十年ぶりの捜査
チャーチル怪死事件から約十年警察署内からも迷宮入り事件として見なされ又、この事件に関わった者は次々と消えていくので誰も関わりたがらなくなっていた。
そんな中一人の刑事とその部下が小規模化した本部で捜査を続けていた。
あるイギリスの北方地帯へ二台の車がある屋敷へ向かっていく。
その車に乗っているのは十年前行方不明になったイギリス情報機関の機関員の友人ストラウス刑事とその部下だった、十年前まではかなりの規模だったはずたが有力な情報を入手した者は次々に消え始めた、
そして事件発生から二年行方不明者が異常なためチャーチル怪死事件の調査は一時休止行方不明者の捜査を始めようとしたがマスコミが「又警察が無駄な犠牲を作ろうとしている」と記事に暴露これにより捜査を中止しざえなくなった。
しかし遺族とストラウス刑事の熱い説得によって小規模ながらも調査が進められていた。
「どうですか?」
部下が心配そうに聞く。
「なんとも言えん、そういや貴族のボンボンは幾つだっけ?」
運転している方の部下が得意げに「十七です。」
と答えた。
「ほうよく知っているな」
しかし褒めたのと裏腹に彼の表情は怒りに溢れていた。
ストラウスはしまった!と思った、そもそもこの事件は誰もが気味悪がってこの捜査に関わってくれないものだ、関わると言えば事件に関わってしまったせいで上司を失ったり友人を失ったりして、
この事件に対し恨みを持っているやつしか来ない。
だからもっともポピュラーなことを聞いて「ほうよく知っているな」など言えば怒るのも無理はないと思い。
「すまないしかし勘違いはしないでくれ。」
「え!?」
彼は不思議そうな顔をした又その反応を見たストラウスの方も不思議そうにしていた。
「どうしたのですか?いきなり」
「え?だってさっき凄く厳つい顔をしていたじゃないか」
彼はようやく意味が分かっらしく
「ああそれは違いますよストラウス刑事、僕はあの豪邸に住んでいる貴族に対して苛立ってたんですよ、理由はですね、あんな歳で憧れのメイドに囲まれて世話されていると考えたら、誰だって腹立つでしょ~~??」
「ナヌ~~~~~~~!!??」
ストラウスだけではない車の中にいるみんなが驚いた。
「馬鹿か貴様は~~~~!?」
「わっちょっとタンマ!?」
車の中では怒りの鉄拳と(ツッコミ?)叫び声が響いていた。
屋敷の前
「Welcomeみなさんよくぞ・・・・・・どうしたんですか?」
屋敷から出向いてきたこの屋敷の執事だった彼は一人だけボコボコになっているのに気がつき心配そうに問いただしたが
みんなが口を揃えて「いいえ心配する必要はありません。」と言った。
「?まあとりあえず部屋へご案内いたします。」
中へ入ると年代物の物がずっさりと並んで又随分と豪華な造りになっている。
「よくぞおこし下さりました。」
一斉に百人以上の執事とメイドが出迎えてくれた。
「なんとまぁ良くやるねぇ」
「え~このボコボコなのがウォルターその隣がハットンそんでそっちがキャルロンそしてこちらが・・・」
「そういやトーマスのお坊ちゃんは?」
「ああ今お坊ちゃまは本屋で買い物をしています。」
執事は手際よく荷物を運びだした。
「金持ちの坊ちゃんが行く本屋はどんな所だろうかねぇ」
案内された部屋は大きなベットと机などが置かれていた。
「テレビは普通か高くも安くもないか・・。」
「用あったらこちらのボタンをお押し下さい。」
そう言うと執事は部屋から出ようとしたが
「すみませんが一つの部屋に二人泊めてもらえませんか?」
同じような部屋に二つのベットと不機嫌そうな顔あった。
「刑事?なんで同じ部屋に男二人なんですか?」
まったくと言った顔をして答えた。
「警察でも消される事件に関わっているんだ。一人でいたら危険だろう」
「あ、成る程」
実際ここのコードネームは(人食い屋敷)と呼ばれているほどあってどんな優秀な刑事や探偵でも変死もしくは行方不明になる。
もちろん警察もほって置くはずはないから、調査をするが。
それの支持者が同じように変死などで見つかる。
恐らくこの捜査が最後だろうと覚悟しながら皆は来たのだ。
上は反対した、家族も反対した。
そればかりか人食い屋敷に直接泊まり調べると言い張る。
色々な理由があって来た者がほとんどだった、あのウォルターでさえ。
部屋に入ってから数時間後にトーマスが帰ってきた。
「いやすみません、ちょっと面白い本があったのでつい」
身長は175センチぐらい少し細長い手足と黒い髪、そこら辺の青年と変わらない。
「私がトーマスです。遠いところからよくぞお出でなさりました。」
広い談話室腰を下ろしストラウスは単刀直入に聞いた。
「君の親つまり母親の方は知ってるのか?」
トーマスは何とも言えない顔をしながら「いえ知りません。」
やはりと言う顔をした。
報告書によると母親どころか事件以前の記憶はないと証言していた。
それから数時間後
「結局何も分かりませんでしたね・・・・」
「当たり前だ、そうでなければ世間でこんなに騒がれるはずないし、それにそうでなければ・・・この事件に関わって消えて、いや消された者達が報われない。」
部屋に戻ったストラウス刑事は部屋で今までの話の整理をしてみた。
怪死事件の死体の回りには車のタイヤの跡があった。
不思議なことに帰る時にできるはずのワラジ(タイヤの跡のこと)がなかった。
だとしたなら車はその場所に残っているはずしかし車がない。
後、死体を捨てに行く時に使われた車の目撃証言すら出てきない。
だが代わりに球体型の自動車(?)が森に入っていく所を見たと言う人が数名いた。
警察は見た目からカナリ怪しそうな車から捜査しようとしたが森から出た所を誰も見ていないのと、そんな変わった車があるのなら今頃見つけているだろうと言うことでそっち方面の捜査は放棄された。
もう一つは何故親族がこのトーマスの世話を見なかった、第一知らぬ内に出来た子を心良く向かえ入れないのは分かるが、イギリス中に話題なったのなら話は別のはず、普通ならどこかに引き取られるのが普通である。
謎はそれだけじゃなかった。
捜査していた人が行方不明だけではなく自殺する者までいた。
自殺と言っても状況からして他殺の可能性が高いと言う理由で自殺関連の捜査は今でも続いている。
「スタートがここにあるのにそのスタートが見つからないなんてな~」
彼ストラウスは捜査が始まったばかりなのに疲れきってしまった。
最終更新:2011年07月20日 11:18