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≪のび太サイド≫

ここはトクサネシティ。
マグマ団を倒した僕達4人は、ここで1日だけ休暇をとることにした。
今までの旅の疲れを癒すためだ。
……とはいっても、特にやることがないんだよね。
宿でゴロゴロしてるのもつまらないし、僕は外に出てみることにした。
「うーん……」
外に出てはみたものの、やはりやることがない。
そして、僕がうろうろして考えている時。

「君、ポケモントレーナー?」
誰かが僕の肩をポンと叩き、僕は後ろに振り向く。
そこにいたのは、僕が思いもよらない人物。
「はじめまして。僕はダイゴだ」
そう、リーグチャンピオン・ダイゴ。
「え?ダイゴさんって……あのチャンピオンの?」
ふぬけた顔で質問する僕に、ダイゴさんは笑って答える。
「ああ、そうさ。君……7個もバッジを持っているんだね。勝負しないかい?」
「え……」
どういうことだ?いきなり勝負だなんて……。
だけど、チャンピオンの申し込みを断るわけにもいかない。
「あ、はい。いいですよ」



≪のび太サイド≫

「そうか。ここじゃあまずいから、砂浜のほうでやろうか」
「は、はい」
ダイゴさんに先導され、僕も砂浜のほうへ歩き出す。
「……よし、ここでいいか。それじゃ……いけ、エアームド!」
「頼んだよ、ペリッパー!」
はじめて見るチャンピオンのポケモン。
真上からじんじんと照りつける太陽を挟み、バトルが始まった。

「ペリッパー、電撃波だ!」
「高速移動でかわせ!エアームド!」
目にも止まらぬスピードで動き回るエアームド。
当然、攻撃が当たることはない。
「今だ、エアームド。燕返し」
瞬時にエアームドがペリッパーの背後に回りこみ、翼で斬りつける。
そして、当然というべきなのだろうか、ペリッパーは一撃で沈む。
「ペ、ペリッパー!」
つ、強い。これが、リーグチャンピオンか……。
相手の実力を再認識した僕は、次のボールに手をかける。
「いけ、コノハナ!」



≪のび太サイド≫

「コノハナか……。戻れエアームド。そして、出て来いアーマルド!」
ダイゴさんの次のポケモンはアーマルド。
化石から復元されたポケモンだけあって、その威圧感は凄まじい。
「コノハナ、かわらわり!」
「受けて立とう。アーマルド、アイアンテール!」
アーマルド向かって振り落とされるコノハナの手刀。
しかし、それはアイアンテールによって阻まれ、体ごと吹き飛ばされてしまう。
「トドメだ。アーマルド、かわらわり!」
仰向けになった状態のコノハナに繰り出される攻撃。
それは、たった一撃でコノハナの体力を奪い取った。

「戻れコノハナ。次は……」
僕はボールを選ぼうとする。
「いや、もういい。ありがとう」
アーマルドをボールに戻すダイゴさん。
「この辺でとめておこう。……それと、君にはこれをあげよう」
ダイゴさんは1個のモンスターボールと緑の石を僕に手渡した。
「リーフの石。コノハナを進化させるために必要なものだ。それと……そのボールには
 ダンバルが入っている。君へのプレゼントだ」
……僕へのプレゼント?それにしても、何で僕に?
よくわからないが、お礼をしなくちゃ。
「あ、ありがとうございます。大事にします」
僕の返事を聞くと、ダイゴさんはにっこり微笑んだ。
「それじゃ、またどこかで会おう」
ダイゴさんはエアームドに乗り、飛び立っていった。



トクサネシティの宿。
外からポツポツという雨の音が聞こえてくる。
そこで、休暇を終えた4人は宿で出される高級料理を食べていた。
「これは美味しいわ!」
はしを休めることも無く食べるしずか。
「フン。僕はこんなの何回も食べたけどね……」
と、言いながらも我先にとはしを動かすスネ夫。
そんな微笑ましい空気の中、宿の扉がコンコンと叩かれた。
のび太がそれに気付き、扉を開ける。

そこにいたのはオレンジ色の髪をした少女。
だが、どこか様子がおかしい。
「どうしたの?」
のび太が聞くと、少女は体を震わせて言った。
「……寒い……寒いよ……」

その少女の名前はリン。
気付いたときには砂浜に打ち上げられていて、ようやくここり辿り着いたらしい。
そして、リンもこの宿に泊まることになった。



その翌朝。
「あのね、リンはポケモントレーナーなの!」
嬉しそうに話すリン。
どうやら、大分溶け込めてきたみたいだ。
「でもね……リンはまだ弱いんだ!だから、みんなに手伝ってほしいの」

のび太達4人は、リンの修行を手伝うために砂浜に行った。
「あ、あれはサメハダー!」
嬉しそうに叫ぶリン。そして、ボールからポケモンを出す。
「お願い、プラスル!スパークよ!」
……しかし、攻撃はサメハダーに避けられる。
「リンちゃん!電磁波で相手の素早さを下げるんだ!」
と、大声でアドバイスをするのはスネ夫。
「わ、わかった!電磁波よ!」
リンはスネ夫の指示通りに電磁波を出し、サメハダーを麻痺状態にさせた。
「今だリンちゃん!トドメをさすんだ!」
次はのび太が指示を出した。
「うん!とどめのスパークよ!」
スパークは見事に命中し、サメハダーを沈ませる。
「やった!やった!ありがとうね、みんな!」
リンが歓喜の叫びをあげ、プラスルをボールに戻そうとした――その時。

大きな爆発音と共にトクサネシティの建物が崩れ落ちた。
そして、次々に建物が爆破される……。
辺りに断末魔の叫びが響き、のび太達は大急ぎで町へ戻った。



ダッシュでトクサネシティに戻るのび太達。
そこには、想像を絶する光景があった。
「あれは……ミュウツー!」
ジャイアンが、震えている手で町の北端を指さした。
そこだけではない。
町中の建物を破壊しているモノ……それは紛れも無く伝説のポケモン・ミュウツー。
しかも、一体だけではない。ざっと十体はいるだろう。
その後ろでは、研究員の身なりをした男が指示を出している。

すぐさまジャイアンが飛び出し、一人の男のむなぐらを掴む。
「何やってんだよ、テメェ……」
男はジャイアンの腕を振り払って答えた。
「見ればわかるだろ?壊しているんだよ。今頃、ホウエン地方の大都市は全て襲われているハズだ……」
男の言葉にジャイアンは激怒した。
「どうして……どうしてこんなことを!」
「全てはあの方のご意志。そして、私達はそれに従っている。この世界を手に入れるためにな」
悪びれもなく言い放つ男。
ジャイアンは殴りかかろうとするが、それはスネ夫の叫びによって止められる。
「落ち着けよ、ジャイアン!その男の言葉通りだとしたら……ホウエン地方が危ない!他の町も守りに行かなくちゃ!」
スネ夫が言い終えると、次はのび太が言った。
「リンちゃんは気が動転してるみたいだから、ここは僕に任せて!みんなは他の町を!」
スネ夫、ジャイアン、しずかの3人は一斉に頷き、ポケモンに乗って飛び立った。



≪スネ夫サイド≫

僕はクロバットに乗って飛び立ち、ポケナビを見る。
ポケナビにはホウエン地方のニュースが反映されているのだ。
「被害を受けているのは……カナズミシティ、フエンタウン、ヒマワキシティ、トクサネシティか」
僕は大急ぎでジャイアンとしずかちゃんに報告した。
「被害を受けているのはその4地域だ!僕はカナズミシティに向かうよ!」

カナズミシティ。
ジムリーダーのツツジさんと一人の少年が必死に攻撃を食い止めている。
「援軍にきました!僕も手伝います」
僕はクロバットから降り、戦闘体制をとる。
「あなたは、いつしかの……」
どうやら、ツツジさんは僕のことを思い出したみたいだ。
「ええ。でも、今はそんな事を言ってる場合じゃない。ジュカイン、町を守るんだ!」
僕達3人はフルメンバーを出し、町を守らせた。
「このままじゃいずれ負けてしまう……あのミュウツー達に勝つにはどうすれば……」
今の防戦一方の状態ではやられるのは明白。
とりあえず時間を稼いで、策を練るしかない……。
「頑張ってくれ、みんな!」



≪ジャイアンサイド≫

俺が真っ先に向かったのはフエンタウン。
今、前戦ったジムリーダーの姉ちゃんと背中を合わせて戦っている。
「コイツ等……かなり強いぜ、姉ちゃん」
「アスナだよ、アスナ。それはともかく、私達が倒されるのも時間の問題ね」
俺とアスナは必死に抵抗するが、十数体の伝説のポケモンには適わない。

「はぁはぁ……コータス、オーバヒート!」
「まだまだぁ!ボーマンダ、火炎放射!」
二つの強力な炎が放たれ、ミュウツー達を襲う。
しかし、それは建物に当たる。
「これは……サイコキネシスで方向転換させたのか!」
ミュウツーの力を目の当たりにして、驚くアスナ。
「なあ……本来ならこんなにミュウツーが出るってことはありえないよな?」
俺はアスナに問い掛ける。
「ああ。何かトリックがあるハズね。だが、それがわからない……」
考えろ、俺。トリック……トリック……。
だが、頭を捻っても無駄だった。何も思いつかない。
「みんな!他の町から援軍を呼んで!そして、ポケモンを出しなさい!」
アスナの声が響くと、ジムトレーナー達は大急ぎで他の町へ向かう。
そして、残ったものはポケモンを出して攻撃を阻止する。
「みんな!頑張って持ち応えるんだよ!」



伝説のポケモン・ミュウツー達の襲撃。
それは各地に甚大な被害を与え、今も尚それは続いている。
そして、破壊工作を止めるべく戦闘に参加したトレーナー達の疲労は限界に達していた。

カナズミシティ。
町の端にまで追い込まれたスネ夫とツツジ、そして少年。
既にポケモン達は瀕死状態になっており、万事休すだ。

フエンタウン。
背を合わせ、どんどん追い詰められていくジャイアンとアスナ。
他のトレーナー達の援軍も虚しく、町は焼け野原と化していた。

ヒワマキシティ。
戦力を失い、力尽きて倒れ込むしずかとナギ。
まだ戦っているトレーナー達も次々とやられ、絶体絶命の状況だ。

トクサネシティ。
沢山のミュウツー相手に一人で戦っていたのび太。
完膚なきまでに叩きのめされ、その周囲には力尽きたポケモン達が虚しく倒れている。

どの町でも似たような光景が繰り広げられており、破壊工作は止まる所を知らない。
そして、全員が死を覚悟した時――
プルルルル、プルルルル。
隊長と思われる男のトランシーバーが鳴った。
そのトランシーバーから首謀者と思われる男の命令を受け、隊長は声をあげる。
「全員に告ぐ。今すぐ攻撃を中止しろ!そして、ルネシティへ向かえ!」



ホウエン地方の各地。
隊長の命令を受け、男達は次々に姿を消していく。
ミュウツーの超能力による瞬間移動。つまりテレポートに似たような現象だ。
のび太達はポケナビで連絡をとり、トクサネシティで落ち合うことにした。

トクサネシティ。
ポケモンに乗って現れるトレーナーとジムリーダー達。
一行はポケモンの体力を回復させ、ルネシティへ向かった。

「さっきの襲撃事件……このホウエン地方で何かが動いているようですね」
ルネシティへ向かう途中、最初に口を開けたのは少年ミツル。
「ええ。それにあの数とあの能力……。相当な技術者達だわ」
ヒワマキシティジムリーダー・ナギが言った。
「僕達、これからどうなっちゃうんだろう……」
のび太が弱々しく呟き、再び元の沈黙に戻る。

「あ、見えた!ルネシティの入り口!」
スネ夫が叫び、その指指す先にはルネシティの入り口と思われる穴がある。
一行はダイビングで上に上がっていく――
だが、そこで見た光景はのび太達にとって信じられないものであった。

一人の少年がレックウザに乗り、町を破壊している。
その少年は、現リーグチャンピオン――そして、のび太達と共に旅立った仲間――
少年の名は出木杉英才。



「お前は、出木杉!」
レックウザを従え、町を破壊しているのは紛れも無く出木杉だ。
のび太の声を聞き、出木杉は地に降りる。
「やあ、久しぶりだね。みんな」
まるで何も無かったかのような発言。
出木杉は、顔色一つ変えず言った。

「てめぇ、何してるんだ!」
ジャイアンが叫ぶ。
すると、出木杉はヤレヤレといった素振りを見せる。
「……ププッ。見てわからない?この町を破壊しているのさ」
あっけなく言い放つ出木杉。
「何で……何でこんなことを!」
スネ夫が懐のボールに手をかけ、言う。
「これが僕の望みだからさ。さあ、早く僕を倒さないと町が潰れるよ?」
部下達のミュウツーは次々と光線を放ち、町を破壊している。
そして、仲間の変わりように驚愕していたのび太達も、危険を悟り覚悟を決める。
「僕が行くよ。僕が君を倒す!」
最初に一歩踏み出したのはのび太だ。
……だが、それはスネ夫の手によって制止される。
「ダメだ。今一番弱いお前が行っても負けるだけ。ここは僕がやる」
スネ夫の言葉を聞いて、のび太はしぶしぶ踏み出した足を戻す。
「出木杉は僕に任せて。みんなはミュウツー達を食い止めるんだ!」



「僕の相手は君かい、骨川君」
出木杉はレックウザを従え、スネ夫と対峙する。
「ああ。何でこんな事になったのかわからないけど、君を倒してでも探ってやるよ」
一触即発。緊迫した空気が流れる。
そして、出木杉がその空気を立ち切った。
「ここは狭い。バトルには不向きだな……。レックウザ、冷凍ビームだ」
レックウザが氷の光線を放ち、ルネの水上を凍らせていく。
たちまち辺りには氷の地盤が出来た。
「どうだい?骨川君。これがレックウザの力さ。逃げるのなら今のうちだよ?」
出木杉がこれみよがしに言って見せるが、スネ夫は動じない。
「御託はもういいだろ?こっちの準備は出来てるんだ。早くしてくれ」
ジュカインを出し、あくまでも平然を装うスネ夫。
だが、その胸に秘めた不安が顔にも表れている。
『カッコ付けて言っちゃったけど、相手はレックウザ。僕は勝てるのか?』
「フフ、じゃあやろうか……」
出木杉がそう言うと、とぐろを巻いた龍が急降下してくる。
「それじゃあ、始めようか」                           
出木杉の声と共に、加速をつけてジュカインに向かってくるレックウザ。
ルネシティの氷上にて、戦いが始まった。



猛スピードで向かってくるレックウザ。
「レックウザ、燕返し!」
出木杉の命令と共に、レックウザはその尾でジュカインを切り裂く。
「ジュカイン!」
効果抜群の一撃を食らい、ジュカインはかなりのダメージを受けた。
「あれ、よけないの?どうしたのかなぁ?」
ニヤニヤと笑っている出木杉。
対して、スネ夫は焦っていた。
『今の攻撃……タイミングが早い!』
そう、ジュカインはよけないのではなくよけきれない。
哀れかな、レベルの差がありすぎるのだ。

「まだまだいくよ。レックウザ、もう一度燕返し!」
再びジュカインの前に現れるレックウザ。
だが、何度も同じ手でやられるスネ夫ではない。
「ジュカイン、見切りだ!」
ジュカインを青い防御壁が包み、勢い良く振り落とされるレックウザの尾を無効化する。
「なるほど、見切りか。だが、それはただの時間稼ぎにしかならないよ」
余裕の出木杉。
だが、スネ夫の頭の中では一つの作戦が導き出されていた。
『無駄に時間稼ぎをしているわけじゃないさ。目にもの見せてやる!』



青い防御壁に阻まれ、尾を休めるレックウザ。
「いつまで持つのかな?骨川君」
出木杉が挑発するも、スネ夫はニヤニヤと笑っている。
その顔はさっきまでとは一変、自信に満ち溢れた表情だ。

「ジュカイン、高速移動だ!」
レックウザの周囲を高速で動き回るジュカイン。
「これは……何のつもりだい?」
出木杉はよくわからないという表情をしている。
「見ての通りさ。確かにレックウザの攻撃タイミングは速い。でも、レックウザが
 ジュカインに近づくまでにある程度距離をとっておけば、話は別だよね」
スネ夫の言葉を聞き、出木杉は状況を把握した。
「じゃあ、試してみるか……」
またもやレックウザがジュカインに近づき、その尾を振り落とす。
……だが、尾は空を切った。
その様子を見て、スネ夫が更に話を続ける。
「ジュカインのスピードに高速移動のスピードが加わったんだ。そう簡単には攻撃を当てられないよ」
攻撃を外したレックウザの周囲を移動するジュカイン。
見事にしてやられた出木杉は、苛立ちを隠せない。
「今すぐとらえてやるよ……レックウザ、龍の舞!そして間合いをとって破壊光線だ!」
レックウザは体をくねらせ、攻撃力と素早さをあげる。
そして、フルスピードでジュカインに近づく――
「決めろ、レックウザ!」
ジュカイン目掛け、眩い光線が発射された。



至近距離で破壊光線を受けたジュカイン。
当然、まともに立っていられるハズがない。
「ジュカイン!ジュカイン!」
スネ夫の必死の叫びも虚しく、力尽きたジュカインがあらわになる。
「所詮はこの程度か……。でも、暇潰しには丁度良かったよ」
出木杉は、レックウザをボールに戻す。
『何故レックウザを戻すんだ?』
疑問に思うスネ夫。
だが、その疑問はすぐに晴れた。
「お前達、撤退だ。もうこのぐらいでいいだろう」
出木杉の撤退命令と共に、ミュウツーと研究員の男達が次々と消えていく。
まるで、さっきまでの戦闘がウソのように。

ジャイアン達も疲労のあまり腰を落とす。
「さて、いいかい?君達」
ほぼ全員が疲れてその場に座り込んでいる中、出木杉が話を始める。
「今回のは序章に過ぎない。いずれは僕達がこの世界を手中にする……。」
そう言うと、出木杉はレックウザに乗り、去っていった。