて、ソファに座っている私を手招きした。
私が先輩の前に立って首をかしげていると、先輩が私の腰に抱きついた。
先輩は座ったままだから、先輩の顔は私の首筋とか胸とかその辺にあって。
「・・・その、せっかく泊まってくれるのに別々だと・・・えっと・・・寂しいよ」
少しくぐもった声で先輩はそう言った。
先輩ってスキンシップが好きみたい・・・私と一緒だ。
なんだかすごく安心して穏やかな気持ちになることが出来る。
「はい・・・じゃあ、ここ、夜借ります」
「うん、そうして」
先輩の殺し文句みたいな「寂しいよ」の言葉にやられちゃった私はあっさりと折れてしまう。
・・・先輩と2人きりで、この部屋で、同じベッドで眠る・・・なんて。
絶対緊張して眠れないなぁ・・・どうしよう。
ソファやベッドで先輩とじゃれ合いながら夕食を待っていた。
本当に、夢みたいだと思った。
大好きな、憧れの人とこんな幸せな時間を過ごせる、なんて・・・。
613 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/15(水) 16:56:47.62 0
&color(blue){>>612 }
第51回
帰り道、人気の少ない駅前。
「・・・今日はありがと。」
「ううん・・・ももこそごめん。みやの気持ちも考えずに余計なこと・・・」
「助かった。ももが来てくれなきゃずっと泣いてた」
「・・・・そっかなら、よかった。」
ももはニコっと笑ってくれる。癒される。
「・・・愛理のことはもういいの。本当にもういいの。辛いけど、でも、
応援するって決めてるから・・・だから、もう平気だから」
「わかった。もも、もう言わない。」
「・・・うん。」
辛い決断だけれど、愛理の幸せのために、きっぱり諦める。
心底応援してあげたい。今はそんな気持ちだった。
泣いてすっきりしたから・・・・かもしれない。
「・・・ねぇ、みや?」
「ん?」
「ちょっと、目、瞑って」
「え?なんで?」
「いいから、早く」
「え?う、うん・・・・」
なんだろう?うちは半信半疑で目を閉じた。
すぐに唇に柔らかいものを感じた。びっくりして目を開けると・・・・
ももが、うちにキスをしていた。
ももは目を閉じて、穏やかな顔をしていた。
頭が混乱して、さっき打ち消したことが浮かんでくる。
・・・不思議と、嫌じゃなかった。だから、ももを振り払わなかったのだと、思う。
626 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 00:38:34.79 0
&color(blue){>>613 }
第52回
「・・・ごめん」
唇を離して、そう言った。
なにやってんだろう。恥ずかしいったりゃありゃしない。
かーっと顔が真っ赤になっていくのがわかる。
「ももっさ、うちのこと好きでしょ?」
「・・・だったら?」
「素直に言ってよ、もう」
みやがそう言ったあと、身体がふわっと浮いたような心地になった。
びっくりして状況を確認すると、みやが、ももを抱きしめていた。
身体はこれ以上ないくらい密着してる。
あーもう・・・・ガラにもなく、緊張してしまう。
「強がるって、それ、うちのマネじゃん」
「・・・だって」
「言ってよ、もも」
「やだ」
「あーもう、強がり」
「・・・みやと一緒でしょ。っていうか離してよ帰れない」
「やだ、言うまで離さない」
「言ってなんになるの?」
「うちにももを好きにさせる、とか?」
「・・・無理だよ、諦めてるし」
「なんで?うち、愛理のこと諦めたよ。フリーだよ」
なんでそういうこと言うかな。好きにさせてみろ、そう言われてる気分。
だったら本気出しちゃうよ?
627 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 00:51:55.75 0
&color(blue){>>626 }
第53回
「愛理を好きなうちに遠慮してたんでしょ?ももの性格的に」
「・・・そうだよ」
「だったらもう関係ないでしょ」
「・・・みや、そんなすぐに愛理のこと吹っ切れるの?」
「どうかな。でも、新しい恋したら吹っ切れるかも?」
早く言え、みやはそんな表情でももを見つめてくる。
無論、手は離してくれないから逃げられない。
新しい恋ってそんな・・・簡単に言うけどさ・・・。
どうせ、しばらくは吹っ切れないであの2人見て泣くくせに。
で、またももーって泣きつくくせに。
人の心なんてそう簡単には変わらないんだ。
逆に、そう簡単に変わっちゃう人なんてももはイヤ。
でも、変えられるなら変えてあげるのも面白いのかもしれない。
そんな風に考えたことなかったな。無理だって、はなから諦めてたから・・・
みやの胸がドキドキしてるのが伝わる。
みやは、ももが言うのを待っているはずだ。
平静な顔して、緊張を隠して待ってる。
ももだって、緊張隠して、強がってる。
言おうか、やめておこうか。
・・・・いや、キスしちゃった時点で・・・・言ったも同じか。
言わないでモヤモヤするよりも、いいのかもしれない。
それは、ももにとっても、みやにとっても。
なら素直に伝えよう。
628 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 01:06:34.92 0
&color(blue){>>627 }
第54回
すーっと息を吸って、吐いて、
隠し通そうと決めていた言葉を口にした。
「・・・・みや」
「んー?」
「好き・・・ももは、みやのこと好き」
「・・・・・うん」
「ずっと好きだった、でも、諦めてた。どうせ無理だから隠そうって。」
「うん」
「・・・みや、すぐには無理だってわかってる。吹っ切れるって思ってても、
これってそう簡単にはいかないよ。だけど・・・もものこと好きにさせてみせる、絶対」
「・・・おっけー。期待してる。・・・はい、帰っていいよ」
みやはももを離してそう言った。言えと言ったくせに、言われた本人が顔真っ赤でどうすんの。
こっちだって恥ずかしすぎてあんまり顔上げたくないのに・・・・
バカだなぁ・・・みやは。でも、そんなとこが可愛いくて大好き。
「だめ。好きにさせるんだから、一緒にいてもらう。なんか飲んで帰るよ、みや」
「あ、ちょ、もも引っ張らないでよー!」
「早く歩いてー!」
無理やり理由をつけてみやを引っ張ってみやのバイト先へ向かう。
ほんとはただ一緒にいたいだけだけど、なかなかいい理由かもしれない。
あとは・・・部室だ。
愛理があの話を聞いて態度をどうするのか。
明日には返事、聞けるかな・・・・。
でも、それよりも、好きな人との時間を、今は楽しもう。
630 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 01:09:36.70 0
&color(blue){>>628}(&color(blue){>>[[552>第41話~第50話]]}の続き)
第55回
「・・・あー・・・だめ、これ恥ずかしいね」
唇が離れて先輩は顔を真っ赤にして、自分を手で仰いだ。
私も同じくらい恥ずかしくて下を向いて先輩の肩におでこをくっつけた。
すると、先輩は私を抱き寄せてくれた。ふわり、と優しい心地。
「でも、あ、あの・・・う、嬉しかった、です・・・」
恥ずかしくて顔を真っ直ぐ見られない私は先輩の肩に向かって喋った。
「愛理ちゃん耳まで真っ赤だ。可愛いなぁ・・・・もう」
「え、えっと・・・」
「あ、・・・そういえば」
「?」
「・・・愛理ちゃんの唇、甘かった」
「なっ・・・!え、そ、それはケーキじゃ・・・」
「多分ね。・・・・美味しかった・・・なんてねw」
先輩が私の耳元で喋っている。耳にかかる吐息と、その内容で
さらに真っ赤になってもうこれ以上ないくらい恥ずかしかった。
それから、ずっとソファに座って話し込んでいた。
家族のこと、学校のこと、好きな食べ物、とにかくなんでもいいから
先輩に知ってほしくて、私も知りたくて、必死になってしゃべっていた。
それでも、門限があって、帰らなきゃいけない時間に近づく。
私は時計を見て、立ち上がった。
「あの、そろそろ・・・時間なので・・・」
「え、帰っちゃうの・・・?」
先輩も立ち上がって私を引き止めてくれる。
嬉しい、すごく嬉しくて・・・私だってもう少し一緒にいたいけど・・・
631 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 01:10:17.73 0
&color(blue){>>630 }
第56回
「・・・・でも」
「やだ、一緒にいたい」
「せ、せんぱいでも」
「・・・・・ごめん、ワガママ言って」
謝った先輩。でも、後ろから抱きしめられていて、
先輩の腕はお腹に回されていて離してくれない。
「あの・・・帰れないです」
「・・・・やっぱりだめ?夕食食べていってよ、なんなら泊まってくれても・・・」
「え・・あの、それ・・・・」
泊まる、ってそれは・・・あの、えっと・・・!
「ち、違うよ!そういう変な意味じゃ!」
先輩は慌ててしどろもどろになった。ちょっと可愛いなぁなんて思ったりして。
「変な?変なってどういうことですか?」
可愛いから、ちょっとだけ意地悪してみる。
後ろから抱きしめられたまま後ろを向くと、すぐ近くに先輩の顔があって
それは真っ赤になってて目があっちこっち忙しく動き回っている。
「・・・・・うぅ、ごめん。」
「えへへ・・・先輩って可愛いところもあるんですね」
「・・・それって褒めてる?」
「そりゃ、もちろんそうです♪」
先輩の方に向き直って腰に抱きつくように腕を回した。
・・・あ、ちょっと失敗。目の前には胸があって・・・柔らかくって・・・
泣いてるときは全然気にならなかったのに・・・あぁ、だめ意識したら余計に・・・!
あ、でもちょっとだけ安心したかも・・・・私と一緒くらいで。
633 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 01:11:29.31 0
&color(blue){>>631 }
第57回
先輩は私の顔を覗き込んで聞いてくれる。ち、近いです・・・・すごく。
「・・・どうする?」
「・・・家に電話、してみます」
「ほんと?よかった。じゃあしてみて!」
私が折れると、先輩は嬉しそうにニコニコ微笑んだ。
先輩の顔を見ているとずっと一緒にいたいような気分になってしまうけれど、
きっと・・・ママはうるさいんだろうなぁ。パパはまあどうでもいいけど・・・
携帯をカバンから取り出して、家に電話をかける。
先輩は隣でワクワク、っていう顔をして私を見つめている。
「・・・・あ、もしもしママ?あのね、先輩のおうちにお邪魔してて・・・・
夕食を一緒にって誘ってもらってるんだけど・・・食べてきてもいい?」
【先輩って桃子ちゃん?みやびちゃん?】
「ううん、あの、生徒会の先輩で最近仲良くさせてもらってるんだけど・・・」
「ちょっと、かして」
「え、あ、」
先輩は私から携帯を取り上げて、自分が話し始めた。
な、なにするんだろう・・・?
「はじめまして、2年生の熊井といいます。愛理ちゃんとは仲良くさせて頂いております。
本日は我が家に誘っていろいろ話をしていたのですがまだまだ話足りないところもあり、
また、両親も愛理ちゃんといろいろ話をしてみたいと希望しておりまして・・・・
夕食を一緒に、と思っているのですが、いかがでしょうか?」
ママはなんて言ってるんだろう、よく聞こえないなぁ。
しかし先輩は丁寧に喋るなぁ・・・すごい。お嬢様って雰囲気が出まくってる。
635 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/16(木) 01:12:37.07 0
&color(blue){>>633 }
第58回
「・・・その、まさかです。ですから、ご安心ください。はい、では。失礼します。」
「・・・ママ、なんて?」
「愛理をよろしくお願いします、だって。泊まっていってね」
「え!?ご飯だけじゃ・・・」
「・・・熊井、なんて珍しいでしょ?あんまりない名字だからね」
先輩はニヤっと笑った。
「え?どういうことですか?」
「まぁ、いいじゃんいいじゃん!あ、食事1人分追加って言ってくるからちょっと待ってて!」
先輩はごまかすようにそう言うと部屋を出て行った。
私は先輩の部屋に一人、取り残されて・・・・。
「え、どうしよう・・・泊まるだなんて・・・用意もないし・・・」
ほんとにどうしよう。困った、困ったよみや!もも!
嬉しいはずなのに、朝まで一緒なのに、困った!って気持ちが先行する。
まさか一緒に寝たりしないよね?もしそうだったら?どうしよう!!緊張して絶対眠れないよ・・・
そこでみやの言葉がまたもや浮かぶ。
『もしかして、襲われちゃったりしてw』
あぁ、もう!みやは余計なことばっかり!
だめ、急展開過ぎる!は、初めて喋ってたのつい最近なんだよ?
・・・でも、キスはしちゃったしなぁ・・・・。
恋愛ってこういうもんなのー!?誰か教えてー!
同人誌じゃこういう急展開はだいたい陵(ryかレ(ryかなんだけどー!
こんな展開私書いたことないんだけどー!
「・・・・って、なんでママ納得しちゃったの!?」
さっきの疑問が再燃して、で、また困惑して、恥ずかしくなって
もうなに考えてんだがわけのわからない状態のまま、ソファの上で先輩が戻ってくるのを待っていた。
670 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/17(金) 18:22:56.55 0
&color(blue){>>635 }
第59回
「ごめん、お待たせ!」
先輩が部屋に戻ってきてそう言った。
「ママも喜んでたよ」
「は、はぁ・・・」
頭が混乱気味でまともに返事が出来ない。
「・・・ごめん、いやだった?」
だけど、優しい先輩は私のことをとても心配してくれるから・・・
とりあえずなんとか心を落ち着けて返事をした。
「え、いや、嬉しいです!」
「そっか、よかったぁ」
私が笑顔を見せると先輩も笑ってくれて嬉しそうな顔をしてくれた。
そこで、私は1つ疑問を持った。この部屋にベッドは1つで・・・
「あの、・・・私、どこで寝たらいいですか?」
「へ?」
「泊まっていけって先輩が・・・」
・・・先輩、今忘れてましたよね、自分で泊まってけって言ったこと。
「あぁ、そっか。じゃあ、来客用の部屋を準備・・・ってだめ」
「え?」
「ここで寝ればいいよ、ベッドも大きいし。キングサイズなんだよ、これ」
ぽんぽんとベッドを叩く先輩。
まぁ、確かにこれ3人以上寝れそうな感じもしますけど・・・
671 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/17(金) 18:23:38.72 0
&color(blue){>>670 }
第60回
「でも、それはちょっと・・・先輩に悪いです」
なんとなく申し訳ないような気持ちになるから・・・。
「そんなことないよ、あ、べ、べ、別にうち変なことしようって気じゃ・・・!」
先輩は慌ててそう言って恥ずかしそうに下を向いた。
「わ、わかってます!」
私も慌てたように少し大きな声でそう言った。
こういう話、というか雰囲気になるたびにみやのコトバが出てくるから
あーもう!といちいちみやに怒る私。
先輩はベッドに腰掛けて、ソファに座っている私を手招きした。
私が先輩の前に立って首をかしげていると、先輩が私の腰に抱きついた。
先輩は座ったままだから、先輩の顔は私の首筋とか胸とかその辺にあって。
「・・・その、せっかく泊まってくれるのに別々だと・・・えっと・・・寂しいよ」
少しくぐもった声で先輩はそう言った。
先輩ってスキンシップが好きみたい・・・私と一緒だ。
なんだかすごく安心して穏やかな気持ちになることが出来る。
「はい・・・じゃあ、ここ、夜借ります」
「うん、そうして」
先輩の殺し文句みたいな「寂しいよ」の言葉にやられちゃった私はあっさりと折れてしまう。
・・・先輩と2人きりで、この部屋で、同じベッドで眠る・・・なんて。
絶対緊張して眠れないなぁ・・・どうしよう。
ソファやベッドで先輩とじゃれ合いながら夕食を待っていた。
本当に、夢みたいだと思った。
大好きな、憧れの人とこんな幸せな時間を過ごせる、なんて・・・。
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