ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

赤髪作殺人事件 推理編

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akakami

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「早朝からすいません、ノート警部」
「気にするな、お前らの方がずっと辛いんだ」
出木杉未来が、現場の指揮を取っているノートと会話をしている。
「今、部下達がこの樹海の周辺を調査している。
 もしかしたら、殺人犯が潜んでいるかもしれん」
ノートの言葉を聞き、皆、安堵する。
「警部さん、私達のことは疑わないのですか?」
Lがノートに話しかける。
「て、てめ、なんて事を言うんだ!」
ギンガが、Lに突っかかろうとする。
「………実は、お前らも容疑者の中に入っている……」
ノートの言葉で、場は凍りつく。
「嘘だろ……警部さん!?」

「仕方が無いだろ、俺だってできればこんなことはしたくない
 だがな、考えてみろ……
 もしお前らの中に殺人犯が居たとする。
 そこで俺らが何もしなかったら、そいつは絶対に改心しない
 それはお前らにとっても、そして犯人にとってもいいこととは言えないだろ……
 ……だから、俺たち警察に強力してほしい」



ノートは、皆に頭を下げている。
年上の人間が年下の人間に頭を下げる。
普通はなかなかできないものを、この警部は平然とやってのけた。
それに対し、皆は心を打たれたのか
全員の答えは、Yesだった。

「その代わり、こちらにも条件があるわ」
「なんだ、言ってみろ」
「私達にも、この事件を調査する権利が欲しい。できるかしら?」
Lの発言に、その場に居た全員が驚いている。
ノートは、少し悩んだ後にこう言った。
「いいだろう。その代わり、現場を下手に荒らすなよ」
Lは、ノートの発言に歓喜した。



「調査の前に、まずは事情聴取だ
 聞いたところ、赤髪の死亡推定時刻を出すのは難しいそうだ。
 そこでお前らに、赤髪がいつまでは生存していたかを教えて欲しい」
「確か、赤髪は薪拾い競争の時までは生きていた」
挑戦者がノートにそう言う。
「つまり、薪拾い競争以降は、姿が見えないわけだ
 薪拾い競争が始まった時間と、終わった時間を教えて欲しい」
「16時20分くらいに始まって、ちょうど30分ぐらいで終わったんだよな、アクアマリン?」
「僕が時間を計っていたから、間違い無いね」
「すると、被害者のおおよその死亡推定時刻は16時20分~17時くらいか」
「薪拾い競争に参加していた奴は誰だ?」
「僕と、ギンガとドラAAモンと赤髪の四人です」
「薪拾い競争をしている間、他の人間は何をしていた?」
「皆、広場に集まって、それぞれ別の仕事をしていました」
アクアマリンの言葉を最後に、ノートはメモ帳を閉じた。

「悪いが、薪拾い競争をしていた3人には、少しは話を聞かせてもらうことになる」
「ちょ、なんでだよ!?」
「お前ら3人は、赤髪の死亡推定時刻時にアリバイが無いからだ」
「……分かったよ」
ギンガは、反論しようとしたが、さっきのノートの言葉を思い出し、静かになった。
「だが最初に言っておく、俺はやってない」
ギンガはそう言い放った。
「俺もだ」「……僕も」
続いて、ドラAAモン、DPその2も同じことを言う。
「信じてるぜ、L……」
3人は、ノートと一緒にどこかへと行ってしまった。



「どうします、Lさん?」
「決まってるでしょ?事件を調べるのよ」
Lと活劇が、廊下を歩きながら、会話をしている。
「とりあえず、ルビーの死体が発見された場所に行きましょう」

――地獄の炎の部屋

数人の警官が居たが、ノートの言葉が通っていたようで、すんなりと入ることができた。
「あの後あの部屋を調査したけど、扉の鍵も掛かっていたし
 窓も閉まっていた、どうやら密室だったみたいね……」」
「密室って……じゃあルビー先輩はどうやって!?」
「さあ……まだ死因すらも分かっていないのよ……」
「原因は不明ですが、窒息死だそうですよ」
近くに居た警官がLにそう告げた。
思わぬ人物からの情報、これにLは感謝した。

Lは警官に礼を言い、再び調査に戻る。
「……何かしらこれは?」
Lが注目したのは、ゴミ箱に捨てられていたガムテープの塊だ。
「ガムテープ……ですかね?」
「そんなこと分かってるわよ、何でこんなものがここにあるかよ」
「さぁ……」
Lと活劇の会話は、それ以降、途絶えてしまった。



Lと活劇は、地獄の炎の部屋を出て、廊下を歩いていた。
「Lさん、ちょっといいですか……?」
「何かしら?」
活劇は、何か後ろめたそうにLに尋ねる。
「赤髪先輩の死体が見つかったときに、ギンガ先輩が
 この部はどんどんと人が死んでいくと、言いましたよね?」

《何でこの部は、どんどんと人が死んだり居なくなったりするんだよぉ……》

「……えぇ」
「それって、つまりこの部で過去にもう一人
 失踪したり、あるいは亡くなったりした人が居るということですか?」
「……随分と勘が鋭いわね……」



「演劇部には1年前に、キョーコという先輩が居たの
 彼女は、有名な劇団からオファーが来るほど素晴らしい人だったわ……」
活劇は、神妙な顔をしてLの話を聞いている。
「しかし、ある日突然失踪したのよ……」
Lの顔が暗くなった。
「あの人は、とても明るい人で誰にも言わずに失踪するような人じゃなかった……」

「ここからは"噂"だけどね、キョーコ先輩の失踪の原因がワタリ達にあると言われてるのよ」
ワタリ達……ワタリ、ルビー、赤髪の三人のことだ。
「ワタリ達が、キョーコ先輩の女優として生きる道を
 なんらかの方法で断ち切った……これが演劇部内で伝わっている噂よ」
「でも、それってただの噂じゃ……」
「皆はワタリ達なら、やりかねないと言っているわ」
ワタリ達三人は、演劇部内に留まらず
学校内でも有名な不良である。



「実際にキョーコ先輩も居なくなっているわけだし、
 私はこの噂は真実だと思っているわ……」
「それなら、実際に確かめていてはどうでしょうか?」
「……どういうこと?」
「ワタリ先輩に、聞いてみればいいんですよ
 今回の事件で、手下の二人が亡くなっていますし
 既に身の危険を感じたりしてるかもしれませんよ」
「……今のワタリなら喋るかもしれないわね、行ってみましょう」
Lと活劇は、ワタリの元へと向かった。



ワタリは、挑戦者と一緒に劇場の舞台に腰を掛けていた。
「なんだよ……何か用か?」
ワタリは、Lと活劇に冷たい視線を送る。
挑戦者は無反応である。
「用があるからあんたに話しかけたのよ
 そろそろ聞かせてもらうわよ……キョーコ先輩のこと」
"キョーコ"この単語が出てきたときに
ワタリの顔は青ざめ、瞳孔が見開いた。

「お、俺は知らねぇ、俺は何もやってないぞ!!」
狂ったようにワタリは、暴れだした。
これに反応して、挑戦者がワタリを取り押さえた。
「何するんだ挑戦者!?離しやがれ!!」
ワタリは必死に抵抗するが、その拘束は解けることはない。
「今、ワタリを刺激しないでくれよ」
挑戦者が、ワタリを押さえつけながら叫ぶ。
「す、すいません!!」
「分かったなら、どこかへ行ってくれ!」
Lと活劇は、劇場から出て行った。



劇場を追い出された二人は、再び廊下を歩いていた。
「結局、キョーコさんの情報は手に入りませんでしたね」
「そうでもないわよ」
「どういうことですか?」
「あそこまでワタリが真っ青になって暴れだす、無関係とは言い難いと思わない?」
Lの眼が鋭く光る。
「そ、そうですね」

「いや、実際そうだよ」
奥のほうから声が聞こえる。
声の主は、出木杉未来。
「部長!」
「事件の調査をしているみたいだね、僕も考えているけどさっぱりなんだ」
「そう、それよりもどういう意味かしら?実際そうだよって…」」
「言葉の通りだよ、キョーコ先輩の失踪にワタリが関わっているんだ」
出木杉未来の言葉で、Lは僅からながら動揺する。
「僕の父が、医者だっていうのは知っているよね?」
「ええ、あなたも少しは医学を勉強しているみたいね?」
「どうしてそんなことが分かるんだい?」
「ルビーの死体が発見された時に、あなたはルビーが死亡したのを確認していた
 脈を計る程度は一般人にでもできるけど、死体のを計るのはなかなか勇気がいるわ」
「そんなことで見抜くとは…君は本当に凄いよ……
 誰にも言わないでくれよ、キョーコ先輩の情報を…」



【次回予告】
―ワタリ達の悪事、それがついに暴かれる。

事件はゆっくりと光へと近づいていく。

ゆっくりと……確実に……

次回、推理編2に続く



キョーコ先輩は、出木杉未来の父親の勤める病院に入院していた。
入院の理由は手足の複雑骨折。
原因は不明――ただ体に打撲の痕があることから
おそらくは高いところから落ちた、または落とされたかのどちらかだと思われる。
本人に聞いても、何も喋らない―喋れないのかもしれない。
結局のところ、原因は誰も知らない。本人でさえも……

「これは病院の関係者しか知らないんだ、本当は君にも喋っちゃいけない
 しかし、あの噂と今回の事件が関係しているなら
 僕は君に教える義務があるのだと思う……」
出木杉未来は、今までに見たことも無いような険しい顔をしている。
「そしてもう一つ、この情報は隠蔽されているんだ…
 上からの圧力によって……」
「上からの圧力?」
「おそらくワタリの父親だ……あいつの父親はその筋の人間とそれなりに親しいみたいなんだ
 父の病院になんらかの圧力を掛けているんだ」
「それって…つまり……」
「ああ、おそらく間違いないだろうね、あの"噂"は……」
この言葉に活劇は唾を飲み込み、Lは拳を強く握る。
「この情報は君達二人だけの心の中に秘めていて欲しい、じゃあ」
出木杉未来は乾いた足音をたてながら去っていった。

「Lさん……」
「分かってるわ…」
Lは怒りを隠せないようだった。



シュゥゥゥゥゥン

「俺は二番かよ……」
「けっきょくおれがいちばんはやくてすごいんだよね?」
「デボンの御曹司っすかwwwwww」
賑やかな声が聞こえるのは、炭水化物の部屋。
マリカ四天王が宿泊している部屋だ。
「また……マリカやってますね……」
「こんな時に……本当に呆れるわ……」
「昨日の夜はミュウが一番だっただろ……」
「寝る時間削ってまでマリカをやってるとは……」
活劇が間抜けな顔をしながら、Lの顔を見る。
しかし、Lは活劇とは違い厳しい顔をしていた。
「ど、どうしたんですか?」
「分からないの!?昨夜起きていたとしたら
 ひょっとしたら、事件の音とかを聞いているかもしれないじゃない!」
Lの言葉を聞き、活劇は間抜けな顔から、真剣な顔に戻る。
そのまま二人は、炭水化物の部屋の中に飛び込んだ。



「な、何なんだよお前ら!?」
ミュウが、顔を引きつらせながら二人を見ている。
「昨夜あなたたちはずっと起きてたの!?」
「は?」
「いいから答えなさい!」
「は、はいぃ!ずずっとじゃないけど……そうだ二時ごろまでは起きていたよ」
怯えながらミュウは、Lに話しかける。
「その間に、何か物音とかは無かった?」
「俺たちゲームやってたしなぁ……」
「ゲームやってたりすると、雑音は聞こえなくなるしね」
ミュウと書こうかは、難しい顔をしている。
「あっ!そういえばいつだか忘れたけど、外で1回だけ川に何かが落ちたような音がしたよ」
「本当!?」
「ああ、そういえば大きな音がしたなぁ、いつだったっけミュウ?」
「えぇーと……ちょうど12時前ぐらいだったと思うよ」
「ああ、そうだな……それよかL、いきなり人の部屋に入ってくるな!」
「悪かったわね、それよりも随分眠そうな顔してるわね皆…」
「なんせ12時から2時までゲームやって、その後早く起きてたからね」
「呆れた……ゲームもほどほどにしておきなさいよ」
「はいはい、分かったよ……」
Lと活劇は、炭水化物の部屋を出た。



「12時前の大きな音……怪しいですね。Lさんは正体分かりますか?」
「それをこれから調べに行くのよ」
Lと活劇は、下駄箱に向かって走り出した。

「早くしなさい、活劇!」
「そ、そんなこと言われたってぇ」
Lと活劇は、廊下を走っている。
だが、二人の足の速さの違いで、かなり差が広まっている。
しかし、活劇の足が遅いのではなく、Lが速すぎるのだ。
「ったく……遅いわね……」
Lは、不機嫌そうな顔をしながら、下駄箱にある自分の靴に手をかける。
その時に、ある物に目が行った。
「これは……赤髪の靴……?」
Lが手に取っているのは、真っ赤な色をした靴だ。
「ハァ……ハァ……やっと追いついた……Lさん何をやっているんですか?」
「まさか……でも、これなら何もかも辻褄が合う」
「あ、あの……どうかしたんですか?」
「赤髪殺しのトリックが分かったわ」
「ど、どんなトリックなんですか!?」
「後で説明するわ、それよりも屋上へ行くわよ!」
「ちょ、ま、待って」
活劇が、次の言葉を発しようとしたときは
既にLの姿は見えなかった。



――屋上

Lは、無言である物を見ている。
「やっぱり、そうだったのね」
「犯人も分かったんですか?」
「ええ、後はルビー殺しのトリックだけよ
 とりあえず、再び現場に行ってみましょう」

Lと活劇は、また地獄の炎の部屋へと向かった。



――地獄の炎の部屋

数人居た警官も、今は居ないようだ。
「そういえば、大量のガムテープは何に使われたか分かったんですか?」
「それを調べるために、ここの部屋に来たんでしょう」
Lは、ゴミ箱の中に入っていたガムテープの塊を手に取った。
「……埃……が付着してるわね」
ガムテープには、他にも糸くずなどが付着していた。
「これは……多分、この部屋のどこかについていたものね」
Lの言葉で、活劇は辺りを見回した。
しかし、そのような痕跡のある箇所は見つからなかった。
「分かりませんね……」
「犯人の意図が分かれば、不思議と答えは見えてくるわ」

Lと活劇は、再び調査を開始した。
「ルビーは下のベッドで寝ていたのね……」
下のベッドには、ルビーの所持していたDSが置かれていた。
「Lさん、ちょっとこっちに来てください」
活劇が突然Lを呼ぶ。
「どうしたの?」
「何か、ここが湿っているみたいなんですよ」
活劇が、部屋の中央の床を叩き続けている。
「……分かったわ、ルビー殺しのトリックが」



「ほ、本当ですか!?」
「お手柄ね、活劇。
 これから、私はノート警部に自分の考えを話してくるわ
 あなたは他の皆を集めておいてちょうだい……この部屋にね」
「わ、わかりました!!」
活劇は、心の底から嬉しそうな顔をして部屋を出て行く。
そして、Lもゆっくりと立ち上がった――
その顔は、厳しくもあり、悲しくもあるようだった……



【次回予告】
「わざとじゃないんだ……わざとじゃないんだ……うわぁあああああああああああああ」

複数の散らばった証拠品――

それが今ここに結集し、一つの道を開く。

そして、次回……ついに殺人者の正体が暴かれる

「……あなたがこの殺人事件の犯人よ…」

次回、解決編1に続く


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