シャンカラ


概説

初代シャンカラ(Adi Shankara)は、マラヤーリ人の8世紀に活躍した中世インドの思想家。梵我一如思想を背景とした不二一元論を提唱した。ヴェーダーンタ学派の代表的な哲学者である。

「神の御足の教師」として知られた彼は、アドヴァイタ・ヴェーダーンタ哲学の教義を強化する最初の哲学者であった。彼の教えは、唯一にして真の実在であるブラフマン(梵)と、個々のアートマン(我)は同一であるという主張に基づく。スマートラの伝統において、インド神話ではシャンカラはシヴァ神の異名である。

全てが現存しているというサンスクリットで書かれた彼の著書は、アドヴァイタ(非二元性)の教義を確立することに関する。シャンカラは教えを説く際に、ウパニシャッドや他のヒンドゥー教の聖典の広範囲から引用を行った。更に、サーンキヤ学派や仏教に似た考え方を持つ一派の批判に対する反駁の内容を自身の著書に含めた。(ウパデーシャサーハスリー)

シャンカラの思想は仏教の類似性が高く「仮面の仏教徒」と呼ばれることがある。彼は仏教哲学をヴェーダーンタ哲学に吸収する役割を担った。

不二一元論

不二一元論(アドヴァイタ・ヴェーダーンタ哲学)とは、梵我一如の思想を背景として、現象世界(現実)はブラフマン(実体)から生じたマーヤー(幻影)にすぎないとし、真我と梵は絶対的に同一であるとする考え。シャンカラによって提唱された。

多様な現象世界や、多数存在するよう見える自我は、唯一のブラフマンと本質的には同一であり、ブラフマンから生じた現象であってマーヤー(幻影)にすぎない。マーヤーに過ぎないさまざまなものに固執することが罪であり、それを無明という。

シャンカラのこの思想は仏教の類似性が指摘される。


最終更新:2011年09月19日 00:36