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シナリオレポート--“料理サイボーグ”天目 撫子天下一料理大会」(2007/10/07 (日) 12:03:40) の最新版変更点

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*シナリオレポート-“料理サイボーグ”天目 撫子 天下一料理大会 わたしの名前は天目撫子、アサクサのそばで料理屋「ナデシコ」をやってる。 わたしは料理が得意だ。…というより、料理こそがわたしそのものと言っていいかもしれない。 わたしはトバシュトリ・天目に造られたクローンだというが、あまり実感はない。 覚えているのは子供の時から、父、天目の食事の世話をしたことだけ。 そして…なんだっけ?ああ、そうだった、父はあまり味にこだわらない人物だった…というより、食に興味がなかったのかもしれないけど。 だからわたしは父に「美味しい!」と言わせたくて、必死に料理を研究したの。 そして…やっと、父が作業半分だったけど「ああ、うまいな」と言ってくれるようになった頃…わたしは完成していた………………。 「おはよう、天目撫子くん」知らない声、知らない天井、しかも頭がガンガンする。 あとでチゲでも作って食べようかな。 わたしに声をかけてきたのはセンスの悪いスーツを着た冴えない男性だった。 聞けば、わたしに頼みがあるとのこと。また料理の依頼かなあ。 年に何回かあるのよね、こういう誘拐依頼って…。店に来るか出張依頼でも頼めばいいのに。 まあ、それはともかく、依頼内容は意外なことだった。 天下一料理大会に出て欲しい。とりあえず、優勝は無理でも決勝までは出て欲しい。 馬鹿にしないで! 優勝するに決まってる。 今までこういう大会に出なかったのは、選手登録とかがよくわからないし面倒だったから。 この大会だって出たかったけど、手続きがわからなかっただけだもの。だから、わたしにとっては渡りに船だった。この人、天宮とかいうらしいけど、結構いい人かも。 会場に着くと、世界中からやってきた料理人がひしめきあっていた。 みんな、わたしに負けに来たんだね、かわいそう。 なんでも、著名な料理人もいるみたいだけどよく分からない。名前とかは聞いたことあるんだけど…まあ、今は料理に集中よね。 会場で思いがけない人物を見掛けた。N◎VAの司政官だったかな…イナガキとかいう人。うちの店に来たけど、ゲハゲハうるさかったから叩き出したんだよね。 その後、何度もラブコールがあったからご馳走させてあげようと思ったけど、すっかり忘れてた。 まあ、今日はたくさん食べさせてあげる。喜んでね。 …あ、今日はイナガキさんは試食できないんだ。ふーん、残念だね、また今度。 もう一人は千早社員の桐巻慎さん。以前、食材やいろんなけとで縁がある面白い人。 何が面白いって、味覚音痴なのよね。美味しいモノは美味しいってわかるのに、まずいモノも美味しいと思ってる。しかも、その味覚音痴が致命的。人が殺せるぐらい。 ただ、彼の刀工技術は、とっても素晴らしいの。わたしほどではないけれど、No.2にはなれるぐらいかしら。 そんな彼が後輩らしき女性と2人で参加しているみたい。女性の名は雨宮月菜さん。なんでも理由があって、この大会に参加したそう。悪いけど料理はあまり上手そうじゃない…というより、下手っぽい。 なんか切羽詰まってたようなんで、とりあえず、簡単に料理のちょっとしたイロハをレクチャーしてあげた。多分、伊東家もびっくり…なハズ。 競技が始まると周りが賑やかになってきた。慌てて食材を確保したり、妙に手間がかかるものを用意してる選手がたくさんいるけど…うーん、変に奇をてらうよりも、ベーシックなモノを丁寧に作ればいいのに。 とりあえず、わたしは…うーん、麻婆豆腐にでもしようかな。 みんな知ってるし、それに、手間をかければびっくりするぐらい美味しくなるものね。 そう決めたら、さっさと作らないと、手間をかける時間がなくなっちゃう。 集中してるとあっという間に時間は過ぎてしまうわ。ただ、気がつけば周りが賑やかなことに…。参加者同士で喧嘩…かな? …まったく…どうせ、大した料理なんか作れないんだから、おとなしくぐらいはしてればいいのに。 バカみたいに発砲まで始めた。何やってるのかしら、料理人がたかが銃ごときで、調理をストップすると思ってるの? 料理人黙らせたいんなら、すごい食材持ってきなさいっての。 そのうち、中華大帝とかいう人がリタイア。彼の料理はそれなりに美味しそうだったから、残念。ただ、せっかくのたくさんの助手がいるんだから、もう少し有効に使えばいいじゃない。 弾避けとかね。 無視して料理してたら、こっちにも流れ弾が飛んできた。どうしようかと思っていたら、誰かが防いでくれた。 ブラックドックのアランさん、久しぶりね。味を色で表現する面白い人だったけど、カブトの才能があるのは知らなかったなあ。ありがと。 ちなみに赤犬が美味しいって言われるけど、黒犬だって調理次第で美味しいのよ。 とりあえず、無事にトップ通過の麻婆豆腐ができあがり。 審査に持って行こうと思ったら、桐巻、雨宮ペアが一生懸命に料理を作ってた。 …えーと、あれは豆腐?…かしら。見事な飾り切りの鶴の彫刻…いや、冷奴。 とても素敵な飾り切り…だけど、きっと味付けは地獄のような面白いモノにするんだろうな。食べたくないけど。 審査員に死人が出て、大会が中止になるのも嫌だし、何より雨宮さんがどうしても決勝戦に行きたがってたから、絶対に上に行かしてあげたいなあ。 でも、あれの形を崩さずに調理することは桐巻さん達には無理ね。 すると、やっぱり冷奴にするしかないわけで…だけど冷奴で審査が通るわけないし…じゃあ、冷奴で審査が通るような味付けにしないといけないわけで…。 あの形状に一番いい味は…! 私はアドバイスした。 「ポン酢で」 審査員達は満足げで、予選はトップ通過だった。まあ、それは当然ね。 アランさんも試食していたみたいだったから、感想を聞いてみたかったけど、さすがに距離があるからね。残念。 わたしの麻婆豆腐は何色だったのかなあ。 夜になると、天宮右京さんが部屋に来て、またいろいろと言ってたけど、とりあえず、妄想癖がある可哀想な人の気がする。 とりあえず、わたしの料理でも食べて。 少しは症状が治まるといいね。 二日目の本戦は、なんでもスピード勝負みたい。 とりあえず、また桐巻さんたち…特に雨宮さんに料理を手早く、丁寧に作るコツを教えてあげた。 あれだけわかっていれば、今日も多分大丈夫。 あとは、試合中にまたアドバイスしてあげればいいよね。 わたしの方は…そうね、今日は何にしようかしら…、私の食べたいもの…今は小龍包かなあ。 そう思って、作っていたら、横から私の料理を奪っていく者が居た。 ペンネ・マテラッティ…確か…毒舌料理人とかいう奴! こ、この、ど、毒舌めぇ~!許しがたいことを~。 わたしの料理の出来がいいから奪いたくなる気持ちもわかるわ。 でもね、せめて、料理が完成するまでぐらいは待ちなさいよ! そんな中途半端なシロモノをお願いだから審査員に持っていかないでぇ~。 わたしの願いもむなしく、毒舌料理人は審査員席に高笑いをしながら走っていった。 いつか、毒殺してやる。 とりあえず、小龍包はなくなってしまったので、別のメニューを考えないと。 西洋系の料理も考えたのだけれど、時間もないし、仕方がないから手早く作れる春巻きにした。 うーん、中華料理ばっかりで芸がないなあ…反省。 まあ、作るからにはもちろん最高の春巻きを作ってやるわ。 時間がないので、かなり飛ばして調理をしていると、鬱陶しいことに話しかけてくる人がいた。 「初めまして、私は大宜都比売(オオゲツヒメ)。天津家の者よ。あなた、本土の料理人でない割には腕が立つじゃない。気に入ったわ」 なんか20歳代の女性、弟子に料理を作らせて自分は余裕たっぷり…ってこと? あのね、こっちは握手してる暇なんかあるけど、するつもりはないの。 あ、でも、この大会の出場記念として甲子園の砂代わりに握手してあげてもいいかなあ。 と、いろいろと考えていたら、少しムッとして去っていった。 ちょっと可哀想なことをしてしまったかも。 とりあえず、わたしの春巻は当然のことながら、審査員の大賛辞(大惨事?)の中、無事にトップ通過した。 アランさんにとっては何色だったのか、とても気になるところ。 それより気になるのは、桐巻&雨宮ペア。 かなり離れたテーブルにいるので、作業を見てる暇はなかったのだけれど、まあまあ上手にやっているみたい。 言ったとおり、餃子ね。 あ、ここでも中華を提案してしまったなあ…失策…でも、けっこう簡単に作れるし仕方がないのよね。 材料はすべて桐巻さんがしっかりと同じサイズに切っているから、絶対に調理するのもバッチリなハズ。 あとは味付けなんだけど…うわあ、また桐巻さんがなんかスゴイ調味料を持ってる…。 ちょ、ちょっと、どろソースとミントを混ぜて、どうするつもり? それに、ターメリックとホイップを持ち出さないでよ。 わたしは慌てて瞬時にあの形の餃子に合う、簡単で最高の調味料を考えた。 簡単で、美味しいもの。 世界の中心ではなかったけれど、わたしは叫んだ! 「ポン酢で」 夜になるとまたまた、天宮右京さんがやってきたので、かんたんに料理をあげた。 考えてみれば、わたしをここに導いてくれた恩人なのよね。 なんかまたいろいろな電波を受信しているみたいなことを言っていたけど、許してあげる。 「ちょっといいかしら」 という声とともに、同じ選手の大宜都比売(オオゲツヒメ)の来訪もあった。 けっこうビックリ。 ただ、なんでも彼女はわたしをライバル視しているみたい。 うーん、なんと言ったらいいものかしら。 ライオンとウサギじゃ、勝負しないでしょ。と、でも言えば諦めてくれるかしら。 まあ、いろいろと悩んだけど、とりあえず適当に相手にしてみたらやっぱり気分を悪くしていた。 父、なんでわたしに立派なコミュニケーション能力を与えてくれなかったのかしら? もう少し可愛げがある回答ができれば、場も盛り上がるのに…うーん、まあいいや。 それにしても明日は死国にいくみたい。ちょっと楽しみね。 「じゃあ、くれぐれも明日は気をつけてがんばりましょう」 明日のスケジュールも教えてくれた上、優しい言葉までかけてくれた。 意外にいい人かも。 三日目になると、さすがに参加者は数えるほどになっているわね。桐巻さんたちが残ってるのはうれしい。 まあ、わたしがアドバイスしたのだから、いなくなってるわけがないのだけれど。 みんな朝早くから集められて、ヘリに乗せられた。 高い所は勘弁して欲しい…。まさか空中で料理対決? ほんとどうしようかと思ってたけど、ただの移動だった。良かったー 大会運営サイドのアランさんの説明を受けて移動。 なんでも死国の軽汚染地域に行って、さまざなヒルコを捕まえて食材にするんだって。 なんて素敵な競技内容なの! 死国で食材、探してみたかったの。 その夢が叶うなんて夢みたい。しかも他人の財布で。 どんな食材があるのかしら?考えただけでもワクワクする。 アランさんの話では危険ではあるものの、なるべくアランさんが排除してくれるんだって、それなら安心ね。 それと、今回に限り他の選手との共闘が認められるみたい。じゃあ、桐巻さんたちと組もうかしら。 桐巻さんの腕前なら、危険も排除してくれるだろうし、それよりも彼らが変な食材を選びそうで怖いし。 とりあえず、競技はスタート。 にっくきペンネ・マテラッティは早々にリタイア。 なんでこんな素晴らしいところから逃げていくのかしら。 やっぱり彼はダメダメ料理人ね。 魅惑の大地には様々な素敵な果実がたわわに実り、わたし達を待っていてくれた。 うーん、あのネバネバしたものは美味しそうだし、あっちの極彩色の実も使えそうかも。 あーん、あっちのモゾモゾ動く蟲たちなんか絶対にいい食材になるわ! とりあえず、わたしの分と桐巻さんたちの分の食材をさっさと集める。 わたしにとってはあっという間に時間が過ぎていく。 普通の女性はウィンドーショッピングというものを何時間もするらしいけど、わたしにとってはここが、それに近いのかもしれない。 気がつけばいい時間になって、ちょっとした轟音で我に返ったわ。 なんでも、ピエール・モンブランっていう、アスガルドら出てきた最凶料理人が、レポーターと司政官の乗ったヘリを撃ち落し、周りのみんなにも手をかけようとしたみたい。 あのね…料理しなさいよ。 仮にも料理人って名乗るんだから。 ヘリを撃ち落して、レポーターと司政官を二脚羊として、食材で使うっていうならまだわかるけど、馬鹿みたい。 どうせ貴方なんて、アランさんに暴挙を止められますよー。 あ、それとも桐巻さんに三枚に下ろされるかも。 なんて思っていたら、残念ながら、彼はここの死国の主、タイラントクイーンの一団に襲撃されて脱落。 馬鹿ね、せっかくの食材にやられてどうするの? わたしもがんばらないと! 気合を入れていると、アランさんがタイラントを撃退。 わたしはタイラントから美味しそうな部位をゲット。 あ、そうそう父が喜びそうな部位も持っていって上げないと。 いいお土産ができたわ。 桐巻さんたちもそれなりにいい部分が取れたみたい。 これで明日は美味しい料理を作ってね。 雨宮さん、嫌そうに食材を持たない! 落としたら勿体無いでしょ。 夜になるとまたまたなんか面倒な来客があった。 大丈夫、絶対優勝できるから心配しないでね。 とうとう決勝になった。 残ったのは桐巻さんたちと大宜都比売(オオゲツヒメ)。 今日のために、いろいろとメニューを考えてきたんだよね。 さあ、やらないとね! と、思ったら突然、雨宮さんが審査員席に近づいていった。 それはこの大会の主催者、天宮星埜さん。 何するのかと思ったら、突然の衝撃発言。 「私はあなたのお姉さんなの?」 …そういう方法があったかー! っていうか、そうまでして勝ちたいのかしら? なんて勘ぐっていたら、本当に天宮星埜さんのお姉さんでビックリ。 ふーん、生き別れだったんだ。 よかったねえ。 みんなで祝福していたら、一人だけ気に入らない人物が居たみたい。 その名は天宮右京さん。 わたしの恩人。 「ワハハハ、お前ら皆殺し」 相変わらず電波なことを言っている。もう少し、いいものを食べさせてあげれば、よかったかな。 可哀想に。 荒事でなんとかしようと思ったみたいだけど、アランさんがあっという間に撃退。 可哀想に。 ちなみにわたしの脳内爆薬とやらはもちろん爆発しなかった。 こっそりと父に外してもらったからね。 さあ、これでやっと決勝ができるわ。 今回は死国の旨みをたっぷりと出せるメニュー。 それはカレー。 子どもも大好き、N◎VA人なら誰でも大好きな垂涎物のメニューよ。 もうすでに、イメージトレーニングもなんどもしたし、バッチリな感じ。 スタートと同時にさっさと作業を開始、煮込みの時間を十分にとりたいから急がないとね。 それと桐巻さんたちのことも気になるし。 桐巻さんたちは鍋物に挑戦しているみたい。 うん、桐巻さんの包丁捌きなら、材料を均一に切れるし、食材への火の通りが一定にできる。 ナイスな料理だね。 とりあえずはわたしの料理はできあがり。 あとはギリギリまで煮込むだけ。 あとは…えっと…桐巻さんの状態は…っと。 良かった、まだ味付けはしてないみたい。 あれは、素材の味が染み出てるから余分な味付けは不要ね。 あとは最後のつけダレを考えるだけ。 それは昨日のうちから考えていたの。 それは… 「ポン酢で」 あとは試食。 大宜都比売と桐巻さんたちの試食は無事に終了。 かなりの好評みたい。 ただ、審査員の誰もがわたしのカレーの匂いの虜になっているわ。フフッ。 もちろん、優勝はわたしだった。 うんうん、これで名実ともに世界一の最高の料理人ね。 今度は宇宙一でも目指そうかな? 天宮姉妹も幸せそうだし、わたしも一位になったし、万々歳ね。 でも、無事には大会が終らなかったわ。 稲垣さんがわたしのカレーを食べて突然大暴走。 自爆スイッチを押したのか、会場が大爆発。 せっかくできた稲垣スタジアムを破壊したくなってしまうほど、美味しかった? わたしの料理って…罪深いなあ。 まだまだ精進の必要があるわね。 ちょっぴりガッカリ。 帰って、2、3日して大宜都比売がお店に来た。 彼女が言うには、軌道で料理を作らないかってことみたい。 悪いけど、わたしはここでまだまだ修行することがたくさんあるわ。 それに、軌道の少ない客だけでなく、たくさんの人にわたしの料理を食べてもらいたい。 だから、断った。 でも、大宜都比売、あなたいい人ね。 ありがとう。 父には死国のお土産を持って行ってあげたら大喜びしていた。 ついでに料理を作ってあげたら、喜んでくれた…ハズ。 うーん、でも相変わらず満面の笑みにはならないなあ。 まだまだ、修行が足りないわね。 悔しいなあ。 あ、そういえば、大会に出してくれた天宮右京さんにお礼をしないとね。 今度、差し入れしてあげようっと。 ---- [[戻る>“料理サイボーグ”天目撫子]]

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