ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

キョーコ チケット騒動編

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みなさんはポケモンの世界で、【警察官】が【警備員】と呼ばれる理由を知っているだろうか

実は市民が、警察官の中で【派出所のお巡りさん(巡査)】のことを
親しみを込めて警備員さんと呼ぶようになったのだ
そういう理由もあって警備員には女性が多く採用されている
ポケモンの世界はそれほど平和な世界なのだ。しかし…

しかしそんな幸せな世界が壊れようとしていた―


「今日も一日平和ね、いい事だわ」

婦警のキョーコは満足そうにそう言うと、缶コーヒーを口に運んだ

もちろん警察官が職務中に堂々と立ち飲みなんてして善いわけはないが、まぁこれくらいは許してくれるだろう
キョーコはそんな事を考えながら、ゆったりとコーヒーを飲んでいた。しかしそこへ―
緊急連絡が入ってきた

と同時にキョーコのコーヒーブレイクは終わりを告げることになる



「ピーッピー。こちら本部です応答願います」
キョーコは急いで無線を手に取った

「はい、ハナダ派出所巡査キョーコ・リーラです」
「…」管制官の動きが一瞬止まった

キョーコ・リーラ別名―
暴走キョーコ
地元ではその名で恐れられていた
できれば。できれば一番近くにいる警官がコイツじゃなければ…と管制官は思った。しかし背に腹は変えられない
市民の安全が懸かっているのだ。幸いキョーコは正義感の強い警官だったため市民のみんなからは好かれていた

キョーコ「どうしました?」
キョーコは尋ねた

「し、失礼しました。只今その付近で強盗があった模様。場所はハナダ3‐2‐7マサキ宅
至急現場に向かって下さい
すぐにこちらからも応援を向かわせます。繰り返します。只今―」

(何ですって!?)キョーコは愕然とした
こんな幸せな町に強盗?そんなはずはない
キョーコは何かの間違いだと信じたかった。しかし―

それが本当ならば一刻も早く現場に向かわなければならない
幸いマサキという人はこの辺りでは有名な人物なので正確な場所もすぐにわかった

(早く行かないと…)
「行くわよ、コダック!」
キョーコは相棒のコダックを乗せ、急いでバイクのエンジンをかけた―


捕まえようとしているのがジャイアンだとも知らずに



2km程走っただろうか、入り組んだ林を越えると目的地が見えた―

キキーッ
キョーコは凄まじいスピードでマサキの家に辿り着いていた
大事な市民を守りたい。その一心であろう
警察官として実に立派な心がけだ。というよりこの女は正義感の塊だ
途中虫採り少年を3人ほどヒキかけたのは内緒だ

現場に付くとキョーコはすぐにドアに近づいた

すると、中から大きな物音が聞こえてきた
(やっぱり…)

どうやら、あってはならない事が起きているらしい

そうと決まれば呑気にしているわけにはいかない
キョーコは勢い良くドアを開けた―
バンッ

「警察です」
(今の私、輝いてるわ)

キョーコが自分に浸っている時


一味との因縁の火蓋が切って落とされたのだった―



「警察です」

ジャイアンはパニくった
まさかホントに警察を呼ばれるとは思っていなかったのだ
だいたいマサキにはそんな暇も無かったはずだ
その影にマサキの変な発明No.32【ボタン1つで110番(強盗編)】があったとは知るよしもない

キョーコ「動くな!動くと撃つわよ!」
キョーコは銃を構えながら内心驚いていた
(こんな子供が!?何かの間違いかしら?いや、ダメよキョーコ。子供に見えてこの巨体何をするかわからないわ、見た目に騙されちゃダメ、キョーコ。というよりこいつ見た目凶悪そうだわ)

キョーコも初めての経験でパニくっていたのだ
子供に銃を向ける程に―

ジャイアン「ち、ぢぢち違うんだ。俺はたただだただチケットが欲しかっただけなんだ」
そう、その通りなのだ。剛はただチケットが欲しかった、本当にそれだけなのだ
しかし―

キョーコ「それを強盗と言うのよ」
その通り。



「それを強盗と言うのよ」
と言ってはみたものの―

(チケットが欲しかっただけですって!?)
あまりに正直な答えにキョーコは戸惑っていた
一瞬だが、何だかチケットをあげてもいい気になってしまったぐらいだ

(ダメ、ダメよキョーコ。騙されちゃダメ。こんな凶悪犯がチケット一枚で済ませるわけないわ、必ず何か裏があるはず。考えなさい、キョーコ)
キョーコはジャイアンに銃を向けたまま考えた。そして閃いた―(そうか!)


(ハイジャックする気なのね!) おい、キョーコ。
(そうよ、そうに違いないわ!何てことを…一人だけではなく船の客を丸ごと狙う気なのね。子供だからと甘く見ていたわ―危うく騙されるところだった…でも残念ね、私が気付いてしまったのよ、あなたの策略にね!)

明らかに昨日読んだ小説の影響だ

キョーコ「そうよね!コダック?」キョーコは相棒のコダックに聞いた
コダックはしばらく考え―
「コダーック。」うなずいてしまった

キョーコの中で―


ジャイアンの罪状が重くなった!



ジャイアンは突き付けられた銃口を見ながら考えていた

(どうしてこんな事になっちゃったんだろう)

自分はただチケットが欲しかっただけなのに。
出来杉に負けたくなかっただけなのに。
マサキを2、3回殴っただけなのに。いや、4…5…8回だったかな?
とにかく殴っただけなのに。
それだけなのに。
どうして銃なんて向けられているのか―

(俺死んじゃうよ、母ちゃあぁん)
あながち間違ってないかも知れないのが何とも言えない

キョーコ「そうよね!コダック?」
目の前の女が何やらぶつくさ一人でしゃべっていたかと思うと、急に隣にいたポケモンに話し掛けたのだ。そして―
「コダーック」
意味はわからなかった。ただ。ただ嫌な予感だけがした

案の定―
キョーコは先程より眼光鋭く剛を見つめ、銃を力強く握っている
それに気付いてしまったジャイアンは―


あばれだした



―ジャイアンはあばれだした

仕方ない、仕方ないのだ!
10歳やそこらの子がこんな状況に追い込まれて正しい判断なんて出来るわけないじゃないか!
ただでさえジャイアンなのに
そう、ただでさえジャイアンなのだ
それだけで理由は十分だろう

キョーコ「抵抗する気ね!」
もう完全に世紀のヒーロー気分のキョーコが本気で威嚇射撃をしかけたその時!
ジャイアンにとってのヒーロー


普通の警官が駆け付けてくれた



ダッ
本部からの応援を受けやって来た男性警官二人は、急いでマサキ邸に飛び込んだ。するとそこで見たものは―

泣きながら暴れている巨漢
子供に銃を突き付けながら何やらかっこいい事を言っているキョーコ

…少しだけ顔が変形して、
顔が2倍ほど腫れ上がっている―あれが多分マサキ?
だった

そして二人の警官はある事に気付いた
(マズイ、声のトーンが上がっている!こういう時のキョーコはやばい)
さすがだ。キョーコのことをよく知っている

もちろんキョーコは二人の期待を裏切らない
―ええ。良い意味で

この後、背後からの突然の人影にびっくりしたキョーコが


不思議な行動に出た



しまった―

(そうか、そういうことだったのね)
キョーコは確信してしまった

(敵は一人だけだと思わせ、油断させておいて背後から…か。いえ、キョーコ
あなたは油断なんてしていなかった。決してしてはいなかったわ。ただ相手が一枚上手だっただけ。それだけよ。キョーコ一生の不覚ね)
―そんな不覚は何度も起きている

もちろん、二人が応援に来た時サイレンも鳴らしているしマサキとジャイアンは気付いていた(コダックは寝ていた)
しかし、そんな常識はキョーコには通用しない
自分の世界に浸っていたキョーコがそんな些細な事(?)に気付くわけがないのだ
そして―

「私の負けだわ。」


キョーコは両手をあげた



なあに言ってんだ、この女は?
二人の警官の頭の上には?マークが踊っていた

警官A「おい、キョ…」
一人の警官がキョーコの名前を呼ぼうとしたその時―
「待って!」
キョーコが叫んだ


キョーコ「その前にお願いがあるの。いや、もちろん私の命をとらないで、とかじゃない。その逆よ。私はどうなってもいい。
私はどうなってもいいから…」
もう、おもしろいからしばらく見ている事にした

「私はどうなってもいいから…
出世したかったし、結婚もしたかったし、ウェディングドレスは絶対着たかった。それに子供も二人くらいつくって、幸せな家庭を築きたかったわ。」
未練たらたらである

「でも―
マサキさんだけは…マサキさんだけは守ってあげて。マサキさんには何の罪もないの!」

もちろん勘違いなのだがキョーコの市民を守る気持ちにはときどき感心させられる

「わかった」

警官Bが言った



「ぷっ。ぶわはぱばばはーふーひーああはふぶぴーぴーぶべぼっげほっごほ」

耐え切れずにマサキが吹き出してしまった

同時に後ろの警官二人も大爆笑をした

「何がおかしいのよ!」
キョーコは反射的に後ろを見て―

顔が真っ赤になった。

もちろん一人状況の把握できていないジャイアンはぽかーんとしていたが


かくして、チケット騒動は幕を閉じた。
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