ホリンの猛犬 左馬之助報告書

9月某日
 先の事件より、数日。
 ただただ、平和なり。
 大殿は、内職の仕事が盛況との事。機嫌が非常に良い。
 若君は、奥方様とお出かけ。嬉しそうであった。
 愛馬は、好調。拙者も、気分が良い。 

 ところが、大殿はおかしな事を話された。
 曰く、兄上達が壊されているとの事。
 一人は粉々に。一人は一刀両断。
 しかも、後者は、賭け事の結末との事。
 やはり、傀儡は大切にされないのだろうか?もう少し御慈悲を頂きたい。

 して、今回は、前者の犯人を突き止め、敵を討てとの事。
 是が非でも、この仕事はこなさねば・・・

 愛馬に跨り、早速調査を行う。
 途中で、小さな少女に出会う。
 拙者を探しているとの事であったが、女子供を手に掛けるほど落ちぶれていない故、あえて名乗らずに通り過ぎる。

 道端で、”まっくろい”殿と女性の”えれく”殿と再会を果たす。両人、共に元気そうで何よりである。
 二人ともに、”あでぷたす・ふぇいたす”殿の家に行かれるとの事。
 何でも、”えれく”殿の抱える犬の事で調査をされているとの事である。

 何やら、言いががりを付けられるも、姫君のお陰で助かる。が、姫に何故か愛馬を取られた・・・
 姫君のご命令で、先の両人に加勢せよとの事。
 皆で、”あでぷたす”邸に往く。

 ここに、先ほどの少女が博士風の男と現れる。どうも、この博士風の男が大殿の掛け相手であったらしい。最初に会った時に斬って捨てて置けばよかったわ。

 話を聞けば、兄上達を破壊しているのは、三体の人物である事が判明。
 この者達を、斬れば仇討ちが果たせそうである。
 ここに来ると、謎がすぐに解決できる。良き友誼を築かねば。

 ここも、結果を述べよう。
 敵の三人の内二人は、道化師姿の人物であったが、機能の回復してきた吾にはかなわず。
 まぁ、多少の苦戦もあった事も戒めとして記す事にする。
 また、この戦いの際に、かの少女に救われる場面有り。この少女は、恩人である故に、仇とは思うまい。

 三人目は、体が槍に転じて犬の元へ。
 その刹那、事もあろうか犬が人語を喋りだしたのである!

 まぁ、拙者には良く判らぬ話ではあるが、”まっくろい”殿の飼い犬であったらし
い。
 犬にしろ馬にしろ、主と共にある事が彼らの幸せであろう。
 この気持ちは、吾には良く判るのである。

 何やら、温かい気持ちで帰還すると、愛馬が機動停止していた。
 鞍の上には、姫の可愛らしい文字で「ごめんなさい」とあった…

最終更新:2006年12月11日 00:02