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「犯人は……あんただ!」



「ウソ……だろ?」



辺りを沈黙が包む



「この事件の真犯人は……赤髪!あんたなんだよ!」
暗闇に浮かんだ赤い髪。
そして、死んだはずの赤髪の元気な姿が……そこにはあった。

「ハハハ!俺が犯人?
 冗談は止めろよ。俺は今まで屋上で寝てただけだぜ?
 ってか何でこんなに警察集まってるんだ?マジ今北産業だぜ」
「赤髪、てめぇ!」
「落ち着け、ジャイアン。
 ……赤髪。お前のトリックは、もう全部暴かれたんだ」
「何…?面白いな。聞かして貰おうじゃないか」
「ああ、たっぷり聞かしてやるよ。
 俺の話が全部終わる時が……お前の最後だ!」



「まず、みんなに言っておきたいことがある。
 実は、この事件の始まりは今日じゃないんだ」
「な、どういうことだよ!」
「この事件は……もっと前から準備が開始されていたんだよ。
 そう、この殺人事件の犯人をDPその2に仕立てあげる為の準備がな!」
ノートの言葉に、周りがザワつき始める。
「ちょっと待てよ!」
DP3と出木杉未来が闇から現れる。
「じゃあ俺達が聞いた噂は…」
「その噂は、赤髪がネットの掲示板や口コミを使って流した全くのデマさ!
 つまりこの事件は、最初からワタリを殺し、
自分も殺して、その罪をDPその2に擦り付けることが目的だったんだ!」



「赤髪、どうだ?罪を認めるか?」
黙り込む赤髪。
だが、その目はまだ狂気を失っていなかった。
「おい、ノート!肝心なことを忘れるなよ!
 理科室の密室、美術室の死体の謎、そして俺が犯人だという証拠がまだだろ!」
「ノ、ノート。大丈夫なのか?」
「平気だ、ジャイアン。
 ……それじゃあ場所を移すとするか。まずは理科室の密室から説明してやるよ」

ガラッ
理科室に入るノート。
そして、その後を赤髪、仲間達、警察数人が続く。
「で、どうやって密室だったこの部屋に入ったんだ?
 まさか俺が念力だけで、鍵を開けられるエスパーとか言うんじゃ無いだろうな?」
「少し…違うな。
 お前は鍵を開けたんじゃない。鍵を閉めたのさ」
一気に青ざめる赤髪。
そして、ついに我慢出来なくなった警察が叫んだ。
「ジラさないでさっさとトリックを教えてくれ!」

「分かったよ。
 ……俺達は勘違いしてたのさ。
 ドアを壊したあの時、ドアに鍵なんて掛かっていなかったんだ!」



「鍵が……掛かって無かった?
 おいおいノート。ドアが開かなかったのは、俺達が一番知ってるはずだろ?」
「確かに開かなかった。
 このトリックは学校という場所だから出来る、特殊な仕掛けだったのさ。
 そう、横にスライドする特殊なドアだから出来る、な。
 みんな、ちょっと外に出ててくれ」

【五分後】
ガラッ
「お待たせ、みんな」
「ノート。で、どうやって鍵を…」
「もう閉めたさ」「えっ…!?」

ドアに飛びかかる警察。
だが、どんなに力を入れても、ドアが開くことは無かった。
「はぁはぁ……どうなってるんだ、こりゃ…」
「まぁドアを外してみて下さい。全てが分かりますから」
ガコッ。
大きな音を発て、外れるドア。
そして、皆の目に入ってきた物は……

「お、折れたホウキ?」



皆の目に入ってきた物は、ドアに折れたホウキだった。

「どういうことだ…」
「簡単なトリックさ。
 ドアを半分ほど開けて、このホウキの柄をドアと壁の隙間に立て掛ける。
 そしてドアを閉めれば、ホウキがスライド部分に倒れて、突っかえ棒になるって訳さ。
 ホウキの柄は意外にもかなり強度がある。大人の力でも開けるのは無理なんだよ」
呆然とする周り。
「簡単過ぎじゃない?」
思わずミュウがそう漏らしてしまった。
「そうだ。確かにこのトリックは単純明解。
 だけど、このトリックがバレない為に赤髪はある細工をしていたんだよ」
「細工…って?」
「倒れたドアの周りより、目が行く物を理科室に置いたのさ。
 そう、ワタリの惨殺死体をな……」
「!?」
「そ、そうか!
 誰だって血だらけの教室の机に、人の首が置かれたらそっちに目が行く!」
「そう。わざと教室を血だらけにしたのもその為だ。
 誰だって、血の海の教室をずっと見ていることは出来ないからな。
 こうすればドアの付近にあるホウキの柄は、まず見つからない
 しかもだ。もし警察が折れたホウキを見つけたとしても、
 ここは学校。別におかしくは無い。
 警察は疑いもせず、ゴミ箱に捨てるだけだ。このホウキもゴミ箱の中から見つかったしな」

そう言い終えると、ノートはホウキの柄を床に捨てた。



「…………」
「どうした赤髪?ギブアップか?」
「まだだ…まだ証拠と死体の謎が……」
「良いだろう。お前にトドメを刺してやる。ついてこい」

【美術室】
「深夜の美術室って怖いな……」
「あれ?お前もしかしてビビってるの?」
「ち、ちげぇよ!何だよ、ルビー。本当はお前がビビってんじゃねぇの?」
「な、何言ってんだ!!!俺がこの程度でビビる訳…」
ガン!
「うわぁぁぁあ!!!お化けだぁぁぁあ!!!」
二人は、そう叫びながら暗い廊下の奥へ消えていった。

「何やってんだ、あいつら…
 まぁ、良い。それじゃあ事件の最後の謎を説明する。
 赤髪は昼食に入ってすぐ、ワタリを理科室に呼び、気絶させた。
 次にその状態のまま、ノコギリで首を切り取り殺害。
 そしてその時、両手両足も切り取ったんだ。何でかは、もう分かるだろ?」
「両手両足、首が無い死体だろ……それってまさか!!!」
「そう、美術室で焼く自分の代わりの焼死体を作る為、
 いや、「赤髪はもう死んだ」と周りに思わせる為の死体を作る為だ。
 そして計画通り、ワタリを殺した後赤髪は教室で暴れ、
他の容疑者、いやDPその2のアリバイを曖昧な物にしたんだ。
 だが、ここで1つ目の予想外なことが起きる。
 それは……ジャイアンがこの教室に残ったということだ」



「お、俺なのか!?」
「そうだ、ジャイアン。
 みんな教室から出ていくと思っていた赤髪は、きっと焦っただろうな。
 無理やり教室を出た赤髪だったが、追い掛けてくるジャイアンをなかなか撒けず、
 自分を殺すのが予定よりも遅れてしまったんだ。
 そしてここでまた、1つの誤算が起こった」
「……それは何なんだ?」
「赤髪はワタリのバラバラ死体をバッグか何かに詰め、
 美術室のそうじ道具入れの中に隠していたんだ。
 そして、ジャイアンの追走を振り切った赤髪は、
 素早く死体を道具入れから取り出し、美術室の真ん中に置いて、ガソリンを火種に炎上させた。
 そう、ここまでは順調だったんだ。
 だが、美術室の外に出た赤髪は、階段の下からある人物が近づいてくるのに気づく」
「そうか、それがDPその2だったのか」
「そうだ。美術室は三階の端にある。
 もし階段を下りず、向かい側の廊下へ走って逃げれば、必ず誰かに見つかってしまう。
だから、赤髪はしょうがなくある所へ隠れることにしたんだ。
 掃除道具入れの中にな」



「そ、掃除道具入れだって!?」
「じゃああの時のホウキは…」

「赤髪は急いで中の掃除道具を取り出し、炎の中に投げ捨て、中で息を潜めた。
 これは、燃え残ったホウキが見つかったことからも良く分かる。
 そして、俺や警察が周りに集まる中、
 赤髪は掃除道具入れの中で音を発てず、隠れていたんだ」
「あの時、すぐ近くに赤髪が居たのか…」
「ああ。バレなかったのは幸運。
 だけどこの時、最悪の不運も赤髪は呼び寄せちまったんだ。
 DPその2にでは無くて、ジャイアンに疑いがかかる不運をな」
「そうか……赤髪の計画ではDPその2が犯人ということで、この事件に幕が下りる予定。
 ジャイアンに疑いがかかってしまったら、計画は台無しになってしまう」
「その通り。
 そして、不運に焦った赤髪は、ついに最大のミスをしてしまう……」
「早く続き!いちいちジラすなって!」
「……そのミスとは、DPその2が知るはずの無いことを知っていたという矛盾だ」
「そうか、確かにおかしいぞ!」
「えっ…どういうことだよ」
「未来、良く思い出せ!
 DPその2は、ジャイアンに疑いがかかった時、あの場に居なかったじゃないか!」
「あっ!!!」
「そう、ジャイアンに疑いがかかったことを知っているのは、あの場に居た者だけ。
 赤髪は焦りのあまり、DPその2の知るはずの無い事実を、
 DPその2の遺書に書いてしまったんだ!」



「ぐっ……証拠は何処だ!俺が道具入れに居たって証拠は!」
「証拠……ね」
それだけ言うと、ノートはポケットから何か取り出した。
「掃除道具入れの中に落ちてたぜ。
 この、赤い髪の毛がな」
「な!?…それは」
「道具入れの中には、ワタリの物の血液も検出された。
 そして、お前の家がワタリに多額の借金をしていたことも判明している
 もう言い逃れ出来ないぞ!

 もう一度言う。この殺人事件の犯人は……赤髪、あんただ!!!」



ドサッ
床に座る赤髪。
その赤髪を警察が囲む。
「赤髪、学生二人の殺人容疑で逮捕す…ぐぇあっ」
そう言い終わる前に、赤髪は警察に蹴りを食らわした。
「赤髪、待つんだ!」

ダッダッダ ガチャッ
屋上へ逃げ込む赤髪。
「くっ、まさか赤髪の奴……誰か赤髪を止めてくれ!」
ノートの視界に入ったのは、フェンスの上に立つ赤髪の姿だった。
「赤髪!自殺何かしても何も変わらない!止めろ!」
「うるさい!……借金に追われ、親父はアル中、お袋は自殺した。
 そんな俺の気持ちが分かるのか!
 ワタリもそうだ……親友だったクセに……俺を裏切りやがって……
 もう生きるの何て真っ平なんだよ!」
「待って!」
皆一斉に後ろを振り返る。
「メ、メグミ?」
そこに居たのはワタリの彼女、メグミだった。
「あなたは勘違いしてるわ!
 ワタリ君は……確かに表では赤髪君の借金を水増ししてると言ってたわ。
 でも……裏では赤髪君の借金を減らしたり、授業料を肩代わりしたりしてたのよ!
 二人で居る時も、話せばいつも赤髪君の心配ばっかり……
 ワタリ君はね。表には見せないけど……凄く優しい人だったのよ!」
予想外の事実に驚くノート達、そして……赤髪。

「ウソ…だろ?
 ワタリが?俺のために?そんなワタリを…俺は……俺は…」

そう言いかけた時だった。

ズルッ

「あ、赤髪!!!」



ゴォォォォ!!!

迫りくる地面。

『あっ、俺は死ぬのか…』
悪くないかもしれない。
生きてても辛いだけだし、ワタリにも謝れる。

地面が間近に迫る

ドクン……ドクン…ドクッドクッドク

『……怖い……嫌だ……死に、死にたくない!』

ドシャッ!!鈍い音が校庭に響いた。
「赤髪!」
急いで校庭に飛び出るノート達。
だが、赤髪の死体は何処にも無かった。
代わりに居たのは…
「 ド ラ ー モ ン 先 生 !?」
「ふぅ、上を見たら誰かがフェンスに立ってたからな。
 警察にも手伝って貰って、マットで救出したんだ。
 まぁ、助けられて良かったよ」

AM2:00 ドラポケ学校殺人事件……解決

この事件は……親友を思うが故に起きた……哀しい、殺人だった……



事件から一ヶ月後【少年院】

「よぉ、赤髪!面会に来てやったぜ」
「ジャイアン…それにノートまで、どうしたんだよ?」
「顔見に来ただけだよ。
 ……まぁ、もう自殺とかするなよ。助けるのタルいから」
「分かってるよ。じゃあな、もう仕事の時間だ」
「ああ」

「あいつ凄いよな。全国論文コンテストで2位なんだろ?」
「ああ。あいつは他人の評価をするのが上手かったからな」
「しかし…悲しい事件だったよな」
「あのな、ジャイアン。
 友情が深ければ深いほど、その思いは憎しみに変わりやすいんだ。
 仲が良いほどケンカするって言葉もあながち間違って無いって訳さ」
「そうだな。そういや…一個解けてねぇ謎があるんだ」
「何だ?」
「昼食の時間、俺を呼び出したのはいったい誰なんだ……」

「ああ、あれ?俺が暇潰しにやったんだよ。屋上からお前を見て、笑ってたのさ」