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―みなさんおはよう、朝のポケモン講座の時間じゃ。
今日は全国のトレーナーが旅立つ日、カントー地方は快晴。最高のポケモン日和じゃ。
それでは待っておるぞ、ぴっぴかちゅう♪―


「こらのび太!今日はオーキド博士のところにポケモンを貰いに行くんでしょ、早く起きなさい!」
女性の声とは思えないほどの罵声が響き渡る。
「むにゃむにゃ……あと5分……」
「……もう頭に来た……の゛びだーーーーー!!」
もはやシャウトのレベルの声を上げ、のび太という少年を布団から引きずり出した。

「い、行ってきまーす」
眼鏡をかけたどこか頼りない少年、のび太は住み慣れた家を後にした。
「まったく、誰に似たのかしら?……しかしのび太にもついにこの日が来たのね」
その後、のび太の家から掃除機をかける音がしていた。



~マサラタウン~
「まっさら」が名前の由来の町。
カントーの中でも比較的田舎で、静かで平和なところである。
今日という日を覗いて―――

「はぁはぁ、遠すぎだよ…」
最初は走っていたのび太だったが、すぐに足元がふらつき、今にも倒れそうだ。
「…だけど……急がなきゃ」
のび太は少しも休むことなく、オーキド研究所に向かっていた。
そして――

「やっとつい、た…」
ようやくオーキド研究所の前に着いたのび太は疲れと達成感により、その場に膝をついた。


のび太が立ち上がろうとすると、オーキド研究所のドアが開く。
「ようのび太!相変わらずノロマだなww」
のび太がその特徴的な高い声がした方に視線を向けると、一人の背の低い少年が立っていた。
「お前はスネオ…」



「そうさ、イケメン!リッチ!天才!の、スネ夫様さ」
「それで僕に何の用だよ」
「ククク、ただ出ようとしたらのび太がいただけだよ。
こんな大事な日に遅刻するなんて、どうせポケモンも大したことないんだろ」
スネ夫の一言にのび太がムッとする。
「でも、遅刻とポケモンの強さは関係ないでしょ?」
「わかってないなぁ…それがとっても関係があるんだよ。まぁ今はまだわからないだろうけど」
そう言うとスネ夫は階段を下りた。
「それじゃ僕は行くから、せいぜい頑張れば~のび太」
スネ夫はオーキド研究所を去っていった。

「く、くそ、あのリーゼントもどきめ…」
「あらのび太さん、遅かったわね」
オーキド研究所からまた一人、少女が出てきた。
「やあしずかちゃん、もうポケモンをもらってきたの?」
「うん、見てみて!」
しずかと呼ばれた少女はモンスターボールからポケモンを出した。
「あ、フシギダネだ、かわいいね」
「ありがとう。一目見たときからこの子に決めてたの。初心者でも育てやすいって言うし」
そしてしずかはフシギダネをボールに戻した。
「それじゃ私も行くわ。あと相手を恨むだけじゃ何も解決しないわよ。
のび太さんみたいな人でも努力すれば強くなれるわよ、きっと」
そう言い残すとしずかはオーキド研究所を後にした。

「よし、僕も早く行かなきゃ」
のび太は思いを秘め研究所に入っていった。



「すいませ~ん、ポケモンを貰いに来ましたー」
しばらくすると、部屋の奥から初老の男性が出てきた。
「遅かったのぅのび太。また寝坊か?」
「いや、家からここまで遠すぎただけです」
「……。」
二人は部屋の奥へと入っていった。

「それで僕にくれるポケモンはなんですか?」
のび太が期待を膨らませ、きらきらした目で博士を見る。
「……言いにくいんだが……実は、今日のび太に渡す予定だったポケモンはもうないんじゃ」
「エッー!どういうことですか、それッ」
博士が申し訳なさそうに言う。
「まさかニビシティの剛田タケシが来るとは思わなかったのう。だが
『渡す予定だった』ポケモンがないだけでちゃんとポケモンは「それください!」
のび太が言った。
「まったく、本当にポケモンが好きじゃのぅ。しかし、このポケモンは
捕まえたばかりだからあまり人にはなついてないぞ。だがこれがお前のパートナーじゃ!」
博士はモンスターボールを手にし、放りなげた。そこから黄色いポケモンが出てきた。
「こ…これが僕のポケモン……」
「……ピカ?」



「うわぁ、なんて可愛いんだ…」
のび太がモンスターボールから出た黄色いポケモンに触れようとする。
「待つんじゃのび太! まだ人には慣れてないから気をつけないと…」
「ピィィィィカァァァァ……」
チュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!! の鳴き声と共に電撃が放たれた。
「で、電気ショックをするから気をつける…んじゃ……ぞ……ごほっ」
オーキドは倒れた。のび太はフラフラしている。この部屋にあったたくさんの機械も、変な音を出しながら煙を出したり、
誤作動を引き起こしたりしているものもある。ただ1匹、毛繕いをしながら幸せな顔をしているポケモンの姿があった。

「ええと、これがポケモン図鑑でそして…」
復活したオーキドがのび太に赤い機械を渡す。
「これがピカチュウのボールと、ゴム手袋じゃ」
続いてのび太に、モンスターボールと、ピンク色をしたゴム手袋が渡される。ゴム手袋が地味にさっきの惨事を物語る。
「ありがとうございます、オーキド博士。それじゃあ僕はこれで」
「ああ、待つんじゃのび太…本当にこのポケモンでいいのか? 明日違うポケモンが来るのじゃが」
「…いや、僕、このポケモンが気に入ったから、行ってきまーす」
のび太は研究所のドアを勢いよく開け、飛び出していった。
「ふぅ危ない、これじゃせっかくの『しずちゃん&のび太のラブラブ計画』が台無しじゃないか」



『しずちゃん&のび太のラブラブ計画』とは(面倒臭いので次から「ラブラブ計画」に省略」)
のび太が深夜遅くまで考えた、しずかを振り向かせるための計画である。

「僕のポケモンに関しての知識でしずちゃんをサポートしながら一緒に旅をし、
いずれ、僕の恋人にしようというのさ!! けど朝寝坊してしまいこれから遅れるわけにはいかないんだ。
ってなんで僕は独り言で説明をしてるんだ?」
研究所から少し歩いたところで、のび太は自分のモンスターボールを見る。
「だけど本当にこんなポケモンで大丈夫かな…まぁ仕方ないか、それっ」
のび太は手に持ってたボールを空中に勢いよく放り投げた。
中から黄色く赤いほっぺのポケモン、ピカチュウが出た。
「いいかい、君は僕のパートナーなんだぞ、そのことを忘れないように」
のび太がピカチュウに語りかけるが、ピカチュウはよくわからない、といったような顔をしている。
「はぁ、もういいや。行こう」
のび太はピカチュウをモンスターボールに戻し、再び歩き出し、マサラタウンを後にした。



「えっと、あと半分くらいでトキワシティかぁ」
のび太やしずかより早くマサラタウンを出発した男…スネ夫は地図を見ながら言った。
「それにしてもやけに遠いな。前はパパの車に乗せてもらってたからな……ん?あれは……」
スネ夫は近づいてみた。
「フレンドリィショップで~す、今なら傷薬一個を無料で差し上げま~す」
「あの、すいません。傷薬をください」
スネオが近づいた人物とは、トキワシティのフレンドリィショップの店員だった。
その証拠に「フレンドリィショップ」と英語で描かれたエプロンを着ている。
「おお、君は運がいいね。傷薬は残り一個だよ、君にあげるよ」
「えっ、本当ですか!?(へへ、やりぃwww)」
店員は傷薬をスネ夫に渡した。と同時に、また話し始めた。
「それで君を見込んで頼みがあるんだけど…」
「えっ?」
店員は更に話を続ける。
「あのさ、オーキド博士に届ける予定の荷物を僕の代わりに届けて欲しいんだ」
「じ、自分で行けばいいじゃないの」
「いや、らき☆すたのねんどろいどの限t……じゃなくて、妹が倒れたから病院に行かなきゃいけないんだ、頼むよ~」
「・・・・。」
スネ夫は悩んでいた。この頼みを受ければ傷薬を貰えるが、断ったら貰えなくなってしまう。
しばらくした後、スネ夫は答えを出す。
「……ぼっ、僕は急いでるから……それじゃ(どうせ傷薬は安いからな)」「あー待って!!」
店員の叫びも虚しく、スネ夫は急ぎ足で行ってしまった。
「……畜生!! あの餓鬼め……」
スネ夫と接してた時とはまるで違うような目をして、店員は足元の小石を蹴った。
そして、その一部始終を見てたスネ夫の後に旅立った少女…しずかは、見つからないようにその場を去った。



「…それはかわいそうに……喜んで手伝いますよ」
「ありがとう!! 君は本当にいい人だね」
スネ夫やしずかよりも後に旅立った少年…のび太。
この少年は人が良く騙されやすい、簡単に言えば単純なのである。
そしてその単純な少年は、道端で出会ったフレンドリィショップの店員の頼みを涙を流しながら受け入れた。
「じゃあ僕は病院に行くからこれで!!(さて、早く行かないと売り切れてしまう)」
「ぐすん、なんて妹思いの人なんだ……妹さんの病気が早く治るといいな……」
のび太は店員の作り話に感動しながらトキワシティに向かおうとした。

その時!! のび太の目の前に野生のオタチが現れた。
「うわぁポケモンだ……ちょっと心配だけど、いけ、ピカチュウ!!」
風が草むらを揺らす中、のび太はモンスターボールを投げ、そこからはピカチュウが出てきた。
「ピカチュウ、電気ショックだ!!」
だが、ピカチュウ動こうとも構えを取ろうともしない。
するとピカチュウはオタチに近づき、のび太にジェスチャーを送る。
「どうしたんだいピカチュウ?」
のび太がピカチュウとオタチに近づく。オタチは一瞬戦闘体制をとったが、すぐに地面に伏せてしまった。
「このオタチ、ケガしてる。誰がこんなことを?」
すると、そばの草むらが揺れ、そこから数匹のコラッタとラッタが飛び出してきた。
「そうかお前達か、許さないぞ、弱い者いじめなんて」
ピカチュウも同じことを考えてるのか、両頬をビリビリさせながら睨みつけている。
しばらくすると、コラッタ達が道を開けそこから、大きなラッタが出てきた。
ラッタは牙を出してのび太達を威嚇しているようだ。
「そうか、そいつが親玉だね。いけピカチュウ、絶対に倒すぞ!!」
こうしてのび太&ピカチュウVS野生のラッタの戦うが始まった。



「よしピカチュウ、まずは離れて距離を取れ……ってピカチュウ!?」
ピカチュウは、あろうことか距離を離れるどころか、
ラッタに向かって突進していった。
ラッタはそれを、不自然なステップでかわした。
「ああ、ピカチュウなにしてんの、ラッタは接近戦が得意だから
離れて戦ったほうが…」
しかし、ピカチュウは怒りに身を任せたようにラッタに向かって突進する。
明らかな隙だらけなピカチュウの動きはラッタに当たるはずがない。
だがラッタは普通に避けるのではなく、まるで踊りを踊っているように避けるのだ。
「ラッタのあの動きはもしかして……ピカチュウ!!」

のび太が叫んだ次の瞬間、目にも止まらぬ速さでラッタが動き、
ピカチュウに激突した。それをくらったピカチュウは、吹っ飛ばされてしまった。
思わずのび太がピカチュウに駆け寄る。
「だ、大丈夫? そうだ、店員からもらった傷薬で……」
背中のカバンの中から、傷薬を出す。
「さぁこれで回復をして……痛ッ」
しかし、それを拒むようにピカチュウがのび太の指に噛みついた。
「どうしてだいピカチュウ、こんな怪我してるっていうのに」
だが、ピカチュウは威嚇しているような目でのび太を見ている。
そしてのび太は気付いた。
「……もしかして自分だけで戦おうとしてるの?
でもそれは僕だって同じさ。あのオタチを救いたいんだ。
だから力を合わせて戦いたい、君に力を貸したいんだよ」



ピカチュウは威嚇を止め、のび太の傷薬により回復された。
「よし、あと普通に戦ってちゃダメだよ。相手は接近戦に強いし剣の舞を積んでるから……」
ピカチュウはさっきとは打って変わって、のび太の作戦を熱心に聞いた。


~ピカチュウ side~
のび太の傷薬で回復してから俺はまたラッタと戦っている。
いや、のび太と一緒に戦ってるというところか。
……最初はのび太のことが俄かに信じられなかった。
見た目以上にヘタレだし、馬鹿正直で騙されやすいし、というかさっきも騙されたし。
正直、スキを見て逃げ出そうかと思った。こんな奴についていくぐらいなら他の人間のほうがましだ。
少なくともさっきまでは……

「ピカチュウ、危ない!」

ラッタの大きな顔がいつの間にか俺の目の前にいた。
ギリギリで攻撃を避けるが、少し腕をかすめたようだ。少しヒリヒリする。
たぶん、のび太が傷薬を使ってくれなかったら致命傷だっただろう。
考え事はやめよう。今はあのオタチだけのために、ラッタと戦おう。



さっきのび太から言われた作戦は、
「距離をとって電気ショックでチマチマと攻めていこう。ラッタは接近戦しかできないはずだから、
この作戦できっと勝てるはずだよ」
ということだ。
ラッタは主に打撃戦中心なのは知っていたが、あのオタチの姿を見て、少しイカレてたようだ。
「ピカチュウ、電気ショックだ!」
電撃はラッタに命中し、少し焦げ臭い匂いがした。
するとラッタはこっちめがけて突進してきた。が、明らかにさっきよりもスピードが遅い。
簡単に避けることができた。そしてまた電撃を浴びせる。
確実にダメージを与えている。そしてこれを繰り返していく。勝てる……!
「なかなかやるようだな」
ラッタが声をかけてきた。だが、最初に会ったときの威圧感は、
ほとんど薄れている。ダメージがある証拠だ。



「当然だ、自分より弱い奴相手にしか普段戦わないような奴に、俺は負けない」
「フフフ、いつまでその威厳を保てるかな?」
どういう意味だ? 現状を見ても相性的にも相手が不利のはず。
こっちが唯一負けてるのはレベルくらいだ。この言葉は錯乱を狙っているのか?
それとも他に何か作戦があるのか? わからない。


「何が言いたい? なにか卑怯な手でもあるのか? 残念ながらそんなものは俺に通用しないぜ」
「大した自信だな。まぁ安心しろ。このバトルは俺とお前の真剣勝負だ。
誰にも邪魔はさせないし、卑怯なこともしない。」
じゃあなんだ? 一体この状況をどうやって挽回する気だ? だが次の一撃で勝てるんだ。電撃の準備を……
「少なくとも、お前にはな……」
「な、……」
俺が言葉をあげる前に、声が聞こえてきた。

「だ、誰か助けてーー」