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第2話『競争』#1

「で、早速で悪いんだけど現実の世界に戻してよドラえもん」
早速悪いことを言うのび太。ポケモンの世界にもう満足したのだろうか?
当然そんなことはない。
では何故か?
のび太が現実世界に戻りたい理由は二つある。
一つ目は――「せっかくポケモンの世界を冒険するのなら、やっぱり皆と一緒がいいよ」
そう、静香やジャイアン、スネ夫達もポケモンの世界に呼びたい。
そう言うと、ドラえもんは少し感心していた。
二つ目は――のび太は靴を履いていない。
そう、だから靴を履きに帰りたい。
現在のび太は、冷たい大地を靴下一枚で踏みしめているのだ。

「じゃあもう一度ポケモンボールのスイッチを押してごらん」
のび太はドラえもんの指示に従い、再度ポケモンボールのスイッチを押した。
こうすることで、現実世界に戻ることができる。
と同時に、のび太のポケモンの世界での活躍が、ポケモンボール内にポケモンレポートとして保存されるのだ。

現実世界に戻ったのび太。
「いってきまぁ~す!」
と、戻ってくるなり自宅を飛び出し、皆が居るであろう空き地へと全速力で向かう。
普段ののび太なら、静香はともかく、ジャイアンやスネ夫を誘って何かしようということはしないのだけれど、
今回は違う。
のび太の目論見。それは、ポケモンの世界へ行くことになった理由でもある。

「ジャイアンやスネ夫に、僕が一番上手くポケモンを育てられるってことを思い知らせてやるんだ!」



第2話『競争』#2

空き地の土管のてっぺん。ジャイアンが地団駄を踏む。
「いい加減にしろよォ~! スネ夫ォ~!」
ジャイアンのポケモンは、スネ夫のポケモンに眠らされてばかり。
そのため、鼻息が目に見えそうな程、苛立っている。
「今度は俺がお前を殴ってやる!」
「そ、それはズルいよジャイア~ン」
「つべこべ言うな~!」
ジャイアンは負け続けると、リアルファイトを求めてくるのだ。
「待て~! スネ夫ォ~!」
ジャイアンとスネ夫は、空き地を縦横無尽に駆け回る。
「捕まったら・・・・・・やられる!」とスネ夫は、そのジグザグリーゼントのようなジグザグ走行でジャイアンを翻弄する。

その頃静香は、マイペースに、一人ゲームを続けている。
ちなみに静香は普段、ゲームをするような女の子ではない。
しかし、あまりにもの長い期間、皆がポケモンで遊んでいるので、
つい最近、スネ夫からポケットモンスター パール借りて遊んでいるのだ。
もちろんスネ夫は、貸してあげる条件として「パルキアというポケモンをゲットしたら交換してね」と言っていた。

走ること約五分。スネ夫の体力が限界に達しようとしていた時、
「お~い皆~! ポケモンの世界に行かないか?」
と、のび太が空き地に舞い戻ってきた。
その言葉に「何っ!?」とジャイアンが食いつき、スネ夫を追うのを止める。

そして疲れきったスネ夫はその場で膝を付く。
「ナイスだよのび太・・・・・・」



第2話『競争』#3

「今言ったことは本当か? のび太!」
ジャイアンは目を大きくし、のび太の両肩を鷲掴みにして前後に揺らす。
「ホホホホホ本当だよジャイアアアアン。ドドドドドラえもんが道具うううおおお」
のび太は頭がガクガクして、さすがに話しにくそうだ。
「それは素敵な道具ね。早くパチリスちゃんに会いたいわ」
先程まで遊んでいたゲーム止め、話に加わる静香。
可愛いポケモン好きの静香は、パチリスというポケモンに会いたいからか、結構乗り気のようだ。
ジャイアンは、静香のその言葉をきっかけに、「よし!」と意気込むと、
のび太の服を破れそうなくらい引っ張りながらドラえもんの元へと向かう。
「待ちなよジャイアン」
そんなジャイアンを制止するスネ夫。
「静香ちゃんはともかく、のび太が僕らも誘うなんておかしい! きっと何か企んで――」
「じゃあスネ夫は行かないのかよ。俺は行くぜ!」
「えっ!? いや、まあ・・・・・・ジャイアンがそこまで言うなら僕も行くけど・・・・・・」
「じゃあ黙って付いて来い! 殴るぞ」
さすがのスネ夫も、さすがのジャイアンには敵わない。

そして、四人はのび太の家ののび太の部屋へ。
「皆揃ったみたいだね」
と、ドラえもんが皆の顔を見回しながら言う。
そしてすぐに前言を撤回した。
「いや、出木杉君がいないなぁ。彼もポケモンが好きだったはずだけど・・・・・・」
あからさまにギクリという反応をするのび太。
「出木杉には勝てる気がしなかったので呼ばなかった」などとは口が裂けてもいえない。
「出木杉は・・・・・い、忙しいから・・・・・・。とにかく、早くポケモンの世界へいこうよドラえもん」
「そうだそうだ」というジャイアンの後押しもあり、
とりあえずドラえもんはポケモンボールを繰り出す。

タタタタン♪の効果音とともに。



第2話『競争』#4

のび太、ドラえもん、ジャイアン、スネ夫、静香。
四人と一機は、ポケモンの世界へと移動するのだけれど、
その前の、ポケモンボールの使い方を説明する描写、それに驚く一同の描写、
そして現実の世界から、ポケモンの世界への場面の移り変わりの描写を、何度も何度もするのはナンセンスだろう。
ここは色々省いてしまって、シンオウ地方のシンジ湖のほとりから、スマートに物語の続きを始めようか。

「ここがポケモンの世界かぁ・・・・・・」
真っ先に口を開いたのはジャイアン。しかし、折角ポケモンの世界に訪れたというのに、どこか活力に欠ける。
四人と一機は足元に目線を落とす。
四人は靴を履いていなかった。
靴を履かないでポケモンボールのスイッチを押すと、この有様だ。
「こういう時、ドラえもんはいいよね。靴が履けなくて。ハハハ」
ただでさえ尖っているのに、更に口を尖らせて言うスネ夫。
彼はトゲトゲ界の貴公子か。

とりあえず下がったテンションが上がらない四人。特にのび太は、二度目の靴無しなので、もはや塞ぎ込んでいた。
「まあ安心してよ皆。この世界へ来ると、支給されるモノがあるんだ」
ドラえもんはポケットから、あるモノを取り出す。
(タタタタン♪)「ランニングシューズー」
それは、一見ただのスニーカー。
だが、これを履けば、いつもより早く走れるし、まったく疲れないのだ。
というだけの説明を、クドクドと時間をかけて説明するドラえもん。
「これで私も早く走れるのね」と、早速履いてみる静香。
それを筆頭に、他の三人も靴を履く。

満足そうな四人を見て、満足そうなドラえもんは、更に満足させるべく言う。
「支給されるモノはまだあるよ。この世界へ来た目的でもあるモノさ」
この世界へ来た目的でもあるモノ――

つまりソレはポケモンだ。



第2話『競争』

「いよいよポケモンを貰えるんだね? ドラえもん」
ガタ落ちだったのび太のテンションも上がる。
先程までひどく淀んでいた瞳が、嘘のようにキラキラする。
「はい、皆受け取って」
ドラえもんは、ポケモンの入ったボールを皆に配った――わけではない。
ドラえもんが皆に配ったのはタマゴ。ポケモンのタマゴだった。
「ドラちゃん。このタマゴは何のポケモンのタマゴなの?」
と、四人が気になっていたことを、静香が代表して聞く。
「わからない」とだけ答えるドラえもん。
予想外のドラえもんの言葉に、四人は各各様様に驚いた。
それを見て、またしてもクドクドと話し始めるドラえもん。
「このタマゴはね――」
話の要点をまとめよう。
  • 生まれるポケモンは、孵化させた人の性格等を考慮し、その人に最も適したポケモンが生まれる
  • 孵化にかかる時間はバラバラで、何日もかかることもあれば、数分で生まれることもある
  • タマゴは一人一個
「――というタマゴさ。最初に孵化させた人から、好きに冒険に出ていくといいよ」
その「冒険」という言葉に皆、期待を隠し切れない。

「そうだ! いいこと思いついた!」
突如のび太が言う。
「折角冒険に出るなら、誰が一番最初にポケモンリーグを制覇できるか勝負しようよ!」
「いいけど、のび太にだけは負ける気はしないな」とスネ夫が言う。
「俺が一番! 俺が最強だ!」とジャイアンも。
「私だって負けないわ」と静香まで。
皆はのび太の意見に、迷うことなく合意した。

誰が最初にポケモンリーグを制覇するか――競争だ!