ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

カントー その3

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nobita_in_pokemon

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【しずか】
ばちーん!
ビンタの音が響く
まだまさこと喧嘩をしているのだ
まさこ「ちょ、イタタタ痛いわよ!
つねるのは反則だったら!」

はぁ…はぁ…
かれこれ30分経ったところで、しずかが話をきり出した

しずか「…まぁ今からジム戦だし、とりあえず休戦しましょうか」
(いつか殺ってやるわ。
私がチャンピオンになったその日にね!)

まさこ「えぇ。それがお互いのためよ」
(この糞アマが。
まあいいわフリーザー様と会うまでの辛抱よ)

二人がそれぞれの思惑を乗せてニビジムに挑もうとしたその時―

「待て!俺と戦え、ブス!」


わがままジャイアンが目の前に立ちはだかった

初のトレーナー戦が始まろうとしていた



【ジャイアン】
ジャイアン「お前は男の中の男だぜ!」
ワンリキー「何言ってんだよ、相棒!
パートナーがお前で本当に良かったぜ」

二人はジュースを飲みながら友情を語り合っていた

虫採り少年から奪い取ったお金で。
血も涙もない奴らである

「早くお前の力を世に見せ付けたいぜ!」
そうジャイアンが言っていた時に格好のトレーナーを見つけたのである

ジャイアン「…いたぜ!不細工なトレーナーが
さらにボコボコにしてやる!」

自己中ジャイアンはしずかのもとへ向かった

「待て!俺と戦え、ブス!」
ビンタの応酬でボコボコに腫れたしずかとまさこの顔を見ながらジャイアンは言った
そして

「あれ?しずか…ちゃん?」
やっとジャイアンは気付いたのだ
しずか「そうよ、剛さん」
(いい度胸じゃない)

ジャイアン「顔パンパンだぜ、何かあったのか?」
「転んだだけよ!ほっといて!頼んだわ、まさこ!」
(この豚ゴリラ絶対につぶす)

ジャイアンとしずかの戦いが始まった―



【のびドラスネ夫】

3人はポケモンセンターにいた

スネ夫は祈るようにピカチュウに呼び掛けている
「大丈夫だからね、ピカチュウ。絶対助かるから!」
(ここで死なれちゃ困るんだよ)
のび&ドラ「スネ夫…」

その様子を感動しながら見ている二人
純粋な奴らである

そして治療が始まって数十分後―

ジョーイ「もう大丈夫です。強い一撃を受けていたみたいですけど、そんなに傷自体は深くなかったので」

「ピカー」
スネ夫にピカチュウが飛び付いてきた

スネ夫「良かったな、ピカチュウ」
(ピカチュウGetだぜ!)

のび&ドラ「スネ夫…」

その様子を感動しながら見ている二人
まったく。純粋な奴らである

かくして完全に懐いたピカチュウをスネ夫はPTに迎え入れたのだ


この男かなりの策士である



【出来杉】
出来杉はハナダにある、森の中にいた
そこの地下に大きな施設がある。
もちろん内密にではあるが―

なんとR団のために各地にレベル上げ専用の場所が配置されているのだ
さらに楽にレベルを上げられるようにと相性まで考えてポケモンを出現させてくる

(これがサカキの力…か)
出来杉は感心しながら淡々とレベル上げをしていた

こんなシステムを作れ、そのための場所を各地に確保できるサカキの権力は計り知れないものがある

ちなみに一緒に来た盾の下っぱはその間にハナダの家を襲うそうだ
(待てないのかね、あのタコは。一人で動いたってテメエの実力じゃ捕まっちゃうよ?ま、僕が手伝ってあげるけどね)

黙々と出来杉はレベル上げをしている―


そして二日後
(そろそろ行きましょうかねー)

ついにR団出来杉の大暴れが始まった


出来杉 (ゴースLV23!)



現在
おたふくしずか (まさこLV15)

強欲ジャイアン (ワンリキーLV13)

感動中のび太 (カビゴンLV7)
感動中ドラ (ニャースLV7)
策士スネ夫 (メタモンLV5・騙されたピカチュウLV5)

暗躍出来杉 (ゴースLV23)



しずかVSジャイアン(初顔合わせ)
しずか「そんな馬鹿はボコボコにしてやりなさい!まさこ、れいと……あくまのキッス!」
(しまった。技がーー!)

しずかは喧嘩ばかりしていて、まさこの技をまだよく把握していなかったのだ

その一瞬の隙をジャイアンは見逃さなかった―
ジャイアン「今だカメダ!からてチョップ!」

カメダのからてチョップがクリーンヒットした―
(つーかあだ名決めてたんだねジャイアン)
その瞬間にワンリキー(カメダ)もあくまのキッスを受けた
ジャイアン「カメダ!?」

(ギリギリ助かったわ…)
息をつく間もなくしずかは次の指示を出す

しずか「落ち着いてる暇は無いわよ、まさこ!おうふくビンタ!」

まさこ「しずか直伝のビンタを喰らいなさい!」
(だてに私もビンタ喰らいまくってないのよ!)

げしげし

けたぐりしずかに突っ込みを入れられながら
まさこはおうふくビンタを―

しなかった

勝者カメダ
決め技 しずかのけたぐり



【のびドラスネ夫】

3人はとりあえず近場の草むらでレベル上げをすることにしたのだが…


スネ夫が一向にレベル上げに参加しないのだ
必死にメタモンに何か教えているだけなのである
さすがに見兼ねたのび太たちが
「何やってるの?」と聞いても
スネ夫「今はやりのメンタルトレーニング略してメタトレをやってるんだよ。今の時代は心からだよ」
としか言ってくれないのだ。それどころか

「じゃあついででいいからコイツを見ててくれよ」
と言ってやる気満々のピカチュウを渡してきたのだ
「ホントについでだけどいいの?」
と念を押しながら二人はピカチュウをあずかった

そんなスネ夫のあまりの行動に半ば呆れながらも、のび太たちは黙々とレベル上げをした

そしてそれぞれのび太がポッポを
ドラえもんがキャタピーを仲間に入れレベル上げに励んでいた

ドラ「やったよのび太君、トランセルがバタフリーに進化したよ!かわいいなぁ」
のび「いいなぁ。でも僕のカビゴン…さんとポッポも順調に育ってるよ!ドラえもんには負けないぞ」
ドラ「僕だって負けないさ!」

二人は仲良くレベル上げをしていた。しかし―


のび太たちは知らない
メタモンを使ったスネ夫の型破りな作戦が進行中であることを



【出来杉】

出来杉が着くと男は民家を荒らしていた
怯えている住民を尻目に。
(もっと上手くやれんのかね…)
呆れながらも出来杉は加勢をすることにした
これも仕事である

「すみませーーん。少し遅くなりましたー」
出来杉は大して悪びれることなく言った
R団下っぱ「遅すぎるぞ」
出来杉「許してくださいよ、今から倍働きますから」
と話しながら家の端で震えている夫婦に目をやり―

「余計なことしなければ命の保証はしますよ」
優しく語り掛けた
夫婦はコクコクと頷いている

しかし―
ファンフアンファンフアン

R団下っぱ「ち。察が来やがったか!」
「どれだけ暴れたんですか。もう少し穏便にね」
出来杉は下っぱをたしなめた

下っぱ「うるさい、逃げるぞ」
(だからお前は三流なんだよ…)
貸してもらったドガースのモンスターボールを見ながら

出来杉は足を止めた―



下っぱ「何をしている!察が乗り込んでくるぞ!」

出来杉「アンタは勝手に逃げるなり何なりどーぞご自由に。
あとは僕がやりますんで」
下っぱ「!?
どーなっても知らんぞ!」
出来杉「はーい」

(バカが)
二人は同時に思っていた
「ここで逃げたらダメでしょ」
出来杉は警官を倒すつもりなのである

そう、今回の出来杉に与えられた指命それは―

ハナダシティに行き、ロケット団の恐ろしさを見せつけて帰ってくる事だった
(捕まらない程度に頑張りまーす)

そこへ3人の警察官が入ってきた!

警察官「大丈夫ですか…!?」
ロケット団がまだ現場にいるのである
これにはさすがの警官達も驚いた

「自首でもするつもりかな、坊や?」
警察官は目の前の少年に語り掛けた
出来杉「んー、そーですねー…

戦ってみましょうか?」

言うなり出来杉は仕掛けた!



現在の状況

のび太 (カビゴンLV14・ポッポLV12)
ドラ (ニャースLV12・バタフリーLV13)
策士スネ (メタモンLV5・貸したピカチュウLV8)

自滅のしずか (まさこLV15)

棚ぼたジャイアン (カメダLV14)

戦闘間近出来杉 (ゴースLV23・補助技充実借り物ドガースLV20)



【しずか】
しずか「…」まさこ「…」

二人はしばらく茫然として言葉が出なかった
正直どーやってニビのジムリーダーを倒したのかも覚えていない。いや、何かイライラする名前だった
それだけは覚えている

そして長い沈黙を破ってしずかは言った
しずか「今回のことは全面的に私が悪かったわ…」

まさこ「…」しずか「…」

そしてまた長い沈黙が訪れた

おつきみ山をもう越えようかというその時―


「いいのよ、誰にでもミスはあるわ」
まさこは言った
しずか「まさこーーぅ!!」
しずかはまさこぅの胸へ飛び込んだ―
よしよし

違った、げしげし

まさこはしずかにけたぐりをしながら和解をした
しずかは喜んでそれを受け入れた
トゥルリーン


しずかに若干のMっ気が生まれた!



【ジャイアン】
「勝ちは勝ちだぜカメダ」

ジャイアンは優しく言った
「…」
カメダ(ワンリキー)は無言である
あんな勝ち方では凹むのもわかるが。しばらくして―

突然ジャイアンが走り去っていったのだ!
(ついに、相棒にも見捨てられちまったか。仕方ねえよな、こんなザコがパートナーじゃよ)
カメダは石ころを蹴りながら考えていた

しかし数分後

「カメダーー!」
ジャイアンが帰ってきた。右手にある物を持って
「それは?」とカメダが尋ねた。
ジャイアン「これか?これはな、付けた者は必ず勝てる『必勝ハチマキ』なんだぜ!」
カメダ「そんな物…」
「疑うのか?これはウチの家宝として代々受け継がれてきたハチマキなんだぞ!!」
カメダ「なんだって!?」
ジャイアン「嘘だと思うなら付けてみろよ、ほら」
と言ってカメダにハチマキを付けてやった
カメダ「お、おおおぉう!!凄え、何だか力が湧いてくるぜ剛!これなら俺は勝てるぜ!!」
「そうか、良かったじゃねえか、カメダ。もうそれはお前の物だぜ!」
「…ありがとよ、相棒。もう俺は格好悪いところは見せねえ。このハチマキに誓ってよ!」

がしっ。二人は抱き合った!その影で―

ぽい。優しいジャイアンは
【これで安心受験グッズ第三弾『必勝ハチマキ!』】のレシートを捨てた



【のびドラスネ夫】

レベル上げの甲斐あって難なくニビのジムリーダーを倒して二人は帰ってきた

スネ夫「お帰りードラえもん、のび太」
「爽やかに言ってる場合じゃないよスネ夫」

のび太は言った
ドラ「そうだよ、バッジも無くてどうすんのさ」

「そう思って今の間に鍛えてたのさ、コイツをね!」

そう言ってメタモンのモンスターボールを取り出した

いちいち格好のつけたがる奴だ
のび「何だーしっかりやることはやってたんだ」
スネ「当たり前だろ、じゃあ僕は華麗に勝ってくるぜ…う、うわっ!」
どしーん

勢いあまってこけてしまった。二人は目の前で笑っている
スネ夫「く、くそぅ。かっこ悪…」

まあそれはご愛敬である

スネ「じ、じゃあ行ってくるよ。ゆっくり待ってて」

そしてスネ夫がニビジムに入り数十分後―

スネ夫はニビジムのバッジを付けて帰ってきた



【出来杉】出来杉VS警察官×3
―いきなり出来杉は仕掛けた!
出来杉「行け、ゴースさいみんじゅつ!」
出来杉の速攻により警官一人はモンスターボールを出す前に寝てしまった
警官AとB「!?」
出来杉「驚いてる暇はないよ、お巡りさん!ゴース、もう一度さいみんじゅつだ」
咄嗟に二人は身構えた

警官AとB「くっ……!?」
(眠って…いない?)
眠らずにすんだ二人は顔を上げた。しかし―

(いない!!)
そう、出来杉の姿が見当たらないのである。さらに―
警官B「霧か!」
黒い霧が室内を覆い始めていたのだ
(これはマズイ)
警官Bは一旦外に出ようとしたが…

警官B「!?」
体が動かないのである。その横で

どさっ
人が倒れる音がした
「逃げられると面倒なんで黒い眼差しをつかわせてもらいました。ちなみに2回目のさいみんじゅつはドガースが黒い霧を使うための囮ですよ」

淡々と出来杉は言った

出来杉「それじゃおやすみなさい。よい夢を」

そこで警官Bの意識は途切れた―



現在の状況

のび太 (カビゴンLV17・ポッポLV14)
ドラ (ニャースLV14・バタフリーLV16)
勝っちゃったスネ (メタモンLV5・貸したピカチュウLV10)

M女しずか (まさこLV19)

優しいジャイアン (カメダLV19)

戦闘終了出来杉 (ゴースLV24・補助技ドガースLV20)



【しずか】
あの後踏まれることに悦びを感じていたしずかだったが
その一行もやっとおつきみ山の出口まで来ていた
しずか「ねぇ、まさこ?」
まさこ「何よ」
しずか「言いにくいんだけど、さ。おつきみ山を抜ける記念に―

もうひと踏みしてくれない?」

げしげし
まさこ「このアマ!癖になりやがって!」

あの後しずかは、かれこれ30分ほど踏まれ続けた結果
いけないものが開眼しようとしていたのだ

「あんあぁ!まさこ、いえまさこ様ーー!私めをもっとお踏み下さい」
しずかが怪しく叫んでる後ろからポケモンがやって来た

「ピッピーピッピー。ピッピピッピー」

ピッピだ。そしてしずかの傍までくると―


同じ体勢になった

まさこ「またMか!」

げしげし
優しいまさこは踏んであげた

今ここに変態パーティが結成されようとしていた―



【ジャイアン】
僕はオニスズメ。いじめられているところをこの男に助けられた。それだけなら良かったんだけど…
その後コイツはあまりにもナヨナヨしてる僕を見て―
ジャイアン『このふぬけが!俺が鍛えてやる!』
と言って嫌がる僕を紐に繋いで強引に連れていったんだ

せめてモンスターボール→ゲットの流れは守って欲しい

ハナダのジム戦もひどかった。
なんと捕まえたばかりのLV10の僕をいきなりジム戦にぶつけた。対するヒトデマンはLV18
勝てるわけないじゃないか!
ジャイアン「何事も挑戦だ。諦める前にとりあえず行ってこい」

ぶんぶん
僕は必死に首を振った。命に関わるからね。しかし―

「行・っ・て・こ・い」

がつん
殴られた


いきなりHP半分からのスタートだ。
僕は泣きながらヒトデマンに向かっていった
ぎゅーーーーーん

一撃でやられた。ひんしだ
ジャイアン「立て、ふぬけ。そんなんで死にはしねえ。俺が殺すぞ?」
ひんしなのに。この男はポケモンのシステムを根本から覆す気なのか。
そして地獄の特訓が始まった―



あれから

草むら→ポケセン→カメダさん→ポケセン→ジム→ポケセンを幾度となく繰り返してついに勝利した
僕は生まれて初めて努力というものをしたんだ!

ジャイアン「よし、よくやったぞ。ふぬけ!やれば出来るじゃねーか
これでお前もジャイアンブラザーズの仲間入りだぜ!」

そんな称号はどうでもよかったが、僕は生まれて初めて褒められた。その事が何よりうれしかった

もう少し―頑張ってみようかな

そして勝利の余韻に浸りながら(実際はスターミー戦ではカメダに手伝ってもらった)
ポケモンセンターで回復していると―
その時事件は起きた

ドガーーーーーーーーン!

ジャイアン「何の音だ!?」
カメダ「わかんねぇ、とりあえず行ってみようぜ!」
オニスズメ「じ、じゃあ僕はここでゆっくり回復して―」

がつん

ピコンピコンピコーン

「…」
僕は黙って付いていった

ジャイアンと出来杉の初バトルが行われようとしていた



【のびドラスネオ】
「僕出番少ないニャ」
かわいい声でニャースは言った
落ち込んでいるのだ
のび「仕方ないさ。だってかぶってるんだもん」
スネオ「君を出すとドラえもんの出番が少なくなるからさ。なぁ?ドラえもん」
ドラ「そ、そそそんなつもりは無いよ!僕はニャースが大好きさ」
「んー。ホントかニャ?」
ドラ「ああ、もちろんだとも!目に入れたって痛くないさ」

「ぎゃーーー」
ニャースがドラえもんの目を引っ掻いたのはお約束だ

正直言ってドラえもんはキャラかぶっているニャースが嫌いだった
属に言う『おせじ』と言うやつである

コイツは今までこうして生きてきたんだ
のび太とスネオは顔を合わせてため息をついた

スネオ「ま、まあ。そんなことよりさっさとジムに挑戦しようぜ!」
ピカチュウを持っているスネオは意気揚々とハナダジムへ向かって行く
そういえばまだスネオの戦い方は見たことが無い
のび「スネオ。ジム戦、僕も見学していい?」
スネオ「もちろんさ!僕の雄姿を見ておきなよ」
(この辺で一度安心させておいた方がいいだろう)
スネオのバトルが始まろうとしていた

余談だが―
実は自称『僕』のニャースは♀なのだ。しかしこの時はみんな気付いていなかった
機械とポケモン禁断の恋が始まるのはもう少し先のお話



【出来杉】
警官B「う、うわあああぁぁぁ!」
俺は飛び起きた
恐ろしい夢【悪夢】を見ていたのだ(もちろんそれは出来杉の仕業なのだが)

ジョーイ「だ、大丈夫ですか!?」
警官B「ジョーイ…さん?」
どうやらここはポケモンセンターらしい
「あの…私はいったい?」
ジョーイ「民家で警官が倒れてるって通報があったものですから。救急車でここまで―」
とジョーイさんが言ったところでやっと気付いた
警官B「!!ロケット団っ…痛っう」
まだ全身が痛む
「しばらくは安静にしてないとダメです!」
ジョーイさんは止めた
警官B「しかし―」
ドガーーーーーーーーン!
続きの言葉を遮るように爆発音が響いてきた
ダッ
「こら、待ちなさい!」
俺はジョーイさんの声を背にしてポケモンセンターを飛び出した。
(この町を―守らないと)

あの後出来杉は逃げずにあちこちで暴れ回っていた
その途中でケーシーを捕まえて森の施設との往復を繰り返していたのだ
「暇だなあ」
ぱらっ

出来杉は【しずかアルバム体操服編】を捲りながらつぶやいていた

さすがに正体ばれたかしら。見た人は内緒ね



現在の状況
のび太 (カビゴンLV22 ポッポLV16)
ドラ (ニャースLV18 バタフリーLV23)
ジム戦前スネオ (メタモンLV5 やる気満々ピカチュウLV16)
覚醒しずか (まさこLV20 MピッピLV12)

ジャイアン (カメダLV25 ふぬけLV19)

暗躍出来杉 (ゴースLV25 ケーシーLV15 借り物ドガースLV20)



【ジャイアン】
ジャイアンブラザーズは噴煙のあがっていた民家へと着いた
そこには黒い人影がある
(あれは―)
「ロケット男!」


何かを眺めていたR男がこちらを見て少しビックリしていたのは気のせいか

ジャイアン「この世界でそんなことするとは許せねー。
行くぜ、カメダ!ふぬけ!」
カメダ「おうよ、相棒!
ちなみに防衛成功したぜ!金は…


きっと使ってない!」

訳のわからない事を言いながら二人は向かって行った―

ふぬけ「僕も、行かなきゃ…ダメかな?」
後ろでオニスズメは呟いていた


R団「おもしろい、僕とやろうって言うんだ?」

歳で言えばジャイアンと同じくらいか。R団の少年はそう言うとゴースを繰り出した



【出来杉】
何やらニヤニヤしながら少女の写真を眺めている少年―

そうです。わたすが変な出来杉です

アルバムを見ながら悦に入っている出来杉は急に声を掛けられた
「ロケット男!」
(あっ?

…豚ゴリラか!?)

何という事だろう
(絶対にトップでやって来るのはしずかたんだと思っていたのに。
そしてR団だというのをいい事にあんな写真やこんな写真を撮ろうと思っていたのに!!)

まだまだお子ちゃまな出来杉は怒りに燃えていた
目の前の豚ゴリラは何やら吠えている
(うぜぇゴリラが)
出来杉は戦うことを決めた

「おもしろい、僕とやろうって言うんだ?」
極めて平静を装って出来杉は言った

R団として。いや、出来杉としてもドラ一味との初めての戦闘だった



【しずか】
しずかはハナダジムをクリアした後、一足先にマサキの家に行くことにした
町はR団の話で持ちきりだったがしずかには関係ないことだった

「どうせ。めんどくさいイベントは全部アイツらが引き受けてくれるでしょ」

ジャイアンがそのイベントを必死にこなしている頃マサキの家に辿り着いた
中では――省略
「いやー助かったで。スマンかったな」
(こんのガキャー。人が下手に出とりゃつけあがりやがって)

コラッタマサキが逃がされそうになった時は泣きそうだった
        ・・
「良かったわね、私のおかげで元に戻れて」
(礼はいいからさっさと渡しなさいよ)
普段はSの源静香。いや、Sizuka Minamotoは冷ややかな笑みを浮かべていた


コイツ両性か
そしてマサキがチケットを出すと同時に奪い取って去っていった―
「糞ガキが。さて、体も戻ったことやし」

マサキは後続の人たちのために―
コラッタになり続けるべく実験を続けた

「あんなマヌケな男が何で存在するのかしらね」

マサキの存在価値を否定しながらSM一行は来た道を引き返していた
そこでハナダシティの惨状を知る

(何が――あったの)



【のびドラスネオ】
スネオ「じゃ、言ってた通り僕から行かせてもらうよ」
のび太「いいとも。スネオの実力見せてもらうさ」
スネオのジム戦が始まったた

スネオVSカスミ(ハナダジムリーダー)
スネオ「行け、ピカ!」
カスミ「威勢のいいトレーナーね。行きなさい、ヒトちゃん!」
試合開始の合図が鳴ると同時に
―スネオが仕掛けた

「先手必勝!ピカ、電気ショックだ!」
カスミ「そんなに慌てちゃダメよ。ヒトちゃん、水鉄砲!」
辛うじて先手をとったピカチュウの電気ショックがヒトデマンに炸裂する
一気に半分以上は減っただろう。しかし―

「タイプの相性なんて百も承知!」
すぐに体勢を建て直したヒトデマンの攻撃により、ピカチュウもかなりのダメージを受けた
(やはりレベル差か…)
スネオはもう少し育てておけば良かったとも思ったが
今更そんな事言っても仕方がない
「ピカチュウもう一度!」
2発目の電気ショックを受け、あっけなくヒトデマンは倒れた―
が、カスミは笑みを浮かべている。勝ちを確信したのだろう
「行きなさい、スターミー。本当のバトルはここからよ。そんなレベルで勝てると思わないことね!」

スネオ「思ってるさ。叩きのめせ、ピカチュウ!電磁波」

「遅い!
ミーちゃん、バブル光線!」
ピカチュウが技を繰り出すより先にカスミの切り札が直撃した―



「ピ、ピカ…」
辛うじて耐えたがもう虫の息である。それでもピカチュウは全身から電磁波を放出させスターミーの動きを止める
カスミ「後は運頼み…か。まあそれもいいでしょう
ミーちゃんが動け次第とどめを刺してあげるわ」
カスミは勝ち誇ったように言った
スネオ「運頼み?僕はそんなことしないよ、ピカチュウ影分身!」

(運頼みじゃねえか!)
のび太はツッコミを入れたかったが我慢した
スネオが命令を発すると2体のピカチュウが出現した―
(どっちが本物なの…)
カスミ「なるほど。動けなくした上、さらに攻撃を受ける確率を下げようと言うわけね。
おもしろいじゃない。ミーちゃ―」
カスミが命令を出そうとした瞬間

カスミ「なっ!?」
スターミーが電気ショックを受けたのだ
これにはさすがのカスミも驚いた。スターミーは麻痺していたが、行動を起こす前に
    ・・
スネオの攻撃が来たのだ
「連続技!?」
衝撃の事実にカスミの動きが止まる―
(しまった!ミーちゃんに指示を出してない!)
そして
目の前にはピカチュウがいた
「電気ショック!!」
至近距離から放たれた一撃は、傷ついて麻痺したスターミーを倒すのには十分だった

「もったいない。1ターン無駄にしちゃったね。
いや、2ターンかな?」
ニヤリと笑いながらスネオは言った



カスミ「そう言うことだったの、納得したわ。私もまだまだ甘い。
おめでとう、ブルーバッジはアナタのものよ」

スネオはカスミからバッジを受け取ってジムを出ていった
「待てよ、スネオー」
興奮したのび太が後ろから走ってきた
のび「スネオ!凄いじゃないか!!今のバトル痺れたよ!特に後半の連続攻撃!!!」

(ああ、あれか)
スネオ「!ばっかり使うなよ、恥ずかしい。そんな大したことはしてないさ」
(このアホは気付いてないのか)
「よーし。僕も負けずにジムで戦うぞー!!」
そういってのび太はドラえもんとジムに入っていった―

スネオ「よくやったな、ピカ。それに、メタ」
メタモン「楽勝だよ」ピカチュウ「ピーカ!」
二匹のピカチュウはニッコリ笑った

スネオが影分身と言った時、実際のピカチュウは初めの指示通り電気ショックを行っていた
一方でスネオは事前にメタモンをピカチュウに変身させて隠しておいたのだ
そして影分身の合図と供にカスミの死角から出現させたのである
後は驚いて隙の出来ている敵をピカチュウが倒すだけだった

もちろんシングルバトルの時、2匹で戦うことはその時点で反則負けだが
影分身したメタチュウは、ただ見学をしていただけなので問題ない
それどころかスネオはバトルフィールド上より、わずか外側にメタモンを配置していたため
もしメタチュウの方を誤ってカスミが攻撃すれば
カスミ側の反則負けになるところだった

スネオは勝つべくして勝ったのだ



現在の状況
のび太 (カビゴンLV22 ポッポLV16)

ドラ (ニャースLV19 バタフリーLV23)

スネオ (メタピカLV5 ピカチュウLV18)

両生類しずか (まさこLV23 MピッピLV17)

戦闘前ジャイアン (防衛カメダLV25 ふぬけLV19)

戦闘前出来杉 (ゴースLV25 ケーシーLV15 借り物ドガースLV20)



【ジャイアンVS出来杉】

「行け…ゴース」
「何!?」
ジャイアンは予想外のポケモンに驚いた
まさかR団にゴースを使う奴がいたとは
しかし、そんなことを言っている暇はない
(カメダじゃ不利だ)
「ふぬけ!」

いない
(あんのバカがー!)
込み上げる怒りを抑えジャイアンは言った
「仕方ねえ、カメダ。やってくれるか?」
カメダ「元からそのつもりだ!」
その瞬間カメダ君は―


おねんねした
「よく寝てるね。ゴース…ナイトヘッドだ」
ジャイアン「起きろ!起きるんだカメダ!」

「…ナイトヘッド」
「お前の夢はこんなところで終わるのか?世界に挑戦するんじゃないのかー!」

「…ナイ―」

とその時
「警察だ!」

警官Bが入ってきた



(このタイミングで来るなよ、ザコが)
「空気読めない奴だね。まぁいいさ、やってやるよ。
行け、ドガース」
出来杉はため息をつきながら言った
ジャイアン「何言ってんだ!お前の相手はこの俺だろーが!」
「僕としてはそうしたいんだけどさ。どうやらその警官はそう思ってくれてないみたいでね」

警官B「絶対に逃がさない。行け、コイル!」

ジャイアンにとっては不本意だが2VS1のバトルが始まった―

(コイル?雑魚にふさわしいじゃないか)
出来杉は余裕の笑みを浮かべている

警官B「先日はポケモンすら使わせてもらえなかったからね。
コイル、金属音!」
「迎え撃て、ゴース!催眠術だ」

出来杉お得意の催眠術が先に決まった。行動の遅いコイルでは当然の結果だ
「さて、次は―」
出来杉が次の命令を下そうとしているところに
ぎぢぃ
コイルの金属音が響く!
(寝たんじゃないのか!?)
さすがの出来杉もこれには驚いた
警官B「二度も同じ手にやられるわけにいかないからね」

そう言って警官Bはカゴの実を見せた


何だか警官Bかっこいいぞ



この世界ではDPまでの技、道具が全て存在するのだ
(そういや、初めに言ってたな)

「ちぃ、ドガース援護しろ。黒い霧!」
すぐさまゴースの異状を治す
さらに出来杉はちらりとジャイアンの方に目をやると
ワンリキーが起き上がるところだった
(急いだほうがいいな…)

出来杉「じゃあ三度目はどうだい?ゴース。コイルに催眠術だ」
しかし―

眠らない!
「ちぃ、こんな時にはずしやがって。このバカが!」

すでに出来杉の顔から余裕の表情は消え去っていた

警官B「自分のミスをポケモンのせいにしちゃいけないよ。
外すことも想定しない君が悪い。コイル、スパーク!」
「なっ!」
(一撃でこんなに喰らうのか?コイツ…雑魚じゃない)
想像以上のダメージに出来杉も焦る
しかしそんな余裕はない

「カメダ、みやぶれ!」
ジャイアンも臨戦態勢に入っている

(戦闘じゃ負けたみたいで嫌なんだけど…仕方ない)

出来杉は決断した



「ドガース…自爆」
その号令と共に激しい爆音が室内を覆う!
しばらく辺りは白い煙に覆われていた
煙が晴れ、立っていたのは―

ゴースと

コイルだけだった

「さすが、しぶといや」
出来杉は手放しで褒めた

警官B「なんて…ことを」
今の衝撃で屋根が崩れだしている
(急がないとねー)

「止めは直接刺してあげますよ。ゴース!ナイトヘッド」
「くっ…コイル!スパー」
「遅いよ」

数秒後立っているのはゴースだけとなった
「雑魚のくせに時間かけさせやがって。
そこの豚ゴリラ同様ただじゃおかないよ?」

その時だった

オニスズメの攻撃が出来杉をかすめたのは―


(つばさでうつか!)



隠れていたふぬけはずっと戦況を見守っていた。
そして自分の腑甲斐なさを思い、泣いていた

しかしHP赤ゲージの自分に何ができるだろうか
いや、何もできはしない
ふぬけはそういう結論に至った
その時、凄まじい爆音が聞こえてきたのだ

そして煙が晴れた後ふぬけの目には
倒れたカメダさんと泣きながら必死に呼び掛けているジャイアンの様子が飛び込んできた

後はよく覚えていない。覚えている事と言えば
泣きながら放ったつばさでうつ攻撃がR団の少年―

の後ろに置いてあったアルバムを襲ったことぐらいだ

 少年は泣き叫びながら写真を捕まえていた


(つばさでうつか!)
出来杉「ふん、まだポケモンがいたのか。でもそんな的外れの攻撃じゃ――」
そこまで言ってやっと出来杉も気付いた。後ろを振り向くと
アルバムの中から飛び出した写真が宙を舞っているところだった

(うそだと言ってー)
その後はまるでスローモーション
僕の写真が

花びらのように散りゆく中で―

出来杉は全ての写真を集められるという奇跡を祈っていた
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