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時は1996年。日本中の子供たちの間ではGBソフト「ポケットモンスター」が大ブレイクしていた。
もちろん東京都練馬区月見台も例外ではなかった。

のび太のひょんな思い付きから、彼らは実際にポケモンの世界を冒険することとなった。
ドラえもんの道具「リアルゲームマシーン」を使ったのだ。
誰が1番最初に殿堂入りをするのかを競ったのだが、結果は出木杉の圧勝だった。

出木杉がゲームクリアしたことで、彼らは各々のポケモンたちと別れねばならなかった。
のび太は今でも時々、おつきみやま前のポケモンセンターで騙されて買ったコイキング
…もといギャラドスのことを思い出している。



「おい!のび太くん、起きろ!起きろってば!」
気持ちよく昼寝をしていたのび太は、ドラえもんが起こそうとしても愚図ってなかなか起きようとしない。
「う~ん…なんだよ、ドラえもん…。さっきまでどこかに出かけていたかと思ったら、帰ってくるなり怒鳴り散らすなんて…。」
「金(きん)だよ、金!未来デパートでポケモンの金バージョンを買ってきたんだ!!」
ガバッ。のび太が急に跳ね起きたので、ドラえもんは驚いて後転してしまった。
「金!ドラえもん、それホントなの!?」
「うん、僕必死になって買ったんだからね。さぁ、皆をうちに呼んできなよ!」



…十数分後

「やぁ、皆を連れてきたかい?」
のび太の部屋にドヤドヤとジャイアン、スネ夫、それにしずかが入ってきた。
ドラえもんは今しがた部屋に入ってきたメンバーを見て、のび太に尋ねた。
「あれ?出木杉くんはどうしたの?」
「出木杉さんも誘いに行ったの。だけどお家にいなくて…。」
のび太の代わりにしずかが答える。
「アイツ、最近変だよなー?」とジャイアン。
「そうそう。顔色悪いし、学校が終わるとすぐに急いで家に帰るし。」スネ夫もうなずく。
「そうか…、それじゃあ仕方がない、僕たち5人で行こ…」
「おぉーっ!これがポケモン金か!!」
ドラえもんの話をよそに、ジャイアンは金のカートリッジを手に取り見とれている。
「あっ!このポケモン、ホウオウだね!コロコロの記事で見たことあるよ。」
スネ夫も興味津々のようだ。

ドラえもんがコホン、と咳払いする。
「皆、今回の冒険は前回ほどたやすくないよ。なんてったって、まだ誰もプレイしたことがないんだからね。」
「んなこたぁ分かってるよ、知らない世界を冒険する方が楽しいじゃん!そんなことより早く出発しようぜぇ、もう俺待ちきれないよ!」
ジャイアン、えらく興奮しているようだ。それは他の4人にも当てはまることだったが。
「よ~し!リアルゲームマシーンにカートリッジ設置完了!ポケモン金の世界にしゅっぱーつ!」
「おーっ!!」
のび太たちの新たなる冒険が今、始まろうとしていた。



眩しい光に包まれ、次に目を開けたとき、そこはもうのび太の狭い部屋ではなく広大な草原が広がっていた。

「ここが…金の世界…か…。」
スネ夫がつぶやいた次の瞬間、
「ウオ―――――――――ッッッ!!!」
いきなりジャイアンが大声を出したので、皆危うくゲームスタートと同時にゲームオーバーになるところだった。
「なっ…何なの…たけしさん…?」
まだクラクラする頭を抑えながらしずかが問う。
「いやぁ、すまねぇすまねぇw金の世界に来たんだと思ったら無性に叫びたくなっちまってw」
ジャイアンを除く男性陣は小声でブツクサ文句を言っている。

「さっ!んじゃドラえもん、この前みたく最初のポケモンをくれよ。」
ジャイアンのこの言葉でのび太はビッときた。
前回ポケモン緑を皆でプレイしたとき、のび太は不覚にもコラッタをひいてしまったのである。
そのせいでドラえもんに見捨てられるわ、最初のジムリーダー・タケシに負け続け有り金を全部なくしてしまうわで散々だった。

「じゃあ皆、袋の中のモンスターボールを1つ取ってね。」
ドラえもんがどこからともなく大きな袋を取り出した。
「俺様が1番だぜっ!」
順番を話し合う間もなくジャイアンが袋に手を突っ込む。
「ん~…、よし、これだ!」
「モンスターボールは皆で一斉に開けるからちょっと待っててね。」とドラえもん。

他の4人はジャンケンで順番を決め、次はしずかの番だ。
「私はこれ!」
「僕はコイツだ!」スネ夫がひく。
『今回は…頼むぞっ!』
神に祈りながらのび太がモンスターボールを手に取った。
『残り物には福がある、残り物には福がある…』
ドラえもんは前回同様、グーしか出せない己の手を憎んだ。



皆に新ポケモン図鑑を手渡し、全員の手にモンスターボールがあることを再度確認したドラえもんは、各自のポケモンを繰り出すよう言った。
「おぉっ!なんだコイツは!?」「きゃっ、カワイイ!」「見たことないポケモンだ!」

ジャイアンのポケモンはワニノコ。
見るからにわんぱくでなんとなくジャイアンと気が合いそうだ。
しずかのポケモンはチコリータ。
おとなしそうな性格で、初めて出会ったしずかを少し警戒しているよう。
スネ夫はヒノアラシだった。
一見頼りなさげだが、図鑑によると本気になると灼熱の炎を吹くらしい。
お待ちかね、のび太のポケモンはというと…
一人だけ新ポケモンではなく、ポッポだった…。
ドラえもんはオタチ。
とりあえずねずみポケモンでなかったので一安心だ。

1人を除き、皆初めて見るポケモンに感動していた。
「それじゃあ、そろそろ出発しましょうよ。」
というしずかの言葉でドラえもんは我に返り皆に傷薬とモンスターボールを渡した。
「じゃあ、今回も前回の冒険と同じく、1番初めに殿堂入りした人が優勝。誰かが殿堂入りしないと元の世界に帰れないという設定も変わってないからね。」
よくよく考えてみると結構怖い設定なのだが、今の彼らの頭には不安など一切なく、新しい世界への希望でいっぱいだった。

「それじゃあ、これより各自別行動ー!皆、お互いベストを尽くそうね!」
「おーっ!!」
彼らの冒険はまだ始まったばかり。それが後々トンデモない大冒険になるとは知らず…。