ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

ギンガ その1

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akakami

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俺の名前はナナシ、今日は俺が1匹のポケモンを連れて旅立つ日である。
旅立ちの手続きをするために、俺はマサゴタウンに来ていた。
そして俺は今その町にある大きな建物……ポケモン研究所に居る。

研究所の中には、俺以外にも5人の新人トレーナーが来ていた。
一番目立つのは橙色の服を着ていてやや太めの少年、
どうやら、このグループのリーダー的な存在のようである。
その右横には、リーゼントもどきの髪型で狐顔の少年が居る、腰巾着にしか見えない。
その周りには気弱そうで眼鏡を掛けている少年と、髪を二つに縛った少女が居る。
最後に、その四人のグループから少し距離を置いているのか…
澄ました顔をした少年がソファに座っていた。

「お前は最初に何を選ぶのか?のびたぁ?」
「僕はナエトルを選ぼうと思っているんだけど」
「ナエトルは俺様が選ぶからダメだ」
「じゃあ……ヒコザルにしようかな」
「ヒコザルは僕が既に予約しているから他のにしてくれ」
「そ…そんな~えぇっと…えぇっと……」

「新人トレーナーの諸君…待たせたね」
研究所の奥の方から一人の老人がいくつかの紅白のボールを持ちながら
こちらに向かって来た。

「「「「待ってましたよナナカマド博士!!」」」」

「ハハハ…今回の新人トレーナーは元気がいいようだ」
そうは言うものの実際に元気なのはナナカマド博士の周りに居る四人だけで
俺とソファに座っている少年が何一つ行動を起こさない。

「さて事前に研修を受けているから説明することもとくに無い、
この中から好きなポケモンを選びたまえ」
博士の声と共にボールからポケモンが飛び出してきた。
ナエトル、ヒコザル、ポッチャマ、ピチュー、イーブイの5匹だ。



『俺様が最初に選ぶぜ!当然俺様はナエトルだ』
先ほどの会話通りに、この少年はナエトルを選んだ。

「僕は予約済みであるヒコザルを選ぶよ」
この狐顔の少年も会話通りにヒコザルを選んだ……予約してたかは疑問だが。

「ぼ…ぼくはそれじゃぁポッチャマを」
眼鏡の少年がポッチャマに手を掛けたとき、その手をポッチャマは払いのけた。
「い…いったぁ……」
そしてポッチャマは自ら紅一点である少女のもとに駆け寄っていった。
「ご…ごめんなさいね、のびたさん……」
気まずい空気が研究所内の流れた。

「皆酷いよ……」
眼鏡の少年の目に涙が溜まり始める、すると一人…いや一匹か慰める者が居た。
「君は僕を慰めてくれるのかい?」
その質問に首を縦に振って応えた。
「ありがとう…僕はこのポケモン…ピチューと一緒に旅をするよ!!」
この気弱そうな少年のパートナーも決まった。
4人のパートナーが決まったと同時に、ソファに座っていた少年が動き出した。

「このポケモンが残ったか、余りものには福があるって言うけど本当の話だったね」
その少年は余ったイーブイをパートナーに選んだ。

「おい!お前は誰をパートナーに選ぶんだ!?」
太目の少年が、大声で俺に質問をする。
「俺は父さんが旅立ちの記念にとポケモンを送ってくれたから問題ないよ」
「そ……そうだったな……これが君のお父さんから預かっていたポケモンだ」
ナナカマド博士は、ガラスケースの中に収納されていた。
一個のモンスターボールを俺に手渡した。

中から出てきたポケモンは全体的に青い体をしているが、足や耳が黒かった。
「こいつはリオルか……よろしくな」
『リ…リオルだってぇ!!こいつはとてつもなく珍しいポケモンだぞ!!』
「な、なにぃ!!俺達と同じ立場なのになんでこいつだけ
珍しいポケモンなんだ博士!!」
「こ…この子はトレーナーズスクールの卒業生で新人というわけでは無いからな…」
「そ…それでも納得いかねぇ…おいさっそくポケモンを貰ったわけだし
ポケモンバトル や ら な い か」
殺気が伝わってくる…断れそうに無いな。



「あぁ構わないよ…行けリオル!!」「ぶっ飛ばしてやれナエトル!!」
互いに、ポケモントレーナーとして初バトルであった。
「とにかく突っ込めナエトル!!」
ナエトルは、リオルに向かって命令どおり突っ込んできた。
「ただ突っ込むだけじゃ勝てないよ…電光石火だ」
ナエトルの突撃を高速で回避し、後ろからタックルした。
体当たりにより勢いづいていたナエトルは、吹っ飛ばされ壁に叩きつけられてしまった。

「ナ…ナエトル!!」「これで終わりか?」
『くそ…もう一回リオルに突っ込めぇ!!』
先ほどと同じように突っ込んできたナエトルを、リオルは同じようにあしらった。
「くそ…なんでだ…なぜ勝てないんだ……」
「剛田君…殻に籠るで防御力を上げるんだ」
今まで、黙ってみていた澄ました顔の少年がアドバイスをする。

「わ…分かったぜ殻に籠るだナエトル」
殻に籠ってしまったナエトルには、容易にダメージを与えることは出来ない。
リオルは、ナエトルの前で立ち往生してしまった。
しばらく沈黙が続いたが、その沈黙は大声によって引き裂かれた。

『ナエトル突っ込めぇ!!』
突然の奇襲は回避不能であり、リオルにナエトルの体当たりは急所に当たってしまった。
野生の勘というのだろうか?一瞬のリオルの隙をついて
ナエトルに体当たりを命じたのだ。



「どうだ!!俺様の勝ちだぜ!!」
殻に籠って防御力を上げたうえに、最高のタイミングで攻撃した体当たりは
普通なら受け止められないだろう。
「なんだお前!?珍しいポケモン使ったくせに勝てないのか」
「それはどうだろう?でも勝負は最後まで油断したら負ける」
巻いていた煙の中から高速でリオルが飛び出し、ナエトルを攻撃した
その攻撃で、ナエトルは戦闘不能になった。
「な…なんだと!!あの体当たりを受けてもお前のポケモンは平気なのか!?」
「違うよ、リオルには堪えるって技があってどんなに大きなダメージを食らっても
ギリギリ耐え切れる技があるんだ」
「くそ…俺様が負けるとは……ちくしょーー!!」
リーダー的な存在である少年を負かされたのを、
子分である二人の少年は信じられないようだ
パートナーであるナエトルも、初戦を落としたのが悔しいのだろう…泣いている。
やがてその少年も泣き止みこちらに向かって来た、子分の二人は青い顔をしている…
まずいな……

「くそっ…お前強いな…なんていうんだ?俺は剛田武、ジャイアンって呼んでくれ」
「俺はナナシ…ジャイアンもなかなか強かったよ」
ジャイアンと呼ばれるこの少年の、予想外の行動に少し驚きながらも
子分の二人と少女がこちらに向かって来た。
「僕はのびた!よろしく、こっちはスネオっていうんだ」
こうして俺達は挨拶をし合った。その光景を出木杉はソファから見ている。

「話してないで早く旅に出かけようぜ!!」
ジャイアンは、早く旅に出たいというのが顔に出ている。
「待ちなさい、これをもって持って行くんだ」
博士は、腕時計らしきものと、長方形の機械を俺達に渡した。
「これはポケッチとポケモン図鑑だ」
『これって最新モデルだ!!欲しかったんだ博士、ありがとう!!』
「ああ気にするな。新人トレーナーには皆配っているものだからな」
俺以外の5人には配られた。
「君には、お父さんから預かっているポケッチとポケモン図鑑がある」
博士はそう言いながら、俺に二つの道具を渡した。
「こ…これは最新モデルのはず……でもあいつが持っている
ポケッチや図鑑は見たことが無い…」
「さぁ新人トレーナーたちよ、旅立つのだ」
今ここで6人の少年少女がポケモンの世界に足を踏み入れた。



―――マサゴタウン ポケモン研究所

今日、ここで6人の新人トレーナーが、一匹のポケモンを連れて旅立っていった。
その準備や手続きなどを行ったのがこのナナカマド博士である。

「ふぅ…なんとかあの子を旅立たせることができた」
新人トレーナーが、このマサゴタウンから旅立つのは珍しいことでは無い。
しかし、普通の新人トレーナーでは無い子供が、今日ここから旅立ったのであった。

プルルルルルルルルルルル

通信機からメロディが流れる。
「も…もしもしナナカマド研究所だが……」
「うちの……は今日ちゃんと旅立てたかね?」
「あぁ……そちらから渡されたポケモンや道具も全てあの子に渡しておいた」
「ごくろう……そしてこれからもよろしくお願いしますよ、ナナカマド博士」
「クッ……しかし今後は他の子供たちと変わらない。
新人トレーナーとして扱わせてもらうが構わないな?」
「構わない…これ以上は会話を続ける意味が無い…電話は切らせてもらう」
ガチャッ、ツーツーツー

「今日旅立ったトレーナー達がトラブルに巻き込まれなければいいのだが……」

ナナシ リオルLv6
のびた ピチューLv5
しずか ポッチャマLv5
スネオ ヒコザルLv5
ジャイアン ナエトルLv5
出木杉 イーブイLv5

  • 追記
ドラえもんは作中には登場せず。
もともとのびたたちはポケモンの世界の住人という設定。



マサゴタウンを旅立っていくトレーナーが、最初に目指す場所はコトブキシティ。
俺達も例外ではなく、コトブキシティに向かった……全員別れて進んだが
マサゴとコトブキを結ぶ202番道路にはビッパ、オタチ、ジグザグマなどの野生のポケモンや
それを使うトレーナーが居る。格闘タイプのリオルはそれらを倒して行き順調にレベルを上げていった。

そして、コトブキシティに着いた。
コトブキシティはとてつもなく大きなビルや、俺が通っていたトレーナーズスクールなどがある。
しかし思い出に浸っている暇など無い、連戦によりダメージを受けたリオルをポケモンセンターに連れて行った。

最近の医学は凄い、瀕死のポケモンですら10秒たらずで全快になる。
俺は洞窟の中でそう呟くここはコトブキとクロガネを結ぶクロガネゲートだ。
――バチンッ なにかが顔に当たった……ズバットだ。
俺の声に反応したのだろう…リオル以外にも仲間が欲しいところだし捕獲だ。
「電光石火だ、リオル」
空中に居るズバットだが、高速で体当たりしてきたリオルを回避することはできなかった。
飛来していたズバットは地面に落ちた、ここで捕まえてもいいが念には念を入れておこう。
「はっけい…」
地面で倒れているズバットに、リオルは鋭い手刀を食らわす。
格闘タイプの技で、毒飛行タイプのズバットにはダメージは少ないが、狙いはそれでは無い。
はっけいには相手を麻痺させる能力がある、これで捕獲率は上昇するはずだ。
狙い通り麻痺したズバットにモンスターボールを投げ、捕獲は完了した。
地面に落ちているモンスターボールを拾い上げ、クロガネゲートを出た。

クロガネシティ、化石の研究で有名な町だ。
昔来た時は博物館にはなかなか珍しいカブトプスやプテラなどの化石も多数展示されていた。
だが、今の俺には化石などには用は無い、あるのはジムバッジ。
クロガネジムに向かおう……あそこに居るのは岩タイプ使い、
格闘タイプのリオルなら、タイプ的には有利である。
俺は初めてのジムバトルをするために走った。



ジムに行くと、赤みのかかった髪をした少年…もう青年?が居た。
「僕はヒョウタ、それにしても今日は挑戦者が多いな。勝負は1vs1でいいね」
「…行けリオル!!」「ズガイドスッ!!」
両者ポケモンを出す、それと同時に戦闘が始まった。
「頭突きだ、ズガイドス」
こちら目掛けて突進してくる、速い。
「はっけいで受け流せ」
ズガイドスの頭突きをリオルは手刀で受け流す、しかし、リオルはダメージを受けてしまった。
「はっけいなんかで受け流せるほど、僕のズガイドスは甘くないよ」
やはり、そこらのトレーナーとはレベルが違う、この人は強い。
「ならこちらから攻め込むまでだ、リオル電光石火だ」
リオルは俊足でズガイドスの元へ駆け込んだ、そして首元に手刀を当てた。
「トレーナーの命令無しに、的確に次の攻撃をするとは優秀なポケモンだ…
こちらも負けてられないぞ、ズガイドス!!」
首元にはっけいを受け、半分ほどHPを消耗したが麻痺はしていない。
これで分かったのは単純なスピード勝負ならこちらの方が上ということだ。

「気合溜めだ、ズガイドス!」
ズガイドスの雰囲気が、先ほどより一段の険しくなる、本気モードということか。
「ズガイドスの本気の攻撃は厄介だリオル!スピードで翻弄しろ」
リオルは、電光石火でズガイドスの周囲を駆け巡り始めた。
がズガイドスはまるで動揺していない、目をつぶって音で判断しているのか…?
「上から攻撃だ、リオル!!」
リオルはジャンプし、頭上からズガイドスに攻撃を仕掛けた。
『上だ!!』
ヒョウタの掛け声と共に、ズガイドスはジャンプし、リオルとぶつかり合った。
リオルは、ズガイドスの頭突きに簡単に吹っ飛ばされ、より上空へ跳ね上げられる。
「とどめのダメ押しだ」
宙に舞い上がったリオルを、ズガイドスは頭突きで地上に突き落とした。



突き落とされたリオルによって、フィールドに砂煙が巻き始める。
「これで僕の勝ちだね、君のリオルも強かったけどまだ育てが足りないな」
『………クッ…クハハハハハハ!!リオルが倒れたのを確認もせずに勝利宣言とは…』
「な…君のリオルは連撃を受けたのに、立ってられるわけが無い!!」
「最後に選択を誤ったな、ダメ押しは悪タイプ、格闘タイプのリオルにとどめを刺せるほどのダメージは与えられない」
砂煙が引いたときに、フィールドにリオルは立っていた……そしてズガイドスは気絶していた。
「ば、馬鹿な!?とどめを刺せなかったとしてもズガイドスが戦闘不能になるなんておかしい」
「カウンター……中途半端な物理攻撃はこの技で倍返しにできる」
「くそっ……また僕の負けか、考えてみると最近は連敗気味だったな、ジムリーダーになれてうかれてたよ
 こんなんじゃジムリーダーは成り立たない、しばらく僕は特訓するよ。君もポケモンリーグ頑張って」
「ありがとうございます、それでは失礼……」
俺は始めてのジムバッジ、コールバッジを手に入れた。

クロガネジムを出て、博物館に向かうことにした。既に空は暗く綺麗に輝く星が散りばめられている。
このまま次の町へ進めば迷いかねない。それで、この町の名物でもある化石を見に行くことにした。

博物館に展示されている化石は、前よりも種類が増えていた。ユレイドルやアーマルドなどの化石をある。
そういえば、最近の科学では化石と化したポケモンを復活させることができるようだ。
さっき戦ったヒョウタのズガイドスも、その一匹だろう。科学の力ってすげー。
………あれは?赤髪で10代後半?それとも20代前半くらいの女性が博物館内をうろついていた。
今はあまり関わらない方がいいな、こちらの手持ちが弱すぎる。
早足で博物館を出て行った。

ポケモンセンターに行きポケモンを回復する、今日はここで寝よう。
施設の奥には、ポケモントレーナー専用の個室があった。しかも無料、トレーナーは非常に優遇されているのだ。
そういえば、俺以外にもここに泊まっている奴はいるのか?
ジョーイさんに聞いてみると、数人泊まっているようだが、俺の知っている人間はいなかった。
……居たところで何かあるわけでもない、俺は自分の借りた部屋に戻り、眠りに就いた。



――――某所某時刻

どこかの高層ビルの最上階に、赤髪の女性とデスクに座っている人間が会話をしている。
「博物館の偵察ごくろうだった」
「はい……様…そういえば博物館内で……を見かけましたが……」
「………そうか…ソノオ辺りで出迎えてやれ……」
「了解しました、しかし何が目的なのですか?」
「それは今お前が知る必要は無い……」
「し…失礼しました…」
「もう下がれ」
そう言うと、赤髪の女性は部屋を出て行った
「クックッ……楽しみだな……」

ナナシ
リオルLv13 ズバットLv6



………朝だ、俺の顔に眩しい光が降り注ぐ。
俺は重たい体を動かし、布団を片付ける。
ポケモンセンターの宿は、無料ではあるが部屋の掃除等は自分達でやるのである。
ポケモンの治療、宿、食事などが全てついて無料なので、これくらいは当然か……
部屋の片づけを終えて、ポケモンセンターの食堂に行く、数人が食事を摂っていた。
それぞれのトレーナーからは拒絶感のようなものを感じる。ライバル同士だからか。
俺も無言で食事を摂る、うまいな……

食事を終えると、ポケモンセンターを出た、あの張り詰めた空気の中に長時間も居られない。
次の目的地はハクタイシティ、だがそこに行くには、ソノオシティを経由しさらに深い森を突破せねばならない。
面倒くさいな……しかしそれ以外には現時点で移動法が無い。まずはコトブキシティに戻ろう。

クロガネゲート内で、何度もズバットが俺の顔にぶつかってくる。
バチンッ、バチンッ

うざい、うざい、うざい、蹴散らしてやる。
「ズバット!!お前の同属を蹴散らしてやれ」
ボールからズバットは飛び出してくるとともに、勢い良くズバットの群れに飛び込んでいった。
……が数分後、体中のあちこちに傷をつけてズバットは落ちてきた。リンチだ、酷ぇ……
ズバットをボールに戻し、急いで出口に向かって駆けていった。
そういえば、捕まえてからズバットは一度も戦闘に出していなかった、それでは同レベルの仲間に勝てないのは当たり前か。

ポケモンセンターで回復させズバットを再び出す、ズバットは何もできずボロボロにされたことで落胆している。
ズバットには目が無いが、あったら間違いなく泣いているだろう。
「お前強くなりたいだろ、強くなるには特訓する以外に方法は無い……いいな?」
ズバットはそれに頷いた、今、ズバットの修行が始まる。



ズバットの修行は、203番道路で行っている。
ここには草タイプや、虫タイプのポケモンが多い、単純なレベル上げならここが楽だ。
ズバットは次々とポケモン達を倒していき、噛み付くが使えるレベルにまでなった。
ここまで成長すれば、低レベルの同属の群れ程度なら倒せるかもしれない。
あ、また野生のポケモンが飛び出してきた!あれは…まずいキルリアだ。
レベルこそ低いが、タイプ的にはこちらが不利なうえに、念力を使ってくる。
しかし、ズバットはやる気だ、ここは戦闘を行うしかない。
「噛み付け!!」
ズバットはキルリアを噛み付いた。しかし、そのキルリアは煙のように消えてしまった。
「あれは分身、くそっ影分身か」
分身に攻撃してしまったことで、ズバットに大きな隙ができる。
そこに真横から念力を打ち込まれてしまった、大ダメージだ。
真横にいたキルリアは既に消えている、テレポートされてしまった。
そして、再び分身の中に紛れ込む。
次にズバットに攻撃されてしまったら、俺の目の前は真っ暗になりかねない。
ここは確実にキルリアを撃ちとめなければ……

「超音波だ…」
ズバットが不快な音波を繰り出す、すると、分身の中の一体のキルリアが苦しみだした。
「あのキルリアに驚かす」
突然、正面にズバットが現れたことによって、キルリアは精神的ダメージを受けた。
キルリアの超能力が途切れ、分身は消滅した。
『とどめに噛み付けぇ!!』
キルリアの腕に噛み付く、効果は抜群。
……だったがキルリアはまだ体力が残っていた、反撃が来る! まずい
しかし、俺の予想とは反しキルリアは動かなかった……いや動けなかった。
驚かすに、噛み付く……二回連続で怯む可能性のある技を受け、怯んでしまっていたのだ。
この隙は当然見逃さない、二回目の噛み付くにより、キルリアは戦闘不能になった。
ズバットは勝利した。これだけレベルが上がれば、絶対に勝てる。
俺はズバットに傷薬を使い、クロガネゲートに送り込んだ。
数分後、体に傷をつけながらもズバットは戻ってきた。



荒れた抜け道を通り抜け、ソノオタウンについた。
とくにここには用は無いが、ここの名物である甘い蜜は入手しておきたい、俺の大好物だ。
甘い蜜は、花畑にある小屋で売っているはずだ 。
俺は、小銭をポケットの中で握り締め、花畑に向かった。

花畑に向かう途中に人が居た。
あれは……博物館に居た女だ。
「今、ここであなたを倒す」 、
そう言うとともに、巨大な獣のようなポケモンが俺に向かって攻撃してきた。
それを、俺は回避し、腰についているリオルのボールを投げた。
「こいつはブニャット……いきなりトレーナーを狙うとは非道だな」
「これはお遊びじゃないの、続けるわよ」
「せめて名前くらい聞かせろ、俺はナナシだ」
「あたしはマーズ、ギンガ団の幹部よ」
「……なるほど…じゃあ続けるか俺も長話は好きじゃない。電光石火だリオル!!」
リオルは俊足でブニャットに近づく、しかしリオルは突然動きを停止してしまった。
『何をしているリオル!!』
「猫騙しで怯んでるのよ、続けて引っ掻く」
怯んでいるリオルを、ブニャットは鋭い爪で引っ掻いた。
「リオルに近づいたのはミスだな、はっけいだ」
リオルは前方に手刀を繰り出す、しかしかわされた。
そして、リオルはさらに背後からダメージを受けてしまった。
「猫騙しから引っ掻く、そして騙まし討ち、華麗なコンボでしょ?」
「そうだな、だが最初の猫騙しは失敗だったな」
リオルの特性不屈の心、怯むたびに素早さが上がるものだ。
「不屈の心か、しかしこの程度は痛くない」
「リオルのスピード+不屈の心による超スピードに追いつけるかな?はっけいだ、リオル」
リオルは立ち上がる、そしてブニャットにはっけいを打ち込んだ。
ブニャットは効果抜群の技を受けたが、レベルの差に阻まれ体力は半分も奪えなかった。



「やはり、レベル差があると弱点の攻撃も痛くないわね」
「チッ、しかしダメージが無いわけでは無い、連続攻撃、もう一度はっけいだ」
リオルは再びブニャットに攻撃を仕掛ける。
「二度も同じ攻撃を食らうほど馬鹿じゃないわ。燕返し」
攻撃を仕掛けたリオルは、逆に攻撃されてしまった。
辛うじてHPは残っているものの、次に攻撃を食らえば間違いなくやられる。
「戻れ、リオル!ズバット行くんだ」
リオルと交代にズバットが出てくる
「何度だってあなたのポケモンボロボロにしてあげるわ」
「そう簡単に俺は負けない、ズバット超音波だ」
ズバットがフィールドに不快な音波を撒き散らす、ブニャットは混乱した。
「いやらしい戦法を使うわね。ブニャット騙まし討ちよ」
ブニャットは混乱してたにも関わらずズバットに騙まし討ちを打ち込んできた。
「チッ…運がいいな、ズバット翼で打つだ」
ズバットは低空飛行でブニャットに攻撃を仕掛けた。これで相手のHPは半分になった。
「ブニャット、燕返しよ」
ブニャットは、攻撃をするために近づいていたズバットに、燕返しを打ち込んだ。
急所に命中してしまい、ズバットは戦闘不能になった。
「これであなたの手持ちは、HPギリギリのリオル一体だけね」
「くそっ、行けリオル」

リオルを場に出すが辛うじて立っていられる程度だった。
「既に虫の息ね、止めよ燕返し」
混乱していたブニャットは自分に攻撃してしまった
「運が悪いわね」「俺の運がいいんだよ…止めだ」
リオルは隙だらけのブニャットに攻撃をする。
「はっけいごときではまだ止めは刺せない、そして、次の攻撃であなたのリオルは瀕死になる」
「それはどうかな?」「なに!?」
リオルの攻撃で、大きく吹っ飛ばされたブニャットは、既に戦闘不能になっていた。


『ば、ばかな!あたしのブニャットははっけい一発ではまだ倒れないはず』
「俺が使ったのははっけいじゃ無い……起死回生だ」
起死回生はHPが少なければ少ないほど、威力の上がる技
簡単に言えば、ピンチをチャンスに変える技だ。
「虫の息だったからこそ勝てたというわけね、今は撤退しておいてあげるわ」
そう言うと、マーズは去っていってしまった。
とくに追う理由も無い、それより早く甘い蜜を買いに行こう。
小屋に居るおじさんから、甘い蜜をたくさん買っていった。



甘い蜜を入手したし、木の実も購入した、この町にもう用は無い。
俺は次の目的地ハクタイシティを目指し歩き始めた。

今俺はハクタイシティの前に君臨する森……ハクタイの森の前に居る。
この森の中で、夜を越すのはできれば避けたい。
俺は、深い森に足を踏み入れた。

『うわ~~~ん ここ何処だよぉ~』

静かで深い森に、似つかわしくない泣き声が聞こえる。
あの声は昨日旅立ったときに一緒だったのびただ……こちらには気づいていない、
無視して、進んでしまおうか?
無視して進もうかと思ったときに、アゲハントが俺のほうに飛んでk…ちょ…おま、なにをす
『ズバット翼で打つだ!!』
アゲハントは翼で打つ一発で沈んだ。しかし、その音と俺の声に気づいたのびたが俺目掛けて走ってきた。
『会いたかったよ~』
俺に抱きついてくる、鼻水と涙が俺の顔に付着する。
「ズバット……翼で打つ……」「アッー」

「一緒に行こうよ!旅は道連れっていうしさ 頼むよナナシ君!!」
こいつに道連れなんてされたくない、逃げよう。
『断る』『そ…そんなぁ……』
酷い落胆振りだ、周りの人が俺のほうを冷たい眼差しで見つめてくる。
俺は何か悪いことをしたのかっ!?
「わ…わかったわかった 一緒に行くから泣くな」
『ほ…本当に!!ありがとう』
俺は、この深く、暗く、長いハクタイの森を、のびたと共に超えることになった。
あとのびた……人の倒したポケモンを勝手に捕まえないでくれ……



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