ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

新カントー物語 その10

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ここは 4の島
暖かく 青い 氷島

僕は4の島に来た。
ロケット団のイベントがあるならここにいるはず。
「あれから18日も経ったんだよな。時の流れは早いなあ」
僕達全員でヤマブキを出てから、18日が経過していた。

僕の名前は骨川スネオ。
皆で行動を共にしてハナダでレベルを上げていたけど、
ドラえもんが疲れを取る為に休暇を出したから、全員が適当にばらけたんだ。
そして、僕はこの島を選んだというわけだ。

この島を選んだ理由かい?
何か予感があったからかなあ?
僕を誰かが待っている。
そんな気がして、僕はここに来た、というわけだ。

船から下りた僕に子供が近寄ってきた。
「あなたはほねかわすねおさん?」
「そうだけど、何で僕の名前を知ってるんだい?」
優しく語り掛ける僕に子供は手紙を突き出す。
「これ、きらきらひかるおにいちゃんからのおてがみ。じゃあぼく、わたしたから」
「ああ、転ばないよう気をつけろよ」
僕の言葉に、子供は笑いながら広場に走っていった。

手紙を開けて中身を確認する。
予想通りといったところか。
僕は彼から呼び出された場所、凍てだきの洞窟に向かった。



凍てだきの洞窟

僕が行くとそこには湖を見つめている金髪の男が居た。
「お久しぶりですね、ヒョウさん」
ヒョウさんは言葉に反応してこちらを向く。
「やはりお前が来たか・・・なんとなくそんな気はしてたんだが」
「僕もですよ」
モンスターボールを構える僕。
「待て、ここでお前と争う気はない」
ヒョウさんは僕を制する様に、手でポーズを取る。
「やっぱりそうですか」
僕はその様子を笑って、モンスターボールを腰に戻した。

「俺の考えでは、俺の相手はお前。ハルの相手はしずかと予想するが・・・」
スネオを見つめて語りかけるヒョウ。
「ええ、そのつもりですよ。・・・やっぱり抜けたのはソラですか」
「ああ」
ヒョウがあっさり答える。
「あいつが一番汚れていなかった。外すべきなのはあいつだ」
言葉に頷くスネオ。
「でもそんな事言ってちゃ不味いんじゃないんですか? 
そっちのデータを売ってるんですよ?」
スネオの問いに、ヒョウは溜息をついた。
「お前に言った所で・・・俺達は負けないさ」
「凄い自信ですね」
スネオが笑うとヒョウはスネオを睨みつける。
「まだまだお前に負ける気はない。
 俺達は全力で戦う。お前達も全力でかかって来い。俺との約束だ」
スネオの横を通り過ぎていくヒョウ。
「ええ、全力で。悔いの残らないように戦いましょう、ヒョウさん」
ヒョウはスネオの問いに腕を上げて答えた。



1の島

ドラちゃんがくれた最後の休暇。
私は1の島に来る事にした。
「皆も今ごろは休暇を満喫してるのかしら」
私達がヤマブキを出てから既に18日経過していた。

私の名前は源静香。
ヤマブキを出てからずっと皆と行動してたけど
ドラちゃんが休暇を出したから私達は各自で行動することにした。
私は休暇にこの島を選んだと言う事。

この島に来た理由?
それは温泉に入る為!
後は・・・誰かが私を待っている気がしたから、かな?
そう言っていたら汽笛が聞こえてきたわ。
どうやら私は1の島に到着したもたいね。

私が船から出て港に下りると見たことがある人が居た。
あの後姿は忘れられない。
声をかける事にする私。
「誰か待ってるんですか?」
私の言葉に反応した彼女はこちらを向く。
「久しぶりだねえ、しずか。元気にしてたかい?」
「ええ、とっても」

『赤い恐怖』ハルさんとの再会だった。



灯火温泉

「それにしても、アンタが温泉が好きだとは意外だねえ」
「そうですか?」
湯船につかりながらハルさんに返事をする私。
「ああ、意外だよ。アンタは冷静そうに振舞ってたから
冷たい物が好きだと思ってた」
「そんなことで人を判断しないで下さい!」
全く、どういう考え方をしているのだろう。
私が彼女を見ているとハルさんが笑った。
「なんだい? アタシが気になるのかい?」
ここは適当な言葉を出そう。
「ハルさんは温泉好きなんですか?」
「大好きさ!     で? 本当に聞きたいのはそれじゃないだろう?」
私は小さく頷いた。

「ハルさんは怖くないんですか?」
「ああ、何が?」
ハルは『寝惚けてんのか?』といった表情でしずかを見る。
「戦うことが」
しずかの質問にハルは笑う。
「怖いと思ってたら悪事なんて出来ないよ! それがどうかしたのかい?」
「……」
黙り込むしずか。
「なんだい、言ってみなよ。話さなきゃあたしは何もわかんないよ?」
そう言ったハルにしずかは真剣な口調で呟いた。



「ハルさんは強いですね」
「はあ? 何言ってるのさ。あたしは強くなんかないよ」
「いえ、強いですよ。私よりは」
しずかがそう言うと、ハルは真剣な表情に変わって呟いた。
「・・・本当に強いのは、あの眼鏡小僧だよ」
「のび太さん?」
意外な名前にしずかがボケた声をあげる。
「ああ、あいつの優しさ。あれは何事にも変えられない強さだよ。
 あそこまで芯がしっかりしてる強さを持てるなんて、
立派なことだとあたしは思うよ」
「ハルさん、のび太さんの事・・・」
「嫌いだよ。でも認めるところは認めるさ」
あっけらかんと答えるハル。
『ハルさん、やっぱり貴方は強い。
 私は貴方ほど要領が良くはできない。
 私は皆より――――――弱い』
「ねえ、ハルさん」
「なんだい?」
「私、貴方と戦いたくない!」

しずかの叫びにハルは拳を湯船に叩きつけた。
「覚悟を決めな、しずか! あたしはもうアンタ達と戦うことは決めてるのさ!
 アンタの意思なんて関係ないよ!」
湯船からあがって着替えを取るハル。
「でも、私は!」
「もう決まったことなんだよ! 次にアンタと会う時は敵同士だ! 
覚えておくんだね」
そう叫ぶと、ハルは温泉を出て行った。

「私はもう・・・覚悟を決めるしかないの?」

しずかの問いに答える者は誰も居なかった。



ここは 5の島
緩急の 流れ 時の島

俺様が来たのは5の島。
ドラえもんは休暇なんてまどろっこしいことを言ってたが俺様には関係ねえ。
「俺以外ここには誰も来てなかったな」
俺はそう言って乗客を確認する。

俺様の名前は剛田タケシ。
全員の中でもトップクラスの強さを誇るガキ大将だ。
ドラえもんがレベル上げを中断したけど俺はもっと強くなりたい。
だから5の島に来たと言うわけだ。

ん、どういう意味かって?
ここにはロケット団が居るはず。
そいつ等を経験値にするために俺はここに出向いたんだ。
船の汽笛が聞こえてきた。
「おう、やっと着いたか」
俺様はそう言って港を飛び出した。

草原を越えて俺は秘密倉庫に辿り着く。
さっそく俺は入ろうとした。
だけど扉は開きもしねえ。
「パスワードの入力? 面倒くせえ。カイリキー!」
俺はカイリキーに扉の破壊を命じる。
だけど扉は壊れやしなかった。



「畜生!」
俺が愚痴をついて扉を殴る。
カイリキーをモンスターボールに戻してパスワード画面を見る。
「えーと、何だったけな」
俺は必死にパスワードを思い出そうとする。
『タマタマまたまた』だっけ。
『またまたタマタマ』こっちだっけ?
俺は試行錯誤する。
集中するあまり、後ろからの足音に俺は気がついていなかった。

「全く……。こんな所に来ても無駄だぞ」
後ろから声をかけられ俺は振り向く。
目の前には黒いスーツを着込んだ男、カイが居た。

「ふん。戻ってきてお前が居るとは・・・運命かもな」
笑ってタバコを取り出すカイ。
「で、こんな所に何しに来たんだ? まさか俺が来るのがわかってたとか
言う訳じゃないだろうな」
そう言って、カイはジャイアンを見た。
「お前の所の団員を経験値にしようと思ったんだけどよ、
 パスワードがある事を忘れてて、ドアの前でパスワードを考えてたんだよ」
「そうか『馬鹿だなこいつ・・・』まあいい、
俺はお前に言いたいことがあったんだ」
「言いたいこと?」
ジャイアンが疑問の声をあげる。
「俺は三番目だ。お前が俺と相手をしたいなら仲間にそう言っておけ」
カイは言葉を言うと、秘密倉庫の中に入っていった。

「へへへ、上等じゃんか」
笑いながら拳を握り締めるジャイアン。
「やってやる! 俺様とお前の最後の勝負だ!」
ジャイアンは秘密倉庫に向かって大声で叫んだ。



ここは 6の島
古の 言伝 たこう島

ドラえもんがくれた休暇。
僕は6の島に行くことにした。
歴史建造物でも見に行こうと思って。

僕の名前は出木杉英才。
歴史の魅力をたっぷり味わおう。
そう思ってここに来たんだ。

港を降りると何か大きな建造物が見えた。
『あんなもの・・・僕の記憶にはない』
僕は町の人に聞いてみることにした。

「すみません。あれは何を立ててるんですか?」
町の人に尋ねてみる僕。
「ああ、あれか。知らないがナナシマでリーグを作るらしいぜ」
おじさんの信じられない言葉に、僕は絶句した。
「カイ様の娘さんが帰ってきてさ、ジムを作ることにしたんだってよ。
 後半年以内には完成させるつもりらしいぜ。ジムリーダーの募集もしてるし」
『ジムの責任者に会っておいたほうが良さそうだな』
そう考えて、僕はおじさんに探りを入れる。
「ジムリーダーになる人は何処にいるんですか?」
僕が聞くとおじさんは一つの家を指差す。「あそこだ」
「そうですか、ありがとうございます」
お辞儀して家に向かうことにした。



「すみません」
僕は家の前に立ち、ノックをする。
標識は文字がかすれてて読めない。

少し僕が待っていると中から返事が返ってきた。
どうやら家の人は女性らしい。
『でもこの声、何処かで聞いた記憶が・・・』
僕が思索にふけっているとドアが開けられる。
「ジムリーダー希望の方ですか? どうぞ家の中に・・・」
僕は彼女の姿に見覚えが合った。
「君は・・・」「貴方は・・・」
彼女を見つめていると彼女は家に手招きをした。
「お茶ぐらいなら出せますので」
僕は彼女の誘いに応じることにした。

家の中は綺麗に食器が整理された棚、きちんと並べられた椅子、
磨かれている机というシンプルな構造。
机の上には写真とボールが六つ置いてあり、その中にはネイティオの姿が
見当たらない。
とりあえず座って写真を見ることにした。
写真には『ソラ誕生時家族写真』と書いてある。
写っているのは綺麗な女の人と、女の人に抱きしめられてる赤ん坊。
凛々しい顔立ちをしたどこか見覚えのある男と、男に肩車をされている子供。
僕が写真を見つめているとその写真を少女が手にとった。
そしてカップを置いて椅子に座った。

「はい、どうぞ」
少女は茶を注いで出してくれる。
「久しぶりだね・・・ソラさん」
「ええ。そうですね、出木杉さん」
そう言って、彼女は僕に笑いかけた。
僕は彼女の笑顔に、見とれてしまっていた。



「ロケット団は辞めたんですか?」
僕が質問をするとソラさんは頷く。
「ええ、父からクビと言われましてね。故郷の6の島に帰ってきたんです」
そう言って、彼女は音を立てないように紅茶をすすった。
「父?」
疑問の声を上げる僕に、彼女は笑って答える。
「カイ様ですよ。私の実の父親らしいんです」
「『らしい』? 知らなかったんですか」
「私が知っていたのはセイト兄様だけですから。母は亡くなっていますし」
「そうだったんですか・・・」
そう言うと二人は沈黙した。
『まずい・・・話題を変えなければ』
「ジムを作るんですか?」
僕が聞くと彼女は頷く。
「それが父の望みですから」
「父の望み?」
彼女は僕に手紙を突き出してきた。
「えーと?」
手紙には一文しか書かれていなかった。

『我が娘よ。ジムを作れ。それが俺の望みだ。   カイ』

溜息を一つついて僕は手紙をもう一度見る。
消された跡やあぶり出しなどの跡はない。
これだけを彼は書いたのだろう。
僕は彼に呆れてしまった。
こんな娘への手紙は僕は今まで見たことがなかった。
僕は手紙を彼女に返す。
「だから私はジムを作ろうと思ったんです」



「で・・・ジム作るんだ」
「ええ」
僕の問いに笑って答える彼女。
僕は彼女に愛想笑いを浮かべることしか出来ない。
ソラさんはバッグから何かを取り出して僕に見せる。
「まだ誰にも言ってないんですけど・・・これを見てくれませんか?」
僕に一つの紙を見せる彼女。
「『ジムリーダー募集中!』・・・これ、噂になってたよ」
「違います、裏を見てください」
彼女に言われて僕は裏面を見る。
そこには凄い計画が書かれていた。

1の島 ジムリーダー ニシキ 2の島 ジムリーダー メイジン

3の島 ジムリーダー ゴウゾウ 4の島 ジムリーダー カンナ

5の島 ジムリーダー ? 6の島 ジムリーダー ソラ(私)

7の島 ジムリーダー キクコ 豪華客船サントアンヌ2号 ジムリーダー ?

16個のバッジを持つ者にはジムリーダートーナメント出場権利が与えられる。

無謀な計画書としかいえない。
まず四天王を二人引き抜く事。
僕は「無理だよ」と言おうとした。
しかし彼女はとんでもないことを言ったのだ。
「名前の書いてある人は全部決まってるんですよ。
 後はトーナメントの会場とバッジの用意だけなんですけど・・・」



彼女の言葉を聞いて自分の頬をつねった。
どうやら夢じゃないらしい。
「ちょっと待って!? カンナさんとキクコさんが入るの!?」
「ええ、ロケット団が襲撃する前に話を持っていったら
 あっさり引き受けてくれましたよ。
 カンナさんは自分の島のことをかなり気にしてたみたいですし」
絶句する僕。
『彼女の夢はあっさり叶うのかもしれないな』と思うしかなかった。

出木杉が紅茶を飲み終えて紅茶を注いでいるとソラがカップを置いた。
「出木杉さん・・・父と戦うんですか?」
先程までの笑顔とは打って変わってに辛そうな顔で語りかけてくるソラ。
「貴方が違う世界の人と言うことはDさんから聞きました。でも」
「僕は戦うよ」
ソラの言葉を遮って出木杉は答える。
「現実世界に皆で帰る為なら・・・僕は絶対に戦う。
 相手が君のお父さんであろうと」
言葉を言い終えると、紅茶が零れている事に気がついた出木杉。
慌てて台拭きを手にとり机を拭きだす。
「そうですか・・・」
ソラは辛そうな表情で紅茶のポットを片づけ始めた。

「今日はありがとうございました、ソラさん」
そう言うとソラは笑う。
その笑顔を見て赤面した出木杉は、逃げ出すように家を出ようとした。
「出木杉さん」
出木杉を呼び止めるソラ。
「私と貴方は同い年ですよ。呼び捨てで結構です」
そう言うと、ソラは顔を赤くして食器を片づけ始めた。
「わかりました。ソラさん、僕のことも呼び捨てでいいですよ」
「ええ、出木杉さん」
結局、お互いに呼び捨てで呼ぶ事はなかった。



ここは 7の島
終わりなく 果てしなき 求め島

「アスカナ遺跡かあ。誰だろう、こんな所に呼び出すなんて」
僕は欠伸をしてラプラスから降りる。

僕の名前は野比のび太。
あいつ、ノメアロDとか言う奴に挑戦を挑まれて、あれから自分の力
を完璧に上げきった。
そうして僕が今日の休暇に入って昼寝をしようとすると、
突然誰かに呼び出されたのだ。
『アスカナ遺跡に来てよ、僕はそこに居るから』と。

敵の罠かもしれない。
僕はそうも考えた。
けどあの声は僕が家出したときのママの声に似ていた。
あの声の主、それを確かめる為に僕はアスカナ遺跡に来たんだ。

遺跡に入ると奥が光っているように見える。
僕はそこに向かった。

行った先にあったのはワープ。
これは・・・あいつの罠なのか?
僕は入り口に戻ろうとした。
『待って! 僕に会いに来てくれたんだろう?
 お願いだから僕を信用してその床に乗ってよ』
突然僕の頭に声が入る。
これは信用してもいいのかな?
考えているともう一度相手が話し掛けてきた。
『お願いだから・・・』
その声を聞いて床に乗ることを決意した僕。
大きく足を踏み込んで僕はワープ床に乗った。



????

ワープした先は自然に囲まれた綺麗な島だった。
海の綺麗な音と木が風で揺れる音が上手くマッチしている。
『ありがとう。さあ森に入ってきて』
僕はその言葉に従って森に入っていった。

辿り着いたのは綺麗な泉がある場所。
どうやらここで行き止まりのようだ。
『よく来てくれたね、泉の中に入っておいでよ』
声が聞こえると水は何かを通すように広がった。
奥を見ると階段のようになってる道がある。
「よし、行こう」
僕は自分に一つ声をかけ、泉に潜っていった。

泉の中は洞窟につながっていて、テキオートーも使ってないのに息ができる。
洞窟の奥に辿り着くと、そこには一匹のピンク色のポケモンが居た。
『ようこそ、僕の家に。僕の名前はミュウ。新種ポケモンって呼ばれてるんだ』
「ミュウ?」
僕は目の前の生物に疑問の声をあげる。
『ミュウって確かスネオがエメラルドを持ってポケモンセンターに行くことで、
 手に入るチケットでしか取る方法がないって言ってたあのミュウ?』
考えていると、ミュウは僕に語りかけてくる。
『驚くのも無理はないね。本来、僕はこのゲームには居ないはずなんだから』
ミュウは僕の前で欠伸のような動作を取る。
『でも僕はここに存在してるんだ。全部ミュウツーが変な奴と結託したせいだよ』



「ミュウツー!?」
僕は驚きを隠そうともせずに大きな声を出す。
『そう。この世界のチャンピオンはミュウツーと手を結んだ。
 僕はミュウツーを止める為に現れたんだ。何故かカントーに居たからね』
『ドラえもんの設定変更かなあ?』
考えているとミュウが話しを続ける。
『それから僕は君達をずっと見てたんだ。
 そうしてあいつと戦うのが君だとわかったからこうして呼び出したと言うわけだよ』
「ふうん・・・」
ミュウを見つめる僕。
「もしかして僕の仲間になってくれるの?」
僕がそう言うとミュウは無邪気に飛び回る。
『そう思ってたんだけどね、その前に僕は一度君をテストしようと思ったんだ』
「テスト?」
嫌な声をあげる僕。
正直、僕はテストにあまりいい思い出はない。
『テストといってもルールは簡単だよ。僕と勝負するだけさ』
ミュウが僕の正面に浮かんで、向かい合う。
『そうだ、戦う前に君の名前を教えてよ』
僕に問い掛けるミュウ。
「僕の名前は野比のび太。よろしく頼むよ」
『のび太か、いい名前だね』
ミュウがキラキラと光った。
『のび太。君の実力を見せてもらうよ!』
僕はモンスターボールを構えて彼に応じた。



「行け、カビゴン!」
僕は特殊技に強いカビゴンを最初に出した。
『なるほどね・・・』
ミュウは感心したように僕を見る。
「カビゴン、のしかかりだ!」
カビゴンがゆっくり動き出す。
ミュウはその様子を見て目の前にバリアーを作り出した。
『バリアーか!』
カビゴンがミュウにのしかかる。
だがカビゴンの攻撃はミュウには当たらなかった。
「えっ!」
『甘いなあ・・・僕は君をどうやって痛めつけるか考えているだけなのに』
僕を見てミュウが悪そうな顔を浮かべる。
『さあ、僕も攻撃させてもらうよ!』
ミュウから黄色い弾が放たれる。
何だあの技は?
僕はあんな技、見たことがないぞ。
でも特殊系の技に間違いはなさそうだ。
僕が考えていると弾がカビゴンに直撃する。
カビゴンは凄い勢いで吹き飛ばされてしまった。

カビゴンは重い。
僕の体重なんかよりも物凄く重い。
そして特殊防御も高い。

でも僕は目にしてしまったんだ。
そんなカビゴンをあんな小さい体で吹き飛ばすポケモンを。



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