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*シナリオレポート-“ハイウェイ・マジシャン”鈴木みらの復讐の天使 ボクの名前は鈴木みらの。 我が家は千早軌道派の名家だったみたいで、天照院の神主をやっていた。 でも、千早内部の争いで、爆破テロに巻き込まれて、パパも死んだし、ママも同じよう別の爆破テロで死んじゃった。 その時、ボクも死に掛けた。 それを助けてくれたのは、美沙ちゃん。 それ以来、ボクは美沙ちゃんのために、このタタラの才能を使って仕えている。 そんなわけで、今のボクの所属は千早重工後方処理課第二班。ルーチンワークが得意な部門。 っていうか、ボクの得意なのは肉体労働ではないんだよね。 ボクの得意なのは、ヴィークルをつくること。 得意に車とバイクは詳しいよ。あとねウォーカーも好き。 ロボットは男の子だけのロマンじゃないんだよ。 あ、作ったバイクとかに乗るのはあまり得意なわけじゃないよ。 自分で乗る(?)のはローラーブレード程度。 エンジン音は好きなんだけど、ダメなんだよねえ。 え、なんでかって? だってさ…決まってるじゃん。 こんなちんちくりんじゃあ、あんな機体は扱えないよ。 そんなわけで、ボクの移動方法はローラーブレード専門。 美沙ちゃんには社内では履くなって言われてるけど、さすがにそれはお断り。 これがボクのスタイルだからね。さすがに美沙ちゃんでも譲れない。 後方処理課って言っても、ボクは課のデスクにはいることはない。 いつもは研究所でいろいろなマシンの開発をしている。だって他にすることないもんね。 だからといって、開発課の所属になるのは嫌。 美沙ちゃんいないし。 最近はある程度のマシンの開発も終ったので、ちょっとひと休み。 今日は雅之ちゃんといっしょに、鬼丸ちゃんのウォーカーの模擬戦を見てた。 相変わらず惚れ惚れするような腕前だねえ。 模擬戦が終ると、雅之ちゃんが鬼丸ちゃんに仕事を頼んでいた。 大変だなあ…なーんて、思っていたら、ボクにも話をふってきた。 雅之ちゃん、ゆめてくれる? ボクに仕事を言う場合は美沙ちゃんを通してよね。 社長だかなんだか知らないけど、ボクは安売りしないから! 美沙ちゃんから仕事の説明。 なんでも、ボクが以前、作ったバイク(ボクの命名ではくろすけ八号)がAIを乗っけたら逃げ出したみたい。 セエレとか言うんだけど、まったろくでもないAIを作ったんだね。 とりあえず、くろすけ…もとい、ダークエンジェルを追うことになった。 鬼丸ちゃんといっしょなんだけど、どっから手をつけたものか…。 街中のファーストフードで、ダラダラと対策を練っていると見知った顔がやってきた。 あれは速矢華ちゃん。 相変わらずいい走りをしてるみたいね。 速矢華ちゃんは、ボクの知ってるカゼの中でもトップクラスだ。 速矢華ちゃんと並ぶのは…そうだねぇ…伝説の“魔眼の”ベイラーとか、“風神”スカイハイトとかかな?この2人とは面識がないからよく知らない。 あと一人、“天地疾駆”ギャラハンっていうのも知ってるけど、あれはバイク人間だから…カゼっていうよりインチキに近いよね。 あれはあれでかなりいじり甲斐があったんだけど…前にいじったら怒ってたし。 まあ、それはともかく、速矢華ちゃんは、ボクの知る上では最速のカゼ! 彼女のバイクをいじり倒すことができるなら、千早をやめてもいい…かな? うーん、美沙ちゃんへの恩もあるし、そうは簡単にいかないわけだけど、そのぐらいの速矢華ちゃんのバイクには触りたい。 そんなわけで、ボクの興味は速矢華ちゃんのバイクに移ってしまった。 だけど、だからといって調査を進めないわけにもいかない。 鬼丸ちゃんもつまんない顔をしてるしね。 速矢華ちゃんと話してみると、人探しをしているみたいだった。 その名は天野聖ちゃん。弟の天野翼くんって子から頼まれたみたい。 ゾクが絡んでそうな雰囲気。 しかも、セエレとも無関係じゃなさそうな感じ。 仕方がない、一肌脱ぎますか。 あ、本当に脱ぐわけじゃないからね。 だいたい、ボクの肌を見て喜ぶのは少女趣味のフリークぐらいだし。…まあ、自虐的な話は置いといて…。 とりあえず、調べた結果、わかったことは…。 ・ホーリーと天野聖ちゃんは同一人物であること(ふーん…、ところでホーリーって誰?)。 ・ホーリーは速矢華ちゃんと以前から交流がある友達だということ(おお、そういうことなんだ)。 ・ストリートには現在、ゾク狩りと言われている人物が出没していること(まあ、ゾクなんてみんな死んじゃえば?)。 ・SUKALLHEADとかいうゾクがストリートでハバを効かせ始めているということ(ゾク如きが粋がらないでよね)。 ・SUKALLHEADのリーダーはバリー・ロッドマンという奴だということ(どうせノロい奴なんでしょ?) ・関東狂愕連合と反関東狂愕連合で一食触発の状態だということ(みんないっしょに狩られちゃえばいいのに)。 その間にSUKALLHEADのメンバーに襲われたりしたけど、とりあえず鬼丸ちゃんパワーで撃退。 鬼丸ちゃんって変わり者のウェットなのに、なんでこんなにウォーカーをニューロに使えるの? そして、ボク達は偶然…いや、必然かな?…ともかく、天野聖ちゃんことホーリーちゃんに出会った。 彼女はやっぱりゾクを狩っていた。 ゾク狩りなんだね、間違いなく。 初めまして、バディ? ってあら? 彼女のバディはすでにいた。予想通り、逃げたセエレ(くろすけ八号)は彼女のバディになっていた。 セエレ、帰ってらっしゃい。 なんて甘い言葉にセエレは騙されず、さっさとホーリーちゃんを連れて、逃げ出した。 ホーリーちゃんも速矢華ちゃんの真面目な説得(ボクがセエレにしたようないいかげんな奴じゃなくて、本当に真面目)も聞いてもらえず、二人は消えていった。 参ったねえ。 また探さないと。 引き続き、調査しているうちにまたわかったことが幾つか。 ・天野聖ちゃんがゾクに復讐しているのは、彼女の保護者であった天野冬香をゾクに殺されたから。 ・天野冬香を殺したのは狩谷ミロク?とか言われているみたい。 ・近々、ゾク同士で大戦争が起こる。 ついでに、ゾク狩りことホーリーちゃんが、次に現れそうな所も予想がついた。 まあ、ボクが本気を出せばこんなもんよ!…本当は速矢華ちゃんや鬼丸ちゃんがメインで調べたんだけどね。 とりあえず、予測に従ってボク達も埠頭に行ってみた。 途中、素敵なぐらいにたくさんのゾクと遭遇したけど、鬼丸ちゃんが一網打尽、さすがだね! 彼らの屍を越えて行くと…いましたよ、ゾク狩りことホーリーちゃんが。 しかも、スカルヘッドに囚われの身になって。 「速矢華さん、ごめんなさい」って当たり前でしょ、馬鹿だなあ。 ゾク狩りが囚われのプリンセスかあ…ホーリーちゃんって芸風が広いね。ボクも見習わないと。 まあ、それはともかく、スカルヘッドのヘッド、バリー・ロッドマンが得意げにセエレことくろすけ八号にまたがっていた。 あのね、ポンコツといえどもこの鈴木みらの様が作ったものなんだから、ウルトラマンみたい髪型の奴が乗らないでくれる? それに乗っていいのは少なくても、仮面ライダーレベルなんだから。 なんかいい気になって、いろいろゴチャゴチャ言ってるけど、どうやら彼はゾクのトップになりたいみたい。 …クズのトップに立つのが夢なんて…志が低いなあ。 鬼丸ちゃん、そんな無駄な志は踏みにじってやりなさい! あっと言う間に鬼丸ちゃんが掃除してた。相変わらず仕事はしっかり、バッチリだね。 騒ぎが終わったあとで、関東なんちゃらっていう、馬鹿の親玉の狩谷ミロクがやってきて、偉そうにホーリーちゃんを渡せって言ってきた。 冗談じゃないよね、なんであんたみたいな髪の薄いヤツにホーリーちゃんを渡さなきゃならないわけ? ハゲも休み休み言ってよね。 …ふーん…まあ、髪が寂しい狩谷くんの戯言によれば、ホーリーちゃんがヤンチャ過ぎて、彼のおともだちがやられてしまったらしくて、仕返しがしたいみたい。 いいじゃない、ヤンチャなんだから許してあげれば。 自分たちだって、大人になったら飲み屋とかで得意げに「俺、昔、ヤンチャしちゃってさ」とか言うんだから。 まあ、そうは言っても、頭が悪いから納得はできないのは仕方がないから、全面戦争かな? また鬼丸ちゃんに頑張ってもらわないとね。 …と、思ったら、狩谷くんたら、速矢華ちゃんにゼロヨン勝負をしようと言ってきた。 身の程知らずとは怖いよね。 でもまあ、速矢華ちゃんは優しい事にその勝負に乗ってあげました。エライ! で、ゼロヨン勝負の結果はというと、書くのもバカバカしいけど、速矢華ちゃんの圧勝。 っていうか、相手がスタートした時にはすでにゴールしてたもんね。お話しにならないよね。 狩谷くんたちは寂しそうに帰りました。 ボクは無事にダークエンジェルを回収。セエレ、もうくろすけ八号って呼ばないから、人に迷惑かけちゃダメなんだからね。 うちの雅之ちゃんはとっても満足げ。 美沙ちゃんは相変わらず、仕事に追われて可哀想だった。 うちの会社って時が止まってるかのように情景が変わらないよねえ…。 ---- [[戻る>“ハイウェイ・マジシャン”鈴木みらの]]

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