ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

バトエン その2

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akakami

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一ヶ月後…

一年に一度の大会。
それは、最高の体調、最高の仲間。
そして最高の場所で行うべきである。
例えば卓球の夏大会。
いくら使用する範囲が少なめだからといって、小学校の体育館を使うだろうか。
それと同じ。 バトエンの一年に一度の大会の場面は…


東  京  ド  ー  ム


…のふもとの敷地内である。
なんと素晴らしい事だろうか。
しかもその日は、巨人vs広島の感動の試合の日だ。
そんな人が賑わう中、夢を持った少年、少女、中年、老人が集うのだ。

掌に汗とエンピツを握り締めて。



AM11:00

「まもなくバスが出発しまーす 各自エンピツを忘れないように」
アナウンサーの声が響き渡る。
東京ドームへは、高速を通り、専用のバスで行く事が出来る。
地下鉄を使えばいいのだが、これには大きな「意図」があるのだ。

そう、「交換」である。

バスは最近よくある二階建て。
通路の中心には、縦長の大きなデスクが置かれている。
バスの中で見知らぬ人と語り合うもよし。
新しい戦力を入れるもよし。
練習試合をするもよし。
全ては自由なのだ。 東京ドームに到着するまでの2時間は。

さまざまな期待を乗せ、バスは出発する。



~バス内にて~

「ねぇ、そこの眼鏡の君。」
「な、なんだい? 僕は今パーティの組立に忙しいんだ…」
のび太のパーティはまだ出来上がっていなかった。
「今更出来てないの!? それは酷いな。
それにしても君のコレクションはすごいな。
コモン(ノーマル)からキラまで揃ってる。」
「あ、それは友達から貰ったんだ。凄い金持だから。」
「へぇぇ… 少し僕に見せてくれる?」
「え…… ちょっと待ってね。
もうすぐパーティが出来上がるから…」

のび太が言い切る間もなく、その少年はキラエンピツを取り上げていた。



「へぇぇ~ これがミュウツーか…
初めてみたよ。」
少年が手にしているのは、スネオのとっておき、ミュウツー。
脅威的なその強さに、ヤフオクでは100万以上の値が付けられているとか。
恐らくコピーだろうが。
「これが… 伝説ノカーど… ミュウツー…」


バキィィッ

「!!?」

バス内に、鋭い音がこだまする。
その音は、まるで木の小枝を踏みつけた…
いや、それとは比べ物にならない。 箒が折れたような音だった。



「これでミュウツーを持つものは他にいないな…」
急に少年の雰囲気が変貌する。
まがまがしい空気が周りに広がる。
「な、なんてこと…」

「知ってるかい? この世界に、『ミュウツー』は4本あった。
一本~三本までは、イギリス・スペイン・エジプトの餓鬼が持ってたよ。
俺はそれを奪ったよ。
金は何千万と積んださ。
それでも奴らは譲らなかった。
仕方ないから、我が会社の力を見せてやったら素直に渡したよw
中には自殺にまで追い込まれた奴もいたな… おっと、通報しないでくれよ。

そして最後の一本は… もう使い物にならないな。」

少年は足元のエンピツを踏みつける。

「一パーティに同じエンピツは3つまで。
俺は伝説のミュウツー軍団を作るのさ!」



「な、なんて事を…」
周りの人の視線が、その少年に集中する。
今までそれほどね偉業を成し遂げた人は居ないからだ。

「…僕は君がどんなパーティを作ろうが興味は無いよ。」
「ふんっ 負け惜しみを
実は君の腹腸は煮えくりかえっているんだろ?
ポーカーフェイス気取ってクールに決めてるみたいだけど手が震えてるぜ。」

「いいか、僕は君がミュウツー軍団を作ろうが作らまいが興味無いね。」
「だから負け惜しみを言うなよ…」


「どうせ僕が君を倒すからさ」

この一言で、周りの人の目線がのび太に移る。



「馬鹿め! パラレアのミュウツーを倒すだと?
笑わせるなよ!」
「せいぜい吠えときなよ。
君の実力ではミュウツーを使いこなせない、その事を"予選"で教えてやるよ。」
「ふ… なら楽しみに待っておくよ。」
少年は二階へと上がっていった。


「お、おい。 君。」
パーティ結成を再開したのび太に、中年の男が話しかけて来た。
「なんですか?」
「とんでもない子に喧嘩売ったなぁ。
あの子は確かおととしの優勝者…
腕の良さは折り紙付きだよ。」
「へぇ、でも去年負けたんなら弱者ですね。」
のび太は眼中に無いようにパーティを組み続ける。

「ええと… 確か名前は……」




東京ドーム

『お前らー 優勝したいかー』
『オー』

参加人数数100人の大きな大会。

「なんとか間に合った… これならミュウツーに勝てる!」
「何に勝てるって?」

突如背後に現れた少年。
こいつこそ、スネオの魂のエンピツを折った男だ。

「ミュウツーに勝てる訳ないじゃんw 夢見てんじゃねーよ」
「寝言は寝てから言いやがれ。 のび太が負ける訳ないぜ」
「何だ? このブタゴリラは… 邪魔だ!」
「んだと、てめえ!」
「お、落ち着いてジャイアン」

「う る せ え」

突然鳴り響いた声。 その声の正体とは!?



大きな声の主。 それはバトエン界の偉人、「馬場 鳥男」だった。
「開会式を始める! それぞれ整列しろ!」

マイクが壊れんばかりの怒声を浴び、人々は整列する。

「え~ これよし開会式を始める。
まず、去年のチャンピオンの出木杉 英才君の挨拶だ。」
「ゴホン、え~ ようこそ。
木の葉が芽吹き、春が近づいてきましたね。
~~~~~中略~~~~~
本日は、決して不正行為が無い用に、最高の大会にしましょう。
終わります。」

拍手がぱらぱらと起きた。
出木杉 英才。 校長に向いている男だ。



「次にルール。
予選は各自戦っていき、5勝したら本戦出場だ。
負けた選手は即退場。
そして、5勝したあかしに、負けた相手のエンピツを一本奪う事とする。
つまり、戦えば戦うほど自分のパーティが強くなるだろう。
制限時間は15:00まで。
この私に11本のバトエンを見せろ。
よし、行けい!」

説明が終わり、各自がばらばらに走り出した。
のび太の狙いはただ一人。

「狙いはあいつ… 海山択戸だ」
「呼んだ? ちょうど俺も君を探してたんだ。」
「それなら話は早い。 いくぞ!」



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