ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

ミュウ その16

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akakami

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『ミュウ:準々決勝までのあらすじ』

ある日、出木杉はもしもボックスを使い、
のび太達の町を自分が支配するポケモンの世界に変えた。
ドラえもんを監禁し、強力なポケモンを使う出木杉に怯えるのび太達だったが、
ドラえもんを助け、出木杉を改心させるために、
3ヶ月後に開かれるポケモン大会に出場し、出木杉と闘う事を決意する。

その日から3ヶ月…思い思いの修行で心身共に強くなったのび太達は、
試合会場のドームにやってきた。
そして、4人は厳しい予選を勝ち抜き、全員無事に本戦出場を決める……
一回戦……通常ルール
ゴヘエ、出木杉の刺客"業火"など…
スネ夫が業火との戦いで大怪我を負ったが、全員勝利。
二回戦……ダブルバトル
出木杉の刺客が次々と現れ、のび太達を追い詰めた。
出木杉四大からくりの疾風は試合中に、雷電は試合後にそれぞれ破壊される。
そして、しずかが謎の男ジンに拉致された事が判明。
ジンは、その圧倒的な力と雷電から奪ったサンダーでシロナ、ダイゴを倒した。
その試合の後、のび太がジンに勝負を挑むが、返り討ちに合い腹に怪我を負う。
ジャイアンの試合では、幹部のリーダー清姫極が初登場。
その圧倒的な実力と、他を寄せ付けない狂った性格で読者に強烈な印象を与えた。



二回戦後……裁きの穴
のび太達は、のび助の助言により、実験に使われたポケモンの廃墟場にて修行を始める。
その内部にて、この時代の調査に来たタイムパトロールの1人、
隊員B(通称ビー)が幹部の1人ミクリに拷問を受けているのを発見。
三人は素早くビーを助け、あなぬけの紐で外に逃がした後、ミクリを倒した。

さらに奥へと進む三人は、雷電の研究室を辿り着き、研究用のコンピュータ発見する。
そこに載っていたのは、
この世界のポケモンが、世界が変わる前は皆違う物質だったということや、
ミュウなどの改造ポケモンのこと、そして、この大会を開いた目的などが記されていた。
驚きの事実を知り、地下からの脱出を図る三人。
だがその途中、炎に耐性を持った改造アリアドスに襲われる。
敢えて真っ向勝負を挑み、勝利したのび太だが、
改造ポケモンの強さを、そして、改造される痛みと恐怖を知る事になった。
ついに地下の出口に近付いた三人。
だが……そんな三人を襲ったのは、天井から降り注ぐ大量の瓦礫の山だった。
反射的に気絶するのび太。
目を冷ました彼の前には、タイムパトロールの1人、隊員C(クッド)が立っていた。
そして、隊員Cの持っていた道具により九死に一生を得た三人は、
なんとか地下から脱出することに成功した。



次の日の早朝、のび太はクッドから話を聞かされる。
それは、未来で出木杉を攻撃する準備が始まっているという驚愕の事実。
焦るのび太だが、クッドに「5日はもたせる」と言われ、
出木杉との対決に集中すると心に決めたのだった。
三回戦……通常バトル
一般人である優作、麻美とのバトル。
それぞれに特別な理由がある二人だったが、敗北。
ジャイアンは、麻美を助ける為に、次の試合で使うポケモンを二体に減らした。

比較的平穏に進んでいた三回戦だが、最後の試合で事件が起きた。
スネ夫の親戚であるスネ吉がクリスとのバトル中……
レジスチルの大爆発を至近距離から受け、瀕死の重症を負ってしまったのだ。
大きな病院に連れていかれたスネ吉、それに付いていくスネ夫。
残されたのび太達は、久しぶりに家に帰ることにした。
……バラバラになった三人は、別々の場所でそれぞれ違う事実を知る。
母が重い病気に侵されていると知ったのび太。
ジャイ子が行方不明だと教えられたジャイアン。
そして、スネ夫。
スネ夫は、突然現れたミュウから、この戦いの真実を知らされることとなった。
ミュウは言った。
最初にのび太達を見逃したのは、自分の独断だと……
この大会を開こうと提案したのは自分で、出木杉に恨みがあると……
ミュウは、改造され弟を殺された事を恨み、出木杉への復讐を狙っていたのだ。
大会を開くまでに3ヶ月の間を入れたのも、のび太達が強くなる時間を稼ぐため。
のび太やジャイアンに強力なポケモンを与えたのも、実はミュウだった。
ミュウは、スネ吉の怪我を治し、スネ夫にある物を渡して姿を消す。
ミュウに認められたスネ夫は再び、強くなろうと決意するのだった。



準々決勝……特殊フィールド
それぞれの試合で特殊なフィールドが使われ、
時にはのび太達を苦しめ、時には勝利に貢献したりもした。
のび太対のび助(パパ)の親子対決で使われたのは、高圧電流が流れるステージ。
少し触れただけでも重症に繋がる中、二人の対決は非常に激しい物となった。
最終的に、電流を活かしきったのび太が勝利したが、
負けたのび助は電流が流れる泥沼の中に飛び込み、自殺しようとする。
のび助を助けようとするのび太だが、子供の腕では支えきれない。
余りの激痛に顔を歪めるのび太。
そんな様子を、出木杉は楽しそうに眺めていた。
その様子に激しい怒りを感じるミュウ。
そして、見るに耐えられなくなったミュウは、
出木杉を攻撃してのび太達の救助へと向かった。

のび太達は、ミュウの力で無事助かり、出木杉を裏切っている事も知らされる。
更に、ミュウは玉子(のび太の母)の病気の治療を行った。
……だが、裏切りは許されない。
ミュウは裏切りの代償に思考を支配され、完全なる出木杉の部下になった……



因縁の対決である…ジャイアン対ゴクの試合は、
圧倒的ゴク有利の状況からスタートすることになった。
ジャイアンの手持ちは二体のみ、ステージは炎タイプが活きる灼熱のステージ。
普通に考えれば……勝機は0。
だが、ジャイアンの気合いはそれら全てをはね除けた。
ゴクの虚言による撹乱も、改造されたポケモンも、灼熱地獄も……
全て乗り越え、ジャイアンはついに勝利を勝ち取ったのだ。

だが、ゴクは……地下で復讐の機会を狙っている。

準々決勝最終試合、スネ夫体クリス。
これは、まさに逆転劇と言うに相応しい内容だった。
スネ夫は、頑張りも虚しく、クリスの切り札レジギガスに敗れた。
そして、素顔を見せるクリス。
クリスの正体は、出木杉に操られたジャイ子だった。
このまま行けば、出木杉の思惑通り、準決勝では兄妹対決が実現する。
だが、その時……スネ夫の逆転劇が始まった。
そう、今までのは全て伏線。
ジャイ子を催眠術で眠らせ、レジギガスを毒で倒し、試合に勝利する為の……
作戦通り、準決勝進出を決めたスネ夫。
だが、彼はある作戦の為にリタイヤを希望し、ジャイ子と一緒に地下へ落ちた…

仲間を1人失い、落ち込むのび太とジャイアン。
だが、いつまでも落ち込んでは居られない。
二人は、近付く最後の闘いに向け、気合いを入れ直した。
……裏で進行する出木杉の計画を知らずに……



 物語の捕捉

この物語では、3つの舞台で話が進行している。
1つは現代。 のび太達が住む時代だ。
大会が終わりに近付く中、出木杉が裏で計画を進めている……

2つ目は未来。 クッド達が住む時代だ。
クッドは知らないが、未来の法律により、現在は活動を休止中。
よって、クッドがいくら攻撃の延期を頼んだ所で意味は無い。

最後は……クッド達が住む10年前の時代。
物語中に描写は無いが、出木杉を消す準備を進めている。
未来では、出木杉を消したのはこの時代のパトロールだと知られており、
この未来は絶対に揺るがない。

出木杉の計画の失敗は、逃れられない運命なのだ。



登場キャラのまとめ~現在の状況

【何としても…】野比 のび太【ドラえもんを助ける!】
手持ちはピカチュウ、ハッサム、切り札のホウオウ。
この戦いの中で勇気と強さを身につけ、トレーナーとしてもかなりの実力者になった。
【俺を支えてるのは】ジャイアン【熱い心だ!】
手持ちはカビゴン、ブーバーン、切り札のバンギラス。
ゴクを倒すまでに成長し、これからも活躍が期待される。
【もう僕は……】骨川 スネ夫【逃げない!】
手持ちはジバコイル、ナッシー、主力のクロバット。
自ら地下へ行った真意は謎。 だが、きっと彼はのび太達を助けるだろう。
【私達は…】源 静香【五人で1つ】
物語序盤でジンに捕まったため、手持ちはマリルリ以外不明。
のび太は彼女を助ける事が出来るのか?
【それは…】ドラえもん【良いアイディアだね!】
 現在監禁中(-ω-∥)
【終わらない…】出木杉 英才【悪夢を…】
事件を起こした張本人。
唯一の心の安らぎだった母が死に、暴走している。
手持ちは、人を操る力を持つデオキシスと圧倒的強さのミュウ。
現在、裏で計画を進めている。
【のび太君達なら…】隊員C(クッド)【きっと…】
物語のキーパーソン。
だが、彼の努力も虚しく、タイムパトロールの攻撃は間もなく始まる。



【まぁ…】隊員B(蜂倉)【落ちつけ…】
事件の真実を知る数少ない人物。 実は、出木杉を消す張本人である。
【遊戯王カード】清姫 極【しよ!】
エンテイを愛する自称ハデス。
もう1人の天才、ゴヘエと出会った彼は、これからどうなるのか?
未確認情報だが……彼は数種類の色違いエンテイを持っているらしい。
【お任せください】流水【出木杉様…】
正体不明の出木杉四大からくり、隠密活動機。
【この町の…】ゴヘエ【真の支配者だ】
狂った性格の虫使いで、自称タイタン。
再登場した彼は、いったいどんな活躍をしてくれるのか? 要注意人物である。
【必ず……】ジン【出木杉を殺してやる!】
しずかに成り済まし、大会に参加する謎の男。
ジンも偽名であり、本名はジェフ。
しずかに変装しているのか、操っているのかは不明。
【母親を…】???【生き返らせたいか?】
謎の男。 だが、出木杉の変貌にこの男が関わっているのは間違いない。

未公開設定……雷電編
実は、狂いバージョンの雷電はゴクがモデルです。
いつも狂ってるゴクを見て、「コイツの真似すればバカに思われる」と考えたんだね。
ついでに、雷電はシロナに恋心を抱いてました。
だから雷電は、立場的に自分より下のシロナの部下になっていたんです。
ついでに、シロナは雷電を弟的存在と見ていたので、雷電の片想いで終わりました。



出木杉四大からくりについて……
 業火=奇襲役
可愛い外見で相手を油断させ、不意を突く事を得意とする。
ついでに、彼の見た目がコロ助だったのは出木杉個人の趣味である。
 疾風=捜索役
作中では語られていないが、彼は凄まじい速さで移動する事が出来る。
その為、序盤でのび太達が消えた時、疾風は捜索役に選ばれていた。
だが、何者かに(実はミュウ)妨害され捜索が失敗し、したっぱに降格。
その後は、本性を隠す雷電の代わりに戦う、影武者として利用されていた。
……一番可哀想な子。
 雷電=頭脳役
他の3体をまとめるリーダー的存在。
彼は、出木杉の頭脳をコピーした人工頭脳を持ち、
出木杉に代わって、幹部に指示を出したり、計画の進行を進めていた。
ミュウが提案した今回の大会を効率良くまとめ、
出木杉の思い通りに進行が進む様にしたのは、紛れもなく雷電。
その事からも、彼の頭脳が相当高性能だと分かるだろう。
 流水=隠密役
彼の情報は、幹部達にも隠されている。
彼と雷電、そして一部の幹部のみが計画の内容を知っており、裏でその準備をしている。

彼ら四体の戦闘能力は、かなり高い物となっている。
だが強いと言っても、ポケモンで言えばゴローン。
ポケモンと戦えば、一瞬でバラバラに破壊されてしまうだろう。



――準決勝前夜

のび太はベッドに横になりながらも、未だ眠れずに居た。
『明日はついに……アイツと戦うんだ』
まだ完全に完治していない腹の傷が、ザワザワと疼く。
以前戦った時は、ジンのルカリオに手も足も出せないまま、負けてしまった。

《のび太さん…私怖いの…》

あの時、もし止めていれば……しずかちゃんは…
そんな後悔の念が、一気に押し寄せてくる。
しずかちゃんは言っていた。
ジンは人間じゃない、このままじゃ殺されてしまう、と。
そして、僕はしずかちゃんの事を守ると約束した。
助け出すと約束した。
本当にしずかちゃんが襲われるとも知らずに……
「僕は……嘘つきだ」 コン…コン… 「ん?」
そんな一言を漏らした時、不意にドアがノックされた。
ジャイアンは横で寝ているし……一体誰だろう?
僕はゆっくりと起き上がり、そのドアを開けた。

『……………あれ?』誰も居ない。
暗闇の向こうから、少し急ぎ目の足音が聴こえる。
追いかけようか迷ったが、自分の足下の箱に気づき、足を止めた。

「……おにぎりだ」
箱の中には、3色のおにぎりが一個ずつ入っていた。
このおにぎりを……僕は知っている。

そう、このおにぎりは……



「…ゴク、どうしてお前は自分の事を神だと思うんだ?」
地面に木の棒で絵を描いてるゴクに、ゴヘエはそう聞いた。
「どうしてって……僕は神に選ばれた特別な人間だからさ」
「…あのなぁ、だからどうしてそういう風に思うのかって聞いてるんだ。
 普通の奴は思わないだろ? 自分は神様だ、なんて」
ゴクは、呆れた表情でゴヘエを見つめ、そして言った。
「そりゃ皆は神様に選ばれて無いもん、思う訳無いよ。
 僕はねぇ、他の皆とは違うんだ。
 何故なら、僕は清姫極。 天才を超えた天才、未来を担う逸材だから」
そんなゴクの戯れ言を、食い止めるかの様に黒タイツの男が現れた。
「清姫極、お前は何やってるんだ? 仕事の時間だろ?」
「あっ、今国さん。 これ、見て下さい。
 30分掛けて、あなたの似顔絵を一生懸命描きました」
そう言って、ゴクはイ○クニ?に絵を見せる。
イマク○?の目に、その壮大な絵が入り込んだ。
「…………清姫極、お前は幹部だからって調子に乗ってる様だな。
 この絵が俺だと? ふざけるのもいい加減にしろよォォォッ!!!」

ゴクの傑作は、○マクニ?の足により一瞬で只の地面へと戻った。
そして、その怒りの形相でゴクを睨む。
「絶対殺してやるッ! 俺をバカにしやがってェェェッ!」
ゴクはそんな今国の姿を見つめ、ため息を吐いた。
「ふぅ、やれやれ。 これだから芸術が分からない奴は困る。
 じゃあこれから、僕がアンタを芸術にしてやるよ。
 僕の相棒である、ゴッドエンテイ(シーズン2)でね、フヒャヒャ!」



「ゴッドエンテイ…」「シーズン2だって?」
ゴヘエとイマ○ニ?が口を揃えて言った。
冷や汗を垂らすイ○クニ?。
だが、直ぐに余裕の表情に戻り、大声で笑いながら言った。
「フハハハ、負けた幹部が何言ってやがる!
 お前達敗北者はもう出木杉様に見放されてんだよぉ!
 立場をわきまえろ、立場をぉ!」
イマク○?の言葉を聞いたゴクは、ニヤリと笑い、ポケットから何かを取り出した。

「そ、それは…!?」
「さぁ、ショータイムだよ。
 解体ショーか丸焼きショー……今国さんはどっちが見たい?」
ガタガタと震え、地面に腰をつくイマ○ニ?。
彼は思いっきり土下座をして、泣き叫びながら謝罪をした。
「ずびばぜん…ゴクざまぁ…ゆるじでぐだざい…
 魔が刺しただげなんでず…少し魔が刺しただけなんでずぅ…」
○マクニ?が地面に頭を何度も擦り付ける。
そんな様子を見て、ゴクは言った。
「良いよ、僕は神であって悪魔じゃないし。
 謝るんなら、ちゃんと君の事を許してあげるよ」
「ほ、本当でずか!?」
「うん、もちろん本当だよ。
 但し僕のゲームには付き合って貰うけどね」

「…ゲームって?」
恐る恐るそう聞くイマ○ニ?に、ゴクはスゴく楽しそうに言った。

「普通のゲームさ! 但しエジプトに昔から伝わる闇のゲームだけどね!」



GOKU GAME~神に選ばれた少年
 【ルール説明】
まず先攻がサイコロを振る。
次に後攻がサイコロを振り、先攻より大きい目が出れば後攻の勝利。
後攻の方が小さい、又は先攻と同じ目の場合、先攻の勝ち。

「僕は確実に勝てるから、今国さんは有利な先攻をどうぞw」
「よし、じゃあ振るぞ。 …そぉいッ!」
サイコロが勢い良く放たれ、壁に命中する。
出たサイコロの目は…
「イヤッホーイッ! 6だ、6が出た! 俺の勝ちだぁ!」
「良し、次は僕の番だね」
「おいおいw 何出したって俺の勝ちだってw
 7以上の目はサイコロに無いだろ? もう俺の勝ちなんだよぉw」
横で騒ぐ黒タイツを無視して、ゴクはサイコロを振った。
出た目は… 「な、なんだと…」
「出た目は9だね。 さぁ、罰ゲームを受けて貰おうかな」
ゴクが投げたのは、0から9までの10面サイコロ。
ハッキリ言って、ただのイカサマである。
「ひ、卑怯者ぉッ! 10面サイコロなんてイカサマだ!」
「アヒャ?何言ってるの?
 これはGOKU GAME。 僕がルールであり、神。
 神は何をやったって許されるんだよ、もっと常識知ろうね」
必死で逃げ出そうとする○マクニ?。
ゴクのボールから青いエンテイが飛び出て、黒タイツに狙いを定めた。
「罰ゲーム! God Judge!」
激しい炎がイマク○?を包み、その体を焦がしていく。
「ぽわァァァァッ!」
「アヒャヒャヒャヒャッ!これこそ芸術! 神にのみ許された悦楽だぁ!」



黒い灰になったイ○クニ?。
ゴクはその上に小さな石を置き 、今国さんの幕と書き込んだ。
「ゴク、流石にやりすぎだろ。
 俺達の様な神にだって、やって良い事と悪い事が有る」
「何だよ、オッサン…説教臭いなぁ。
 確かにオッサンの事は尊敬してるけど、説教される筋合いは無いよ」
ゴクはそう言って、ゴヘエから離れそうとする。
だが、ゴヘエはゴクの腕を掴み、それを許しはしなかった。
「…な、何すんだよ! 汚らわしい!」
「ゴク、聞け! お前、これからもその性格で生きるつもりか!
 絶対に周りから孤立するぞ!」
「う、うるさいな! 黙ってろよ!」
ゴクが右足を振り上げ、ゴヘエに蹴りを入れる。
だがゴヘエはそれを防ぎ、逆に強力な突きを顔面に入れた。
「はがぁッ!…よくも殴ったなぁッ!」
口から血を流すゴクの前に、ゴヘエは立った。
そして、その口を開く。
「ゴク、分かれよ。 神なんて居ない。
 お前は、妄想の世界に入り込んでるだけなんだよ。
 ちゃんと性格を直せば、皆からも孤立しない。 もう寂しくなくなるんだ」
ゴヘエは、ゴクにそう優しく言い聞かせ、頭に手を乗せた。
「なぁ、一緒に家に…」
「エンテイ、早くこっちに来い!!!」
さっきのエンテイが、素早くゴクの前に移動し、その背中に彼を乗せた。
「アヒャヒャ、さよならオッサン!
 僕には出木杉様の計画に携わる任務が有る! さっさと脱出させて貰うよ!」
そう言って、エンテイは穴を掘るで地面の中に消えていく。
ゴヘエは、ゴクの体を掴もうと手を伸ばしたが、届かない。
「待て、ゴクッ!」 「アヒャヒャヒャヒャ! バイバーイ!」
ゴヘエの声が響き渡る中、ゴクは地面の中に消えていった……
……ゴヘエを一人残して……



次の日の朝、町中に放送が鳴り響いた。
《今日は、町を完全封鎖します。
 住民の人は皆、午前9時までに出木杉ドームに集まって下さい》
困惑する人も居たが、支配者である出木杉の命令には逆らえない。
人々は皆、時間通りにドームの前へと集まった。
客席には入りきらない為、フィールドにも特別席を設ける等、
ドームの中に数万人の人々が押し込められた。

そして、ドームの外では…
「何のつもりだ……出木杉の野郎」
ジャイアンとのび太は、空き地に集められた。
住民が一人も居ない違和感を感じながら、土管の上で待つ二人。
そんな二人の愚痴を聞いていたかの様に、出木杉が放送を開始した。

《やぁ、しずかちゃんに野比君、それに郷田君。
 君達ならきっと勝ち進んでくれると思っていたよ。
 さて、今回のバトル……少し今までに無い仕様になってるんだ。
 何だと思う? ヒントは住民が居ない事だよ》

「住民が居ないって……まさか!」

《ふふふ……今回のバトルの舞台は、この町全てさ!
 しずかちゃんと野比君には、別々の場所からスタートして貰う。
 町の物、野生のポケモン、家……何でも使って良いよ。
 とにかく相手を倒せばOK。 簡単だろ?
 住民の皆さんも、ドームの巨大モニターで見てるから頑張ってね。
 剛田君は自由にバトルを見学して良いけど、試合を邪魔したら失格になるから注意だよ。
 それじゃあ…………5分後の合図と同時に、試合スタートだ!》



「えっ、スタートって…」
のび太は、頭の整理がつかず、ただ呆然と立つ事しか出来ない。

「バカ、のび太! 早くどっかに隠れろ!
 先に見つかった方がこの試合、絶対に不利だ!」
「な、なるほど…」
「相手はもう動き出してるはずだ!
 分かったなら早く走ってどこかへ行け!」

――裏山付近
「フン、どうやって料理してやるかな。
 出てこい、ルカリオ」
ジンの横にルカリオが現れる。
息づかいが荒く、戦闘準備はもうバッチリといった感じだ。
「お前も早くあのメガネを八つ裂きにしたいか。
 フン、それじゃあ……猿狩りへと出発だ、付いてこい!」
ジンとルカリオは、ゆっくりと動き始めた。
その目に、欲望と野望を宿して……

――試合開始2分前
「はぁ…はぁ…取り敢えず、ここなら見つからないよね」
のび太は、商店街の雑貨屋に身を隠していた。
ゆっくりと呼吸を落ち着かせ、作戦を練ってみる。
『……ジンの手持ちで分かってるのは、ルカリオとサンダーだけだ。
 後の手持ちは分からないけど、最初に出してくるのはルカリオのはず。
 タイプ的に考えて……ここはホウオウで行くべきか…』
《ビーーーッ!!!》
スタートを知らせる機械音が鳴り響いた。
「や、ヤバい! もう時間が…」

遂に始まった準決勝……のび太は慣れない環境の中、焦りの色を隠せずに居た。


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