ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

セカンド その5

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akakami

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#ドラえもんサイド

あれからジャイアンと別れた僕は、四つ目のバッジを手に入れていた。
「次のバッジは……ヨスガシティジムか」
見ると、ノモセの西から行く道が一番近そうだ。
僕はそのルートを辿って行く事にした。

「んー……わかんないなぁ」
それから暫く歩いた僕は、とある空き家で休んでいた。
考えているのは、専ら設定が変更された事についてだ。
『もし、このゲームが危険な方向に向けば……ゲームを止めさせるしかないな』
僕がそこまで考えた時だった。

「きゃあああああああああっ!」

不意に、聞き覚えのあるような悲鳴が木霊する。
『まさか……』
すぐさま悟った僕は、ダッシュで外へ出た。
「やっぱり……静香ちゃーん!」
僕は空き家から大分離れた所に倒れている静香ちゃんの姿を見た。
だが、それだけじゃない。
静香ちゃんの周囲には奴等が居た。
ギンガ団だ……。



「おい、お前達!何でこんな事をするんだ!」
静香ちゃんと下っ端達の間に割って入り、抗議する僕。
すると、下っ端の代わりに静香ちゃんが答えた。
「私、ギンガ団のブラックリストに入ってるみたいなの……だから……」
ブラックリスト……そんな物があったのか。
かと言って、このまま静香ちゃんを見捨てるような僕じゃない。
僕は勇んで応戦する事にした。
「いけ、ムクバード!コロトック!ヌオー!」

それから僕とギンガ団の死闘は続いた。
「はぁ……コイツ等……まだいるのか……」
荒い息をつきながら、状況を整理する僕。
流石に分が悪い。
何せ、相手は数で押してくるギンガ団だ。
「へへ……ゴルバット、翼で打つ!」
僕の方へ向かって翼を打ちつけようとするゴルバット。
僕は恐怖の為か、自然と目を瞑っていた。
『やばい……!』
ゴルバットの翼による風圧が僕の頭を掠った、正にその時だった。

「ゴウカザル、大文字!」
ついさっきまで僕の頭上に居たゴルバットが、物凄い威力の炎で燃やされる。
「……スネ夫!助けてくれたのか!」
何事も無かったかのような表情でスネ夫が現れる。
傍らにゴウカザルを従えて。



「ゴウカザル、火炎車で決めろ!」
下っ端のポケモンを一匹、また一匹と倒していくゴウカザル。
ギンガ団はお馴染みの捨て台詞を吐くと、その場を去っていった。

「ありがとう、スネ夫……お陰で助かったよ」
頭を下げ、礼を言う僕。
だが、スネ夫の次の言葉は意外なものだった。
「……僕がお前達を助けたと思っているのかい?」
「……え?」
僕も静香ちゃんも驚いていた。
「僕はギンガ団を潰したかっただけさ……別にお前達の事なんてどうでもいいよ」
そっけなく言い放つスネ夫。
僕は怒りを感じ始めていた。
いつの間にか懐のモンスターボールを握っている……。
「スネ夫……!」
「やる気かい?……いいだろう、相手になってやるよ……」
スネ夫もやる気だ。
僕は静香ちゃんを安全な場所に連れて行き、スネ夫と対峙した。

「思い知らせてやるよ……いけ、クロバット!」
「頼んだよ、コロトック!」



それから僕達は一進一退の攻防を繰り返していた。
「ビークイン、トドメだ!」
スネ夫のビークインによって僕のコロトックがダウンする。

僕の残りはムクバード一匹。
対してスネ夫はビークインとゴウカザルの二匹が残っている。
かなり危機的状況だ。

「くそっ……いけ、ムクバード!」
僕のパートナー、ムクバードが姿を現す。
「ハハ!お前のムクバード、まだ進化してなかったの?」
僕のムクバードを見て嘲笑うスネ夫。
悔しさと同時に更なる怒りが込み上がって来る。
「うるさい!ムクバード、燕返し!」
鋭利な羽でビークインを攻撃するムクバード。
ビークインはやっとの事で倒れてくれた。
「ふぅ……」
ほっと安堵する僕。
だが、それも束の間だった。

「……いけ、ゴウカザル……」
瀕死のビークインが戻り、最後の砦――ゴウカザルが甲高い咆哮と共に現れた。




「くそ……耐えるんだ!ムクバード!」
再三ゴウカザルの攻撃を受け、ボロボロになるムクバード。
大文字とインファイトのPPが尽きていたのは不幸中の幸いだった。でも……
「次の攻撃で終わりかな?ハハ……」
大文字が無くとも、ゴウカザルの力はムクバードより遥かに上だ。
そして僕が負けを認めようとした……その時。

「これは……何だ……?」
さっきまで余裕の笑みを浮かべていたスネ夫が、唸るように言った。
その目先には、光り輝いているムクバード。
「もしかして……」
そう呟く僕は既に悟っていた。
これが……進化の光だという事を。
「進化だと……?そんなバカな……」
ムクバードの体が一回りも二回りも大きくなっていく。
……いや、それだけじゃない。
小さくて頼りなかった羽も、逞しい大きな羽へと変化する。
次の瞬間には、ムクバードの進化系――ムクホークがそこに居た。

「ムクバードが……進化した……」
僕はムクホークに目を奪われていた。
これなら、スネ夫に勝てるかも知れない……。



「ムクホーク、燕返しで決めろ!」
最後の攻撃を放ち、トドメを差すムクホーク。
僕が……僕が勝ったのだ。
「そんな……この僕が……!」
そう言って走り去っていくスネ夫。
僕はそれをただただ見つめていた。
「静香ちゃんは……大丈夫だよな、すぐに目を覚ますだろ」
僕はそう自分に言い聞かせるように呟くと、再び歩き出した。
心地良い風を感じながら――

皆の手持ち
ドラえもん(ムクホークLv34、コロトックLv33、ヌオーLv33)
静香(エンペルトLv36、ミミロップLv34、ロゼリアLv34、パチリスLv32)
スネ夫(ゴウカザルLv36、クロバットLv33、ビークインLv32)



「ここがヨスガシティジムか……」
ジムの前に立っていた僕は感慨深げに呟いた。
そしてジムの中へ入っていく……。

数分後、僕は五つ目のバッジを懐に収めていた。
『結構楽勝だよな、ジムリーダーって……』
心の中でそう呟く僕。
一瞬背筋に寒気が走ったような気もするが、気にしない。
どうせゲームでもこんな感じなんだろう。
僕はいつに無く調子付いていた。
どうやら次の目的地はミオシティという所らしい。
僕はムクホークに乗り、コトブキシティへと向かった。

「確かここを西にいくと……」
コトブキシティの西にあるゲートを抜けると、そこには海が広がっていた。
「波乗りだ!ヌオー!」
ヌメっとしたヌオーの背中に乗り、海を渡る。
岸に着くのにそう時間はかからなかった。



『コロトック求む!』
ミオシティに入ってすぐ目に付いた民家に、そう書かれた紙が貼られていた。
コロトックを持っている僕としては何か気になる。
「あのー、すいませーん」
少し軋む扉を開け、中を確かめる僕。
中には眼鏡をかけている長髪の男が居た。
『オ、オタク……』
声に出そうだったが何とか喉の辺りで止まってくれた。
そんな僕を他所に男はボールを手に取る。
「コロトックとコイツを交換しにきたんでしょ……ヒヒ」
「え、ちょ……」
コロトックの入ったボールが男に奪われる。
そして、僕の手に違うモンスターボールが手渡された。
「外で開けてみてよ……ヒヒ」
僕は何だか気持ち悪くなり、即座に民家を出ていった。

「これは……ムウマージじゃないか」
なんとコロトックと交換されたのはムウマージだった。
僕はかなり得した気分になった。

その頃、さっきの民家では。
「これでコロトック百匹目……ヒヒヒヒ……」
僅かな太陽の光だけが差し込んでいる部屋の中で、男の不気味な笑い声だけが響いていた……。



「ムクホーク、トドメのインファイト!」
大きな衝突音が響き、相手のトリデプスは倒れる。
僕の勝利……これでバッジは六つ目だ。
「見事だ。このバッジを持っていってくれ」
ジムリーダーからバッジを貰うと、僕は外に出ていった。

「あ……ジャイアン」
外に出た僕を待ち構えていたのはあのジャイアンだった。
その顔はいつになく真剣だ。
「どうしたんだい?ジャイアン」
僕が聞くと、ジャイアンはミオ図書館を指さした。
「ちょっと話があるんだ。図書館に来てくれ」
そう言って僕を先導するジャイアン。
僕は疑問を抱きながらも図書館へと入っていった。

図書館では静香ちゃんと出木杉が僕達を待っていた。
僕とジャイアンの姿を確認すると、出木杉が話し出す。
「来たね……今回僕が皆を呼んだのは、この世界の異変について話し合いたいからなんだ。
その事は……君達も良く知っているだろう?特にドラえもんはね……」
そう言って僕の方を見る出木杉。
「それは僕も感じていたよ。この世界はシナリオ通りに進んでない……」
僕がそう言うと、一時の沈黙が流れた。
どうやら皆この事態に混乱しているらしい……。



「そして、異変が起きているという事は設定が変えられたという事……」
混乱している皆を他所に、僕は話を続ける。
「誰かが設定を変えた、って事よね……」
恐る恐る言う静香ちゃん。
僕はコクリと頷いた。
「この世界はあくまでデータの世界……という事は現実世界では全く時間が進んでない。
だから、現実世界にいた人は設定を変更出来ないんだ……」
あえて遠まわしに話をする僕。
だが、これだけでも皆は悟ったようだった。
「言いたくないけど……この世界にいる僕達の内の誰かが、
何らかの方法で現実世界に戻って設定を変えた……こう考えるのが一番妥当なんだよ」
一瞬、場が凍りついたように思えた。
皆は明らかに動揺している。
僕達の中に、この世界と僕達を危険に晒した奴がいるという事に……。

「ちょっと待てよ!ドラえもん、お前は設定を変更出来るんじゃねぇのか?」
静まり返っていた図書館の中に、ジャイアンの声が響く。
「いや、それは出来ない。僕はこのゲームを止めさせる事しか出来ないんだよ……」
そこまで言って、僕はある事に気がついた。
それも、とても重大な事に。
「いや、待てよ……まさか!」
そう言ってスペアポケットの中から無線機のような物を取り出す僕。
それを見た瞬間、僕の体は凍った。
中々出ない言葉を無理矢理出し、真実を伝える。
「……いや、違う。僕はこのゲームを止めさせる事すら出来ない……」



「どういう事なんだい?ドラえもん……」
皆の中で一番冷静だった出木杉が喋る。
僕はありのままの事実を伝える事にした。
「このゲームの設定が変えられたという事は……つまり……
……止めさせる事の出来る人物も変えられたって事だよ……」
ただでさえ静まっていた場が、更に静まったような気がした。
僕だって動揺を隠しきれない。

その後話は続き、とりあえずのび太君とスネ夫君を待つ事になった。
彼等にも真実を伝えなければいけないからだ。
「……じゃあ、もう解散しようか……」
出木杉が仕切り、自ら図書館を出ていく。
それに続き、静香ちゃんとジャイアンもその場を後にした。
『……何やってんだよ、僕は……』
自責の念に駆られる僕。
暫くの間、僕はボーっと椅子に座り込んでいた。

皆の手持ち
ドラえもん ムクホークLv38、ムウマージLv37、ヌオーLv37
静香    不明
ジャイアン 不明
出木杉   不明



その次の日にのび太君とスネ夫君が来た。
僕は恐る恐るあの事を話していく。
二人共、動揺を隠しきれない様子で僕の話を聞いていた。
「……という訳なんだよ……」
僕が完全に話し終えた時だった。
辺りにけたたましい爆発音が響いたのは――

「急いでここを出よう!」
そう言って僕達を先導する出木杉。
図書館の外にはナナカマド博士と女の子が居た。
「君達は以前の……いや、こんな事を言っている場合ではないな」
焦りながらも懐かしむ様子のナナカマド博士。
博士はこう続けた。
「どうやら湖の様子が可笑しいのだ……まさか、伝説のポケモンが……」
「わかっています。今から僕達が分担して湖へ行きます」
即座に返答する出木杉。
博士は「ウム」と頷くと、シンジ湖の方へ飛び立っていった。

「じゃあ僕とドラえもんはエイチ湖。
静香ちゃんと野比君はシンジ湖。
武君とスネ夫君はリッシ湖に向かってくれ……わかったね?」
出木杉が仕切る。
僕は反論する事無く無言で頷いた。
それぞれ一時の別れを告げて飛び立っていく。
目的地は、エイチ湖だ。



「ここを抜ければ、雪原に出る。そこから暫く歩けばリッシ湖だ……」
テンガン山内で僕を先導する出木杉君。
「そこで何が起こるんだい?出木杉君……」
「確か幹部が一人居た筈だよ……そいつと戦闘するだろうね」
そんな会話を交わしている内に、白い明かりが薄っすらと僕の目に映った。
……間違い無い、出口だ。
出木杉君は「行こうドラえもん」と言うと、駆け足で出口へと向かっていく。
僕は「うん」とだけ返事をすると、その後に続いた。

「うわぁー、凄いねぇ」
思わず感嘆の声を漏らしてしまう僕。
出口を抜けた先にあったのは、辺り一面の銀世界だった。
「雪原……いや、大雪原だなこれは……」
そう言って歩き出す出木杉君。
「にしても……ちょっと寒すぎやしないかい?」
それに続く僕が呼びかける。
「確かに寒いね……でも、今はまだ暖かい方じゃないかな?とにかく行こう……」
「分かったよ……」
僕は雪を踏みしめ、歩いていった。



暫く歩いていると、僕達の周囲に変な格好をした奴等が居る事に気付いた。
「ギンガ団……だよね、出木杉君」
「そうみたいだね」
出木杉君が言い終わるか言い終わらないかのところで、下っ端達がポケモンを繰り出す。
だが、何を指示したのかは聞こえなかった。
物凄い風の音で相手の声が聞こえない。
それに……猛吹雪のせいで視界も相当悪い。
「……今だ」
微かにだが、下っ端の声が聞こえる。
次の瞬間には、僕のスペアポケットが奪われていた。
「……しまったぁ!!」
狼狽する僕を他所に、段々と気配を消していく下っ端達。
やがて辺りに人の気配は無くなった。

「大丈夫かい?ドラえもん……」
出木杉君が僕の方へ駆け寄ってくる。
「奪われた……スペアポケットが……」
「な、なんだって?」
突然の出来事に、驚愕する出木杉君。
僕も何が何だか分からなかった。
何故、下っ端達が僕のスペアポケットを奪ったのか……。
「……とりあえず、リッシ湖に行かない?行けば何か分かるかも……幹部も居るし」
こんな事態に陥っても、出木杉君は冷静だった。
その言葉に少なからず励まされる僕。
一抹の不安を抱えながらも、僕は出木杉君の背中を追っていった。



「結構遠いね……出木杉君」
荒い息をつきながら、僕は辛うじて出木杉君の後を追う。
その出木杉君が発した言葉は僕にとって有難いものだった。
「いや、もうリッシ湖のほとりだよ……ほら、あそこに入り口が見えるだろう?」
吹雪で視界が悪くなっているが、確かに入り口らしき物が見える。
「行こう、出木杉君……」
妙に元気が出てきた僕は、小走りで入り口へと向かう。
この先、何が待ち受けているのかも知らずに。

皆の手持ち
ドラえもん ムクホークLv42 ムウマージLv40 ヌオーLv39
出木杉   フーディンLv44 他不明



#のび太サイド

ヨルノズクに乗り、僕と静香ちゃんは広大な空を移動していた。
「もうすぐシンジ湖だね、静香ちゃん」
「そうね……」
他愛の無い会話を交わし、僕は下を見下ろす。
そうして暫くしてから、ヨルノズクが梟独特の鳴き声を出した。
それに気付いた僕は前方を見る。
微かにだが、シンジ湖のほとりが見えた。

シンジ湖には、僕達より先に到着していた博士とヒカリちゃんが居た。
それも、囚われの身で……。
「あら、二人かしら」
そう言って僕達の方を一瞥したのはギンガ団幹部のマーズ。
それに加えて、下っ端達も数人居た。

「私が幹部をやる。のび太さんは下っ端達を片付けて……」
静香ちゃんが僕に耳打ちしてくる。
僕は返事代わりに頷き、懐のボールを手に取った。
「それじゃあ、頼んだわよ」
そう言って幹部の方へ向かっていく静香ちゃんを見届けると、僕は一気にボールを投げる。
「いけ、僕のポケモン達!」



それから数分後には、僕の周囲で力尽きて倒れている下っ端達の姿があった。
「はぁ……はぁ……」
何というか、かつて無い感覚。
僕は自分自身の力に酔い痴れていた。

無論、静香ちゃんの方も順調だった。
「エンペルト、バブル光線!」
絶え間無く押し寄せてくる大量の泡を受け、マーズのブニャットが倒れる。
マーズは「伝説のポケモンは捕獲出来たし、まぁいいわ」と気にかかる言葉を吐いて去っていった。

「のび太さーん」
そう言ってこっちへ向かってくる静香ちゃん。
何か言いたげな雰囲気だ。
「何だい?静香ちゃん」
僕が聞くと、静香ちゃんは恐る恐る話した。
「戦闘中、ドラちゃんからポケッチのメールが来たの。
エイチ湖に向かう途中でギンガ団にスペアポケットを奪われた、って……」
「な、なんだってー!」
思わず声をあげてしまう僕。
静香ちゃんの話はまだ続いた。
「なんか不自然でしょ?いきなりポケットが奪われるなんて……。
それに、ギンガ団はスペアポケットの価値を知らない筈だし」
僕は静香ちゃんの顔をまじまじと見つめながら頷く。



「そこで疑問が出るの。何故ギンガ団がスペアポケットを奪ったのか……?
それは、多分その価値を知っているから。だとすると……」
静香ちゃんがそこまで言った時、僕は悟った。
「僕達の中に、ギンガ団に加担している奴が居る……」
僕が恐る恐る言うと、静香ちゃんは冷静に頷いた。
その表情からは大きな不安が感じられる。
「私の踏んだ通りなら、設定を変えた人とギンガ団に加担している人は同一人物ね。
……そして、もう犯人の目星はついてるわ」

僕は静香ちゃんの話に聞き入っていた。
早く教えてくれ、と念じて静香ちゃんの方を見る。
静香ちゃんは、少し拒む様子を見せてから言った。

「私の読みが正しければ……犯人は……」



静香ちゃんの口から出た人物は、僕にとってかなり意外だった。
信じようにも信じられない。
「とにかく……のんびりしてる暇は無いわ!
のび太さんは大至急エイチ湖に向かって。時間が無いの」
「静香ちゃんはどうするんだい?」
「私は博士達の手当てをするわ。かなり酷い仕打ちを受けていた様子なの」
そう言うなり、博士の元へと駆け寄っていく静香ちゃん。
僕は意を決して、シンジ湖を出ようとした。

「待って、のび太さん!」
走り出した僕の耳に、静香ちゃんの声が入ってくる。
「何……?」
僕が後ろを振り返ると、静香ちゃんは真剣な表情で言った。
「……頑張ってね」

いつもは友達として接している静香ちゃんが、真剣な眼差しで僕を見つめている。
そう考えると何だか不思議だった。
「……うん」
そう返して、僕は再び走り出した。
一刻も早く、ドラえもんの下へ行く為に――

皆の手持ち
のび太 ライチュウLv42、ヨルノズクLv41、ポニータLv39、スコルピLv38
静香  エンペルトLv44、ミミロップLv42、ロゼリアLv40、パチリスLv38


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