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――トバリビル

このビルの最上階には、俺を含むギンガ団の重役五人が集まっていた。
「突然の呼び出しすまないな」
「別に問題は無い、ちょうどジム戦が終わったところだったからな」
「そうか…ならよかった。今回の仕事は大掛かりなものとなるのだ」
今回の仕事……旅の途中でも、ギンガ団の行ってきた仕事をいくつか耳に入れたが
そこまで目立ったことはしていなかった。でも……今回は違う。
なにか……大きな目的のある仕事だ。

「もうバッジを六つも手に入れたのか……」
サターンが無機質な目で俺を見つめる。
「シンオウのチャンプになれるかもね」
マーズがどことなく裏のありそうな顔をして、俺に話しかける。
ジュピターは真顔でアカギの顔を見つめていた。

「では話そう、今回の仕事の内容を……」



「ヨスガシティの近くにウラヤマという男が住んでいる、知っているだろう?」
前にのび太と静香の三人でお邪魔した家の主人か。
「そこの主人が、伝説のポケモンに関わる道具を持っているという情報を手に入れた
 今からそれを奪い、伝説のポケモンを捕獲するのだ」
伝説のポケモンの捕獲……すんなり進む仕事とは思えないな。

「マーズ、ジュピター、サターン……
 お前ら三人はウラヤマの屋敷を襲い、伝説のポケモンとかかわりのあるアイテムを奪って来い
 ナナシ……いやソーラ。
 お前はハクタイにあるビルで待機していろ」
なぜ俺だけがハクタイのビルで待機していねばならないのだ……
なにか作戦があるのだろう、今はそれに従っておこう

「さあ行くのだ! ギンガ団の未来のために」



―――ウラヤマ邸

ここには今、ギンガ団の三人の幹部と百人近くの下っ端が訪れている。
この館の主人ウラヤマは、椅子に座らされ拘束されていた。
「答えろ、伝説のポケモンと関連すると言われている道具はどこにある?」
「ワ、ワシは知らん! そんなものはこの家に無い!」
「あら、嘘はよく無いわよ、ウラヤマさん」
「誰かぁ~助けてくれぇ」
ここに勤めていたメイドと執事は、拘束され、別の部屋に監禁されてしまっているのだ。
「無駄よ、周辺に居たトレーナーは皆追い払ったし、
 あなたの執事やメイドも別の部屋でお寝んねしてるわ」

「そろそろ吐いてもらおうか……伝説のポケモンと関わりのある道具の在り処を」
「し、知るか! ワシはそんなもの知らん。ホントじゃもーん」
「なら仕方が無いな……今からここの執事やメイドに話してくることにしよう、過去にあなたが犯した罪をね……」

この言葉を聞いたときに、ウラヤマの顔は青ざめ、目が引きつった。
『や、やめてくれぇ~そのことだけは誰にも言わないでくれぇ!』



―――数年前

どこかに静かに佇む洋館。
ここには年配の男と、その男の娘が暮らしていた。
そして、その男の友人……それがウラヤマだった。

この男とウラヤマは、昔からの付き合いだった。

ある日ウラヤマは、『そこにある二つの石像を譲って欲しい』と言った。
軽い気持ちで言った。それほど値の張る物にも見えなかったのだから。
だがその男は拒否をした。
そこでもう一度ウラヤマは、石像の話を持ちかけた。
すると男は、普段の時には見せることの無いような顔でウラヤマを怒鳴った。

この時、ウラヤマの中には二つの負の感情が目覚めた。
それは『欲』と『怒』
二つの石像を手に入れたいという欲望、意味も無く怒鳴られたことに対する怒り。

ウラヤマの負の感情は、男……そして男の娘を襲った。



男と男の娘を殺害したウラヤマは、
我に返ったウラヤマは、自分の行った行為に嘆いた。
だが、ウラヤマは自分の欲望を優先させた。

ウラヤマは自分の執事を呼び、石像を運ばせようとした。
執事は拒否したが、ウラヤマの目の奥に潜む狂気に逆らうことができず
ウラヤマの命令に従った。

この時にウラヤマは、なぜか石像を一つしか持ち帰らなかった。
家に持ち帰ったのは『満月の石像』だけ
対と成っている『新月の石像』は未だその洋館に放置されているのだ……

ウラヤマはその後、二人の死体を洋館のどこかに埋め、去っていった。



『言うな、言うなぁああああああああああああああああああ』
ウラヤマは目から涙を流し、狂乱する。
「あなたが私達に情報を教えてくれさえすれば、誰にも公表しないよ
 さぁ……教えろ、満月の石像はどこだ、どこに隠した?」
「そこじゃ……そこの床の下じゃ……」
涙の滲む目で、ある一箇所を見つめ続けるウラヤマ。
そこの床を外すと、中から石像が発見された。
「その石像を破壊すれば中から満月の石が出てくる……それが伝説のポケモンに関係してるはずじゃ」

「もういいじゃろ……離してくれ……ワシらを開放してくれぇぇ」
「まだもう一つ聞きたいことがある、お前が殺した男の在住していた洋館はどこだ?」
「ハクタイの森の洋館じゃ…さぁこれで―――」

「塩水!」「火炎放射!」「種爆弾!」「10万ボルト!」

突如、洋館内が攻撃される。
「誰だっ!?」
「お前らに名乗る名前なんて無ぇんだよ! ぶっ飛ばしてやれドダイトス!」
洋館内で盆栽のようなポケモン……ドダイトスが暴れだす。
他にも、エンペルト、ゴウカザル、ライチュウが居る。

「の、のび太君に静香ちゃん!?」

「はい、僕らが来たからには安心してください、ウラヤマさん」


のび太
ライチュウLv44 残りの手持ち不明
静香
エンペルトLv48 残りの手持ち不明
スネオ
ゴウカザルLv45 残りの手持ち不明
ジャイアン
ドダイトスLv46 残りの手持ち不明



「お前は……さっき追い払った餓鬼ぃ
 仲間を連れて戻ってきやがったのか……」
ジュピターは憎々しげな表情で、ジャイアンを睨む。
「私達はギンガ団幹部だ、お前ら如きすぐに潰すことも可能なんだぞ」

『うるせぇ!』

ジャイアンが大声を上げる。それにギンガ団幹部は全員怯んだ。
「俺達はそんな脅しには屈したりしねぇ! 勝負だ、ギンガ団幹部共!」
ジャイアンが、威勢よく一歩前へ進む。
それに会わせて、他の三人も前へと進んだ。
「ねぇ……出木杉やナナシ君には連絡がつかなかったみたいだけど大丈夫なの?」
この威勢を掻き消すような声で、のび太が呟く。
一瞬だけギンガ団幹部が、驚いたような表情をしたが、すぐに普段の表情に戻った。
「あんな奴ら必要無いよ、それに僕らには最強の味方がついているからね」
「最強の……味方?」
この瞬間、なにかが部屋の中に侵入し、サターンに体当たりをした。

「な、なんなんだ一体!?」
部屋の中に入ってきたのは、かぎつめポケモンマニューラ。
「その子は私のポケモンよ……」
「「「お、お前は!?」」」



部屋の中に入ってきたのは、現シンオウリーグチャンピオン、シロナ――
「なぜ貴様がこんなところに……」
「あら、この地方の悪を潰すのはシンオウチャンプとして当然のことでしょ?」
シロナは冷酷な視線を三人の幹部に向ける。

『くそ……今だ! 我々を援護しろぉ!』

サターンは発汗し、明らかに冷静さを失っている。
「無理よ、あなたの部下たちは既に私が全滅させたから」
「う、嘘でしょ!?」
マーズが外を見る、そこにはたくさんの下っ端とそのポケモンが地面にひれ伏していた。
「ちっ……こうなったら数で戦ってやる! マーズ、ジュピター、行くぞ!」
ギンガ団の三人の幹部は、手持ちのポケモンを全てその場に繰り出した。



「マニューラ、辻斬り!」
マニューラの鋭い爪が、フーディンを切裂く。
この攻撃でフーディンは戦闘不能となった。

「馬鹿ね……数で勝負をするならこっちが有利に決まっているじゃない」
ギンガ団側は三人、それに対してシロナ側は五人も居る。
数的勝負だったらシロナ側の圧勝。
なのに、それを挑んだギンガ団側の作戦負けだったのだ。
「くっ……」
「さて、あとはジュンサーさんに連絡を……」

「クククク……馬鹿め」
サターンがふらふらと立ち上がる。それと同時にフーディンも立ち上がった。
「そ、そんな!? なんであの攻撃を受けたのに立ち上がれ……」
立ち上がったフーディンには、何かの布切れのような物が持たされていた。
「気合の襷……この道具の効力は分かるよな?」
気合の襷、HPが満タンの時に瀕死になる攻撃を受けたとしても、HPを一残して耐える道具である。
「既に我々は欲しい情報は手に入れた。
 後はあいつが実行するだけだ。これで我々は失礼させてもらう……」
「逃がすか! ドダイトス、種爆……」
『テレポート!』
フーディンと幹部達の周りが光に包まれる。
そして、一瞬のうちに消滅したのだった。



「ちくしょー、逃がしちまった」
ジャイアンが床に八つ当たりをする。
その間にマニューラが、ウラヤマを拘束していたロープを切裂いた。
「大丈夫ですか? ウラヤマさん」
「だ、大丈夫じゃ……」
口ではそう言っているものの、手は恐怖で震え、顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっている。
「……先ほどの話、聞かせていただきました……」
この言葉でウラヤマは脱力し、ヘナヘナとその場に座り込んだ。
「ウラヤマさん……」
のび太と静香は、ウラヤマを悲しむような目でしばらく眺めていた。

「それより大丈夫かよ! このままじゃギンガ団に石像が」
「満月の石像はなんとか守りきったわ、でも新月の石像は……」
「ハクタイの森の洋館……多分あそこに間違いないよ」
過去にのび太とナナシが一緒に宿泊した、不気味な洋館である。
「今から行っても間に合わないよ……」
「大丈夫よ、いま私の知り合いを向かわせたから」
「知り合い?」



―――ハクタイの森、森の洋館付近

俺はサターンから連絡を受け、この森の洋館へと走って行っている。
元からこの森は暗いが、変装のために仮面を装着しているのでさらに視界は狭まっている。
できればこの仮面を外したい、だが誰かに姿を見られたらまずいからな。

この後も数分走り続け、ついに森の洋館へと辿り着いた。

過去に訪れたとき、また来ることになるかもしれないと思ったが
こんなに早く訪れることになるとはな……
それにナタネから聞いた噂、その鬼の正体はウラヤマさんだったのか……
にわかに信じがたいな。
そろそろ仕事を始めるか……

俺は森の洋館の門へと手をかけた。

『マジカルリーフ!』

俺の周囲を大量の葉が通り抜けた。
「シロナさんから連絡を受けてここに来たけど……」
この声と、マジカルリーフの技……やはりあの人か。
『ギンガ団! ハクタイジムリーダーの私、ナタネが退治してあげる!』


ナナシ
ルカリオLv47、クロバットLv45、ロトムLv43、ラグラージLv46
のび太
ライチュウLv44 残りの手持ち不明
静香
エンペルトLv48 残りの手持ち不明
スネオ
ゴウカザルLv45 残りの手持ち不明
ジャイアン
ドダイトスLv46 残りの手持ち不明



「クロバット、翼で打つ」
クロバットは旋回し、ロズレイドにを羽で叩き付けた。
その攻撃でロズレイドは瀕死となる。
「つ、強い……でも私は負けない!」
既にナタネのポケモンを、二体撃破している。
それに対し、俺はまだポケモンを一体も消費していない。
だがまだ油断はできない。

「お願い、リーフィア!」
イーブイの進化系のリーフィア、防御が高いが
毒タイプと飛行タイプを持ち合わせるクロバットの敵では無い。
「電光石火!」「クロスポイズン!」

――数分後、リーフィアは体中に傷を受け、横たわっていた。
「リーフィアァ!」
ナタネはリーフィアを抱きかかえている。
ジムで戦ったときに使用したポケモンは二体。
ロゼリアが進化したと思われるロズレイドと、ウソッキーは既に戦闘不能。
新戦力のリーフィアも倒した。もう手持ちは残っていないだろう。
「クロバット……催眠術だ」
「うっ……」
クロバットの催眠術を受け、ナタネは夢の世界へと落ちていった。



「これか……新月の石像は」
俺はナタネを倒した後、洋館内に侵入した。
そして俺の目の前には今、新月の石像がある。
「確かこれを破壊すればいいんだよな……ルカリオ、波動弾だ」
ルカリオが石像に手を置く、すると次の瞬間石像は粉々になった。
しかし、その中に一つだけ無傷の石がある。
「これが新月の石か……」
俺は新月の石をリュックの中にしまい、洋館を出た。

外へ出る、すると俺を待ち構えていた人間が居た。
「お前がギンガ団の最後の幹部か……」
トゲトゲした髪形で、狐顔の男――スネオだ。
「女性に手を上げるなんて野蛮だね、僕がぶっ倒してやるよ」
スネオは、腰に装着していたボールを持つ。
こいつにはトバリシティでの借りがある。
あの時の屈辱、ここで晴らしてやる。
「勝負だ!」
お互いにモンスターボールを投げた。



スネオの一番手はテッカニン、対する俺はクロバットだ。
「テッカニンのスピードに追いつけるかな? 剣の舞だ」
テッカニンが鋭い舞をする。攻撃力の増加か。
詰まれると厄介だ、一度の攻撃で叩き潰す。
「追いつく必要など無い、ブレイブバードだ!」
『なに!?』
テッカニンの素早さを持ってしても、ブレイブバードを回避するのは不可能だった。

クロバットの奇襲を受け、一撃で戦闘不能となるテッカニン。
「戻れテッカニン! 行って来いトリトドン!」
倒れたテッカニンをボールに戻し、スネオは新たなポケモン、トリトドンを繰り出した。
このポケモンは、カウンターやミラーコートを使いこなす反射型ポケモン。
ならこちらはこのポケモンで行こう。
「戻って来いクロバット、ルカリオ行け!」
俺がルカリオを出した理由はただ一つ、ルカリオには物理型と特殊型の二通りがあるからだ。
おそらく、スネオはこのルカリオがどちらの型だかは分からないだろう。
すると行うのは……普通の攻撃技だ。



「地震だ、トリトドン!」
トリトドンが地面を揺らし、衝撃波を発生させる。
「電光石火で木に飛び移れ」
ルカリオは素早く木に飛び移り、地震を回避した。
この行動でスネオは笑みを浮かべた。

「水の波動を木に当てるんだ!」
リング状の水が、木に向けられる。
「電光石火で背後に回れ……」
再びルカリオは電光石火を使用し、トリトドンの背後に回る。
この瞬間、スネオは満面の笑みを曝け出した。
『この瞬間を待ってたんだぁ! トリトドン、カウンターだ!』
「波動弾」
物理攻撃を反射するために待機していたトリトドンに
特殊技の波動弾が命中する。
隙だらけのトリトドンは、波動弾をモロに受け、一撃で戦闘不能になった。



「そんな……僕のトリトドンが……」
スネオが瀕死になったトリトドンを庇う、いい気味だ。
電光石火を使用し、ルカリオを物理型だと誤認させる。
そして、その後特殊技を使用すれば大きな隙ができ、波動弾は急所に命中するのだ。
「大丈夫か、スネオ!?」
この声はのび太……?
他にももう一人居る、あれはシロナ……
こんなに早く再開することになるとはな。

「大丈夫、ナタネ!?」
シロナがナタネを抱き起こす。
「う……シ、シロナさん?」
ナタネが目を覚ました。催眠術の効果が切れたのだろう。
「ごめんなさいシロナさん! 私……私……」
「謝ることはないわ、それよりもそこの幹部!
 今から私が相手をしてあげるわ、今回は前みたいに手は抜かないわよ」
まずい……今の実力じゃシロナに勝利することなどできない。
「僕に続けさせてくれ、このままじゃ収まりがつかない!」
初めて見るスネオの勇姿、心に来る物がある。
だがスネオ……お前が勝利することは無い。
トバリシティでの怨み…晴らさせてもらう。



「行けぇゴウカザル!」
スネオの最強のポケモン、ゴウカザルが出てくる。
ルカリオとは僅かにレベル差があるが、それでも素早さで勝利できるかどうかは怪しいな。
「ゴウカザル、森に身を隠せ!」
ゴウカザルは飛び上がり、森の中へと去っていった。

「何の真似だ?」
「見てれば分かるさ」
これでは何を仕掛けてくるか、どこから仕掛けてくるかが全く分からない。
だがこれは致命的なミスだな。
ルカリオにとって、ゴウカザルとは天敵の様なもの。
それならば交換するのは当たり前の話だ。
スネオはわざわざその隙を、俺にプレゼントしてくれたのだ。

「戻れルカリオ、行けラグラ――」
『カクレオン、あいつの仮面を剥ぎ取ってやれ!!』
「なっ…しまっ……」
突然、俺の目の前にカクレオンが現れる。
その瞬間、俺の視界は一気に明るくなった。


ナナシ
ルカリオLv47、クロバットLv45、ロトムLv43、ラグラージLv46
スネオ
ゴウカザルLv44、トリトドンLv41、テッカニンLv39、カクレオンLv37