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レッツゴーの合図で、ポケモンの世界にやって来た一同は、
気がついた時には、町に投げ出されていた。
周りには、ワカバタウンの風景が広がっている――

「痛いよジャイアン! 上に乗らないでよ! 」
「スネ夫の癖に生意気な! ギタンギタンにされたいのか! 」
「まあまあ喧嘩するなよ~。 早くポケモンを貰いに行こうよ。」
「そうだな。 博士からポケモンを貰ったら、スネ夫をギタンギタンにしてやるぜ!」

スネ夫とジャイアンの力関係は相変わらずである。
しかしそれは無視して、ドラえもんが仕切り出す。
「君たちはこの前もやっただろ。なんかヒントみたいなのを覚えてないのかい?」
「1ヶ月も経ったら忘れるよ。」
「そうだ。ドラえもんは待たせ過ぎなんだ! 」
「私も生憎殆ど忘れて…」
「ジャイアンはともかく、スネ夫と静香ちゃんも覚えてないのか。のび太君も?」
「当然さ!」
「…威張るなよ。出木杉君はどう?」
「えっ、ああ! 僕も全く覚えてないよ!
いっ、いいじゃないか! みんな新鮮な気分で出来る事だし。」



「まあそうだね。 あと、みんなに先に言っておくけど、道具の設定は100日分にセットしてあるからね。
終わったら過去から来た時間に帰ればいい。
もしなんかあったら、ポケギアが貰えるハズだからそれに全員の番号を入れとけば大丈夫だよね?
説明は以上! さあ、博士の研究所に行こう!」
こうして5人は歩き出す。
しかし、出木杉一人は何かのノートを見て考え事をしている。

(フフフ・・・。 この“出木杉ノート”があれば序盤の攻略なんてチョロいもんさ。
あの時記録しておいて良かったな・・・。)

「おーい出木杉君~! 早くしなよ~。」
「あっ、ああ。今行くよ。」

そう返事をして、出木杉もドラえもんの方に合流していった。

★ 出木杉ノート 1ページ

  • 最初に貰えるポケモンはガチャガチャで決められる
→初心者用で扱い易いポケモンが多い
  • モンスターボールは店売りされていない
→モンスターボール等の捕獲アイテムは、クエストの報酬等での入手に限定されるため、無駄遣いは出来ない。
ちなみに、始めに3個貰える
  • ゲームシステムはダイパと同じと考えて良い。
但し、ダメージ計算式は本編とは根本的に異なる
→ポケダンに近いものとなる


…流石優等生。小学五年にして箇条書きでキレイにまとめてある



『ウツギ博士~!
ポケモンを貰いに来ました~!』

「ようこそ、ポケモンの世界へ!
まあ長い挨拶は聞きたくないだろう。 まずは、この高性能ポケギアを受け取りたまえ。
そして、ポケギアの指示に従って、あっちのガチャガチャを回すんだ。
健闘を祈る。」

と、かなり手抜きの挨拶を終えたウツギは研究所の奥へ戻っていく。
そしてこういう場合に一番乗りで進んでいくのは勿論…… ジャイアンである。
「よし、まずは俺様から回しに行くぜ! 」

そう言いながら早くもガチャガチャを回している。実に素早い動きをするものである。
ガチャガチャッ、ポロン☆
「おおー! モンスターボールが出てきた! では早速…」
「ボールは外で開けること、研究所内では駄目だ。」
「よし! じゃあ外で出しにいくぜ! スネ夫! お前のも見てやるから早くしろ!」
「煩いな~。今回すから待っててよ。」

ワカバタウン、研究所前――

「いっせーのせで出そうぜ!」
「別にいいけど。」
「じゃあいくぜ!」

『いっせーの~せ!』



モンスターボールから2匹のポケモンが出てくる。 二人はそれと同時に悲喜こもごもの声を上げる。

「よっしゃあ! ヒノアラシだ! 」
「僕はゴースか。 ってこれじゃあポッポやコラッタに攻撃出来ないじゃないか!」
「スネ夫! 勝負だ!」
「いや遠慮しとk 「問答無用!」

こうして、この世界最初のバトルが始まった。
「行け! ヒノアラシ! 」
「ゴース行くんだ。まずは催眠術!」
「俺のヒノアラシは簡単に寝るような奴じゃねえぜ! ヒノアラシ、体当たりだ!」
「体当たりがゴーストタイプのポケモンに当たるハズが…
ってゴースどうした!?」
「ヒノアラシ、体当たりもう一発!」
「避けろゴース! 舌でなめるだ!」

ヒノアラシの体当たりを、今度は簡単に避けたゴース。 そして、ヒノアラシの体を舐め回す。

「そのままもう一度催眠術だ!」

今度はゴースの催眠術がヒノアラシにヒットする。 間もなくヒノアラシは動かなくなる。

「さあジャイアン、この辺で終わろうか。 それとも勝ち目の無いバトルをまだ続けたい?」
「くっ…、分かったぜ。 でもいつかお前を倒しに来るから覚えてろよー!」

そう言ってジャイアンは走り去っていった。



「あっ、スネ夫が勝ったんだね。」

スネ夫が気づいた時には研究所にいた他の4人がボールを持って眺めていた。
「当然さ。僕がジャイアンなんかに負ける訳ないだろ! それよりお前らのポケモンは何だよ?」「僕はコイル。」
「私はケーシィよ。」
「僕のはワニノコだ!」
そう言って3人はボールからポケモンを出す。

(ドラえもんは途中でイシツブテでも捕まえておけば怖くないな。
ケーシィも進化までは辛いだろう。
のび太はワニノコか…。まあ大丈夫だろう。のび太だし。)

「あれ、出木杉はどこだい?」
「そういえばいないね。」
「さっき走ってどこかに行ったわ。」
(チッ、出木杉に先を越されたか・・・。)
「出木杉のポケモンは?」
「知らないよ。 すぐ行っちゃったし。」
(出木杉の奴、抜け駆けしやがって…)
「じゃあ僕は行くから。君達はせいぜいウィングバッチが取れればいいね。じゃあ。」

そう嫌味を言い残し、スネ夫も29番道路に向かっていった。



「じゃあ僕達もそろそろ行こうか。」
「うん!」

▼みんなの手持ち

ジャイアン ヒノアラシ
スネ夫 ゴース
のび太 ワニノコ
ドラえもん コイル
静香 ケーシィ
出木杉 ???



30番道路――

「ヒノアラシ、火の粉で焼き尽くせ!」
「うわあああん! 僕のコラッタがああ!」

ジャイアンは誰よりも早く進んでいき、トレーナーに片っ端から戦いを挑んでいったため、
かなりの経験値と小銭を稼いでいた。
既に、彼のヒノアラシは進化直前まで育っていた。
「ハハハハハ! やっぱり俺様が負けるなんて有り得ないぜ! 」

そう言ってジャイアンはキキョウシティの方向に進んでいった。
しかし、それを見て下品な笑いを浮かべる者がいた。勿論、“ 彼 ”である。

「ヒノアラシ一匹では確実に行き詰まる。 僕はその時に備えてニョロモでも育てておくかな。
結局僕が一番強いんだよね~。 今くらいは楽しませておかないとね。
ヒヒヒヒヒ…。」

所変わって29番道路、のび太達3人は未だにここが抜けられずにいた。
それもその筈、野生のコラッタに出くわす度に、ドラえもんは戦闘をのび太に任せて逃げ出して、
のび太はのび太で、野生のポケモン一体倒すだけで、かれこれもう10分は掛けているのである。
静香はそれを傍観しつつ、コッソリと経験値を稼ごうと試みていたのだが、それすらもなかなか進む気配がない。



(ああ、失敗だったわね。 ケーシィじゃまともに戦えないからって、この二人について行こうとした私が馬鹿だったわ。)

と、ワカバタウンでの判断を悔やんだ静香
話は一時間程前に遡る

…モンスターボールは温存しておきたいし、しばらくはケーシィだけで行くのがベストね。
適当な技マシンでも拾えれば、特攻の高さがあるから絶対に楽になるはず。
それまでの間の辛抱よ静香……


こうして先程の
VS野生のコラッタ まで来たわけであった。

「ワニノコ! ひっかくだ! おい~、睨み付けるじゃないよお。 ひっかくだよ~!」

自分のポケモンにすら、なかなか言うことを聞いてもらえないのび太。
彼のダメ人間オーラがポケモンにまで伝わっているのだろうか。

「ワニノコ! ひっかけ! ああ、違うよお! もう一回ひっかくだ!
お~い~、なに変な踊りをしてるんだよぉお!」
(!!! あれはもしかして…、龍の舞!?)

「ワニノコ~、お願いだから引っかいてくれよ~!」

今度は命令を聞いたワニノコは、鋭い爪を勢い良く振り、コラッタを一撃で瀕死にする。
のび太はそのワニノコのパワーに、さっきまで命令を無視されていた事も忘れて喜んでいる。



それを見ていた静香は、何かを閃いた。
そして、それを早速行動に移そうとする。

「のび太さん、ドラちゃん、ちょっとワカバタウンに忘れ物をしてきたの。
取りに行くから先に行ってて。」
「静香ちゃん、僕も着いて行ってあげるよ! 」
「いやのび太さんはいいわよ。それよりワニノコを育ててないとダメよ。」
「分かった。気をつけてねぇ。」

(よし、これでもしケーシィがテレポート以外の技を出せたら、それは多分遺伝技ね。
これは初心者用の配慮かしら? まあ何にせよ、これはあの二人から抜け出すチャンスね。
あっ、野生のポッポ。)

「ケーシィ、あのポッポにテレポート以外の技を出すのよ!」
命令を聞いたケーシィは、手に電気を集めて、それをポッポに発射する。
発射されたそれは、逃げようと飛び上がるポッポを逃さない。
悲鳴をあげたポッポは一撃で倒れてしまった。

(これは電撃波・・・。 なかなか便利な技ね。)

静香は、ここでポッポを倒してレベル上げをするという事に決めた。

…ああ、もしもしドラちゃん? …うん、…だから。…そう、先に行ってて。…いいからお願い。
…ええ、分かったわ。……。そう、じゃあそっちも頑張ってね。

ツーツーツー…



電話を終えた静香は、会心の笑みを浮かべた。
電撃波と言えば、使い勝手の非常に良い技。
ハヤトのピジョンやツクシのストライクなど、ジムリーダー戦でも充分に使える。
地面タイプには効かないのが難点だが、最短ルートならつながりの洞窟までは、野生のイシツブテは出現しないので、そこまで心配すべき事ではない。
一番大きいのは、独り立ちが出来たという事で、のび太のペースに付き合わなくて済むという事だった。
「さて、身の程知らずな子犬達をどうやって手懐けようかしら…」

同じ頃、ヨシノシティのポケモンセンターでは、テレビに夢中になっているのび太がいた。
そこへ、静香からの電話のやりとりを済ませたドラえもんが帰ってきて、のび太に声をかける。
「のび太君、あのね、静香ちゃんは…
「うるさいうるさいうるさ~い!
今、“クイズ・ペンタゴン”を見てるんだい! 邪魔するな!」
「いや、静香ちゃんが…って、ポケギアの機能に関する問題が出てるじゃないか! どれどれ、

『次のうち、現在ポケギアに搭載されている機能はどれ?
A.ワンセグ、B.クエストお知らせ機能、C.トレーナーズ・アイ。
さあどれでしょう!』



「ドラえもん分かる~?」
「ポケギアなんてまだ大して使ってないしなあ。よく分かんないや。
あ、あれコガネジムのアカネだ。ボタン押すの速いなあ。」

――――――――――
クルミ:それではアカネさん、答えは?
アカネ:Aのワンセグや!
クルミ:ブ―。正解はBのクエストお知らせ機能でしたあ。
司会者:お前アホか! それでもジムリーダーか!
アカネ:ぐっすん、ひっぐ、ひどいよぉ~!
クルミ:あーあアカネさん泣かしちゃった。
司会者:いっ、一旦CMへ!
――――――――――

「これは酷い茶番だなあ。でも芸能界って大変だね。」
「そうだね。」

  • memo
クイズペンタゴン…カントージョウト地方で人気のクイズ番組
準レギュラーとして度々コガネジムリーダーのアカネが出演する
一見アホに見えるアカネだが、実はそこまでアホでは無い
しかし、そこは番組の都合上、天然キャラとして扱われることが多い



「ドラえもん、クエストお知らせ機能って何だか分かる?」
「どうやら完了したクエストや、新たに受けることが可能となったクエストを知らせてくれる機能みたい。
あっ、CM終わってた」

――――――――――
クルミ:今の問題で終了ですぅ~。また来週テレビの前でお会いましょう~。
司会ヒロキ、アナウンスクルミでお送りしました~。
――――――――――
「終わっちゃったねのび太君」
「うんそうだね。あっ、なんかゲームフリークからのお知らせとか出てるよ。」
「な、なんだってー」

【ゲームフリークからのお知らせ】
この度のアップデートでの更新内容をお知らせします。
1.ゲーム内アイテムを追加実装します。
  • ハイパーボール
  • わざマシン各種

2.ポケギアに新機能が搭載されます。
トレーナーズ・アイ
この機能では、自分のポケモンの能力値や、相手のポケモンのレベルが分かるようになります。

今後も“ポケモン”を宜しくお願いします。



「成る程成る程、ゲームが進化するんだねえ。となると今の番組も実は宣伝だったのか。」
「それよりなんだか外が騒がしいよ! 行ってみようよ!」
確かに外が騒がしい。
「あっ、本当だ。どうしたんだろ」
「行こうドラえもん!」

外に繰り出していくのび太とドラえもん。しかし、そこには騒ぎを起こせる程の人数はいなかった。
「ドラえもん! どうして空から声が聞こえるんだい?」
「一体なんなんだろうね?」

人はいない、されど確かに声はする。だが内容は殆ど以下のようなものである。

ハイパーボール━━キ(゚∀゚)タ━━!!
うはw 新技マシンktkr
トレーナーズ・アイとか今更かよwwwwwwww

「うん、確かに声ははっきりと聞こえるね。でも何処からだろう…?」
「これはね、拡声器と言うんだよ。」
『拡声器?』



首を傾げる二人。しかしドラえもんは、“拡声器”という物の詳細よりも、先に訊きたい事があった。
「あなたは、誰…?」
「君らと同じ旅人だよ。君達は拡声器を知らないのかい?」
「ええ、全く」
「そうかいそうかい。拡声器とはね、自分の発言がジョウト中に聞かせる事ができるアイテムなのさ。」
「へぇえ。それじゃ今のもジョウトにいる誰かの発言なんですか?」
「そうだよ。まあ拡声器は有料なんだがね」
「有料ってどういう意味で?」
「ゲーム内の通貨ではなく、現実世界のお金で買わなきゃいけないって事さ。
まあここでは詳しくは語らないでおこうか。では僕はそろそろ行くとするよ」
「待って! 貴方の名前は?」
「……君達の名前は?」
「ドラえもんです!」
「のび太だ!」
「そうか、ではまた会う日まで……。
ピジョット、空を飛ぶ!」
謎の青年はそう言って去っていった。

「行っちゃったね。」
「うん…、でもまたきっと会えるよ!」
「そうだね! 僕達も先に進もう!」
「うん!」



同じ頃、46番道路――

こんな所に一人っきりで、イシツブテばかりを乱獲していたのは、出木杉英才だった。
「ふっ、トレーナーズ・アイで見てみたらコイツ、原始の力なんか覚えていたのか。
おっ、オニスズメがいるじゃないか。よし、原始の力、撃ってみろ!」

彼の命令をうけ、原始の力を繰り出す小さなポケモン。
その発射された岩に当たったオニスズメは、鳴き声をあげて落ちていく。
「ハハハハハ! 素晴らしい威力だ! オニスズメなんて目じゃ無いね!」

一人悦に入る出木杉。しかしその隙が命取りとなる。背後からオニスズメが飛びかかってきたのだ。
鋭いクチバシで頭を突かれた出木杉は、当たりどころが悪かったのだろうか。そのまま倒れてしまった。

その頃、ジャイアンはどうしてたかと言うと――

「ハーハッハッハッハ! ジムリーダーなんてチョロいもんだぜ!」
5人とドラえもんの中で最も早くキキョウシティに到着していたジャイアンは、彼のマグマラシとともにジムに乗り込んでいった。
結果はジャイアンの圧勝、彼のマグマラシは捨て身タックルを覚えていた。
序盤でタイプ不一致とはいえ120の威力を誇る技を出されれば、耐えろというのは酷な話である。



「では、ジムバッジを授けよう。あと技マシンも」
ハヤトはそう言うと、ジムバッジと一緒に怪しい箱をジャイアンに渡した。
ちなみに、この箱はランダムボックスといい、文字通りクエストの報酬等、中身がランダムの時に渡されるものである。
ジャイアンはその箱を受け取り、
「へっ、ジムリーダーって弱いんだな。あばよ。」
と吐き捨てて去っていった。
「『もう日が沈んできてるからポケモンセンターで休んでおけ』と言おうと思ったが、まあいいか。」

こうしてジャイアンは夜の32番道路に進んでいった。

▼みんなの手持ち

ジャイアン マグマラシLv15
スネ夫 ゴースLv?? ??? ???
のび太 ワニノコLv7
ドラえもん コイルLv8
静香 ケーシィLv9
出木杉 ???



夜が明けて――

スネ夫はキキョウシティのポケモンセンターで目を覚ました。
ゲームの中という事で、トレーナーがお腹を空かすという事は無いが、スネ夫はモモンの実を口にしてみた。
……不味い。やはりポケモンの食べ物だな。
スネ夫はジムに向かった。

「あの~、ジムリーダーのハヤト居ますか?」
「俺がハヤトだ。それにしても最近の挑戦者は無礼な奴が多いな。
GMとはいえ、敬称くらいは付けたらどうだ」
「へー、ジムリーダーってGMだったんだ」
「まあな。で、ジム戦に来たんだな?」
「そうだよ。ルールは?」
「通常の対戦と同じで構わない。道具の使用も可だ」
「オッケー、じゃあ早速いくよ。行け、レディバ!」
スネ夫の一番手はレディバ。野生のレディバを捕まえたものだろう。
「飛行使いの俺に虫タイプで来るとは面白い。こちらはポッポだ!」
場にレディバとポッポが対峙する。戦闘という言葉は似合わない二匹だ。
「レディバ、光の壁!」
「ポッポ、風を起こして攻撃だ!」
先手をとったレディバは、手袋のような手から巨大な壁を作り出す。
直後にポッポの起こした風が当たるが、光の壁がそれを吸収し、レディバに大ダメージを与えるには至らない。



「特殊がダメなら物理でいくぜ。ポッポ、電光石火!」
今度はレディバより早く行動したポッポは、素早い動きでレディバに突っ込む。
急所に当たったのだろうか、レディバは風起こしのダメージを受けていたせいもあり、倒れてしまった。
「あれ、ジムリーダーのポッポってレベル7じゃん。トレーナーズ・アイで見たから間違いは無いハズだよ
なんで電光石火を使うのさ?」
「う、うるさい! ジムリーダー仕様だ!
それより早く次のポケモンを出せ!」
「ふぅん、ジムリーダー仕様ねえ……。まあ気にしないでおこう。
電光石火があるならリフレクターも張っておきたかったけど、まあいいさ。
いけニョロモ、まずは催眠術!」
ボールからニョロモが飛び出す。すかさず放たれた催眠術の波動は、見事ポッポに命中する。
「チッ、催眠戦法か。起きろポッポ!」
しかし、そう簡単に起きるものではない。そして次のスネ夫の命令に。
「ニョロモ、水鉄砲だ!」
水鉄砲もポッポにヒットする。なんとか持ちこたえているようだが、ポッポは眠らされた状態でもがいている。
「ポッポ、大丈夫か!」「ニョロモ、水鉄砲だ」

ハヤトの叫びも空しく、ポッポはここでダウンした。



「少年、なかなか手強いな。しかし俺も簡単には負けられないんだ。
行け! 俺の切り札、ピジョン!」
ボールからピジョンが飛び出す。

「催眠術は命中率は高くない! ピジョン、泥かけだ!」

ピジョンはどこからともなく現れた泥を、ニョロモに向かってかける。
それはニョロモに大きなダメージを与えるものでは無かったが、視界が悪くなり命中が下がるのは避けられない。

「むぅ、厄介な事をしてくれるね。でも構わず水鉄砲だ!」
小さな身体から放たれる水鉄砲。クリーンヒットとまではいかなかったが、ピジョンの羽に当たって確実にダメージを与える。

「ほう、大した奴だ。ならこっちも全力で攻撃だ。
ピジョン、電光石火!」
ピジョンは素早い動きでニョロモに攻撃する。それは先ほどのポッポとは比べ物にならない威力を持っていた。
しかしニョロモはそれをギリギリで耐え
「トドメの水鉄砲!」

今度はクリーンヒットしたそれは、ピジョンの体力を奪いきるには充分だった。



「負けたぜ挑戦者よ。
ジムバッジと技マシンを受け取るがいい」
スネ夫はハヤトからジムバッジと何かの技マシンを受け取り、ジムを後にした。


所変わって30番道路では、静香が少年トレーナーによって、足止めを喰らっていた。
「ワハハハハ! 僕のポケモンは強くて格好いいぞー!」
「いいや、俺のコラッタの方が強いね!」
「よーし、勝負だー! アハハハハ」
とくだらない争いを道のド真ん中でされては、先に進もうにも進めないのであった。
始めこそはは大人しく、少年達が居なくなるのを待っていた静香だが、もう堪忍袋の尾が切れかかっている。
静香が諦めて少年に声をかけようとしたその時――
「やあ、静香ちゃんじゃないか」

「あら、出木杉さん。丁度よかったわ、あの人達をどかしてきてくれない?」
「何だい彼等は?」
「さっきから道を塞いでるの。そのせいで進めなくて困ってたの」
「そうなのか。よし、僕がどかしてこよう」
(ラッキー♪)



静香は手間が省けて内心では大喜びだが、それを顔には出さない。
しかし、出木杉はそんな事には気付かず

ここで静香ちゃんにいいところを見せれば、未来では結婚出来るに違いない!
と勝手に燃えていた。そして――

「おい君達~、そこをどくんだ! 迷惑を考えたまえ!」
「えー、じゃあ僕と勝負して勝てたらいいよ」
「……なんでそうなる?」
「なんとなくかなぁ。とにかく、僕が最初に手に入れたこのコラッタで戦いたいんだ」
「…まあいいか。僕が勝ったら退くんだよ」
「いいよー♪」
「出木杉さん頑張ってー」

こうして、静香が見守る中、出木杉の最初のトレーナーとのバトルが始まったのだった。
「いけ、僕の自慢のコラッタ!」
「まずは様子見で……ゴマゾウ、君に決めた!」
このゴマゾウは今朝、出木杉が目を覚ました時に偶然捕まえたものである。
バトルタワーでドンファンに、出木杉自慢の5Vガブリアスが敗れた事があったので、出木杉はドンファンを育てたいと思っていたのだ。
まあ正確には氷のつぶてを使いたかっただけなのであったが、それは遺伝技であり、
野生で育てても覚えないという事まで出木杉には考えが及んでいないのであったりするが。



そんなこんなで育てられていた出木杉のゴマゾウは、結構なレベルまで育っていた。
そして出木杉は、トレーナーズ・アイでコラッタのレベルを確認する。
(レベルたったの5か……ゴミめ。
可哀想だが捻り潰してやろうか)
「ゴマゾウ、突進だ!」
出木杉のゴマゾウが素早さで勝り、コラッタに突進する。
コラッタを思いっ切り吹き飛ばし、一撃で瀕死に追いやった――

ように見えた。しかし、コラッタのHPはギリギリのところで残ってしまった。
「ちっ、仕留め損ねた! まあいいか、次で終わる」
出木杉はそう考えていた。
「コラッタ、がむしゃらだ!」
命令を受け、文字通りがむしゃらに突っ込んでくる相手のコラッタ。
ゴマゾウのHPは残り僅か
「コラッタ、そのまま電光石火だ!」
ゴマゾウは倒れた!
「この野郎……、許さん! 行け、ベイリィイーフ!」
出木杉のボールからベイリーフが飛び出す。
「コラッタ、アイツに電光石火!」
コラッタがベイリーフにぶつかる。
しかし、圧倒的なレベル差の前ではあがきにもならない。
「ベイリーフ、はっぱカッターで小鼠を潰せ!」
沢山の葉を浴びて、コラッタは力尽きた。
「さあ、終わりだな。早くどけ!」



「……何勘違いしてるんだ? まだ俺のポケモンは残っているぜ!
出てこい、マリル!」
「チッ、予想外だな、だがまだやられ足りないようだな。よし、徹底的に叩き潰してやるぜ!」
そう言いながら、出木杉は相手のマリルのレベルを見る。
表示されたレベルは17、ベイリーフより1高い。
(でも、こちら側は相性面で有利だ、勝てる!)
「ベイリーフ、はっぱカッターで片付けろ!」
「マリル、転がれ!」
ベイリーフが葉っぱカッターを放つよりはやく、マリルは転がり出す。
一方ベイリーフは、はっぱカッターでそれを迎撃する。
葉が小さな嵐のようにマリルを襲い掛かっていくが、それはマリルを仕留めきる事は出来なかった。
一方はっぱカッターを耐えたマリルは、一心不乱に転がって、ベイリーフに猛スピードで近づいてくる。
そして、ベイリーフはそのマリルリの転がるを急所に受け、一発で戦闘不能となった。
「ま……負けた? そんな馬鹿な…」
「ヒャアーハッハッハッハ! まんまと負けやがってww
馬鹿な奴だなwww」
「……僕は負けたの…か…。…クソッ!
……戻れベイリーフ…」



「だが逃がさないぜ! マリル、構わず転がれぇ!」
マリルの転がるが、瀕死のベイリーフに再び襲い掛かる。
ベイリーフは抵抗する事も出来ず、勢い良く飛ばされる。
そのせいで、ベイリーフをボールに戻そうとする光線も届かない。
「俺のターン、マリル、転がる!」
「俺のターン、マリル、転がる!」
容赦なくベイリーフを襲うマリル、出木杉はそれを見る事しか出来ない。
ベイリーフの顔は苦しさで歪み、潰れかかっている。
その目は、意志を持たずにどこかをさまよっている……
「俺のターン、マリル、転が…
「もう止めて! とっくにベイリーフのHPは0よ!」
耐えきれずに悲痛な叫び声をあげ、泣き出す静香。それを聞いた少年は、再び口を開け
「仕方ねえな、今日はこの辺で止めといてやるよ。
最後に耳かっぽじってよーく聞け。俺の名前はヒリュウ、プレイヤーキラーだ! 覚えとけ!」

そう吐き捨てるようにして、ヒリュウは鳥ポケモンで飛び去っていった…



出木杉はしばらくその場で呆然と立ち尽くしていた。
ベイリーフに自分は何も出来なかった、自責の念が募る。
気がついた時には、静香はもういなかった。先に進んだのだろう。
(僕はポケモンセンターに戻らないとな……。)
そう考えて出木杉は気付く。
(ベイリーフをまだ戻していなかったな……。どこにいるのだろうか?)
とりあえず辺りを見回す。……いた。
出木杉がその方向に向かっていくと、少し休んで体力をほんの少しだけ回復したベイリーフが、尾を振って駆け寄ってくる。
そう、本当に嬉しそうに――
「ベイリーフ……」
この時、出木杉は二つの事を想った。
一つは、自分がベイリーフを、そして静香を守れるくらい強くなってみせるという事。
もう一つは、ベイリーフの愛情。この時から彼はポケモンに対し、『ただのゲームデータじゃない』と感じていた―