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シルフカンパニー 最上階

しずかとスネオは目の前の男を睨みつけていた。
全ての元凶である、目の前の男を。
「睨まないでおくれよ。まるで僕が悪者みたいじゃないか」
男はニヤニヤと、楽しそうに笑っている。
「キミ達がトロトロとやっているから、僕がスパイスを加えてあげたんだよ。
 まあ、余計なお世話だったかもね、アハハハハ!」

「本当に余計なお世話だよ!」
スネオが激昂する。
「お前が居なければ・・・皆で楽しく過ごせたのに!
 今からでも遅くない! この世界を元に戻せ!」
男はスネオの叫びに、笑いながら答える。
「嫌だよ。何で僕がそんな事しなくちゃいけないのさ? 理由がないよ」
「ふざけないで!」
しずかも激昂する。
「そんなの貴方の自己満足じゃない! 何で私達を狙ったのよ!」
前の男が真剣な顔つきに変わる。
「理由はねえ、人間の心だよ。
 僕はキミ達みたいに利己主義で自分勝手な奴等が一番嫌いなんだよ!
 友情? 馬鹿馬鹿しい! 僕はキミ達に思い知らせてやるんだよ!
 人間の心はこの世に必要ないし、人間もいらないって事をね!
 僕は絶対に認めない。人間も。人間の心も。心の代表格の友情なんて物もね!」
男の答えを聞いた二人はモンスターボールを構える。
「やっぱり、今更話し合っても無駄か」
「私達は貴方なんかに負けないわ! ポケモンで勝負よ!」
「へえ、僕とやる気なのか」
男はモンスターボールをポケットから取り出す。
「いいよ。かかってきな! 格の違いを見せ付けてあげようじゃないか!」



「フリーザー!」「ファイヤー!」
二人は共に伝説のポケモンを繰り出す。
「ふうん。フリーザーにフャイヤーか。いきなり切り札を出してきたって訳だ」
「さっさとポケモンを出せ!」
「それとも怖気づいたの!?」
二人の様子に呆れたように男は肩を竦める。
「煩いねえ。言われなくても出してあげるよ。行け、ガブリアス、ラグラ-ジ!」
ラグラージ、ガブリアス。
どちらもこの地方には生息していないポケモン。
「フリーザー、ガブリアスに冷凍ビーム!」「フャイヤー、ラグラージに
エアスラッシュだ!」
二体が行動に入る様を見て男が笑う。
「遅いよ。もう僕のポケモンはキミ達のポケモンの懐に入ってる」
二人が気付いたときには男の言う通りに二体のポケモンは
フャイヤーとフリーザーの目
の前にいた。
『なんて速さだ!』『フリーザーよりも速いの!?』
「一撃で沈めてあげるよ。両方とも、ストーンエッジだ!」
懐に入った二体のポケモンが腕を振り上げて二体の伝説に叩きつける。
攻撃を受けた二体は呆気なく倒れてしまった。
「そんな・・・馬鹿な」
「フリーザーが一撃なんて・・・」
「見掛け倒しってキミ達のポケモンの為にある言葉だねぇ、ハハハハハ!」
男は転がっている二体のポケモンを見て、言い放つ。
「どう、まだ僕と戦う気が残ってる? これで少しは実力の違いを
理解してほしいんだけど?」
二人は呆然として、動こうとしない。
「戦意喪失。今のキミ達にピッタリの言葉だね。ハハハハハ!
 僕に挑む気だったらさあ、セキエイに来る時までに
レベルを上げとく事をお勧めするよ」
二体をボールに回収しながら男は笑う。
「さて、僕は今からキミ達にルール説明しようと思うんだけど・・・いいかなあ?」
二人は言葉に反応しない。
「だんまりか。じゃあ勝手にっ・・・て。おや? 誰か来たみたいだね」
二人が男の言葉を聞いて振り向くと、瞬間、ドアが吹き飛んだ。



「しずかちゃん!」
「スネオ!」
のび太とジャイアンが転がり込むように部屋に入る。
その後ろに出木杉、ドラえもんと続く。
状況は六人の子供たちが男に対峙しているというところだ。
「皆様、良くシルフカンパニーに来てくれたね。僕は嬉しいよ、アハハハハ!」
男が入ってきた四人に対してお辞儀をする。
「誰だお前は!」
ドラえもんが叫ぶ。
男はその様子を見て更に笑う。
「誰、だって? おかしな事を言うねえ。キミが僕を知らないわけないじゃないか。
 そうだろう、『ドラえもん』!」
「!何で僕の名前を・・・?」
男はドラえもんの様子を見ていると、イライラしているように
ドラえもんに語りかける。
「本当にわからないみたいだねえ・・・。笑いを乗り越えて
腸が煮え繰り返りそうだよ」
「で、お前は誰なんだ!」
のび太が男を睨みつける。
男は視線の先を見ると、憤怒という感情がそのまま当てはまるような顔をした。
「そうかお前が・・・。本当に見るだけでムカツク奴だな。
 すぐにでも殺してやりたいけど・・・ここはあいつの手前、我慢するよ。
 で、僕の正体だっけ? チャンピオンかなあ? 
 それとも未来犯罪者のほうがわかりやすい?」
男がからかうように聞いてくる。
「という事は・・・貴様が僕たちの敵!」
出木杉が男を睨みつける。
「俺たちを元の世界に戻しやがれ!」
「それはさっきも言ったけど却下。僕にメリットが無い。
 むしろ感謝して欲しいぐらいだよ。キミ達にチャンスをあげたんだから。
 さて皆が来てくれた事だしルール説明でも始めようかな」



「僕達はセキエイに居る。タイムリミットは後20日。
 キミ達が一人でも負けたらその瞬間にゲームオーバー。
 僕達は合計5人で戦う。キミ達も一人一人選んで戦うのさ。
 同じトレーナーの使用は禁止だから、あぶれる人は・・・そっちで決めてよ。
 今から只の雑魚トレーナーに負けても君たちはゲームオーバー。
 もちろんキミ達が戦闘しあうのも駄目って事だよ。気をつけてね。
 レベル上げの為にハナダの洞窟も開けといてあげるよ。
 ああ、後は通信交換も制限をかけるよ。
 キミ達が今まで育てていたポケモン等はもう交換できない。
 通信進化はアイテムを持ったままレベルを上げてくれればいいさ。
 フーディンとかなら勝手にレベルを上げてくれればできるようにしとくよ。
 さて・・・こんな物かな。何か質問はある? 
 細かいのは図鑑を見て欲しいんだけど・・・」

「僕達って言うのはこのゲームの四天王か?」
出木杉が男を睨みつける。
「流石、天才少年。鋭い所を突くねえ」
男が感嘆の言葉をあげる。
「キミの予測通りだよ。答えはNO。どうやら僕が設定した四天王が
わかってるみたいだね」
男の問いに対して出木杉が頷く。
「誰なんだよ! 出木杉!」
ジャイアンに急かされて、出木杉がスネオとしずかを見ている目を
ジャイアンに向ける。
「該当しそうなのは・・・・・・」
出木杉がつらそうにジャイアンから顔を背ける。

「・・・ロケット団の幹部達ね」
黙っていたしずかが口を開けた。
「シルフカンパニーのイベント変更でより確実になったわ。
彼らはタイプもほとんど揃えていたし」
「正解。もう他に質問は無いかな?」
「まだある」
ドラえもんが口を開けた。



「君の目的は何だ?」
ドラえもんの問いに男は考える素振りを見せる。
「目的ねえ・・・。キミ達を苦しめること、絶望に突き落とすこと、かなあ。
 具体的な目的はわからないな。僕は自分の望むことが
 これしかわからなかったんだから」
男は肩を竦めて答える。
「もういいかなあ? 僕はこれからロケット団に会いにいかなくちゃならないんだ」
「質問がある」
スネオが男を見つめる。
「僕達をロケット団に入れた理由は何だ?」
「入れた理由・・・か」
男はしずかとスネオを淋しそうに見つめる。
「キミ達の中に裏切り者を作りたかった。悪にも色々ある事を知ってほしかったんだ。
 キミ達になったのはキミ達がお月見山に行ったからさ。
 キミ達には悪いと思っているよ。でもロケット団も悪くはなかったろう?」
男の問いに二人は言い返せない。
「もう僕は帰らせてもらうよ」
男の周りに光が集まっていく。
「待て! 最後にお前の名前を教えろ!」
ドラえもんが叫ぶ。
「名前ねえ・・・・・・ノメアロDでいいや。最後に、眼鏡のロクデナシ!」
「?」のび太が疑問詞を浮かべる。
「僕の最後のルールだ。僕の相手がキミ以外だったらキミ達の負けだ。
よく覚えとくんだね!」
「待ちやがれ!」
ジャイアンが飛び掛る。
だが光はジャイアンを壁に向かって吹き飛ばした。
「うわあああああ!」
「ジャイアン!」
「バイバイ皆。アハハハハハハハハ!」
光が消え、全員が男が居た場所を確認する。
男の姿は忽然と消えていた。



現在の状況
ドラえもん シルフカンパニー ウインディLV60 ギャラドスLV59 メタグロスLV58

          11階      ハピナス LV58

のび太   シルフカンパニー リザードンLV58 ピカチュウLV57 エーフィ LV56

          11階      カビゴン LV56 ラプラス LV50

しずか   シルフカンパニー フシギバナLV56 ニドクインLV54 ペルシアンLV53

          11階      ミロカロスLV55 フリーザーLV59

スネオ   シルフカンパニー クロバットLV57 ニドキングLV55 マルマインLV52

          11階      ガルーラ LV54 ファイヤーLV59

ジャイアン シルフカンパニー カイリキーLV56 ダグトリオLV54 ケッキングLV54

          11階      プテラ  LV54 サンダー LV59

出木杉   シルフカンパニー カメックスLV58 ピジョットLV54 フーディンLV55

          11階      ハッサム LV54 エレキブルLV56



シルフカンパニー 11階

「ありがとう、君達。シルフ社長として礼を言わせて貰う」
社長が5人の少年少女と青い機械に頭を下げて、尋ねる。
「何か欲しい物はあるかな?」
「それじゃ」
「いえ、お気遣いだけで結構です」
何か言おうとしたジャイアンを制して、出木杉が答える。
その様子に社長は一つ溜息をついた。
「わかった。じゃあ後でポケモンセンターに物を送ろう。
いらなかったら捨てても構わない
 だがやはり私はシルフ社長として礼をしなければならないんだ。
受け取ってくれるかな?」
「感謝します、社長さん」
出木杉が頭を下げて、その様子を見た全員が続くよう頭を下げる。
礼をし終えた全員は、ドアを開けてシルフカンパニーを後にした。

ヤマブキシティ ポケモンセンター

部屋に入ると、スネオとしずかが四人に向かって振り向いた。
「僕達は言い訳はしない」
「どんな事でも、受け入れるわ」
真剣な表情で訴えかける二人。
二人の表情を見て、四人は目を見合わせて頷きあった。
「じゃあ、目を閉じとけよ二人とも」
二人はジャイアンに言われるまま目を閉じる。

「二人とも目を開けろ」
ジャイアンに言われて二人が目を開ける。

二人の目の前に見えたのは特大のケーキだった。



「これは何の真似だい?」
「どう言う事かしら?」
スネオとしずかが途惑いながら、ジャイアンに聞く。
「見てわかんねえのか? ケーキだよ。全員で食うな」
よだれをたらすジャイアン。
「僕達の・・・?」
「待って! 私達・・・貴方達を裏切ったのよ!」
ジャイアンが二人を見て、笑う。

「関係ねえよ。二人を責める理由は俺にはないぜ」
「そうだよ僕たちは仲間じゃないか!」
出木杉が笑顔で続く。
「二人とも気付けないでごめんね」
ドラえもんが悔しそうに下を向く。
「二人とも、無事でよかったよ」
のび太が胸に手を撫で下ろす。
「何だよ、これ。まるで僕達が馬鹿みたいじゃないか……」
「皆…御免なさい…」
二人は糸が切れたように泣き崩れた。

ジャイアンがスネオの肩を叩いて笑う。
「気にすんな! 俺様がその気になれば、何時でもあんな奴ぶっ飛ばしてやるよ!」
「……今日吹っ飛ばされてたじゃないか」
スネオが顔を手で隠しながらジャイアンに告げる。
「うっ! ま、まあ気にすんな!」
「今度から僕達に相談するんだよ」
「うん……皆に相談するよ」
出木杉がスネオに笑いかけると、スネオは自分を戒めるように呟いた



しずかに近づいて行くのび太。
「しずかちゃん、大丈夫だった?」
「…ええ…」
泣いているためか、しずかの声は小さかった。
「しずかちゃんが無事なだけで僕は嬉しいよ。僕はしずかちゃんが無事ならそれだけでさ」
「え? どういう意味?」
しずかが驚いたようにのび太に聞き返す。
「い、いや、なな、何でもないよ」
思わぬ言葉にのび太は慌てて言葉を濁す。
「そうなの?」
「う、うん」
顔を抑えて立ち上がるしずか。
「私、顔を洗ってくるわ。ありがとう、のび太さん」
「き、気にしないでよ」
のび太は照れくさそうに言い、その反応にしずかは笑い声を漏らしながら洗面所に向かった。

「のび太君、変わったね」
ドラえもんがのび太に話し掛ける。
「そう?」
「うん、何と言うかね、大人っぽくなったよ」
「でも、しずかちゃんとスネオを助けれなかった」
のび太の穏やかな表情が怒りに変わっていく。
「僕があいつと戦うんだったね。僕、絶対負けないよ! 
あいつを二人に対して謝らせてやるんだ!」
「彼か……」
ドラえもんはあの時の少年について考える。
『でも彼は誰なんだ? 僕が彼を知っている? 一体どう言う事だ…?』

ドラえもんが考えているとしずかが洗面所から帰ってきた。
「じゃあ皆でケーキを食べようか!」
ドラえもんの声に全員が笑って頷いた。



ロケット団 秘密倉庫前

「え……?」
私は動揺を隠せない。
「お前の役目は終わった。お前はロケット団に必要ない」
モンスターボールの落ちる音が聞こえる。
私の手から落ちた物だ。
「意味が……わかりませんが」
「鈍い奴だな。もう俺はお前を必要としない。ソラ、今までご苦労だったな」
目の前の男、カイ様が私に告げた。

シルフから撤退して私は団を少し離れていた。
一日以上の命を受けて偵察していた時、カイ様からの帰還命令が出た。
私は変に思いながらも、ここに戻って来てカイ様と面会した。
そして私は言われたのだ。
『もうお前は必要ない』と。

呆然としているソラに、カイがソラのボールを手に持っていたザックに入れて手渡す。
「さあ、消えるんだ。故郷に戻れ。二度とロケット団に近づくな」
「嘘でしょう……?」
今にも泣き出しそうな表情で訴えるソラ。
カイはソラを辛そうに見ながらも、叫んだ。
「消えるんだ! そして・・・二度と俺の前に姿を現すな!」
言葉を受けてソラから涙が流れ落ちる。
『私はもう……カイ様に……必要と……されない?
 そんな、そんな、そんな!!』
「いやああああああああああああ!!!」
頭を抱えて絶叫するソラ。
そのまま、漆黒の闇に飲み込まれるように走り去ってしまった。



「ひどい仕打ちだなあ。実の娘に対して」
「ふん。お前か」
「確かに一人消してとは言ったけど、あそこまでする必要はないんじゃない?」
男の問いに溜息をつくカイ。
「俺の娘をどうしようと俺の勝手だ。それにあいつは命のやり取りをできる覚悟はない」
「ふうん?」
カイの言葉に鼻で笑う男。
「これで満足だろう? 後は俺達がセキエイを落とすだけか」
「ああ、そうだよ」
男が即答して手を叩く。
「でも彼女強かったんだけどなあ……」
物惜しそうに呟く男。
「当たり前だ。俺の自慢の娘だぞ」
「そんな真剣な顔して言われても・・・ねえ?」
男の笑いにカイが答えることはなかった。

ロケット団秘密倉庫内

「ソラともお別れか・・・別れが続くねえ」
「あいつはまだ子供だ、違う生き方もできる」
二人が互いに溜息をつく。

「あたし達もセキエイを落としに行くとは、自殺行為だねえ」
「自殺行為などといえる無茶は今まで何度もしてきたじゃないか」
ヒョウがワイングラスを上に掲げる。
「ああ、そうだったねえ」
ハルも合わせるようにグラスを上に掲げる。
「ヒョウ」「ハル」
「仲間の新しい旅立ちに、乾杯」
ワイングラスがぶつかりあい、綺麗な音を響かせた。