ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

DPその2 その8

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キッサキシティからファイトエリアまでの海路を高速船は滑るように走っている。
ドラえもんとのびたは甲板にいた。
のび「速いなあ・・・・そういえばドラえもん、ぼくがジム戦に勝ってた間何してたの?」
のびたは自分がバッジを手にしたことがうれしくてたまらないらしく、
会話の中にしょっちゅう『勝つ』とか『バッジ』といった言葉を織り交ぜていた。
ドラ「キッサキ神殿に行ってたのさ。最深部には・・・・」
ドラえもんにはそこにあったものが信じられなかった。
あんな大きな像が動き出すなんて考えられない。
大きさもそうだが、六つの異常な輝きの目(の様なもの)や、
長い間そこにあったことを思わせるコケのような緑の葉。
頑丈な黄色い装甲。
そして、いかなるものも握りつぶしてしまいそうな指。
ドラえもんが震えるには十分の容姿だ。
のび「ふーん、ぼくがバッジを手にしてる間にそんなとこに行ってたの・・・・」
のびたもそれ以上は追求しない。
ドラ「………」
のび「………」



妙な沈黙を破るためにのびたは口を動かすことにした。
のび「ねえドラえもん、ちょっとバトルしない?」
今まではドラえもんが手加減しても絶対に勝つことは出来なかった。
だが、今は自分の手持ちは二匹進化したし、スネオから授かったポリゴンもいる。
ドラ「うん、いいけど。」
のび「よし、それじゃあ決まり!」
のびたは甲板のお客さんに場所を空けてもらうよう頼み、ドラえもんと距離を取った。
のび「持ってるポケモン全員参戦だからね!」
ドラえもんはぼくの四匹目を知らない。
だからドラえもんは四対三で有利だと考えているはず。
その盲点を突けば、ぼくだって・・・・・
ドラ「行けロトム!」
ドラえもんの一番手はロトムだった。
のび「フフフフフ・・・・行けエテボース!」
エイパムがジムで進化してエテボース。
そういえばドラえもんはこのポケモンも知らなかったな。
のび「おどろかすだ!」



テクニシャンでほぼタイプ一致の威力。そして効果抜群。
そんな技をいきなり受けたら伝説でもないロトムはひとたまりも無かった。
のび「まずは一匹。次はビーダルかな?ペラップかな?それともリーシャン?」
のびたはお前の手持ちなんて知ってるんだよという余裕をこめて挑発した。
だが、ドラえもんは追い詰められたというそぶりを見せない。
むしろ、今のうちに余裕こいてろと言っているようだった。
ドラ「じゃあ、ペラップ!」
ただなきごえがそのまんまの鳥だ。
初めてお目にかかるのびたはそう思った。
ドラ「おしゃべり!」
ペラ「ンッフッフー!このエテ公が!進化しても変わんねえじゃねえか!」
のび「!!!」
のびたは驚いて声も出なかった。
エテボースを見ると、その言葉にショックを受けている。
ペラ「腕は進化っつうより退化してるんじゃねえの?ってかその尻尾、エロ過ぎなんだよ!」
この言葉はドラえもんが吹き込んだのだろうか。本当にたちが悪い。
そして、容赦ない言葉を浴びせられてエテボースは自らボールに引っ込んでしまった。

のび「エテボース!君がいないと困るんだよ!相手の言うことなんか気にすんなよ!
別にエロくたっていいじゃない!その・・・・いつか役に立つよ!」
いつ役に立つと思ったのだろう。のびたの股間が盛り上がる。
周りにちらほらと集まっていたギャラリーもそれを見てざわつき始めた。
「ねえ、何かモッコリしてない?」
「思春期だな。好きな子でもいんのかねえ。」
「うっわー・・・・ビンビンだよ・・・恥ずかしw」
ドラ「早く終わらせようよ。何で人を集めてるんだよ。」
のび「ゴ・・・ゴメンドラえもん・・・早く出てきてよエテボース!」
だが、のびたはほめられることに慣れていないので、
エテボースをほめてボールから引きずり出すことは出来なかった。
結局エテボースはしばらくボールの中で引きこもった。
のび「じゃあ君だ!カラナクシ!」
ドラ「(ロトムがいればなー・・・・)おしゃべりだ!」
ペラップがカラナクシはタラコ唇だとかぐちょぐちょだとか罵る。
のび「そんなこと無いよ!カラナクシ、めざめるパワー!」



カラナクシのめざパは氷タイプ。
ペラップは弱点を疲れてやられた。
そして、内なる力を発揮したカラナクシはペラップの悪口から立ち直る。
ドラ「のびたくん、強くなったね。だけどまだぼくが上手だよ。」
そう言ってドラえもんはビーダルを出した。
のび(ビーダルか、リーシャンはまだ出さないのかな?)
ドラ「まるくなる!」
ビーダルは単純にまるくなる。
特性により能力は実質ぐーんと上がったに等しい。
のび「そんなことしてていいの?どろばくだんだ!」
カラナクシが特大の泥をビーダルに向かって吐き出す。
が、それはビーダルの1mほど手前で動かなくなった。
つまり、空中に浮いているのだ。
のび「なななな何で?」
のびたは間近でマジックなど見たことがなかったので
ただただ混乱するばかりだ。
その間にも泥の塊はカラナクシに向かってゆっくりと動いていた。
ドラえもんは思わずニヤッとする。
のびたはドラえもんが初めて猫型ロボットに見えた。



のび「あれ?」
ドラえもんのニヤニヤ顔を見ていたのびたが何かに気付いた。
いつものドラえもんと何かが違う・・・・

そんなことを考えている間に泥はカラナクシに近づき、
遂にはカラナクシの面前で破裂した。
のび「うわああああ!」
おびただしい量の泥が飛び散った。
カラナクシは当然瀕死だ。
のび「くそ・・・・何か、へんな技を使ったんだろ!」
のびたがいきり立った。
ドラえもんはそ知らぬ顔だ。
のび「エレブー!でんげきは!」
即座に出したエレブーが電撃を放つ。
だが、その電撃も何故か空中で止まり、エレブーに跳ね返ってきた。
のび「避けるんだ!」
エレブーは体が動かないようだ。
哀れなエレブーに電撃が直撃する。



のび「くっそーっ!!!エレブー!動くんだ!動け!」
エレブーは必死で主人の命令に応えようとする。
だが、わけの分からない力に拘束されたまま
エレブーはビーダルの転がるに倒れた。

ドラ「のびたくんのポケモンはこれで全滅だね。
いやー・・・でものびたくんは頑張ったよ。
今度はもう一匹ポケモンを増やしてぼくに挑んで・・・・」
ドラえもんは言葉を止めた。
のびたは『ドラえもんの何かおかしいところ』を見抜き、
その場所を指差していたのだ。
ドラえもんの首輪。
普段は鮮やかな赤だが、
この勝負が始まってから紅白の縞々の首輪に変わっていた。
のび「そいつは・・・・・リーシャンだよね?」
そのとおりだった。ドラえもんは自分の首に普段鈴がついているのを利用して
リーシャンにその鈴の代わりをさせたのだ。



鈍いのびたはバトル中もそれに気付かなかった。
今思えばカラナクシのどろばくだんやエレブーのでんげきはが跳ね返ったのも
リーシャンのねんりきの所為だったのだ。
ドラ「やっと気付いたね。
この勝負は二匹目のポケモンが紛れ込んでいたのが
分からなかったのびたくんの負けだよ。」
今度はのびたが笑う番だった。
のび「『のびたくんのポケモンはこれで全滅だね』・・・・・?
ドラえもん、何か勘違いしてない?」
のびたはゆっくりとポリゴンのボールを出した。
のび「(スネオ・・・・・ありがとう)ポリゴン!こうそくいどう!」
のびたのボールが開かれると同時に、
ポリゴンは辺りを凄まじい速度で旋回し始めた。
ドラ「ポリゴン!?え、だって・・・・・そんなポケモンどこで・・・・」
のび「テクスチャー!」
ポリゴンが自身のプログラムの中からひとつを選び出し、
それを体にダウンロードした。これでポリゴンは虫タイプだ。



ドラ「ビーダル!ころがるで倒せ!」
ビーダルがポリゴンに転がってきた。
だが、まるくなるの効果はとっくに無くなっている。
のび「ビーダルなんか狙ってないよ。
狙ってるのは・・・・・・」
ポリゴンがリーシャンに向き直った。
のび「シグナルビーム!!」
虹色の光を伴ってビームが放たれた。
それはリーシャンを直撃し、
それを巻いていたドラえもんもひとたまりもなかった。

群集がいなくなっていた。
のびたはビーダルに「起きたらごめんって伝えて」
とだけ言い残し、そこを去った。

リーシャンを狙ったとはいえ、
ドラえもんに向かってシグナルビームを放ってしまった。
そこで、冒険の始まりから考えていた、
ドラえもんと別々に行動することに踏み切ったのだった。
ドラえもんに笑顔でビーム放つような奴はそばにいないほうがいい。

そしてのびたはファイトエリアに降り立った。



今の状況

のびた  エテボース カラナクシ エレブー ポリゴン2 (現在地・・・ファイトエリア)
 ドラえもんとの別れ際に通信でポリゴンを進化させた。
 その際にオーキドの手紙の中に入っていたアップグレードを消費した。
ドラえもん  ビーダル ペラップ ロトム リーシャン (現在地・・・高速船の上)
 のびたと別々に旅をすることになる。
しずか  ハヤシガメ ブニャット 【ダークライ、タマゴ】(現在地・・・・206番道路沖)
 ブニャットに乗って海を渡っている。ゲンからポケモンの卵をもらった。
ジャイアン  モウカザル カブト ドーミラー 【かなめいし】(現在地・・・ノモセシティ)
 ノモセの風呂でのぼせている。かなめいしのことは忘却のかなた。
スネオ  ポッタイシ ムクバード キルリア ビークイン ゴンベ【GBAの伝説など】(現在地・・・221番道路)
 未だに進む気配なし。ポケモン育成に飽きて早々とこの日のゲームをやめた。



しず「よく頑張ったわ、お疲れ様。」
しずかは自分をこうてつ島から背中に乗せて
海を渡ってきたブニャットをボールに戻した。
ブニャットで海を渡った理由はもちろん、手ごろな水ポケモンを持っていなかったからだが、
ブニャットのダイエットのためというのもあった。
しず「さて、ここはどこかしら?」
しずかはクレセリアを逃がさないために
こうてつ島から一番近い陸地に上がったつもりだった。
しかし、肝心のクレセリアは見当たらない。

草むらをぬけると、工場らしき建物が建っていた。
しず「『タタラ製鉄所』・・・・成程、
どうりでコリンクとかしか出てこないわけだわ。」
しずかがクレセリアの分布を調べたときにクレセリアがいたのは205番道路で、
ここはタタラ製鉄所。どうやら微妙に場所がずれていたらしい。
しず「ここにクレセリアがいないのは分かったわ。
だけど、そろそろ手持ちを増やしておかなくちゃ。」



しずかの手持ちは今三匹。
一匹は伝説のダークライなので、普通の戦闘には使えない。
となると、残りはハヤシガメとブニャットだけ。
実際こんなパーティでミオシティジムバッジを持っているのがおかしいが、
しずかの地道なレベル上げがそれを可能にしているのだ。
『レベル10のブニャットが10匹集まってもレベル100のブニャットには勝てない。』
これがしずかの考えだ。
さらに、手持ちのレベルが高ければ後に育てるポケモンもより早く育てられる。
つまり、しずかはまず2,3匹のポケモンを育て、
その後により強く、より見た目がいいポケモンを育てるつもりだったのだ。

―――そして今、しずかもようやくパーティの穴を埋めようとしていた。
しず(ミオシティのジムでは苦戦したわ。
今後鋼タイプに対抗するポケモンが一匹は欲しいところ。
・・・・・だけど、多分ゲンさんから貰った卵の中身で鋼対策は大丈夫ね。)
アーロン似のトレーナーがドサイドンを使ってくる時点でタマゴの中身は決まったようなものだった。



しず(今私が一番欲しいポケモンはクレセリア。
多分、逃げ回るポケモンだけあって素早さはかなりのもの。
となると、その素早さに対抗できて、
なおかつ相手を逃がさないポケモン・・・・・)
しずかの希望が固まった。
そして、是非私を捕まえてくださいとばかりに
草むらから真っ先に飛び出してきたポケモンがいた。
しず「え・・・パチリス?」
はっきりいって微妙だったが、とりあえず捕獲しておいた。

捕獲後、パチリスについて調べるたびに後悔の念が襲ってきた。

シンオウ図鑑
055 パチリス
056 ブイゼル

しずか(進化しねえーーー!)
そしてステータスのしょぼさ。
しず(捕獲用としても使えねーーー!!)
かくして、パチリスは物拾い用としてしずかチームのイスをいただくこととなった。



しずか自身にも多少の遅れを取っている自覚はあったので、
草むら散策をそこそこに、場所を移動することにした。

少し南に進み、あたりは一面の花畑になった。
以前にのびたが訪れた『ソノオの花畑』だ。
しずかはポケッチのダウジングマシンを使い、
所々に埋まっている道具を掘り出す。

そしてすぐにまた南下した。
しず「岸に上がってからずっと気付いてたわ。
この辺にはクレセリアの気配がまったくしてないことぐらい。」
しずかはこの世界に来てから独り言が多い。
今に始まったことではないが、
この世界に来て以来、5人は一緒に行動することが少なかった。
ジャイアンはのっけから単独行動。
スネオ、しずかもコトブキシティでのびドラと別れ、
そののびたもドラえもんを残し、一人でファイトエリアに旅立ってしまった。



もともとゲームというのは一人でするもの。
Wi-fiなどがあってもそれは根本的に変わるわけではない。
友達がいない奴は家にこもり、ニンテンドーDSもしくはパソコンと戯れているのだ。

このまま一人旅を続けると、
のびたたち5人の中にそんな奴が現れるかもしれない。
ドラえもんはそれを恐れてのびたと行動をともにしたのだ。
4人の内でもし引きこもりやニートが出るとすれば、それはおそらくのびた。
いつも共にいる仲なら一緒に行こうと誘うのは簡単だった。

プレイヤーは、ゲームをしている内はプログラムに操られている存在だ。
だから、ゲーム内でイベントが起こったら逃げられない。
その事件やバトルなどを解決しないと思考を現実世界に戻せないのだ。
そうなると、プレイヤーの日常生活に影響が出てくる。
そこで、ゲーム製作者は現実世界と空間の隔たりを作って時間の進みを遅くしたのだ。

しかし、時間の進みが遅くなったことで
今度は調子に乗ったプレイヤーがゲームをやりすぎるようなこともある。
プレイヤーは四方八方を立体映像に囲まれているので、
適度な目の休養が必要で、それを怠ると視力低下は免れない。
ドラえもんはロボットだからまだ良いが、他の4人は大変だ。
下手すると全員のびたの様に眼鏡をかける羽目になってしまう。

とにかく、このゲームは十分な注意のもと行うものであり、
ロボットが1台ついているだけでは注意不足な面もある。
それを怠ったがために今、ゲーム内に何者かの侵入を許しているのだ。



しず「ソノオタウン……確かのびたさんとドラちゃんが行ったところだわ。
まさか、まだここにいるなんてことは……」
なかった。
ドラえもんとのびたは今ファイトエリア。
途中、ドラえもんが先走ったり車に乗ったり船に乗ったりと
なかなか移動速度が速いのだった。
しず「南にいくとコトブキシティね。
私達が別れた場所だけど、もう行く意味はないわ。
ドラちゃんたちを追いかける形になるけど、ハクタイシティに行きましょう。」

道中でリオルの卵が孵り、しずかの手持ちは一気に増えた。
だがしずかは物足りない。
パチリスはもともと戦力にするつもりがないため、
実質手持ちはまだ3匹なのだ。
他のプレイヤー、特にスネオなどは既に珍しくて強いポケモンを揃えているだろう。
ハヤシガメとブニャットのレベルなら誰にも負けないはずなので、
今専念すべきことはポケモンの捕獲。
しかし、この辺の草むらには強そうなポケモンが一匹もおらず、
レベルも低いので、レベル上げにすら使えない。
それでもしずかは諦めなかった。
しず「草むらが駄目なら水上や水中がある。
とにかく色んなポケモンを見つけるのよ!」
このしずかの粘りが功を奏した。
水上の捜索を始めた矢先、様々な幸運が襲って来たのだ。



まず、釣り糸をたらそうと水面に目を落とすと、
遠くに光るものが浮いているのが見えた。
しず「ここからじゃ見えないわ。もう少し川上に行ってみなきゃ。」
そこで、たにまのはつでんしょ方面から回り込むと、
確かに、トサキントにつつかれながら金属片のようなものが浮いていた。
木の枝でそれを取ると正体が分かった。
しず「これは…コールバッジ!!」
確かに予告画像で最初のジムバッジとして出てきていたものだ。
こんなものが川上からどんぶらこと流れてくるイベントがあるのだろうか。
しず「……ありがたく頂戴しましょうか。」
そう言ってしずかはトレーナーカードにバッジをはめ込み、
回れ右してその場を去ろうとした。
が、そこで足に何かが当たり、しずかはずっこけた。
しず「痛っ…なにこれ?」
黄色と黒色をした箱だった。
しず「ゲームキューブ?変な色。だけど、これも道具なのかしら。」
スマートだったしずかのバッグにエレキブースターが入って角ばった。
しず「予想外の収穫だったわ。さあ、ハクタイに行きましょうか。」
今度こそその場を去ろうとするしずか。
そんなしずかを第三の幸運が待ち構える。



しず「あれは何!?」
発電所前の看板に風船が絡まっている。
それだけならいいのだが、その風船は何やらもぞもぞと動いていた。
しず「図鑑図鑑っと……フワンテ?」
フワ「ぷわわ~」
フワンテがこちらに気付いたらしく、急に焦りだした。
しず「絡まって動けないのね?ようし、私が助けてあげるわ。」
そう言うとしずかはパチリスを出した。
しず「心配しないで、もがかないようにしてあげるだけ。でんじは!」
パチリスはフワンテにごく微量の電流を流し、大人しくさせた。
しず「この子は強くなりそうだわ。移動手段にも良さそう。」
しずかは未来への期待をこめつつ、
フワンテをモンスターボールに入れた。
そして、ようやくこの日のゲームに見切りをつけて
ぼうけんノートを書いた。



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