ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

出木杉の未来大冒険 その1

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「さあ、貴様で最後だ。早く死んでもらおう・・・」
 目の前の人物が僕に語りかけてきた。僕も負けじと言い返す。
「こんなところで死んでたまるか!君の計画は、ここで僕が阻止してやる!」
「クックック!いつまでそう強がっていられるかな・・・」
 目の前の人物がだんだん僕に近寄ってくる。僕は近くに倒れている変わり果てた
友人たちの姿をもう一度見てから、ポケットの中にあるモンスターボールに取り出す。
「ほう、戦うつもりか。なら見せてやろう、私の力を!」
 敵もモンスターボールを取り出す。僕の生死を賭けた戦いが今始まろうしている・・・

―――何故、こんな事になってしまったのだろう。僕たちは、この冒険を
純粋に楽しんでいたのに・・・・・・



―――話は少し前に遡る

「出木杉さん、今日は何して遊ぶ?」
 笑顔で僕、出木杉英才に話しかけてくるこの少女の名前は源静香という。
そしてここは彼女の家だ。この日僕は彼女の家に遊びに来ていたのだ。
「うーん、今日は・・・あ!静香ちゃん、チャイムが鳴ってるよ。」
 僕が何をするか考えていたところにチャイムの音が割り込んできた。そ
れを聞いた静香は慌てて2階から玄関へと降りていく。
僕も誰が来ているのか気になって2階からこっそり覗いてみると、
そこに来ていたのはのび太だった。
「ねえねえ静香ちゃん!今から物凄い楽しいことができるんだけど、一緒に来ない?」
「あらごめんなさい、私、今出木杉と遊んでいるから・・・」
「えー!出来杉がいるの?そんなー!」
 こんな会話を僕は頻繁に聞いている。この眼鏡の少年、野比のび太は勉強も運動も
全くできないダメ人間だが、性格は悪くないので嫌いではない。
だが、向こうはいつも一方的に僕を嫌って寄せ付けない。いったい何故だろう?

「じゃあ、そういう事だから・・・ごめんね、のび太さん。」
 静香がのび太を帰そうとすると、彼は意外な事を言った。
「じゃあ出木杉も一緒に遊べればいいんでしょ?」
「え、ええそうだけど・・・」
「なら2人で空き地まで来て。僕は先に行ってるからねー!」
 そう言い残すとのび太は去っていった。そして、結局僕は静香ちゃんと2人で
空き地まで行くことになった。それにしても珍しい。
あののび太が不本意ながらも僕を遊びに誘うなんて・・・



 空き地にはのび太以外にも3人の人物がいた。1人は喧嘩が強く、この辺りのガキ大将
となっている剛田武、通称ジャイアン。僕と唯一スポーツで肩を並べられる男だ。
2人目は金持ちでジャイアンの腰巾着、骨川スネ夫。そして3人?目は
のび太の家に住んでいる未来からやって来た猫型(見た目はどう見ても狸)ロボットの
ドラえもんだ。
「遅いぞ出木杉!」
 のび太が僕に文句を言ってくる、何故か静香には何も言わない。
「全員揃ったし、早く始めようぜ!」
「そうだそうだ!もうこれ以上待てないよ!」
 ジャイアンとスネ夫がわめいている。はたして、今から何をするのだろう・・・

「わかったよ。じゃあ始めようか。」
 騒がしい彼らをドラえもんがなだめる。そして、
いつ見ても不思議な4次元ポケットから
大きな機械を取り出した。はたしてあのポケットはどうなっているのだろうか・・・
「ドラえもん、この機械は何だい?」
 僕がドラえもんに訪ねた。そこから返ってきた返答は
僕の予想を遥かに超えていた。
「これは“仮想空間体験マシン”といって、実際には存在しない空想の世界に
行くことができる道具なんだ。僕たちはこれを使って
今からポケモンの世界に行くんだよ!」
 ポケモンとは“ポケットモンスター”というゲームのことである。
ポケモンという生物を育て、戦わせる人気ゲームだ。勿論僕も持っていて、
いつもこんな世界に行けたらいいなぁ・・・と思っていた。
まさかその夢が実現するなんて!
「説明も終わったし、さっさと始めようぜ!」
「ねえ、早く行こうよー」
さっきの2人に加えてのび太も騒ぎ出した。
「もー、仕方ないなー!じゃあポケモンの世界に・・「ちょっと待って!」
 道具を使おうとするドラえもんを僕が止める。
騒いでいた3人が不満そうな目で僕を見た。
「せっかくだから、ルールを決めようよ。大体、ポケモンの世界といっても
どの地方に行くか決めてないだろう?」



 ルールを決めよう、という僕の提案に周りはあっさり同意してくれた。
先程まで騒いでいた彼らもだ。ジャイアンいわく、
「たしかに、いきなり行こうとしたって仕方ないよな。さすが出木杉、偉い!」
とのことだ。早速僕たちはルールを決めるための話し合いを始めた。
結果をまとめると、
 ・最初にチャンピオンになった人が現れた時点で終了
 ・秘伝マシンなどの必須アイテムは全員手に入れることが出来る
その他のアイテムは数に限りがある

結局決まったことはこの2つだけだった。続いてどの地方に行くかの話し合いとなった、
これはカントー地方がダントツの人気であっさり決まった。
だが、そこにのび太がある提案をした。
「ねえ、1つ思いついたんだけどさぁ、一度ゲームで行ってるカントー地方に行っても
微妙だから、未来のカントー地方に行ってみない?」
 僕を含め全員がすぐに賛成した。のび太は時々物凄くよい発想をする。
「じゃあ、時代は最後にカントー地方が出た金銀から10年後にしておくよ・・・
出発地点はマサラタウンでいいね。」
 ドラえもんが場所、年代を設定し、機械を起動した。
「ポケモンの世界に、出発だ!」
 ドラえもんが叫ぶと、機械から眩しい光が放たれ、僕は目をしばらく閉じてしまった。



 目を明けると、そこはもう空き地ではなくなっていた。
カントー地方のマサラタウン、ポケモンの世界だ!
「うわぁ、綺麗な空。」
 最初に口を開いたのは静香だった。それに続き、他の者も感動のセリフを漏らした。
「じゃあまず、足下のバッグを拾ってよ。」
 ドラえもんにそう言われて初めて気付いた。いつの間にか足下にバッグが落ちていたのだ。
中にはタウンマップとボイスチェッカー、そして腕時計のような物が入っている。
「一応説明しておくけど、バッグの中はこの4次元ポケットと同じ構造だから
いくらでも物が入るよ。
それじゃあ、まずその中にある腕時計をつけて。」
 全員が時計を装着した後、この時計は何だとスネ夫が訪ねた。
「これはシンオウ地方に出てきたポケッチだよ。ゲームででてきた全ての機能に加えて、
他人と連絡を取る機能が追加されているんだ。何か伝えたい事があったらこれを使ってね。」

 持ち物についての説明が終わったところで、ジャイアンがドラえもんに訪ねる。
「なあ、いつになったら冒険できるんだ?早く行きたくてウズウズしてるぜ!」
「そうかい。よし、じゃあ今からオーキド研究所へ行こう。
そこで最初のパートナーが貰えるはずだ!」
 最初のパートナー、つまりポケモンが貰えるということだ。
全員の目が輝いた。勿論、僕もだ。
「じゃあオーキド研究所へ出発!」
 研究所へ向かうまでの間、僕はずっとまだ見ぬパートナーへの思いを募らせていた。



「すいませーん、ポケモンを貰いに来たんですけど、オーキド博士はいませんかぁ?」
 研究所の玄関からのび太が大声で言うと、中から1人の白衣を着た若い男が出てきた。
すると、彼はいきなりのび太に向かって怒りだした。
「オーキド博士はいませんか?だと!てめぇ、俺を馬鹿にしてるのか!」
 訳も分からず怒られたのび太は泣き出してしまった。すると、白衣の男は慌てだした
「ス、スマン。泣かせるようなつもりはなかったんだ・・・と、とりあえず上がってくれよ。」

 研究所の中は静かだった。どうやら他の研究員は外出中でいないらしい。
ドラえもんが早速本題に入った。
「あのぉ、オーキド博士はどこに・・・」
 白衣の男は一瞬イラついたが、今度は冷静に答えた。
「何を言っているんだい君たちは。祖父、オーキドは二年前に病気で
死んだじゃないないか・・・」
「ええええええ!」
 全員に衝撃が走る。オーキド博士が死んだ、まったく予想してなかった展開だ。
しばらくして、最初に僕が口を開いた。
「すいません、僕たち他の地方にいたし、ちょっと常識知らずなもんで・・・」
「まったく、常識知らずにも程があるぜ!そんなんで大丈夫なのか?」
 なんとか誤魔化せたようだ。続いて、先程から気になっていたことを訪ねた。
「さっきあなたはオーキド博士のことを“祖父”と言っていましたよね。
ということはあなたは元チャンピオンでトキワジムのジムリーダーだった・・・」
「そう、元チャンピオンでオーキドの孫、グリーンだ。」
 やはり、彼は赤緑版のライバルだった。それからしばらくは彼の話を聞いていた。
彼はオーキドが死んだ後にジムリーダーをやめ、祖父に引き継いで研究しているそうだ。

「さてと、俺の話にはもう飽きただろう?さあ、お前らのパートナーになるポケモンを持ってきてやるよ。」
 グリーンはそう言うと、6個のモンスターボールを持ってきた。
僕たち全員の目が再び輝きを取り戻した。



「ボールの中に入ってるのは、初心者用だが希少なポケモンだ。
どれを選んでも損はしないぜ。」
 グリーンにそう言われたので、僕の期待は更に膨らんだ。早速全員がボールを取ろうとすると、
ドラえもんがそれを止めた。
「待って!ちゃんと順番を決めて取ろうよ。」
 ドラえもん言われてハッとした。僕は興奮のあまり、そんな基本的なことも
忘れていたようだ。
「じゃあ、公平にジャンケンでいいな。あ、勿論俺様は一番だぜ!」
 ジャイアンが完全に公平ではない提案をするが、誰も逆らえない。
まったく、彼は自分勝手すぎる!
ジャンケンの結果、ジャイアン、静香、ドラえもん、僕、スネ夫、のび太の順番となった。

「じゃあまずは俺様だな!じゃあ、これだ!」
 ジャイアンが6個ボールのうちの一個をとり、早速ポケモンを出してみる。中から出てきたのは、
喧嘩ポケモンのバルキーだった。初めて見る3Dのポケモンに全員が感動する。
格闘タイプが好きなジャイアンも満足そうだ。

「じゃあ次は私の番ね。」
 静香が選んだボールから出てきたのはゼニガメだった。静香は可愛いと言って喜んでいる。
僕にとってはゼニガメより静香のほうが可愛い・・・っと、変なことを考えてしまったようだ。

「よし、僕の番だ!うーん・・・・・・これだ!」
 ドラえもんは慎重にボールを見て選んだ、中から出てきたのはフシギダネ。
序盤のストーリー進行にはかなり有利のなるポケモンだ。そして次はいよいよ、僕の番だ!



 ドラえもんと同じようにじっくりボールを観察する。
グリーンがああ言ったからにはハズレは無いはず、
と自分に言い聞かせながら1つのボールを手に取り、中のポケモンを出した。
出てきたのは・・・
「ヒトカゲかあ!うらやましいぜ!」
 僕が喋る前にジャイアンが口を開いた。それにしてもヒトカゲとは・・・
序盤は苦戦することになりそうだ。僕は少し先の苦労を思い、溜息をついた。

 続いてスネ夫のボールから出てきたのはなんとイーブイだった。
イーブイ系が大好きな僕としては羨ましい限りだ。
そして、最後ののび太も残ったボールを手に取る。
そのポケモンを見た瞬間、僕は思わず吹きだしてしまった。
「そんな、ナマケロだなんて・・・」
 一同に笑いが起きる。落ち込むのび太をグリーンが慰めた。
「落ち込むことはないさ。ナマケロはこの地方には出ないから一番レアなんだぜ!大当たりさ。」
「本当に?やったー!よろしくな、ナマケロ。」
 のび太はすっかり上機嫌になった。あの単純さは羨ましいくらいだ・・・

 グリーンに礼を言って研究所を出た。いよいよ僕たちの冒険が始まろうとしているところで、
ドラえもんがいきなり叫びだした。
「あああああ!大事なこというの忘れてた!」
「何だい?言ってみてよ。」
「優勝、つまり最初にポケモンリーグを制覇した人は、願いが1つかなうんだ!」



 願いが叶う・・・ドラえもんから予想外の言葉を聞いて一同が固まった。
「なあ、それ本当なのか?」
 ジャイアンが訪ねると、ドラえもんは首を縦に振った。
その瞬間、全員が歓喜の声を上げ、それぞれの願いを語り始めた。
「ますます頑張らないといけないな、最新のオモチャの為にも!」
 のび太が幼稚な願いを言うと、早速1番道路へと走っていった。
「あ、待てのび太!最初に行くのは俺様だ!」
 ジャイアンが急いでのびたを追いかける。それに続き、全員が一斉に走っていった。。

 走りながら僕は考えていた、もし優勝したら、どんな願いを叶えようかと。
だが、僕には何も浮かんでこなかった。特別欲しい物などなかったからだ。
それに、欲しい物は自分で努力して手に入れる・・・それが僕の考え方だった。
「もう、こんなこと考えてる場合じゃない!早くトキワシティに行くことだけを考えよう!」
 自分に言い聞かせるように言い、辺りを見回すといつのまにかそこは1番道路だった。

―――あの時僕は、この先の冒険にさまざまな期待をよせていた。
あの時は全く考えていなかった、
こんな事になるなんて・・・・・・



      現在の状況(出木杉の状況)
       1番道路に到着
     手持ち ヒトカゲLV5
     所持金 3000円
     バッジ 0個

      出来杉メモ(他のプレイヤーについての情報)
   名前     手持ち
   のび太    ナマケロ(マサラタウン時)
   ドラえもん  フシギダネ(マサラタウン時)
   静香     ゼニガメ(マサラタウン時)
   ジャイアン  バルキー(マサラタウン時)
   スネ夫    イーブイ(マサラタウン時)



 1番道路に入ってすぐ、早速野生のコラッタが出てきた。僕はボールを投げ、
ヒトカゲを繰り出す。
相手はコラッタといえども、初バトルなのでかなり緊張した。
「ヒトカゲ、引っ掻くだ!」
 僕が命令すると、ヒトカゲは指示通りにコラッタを攻撃する。すぐに敵のコラッタも
体当たりで応戦してきた。だが、たいしたダメージではない。
「ヒトカゲ、もう一度引っ掻くだ!」
 この攻撃でコラッタは倒れた。僕は初バトル勝利の余韻にしばらく浸っていた。
それにしても、ヒトカゲが自分の指示通りに動いてくれるのが
ここまで快感だとは思わなかった。
こんな気持ち、絶対に現実では味わえないだろう・・・となりで勝利に感激して踊っている
ヒトカゲを見ながらそう思った。

 その後も何度かポッポやコラッタとのバトルを繰り返し、
ヒトカゲのレベルが2つほど上がったところでトキワシティに辿り着いた。
緑が豊かで綺麗な町だ。僕はまず、ポケモンセンターへ向かった。
「はい、あなたのポケモンは元気になりましたよ。」
 ジョーイにポケモンを預けると、10秒程でもう返ってきた。
いったいあの回復マシンはどうなっているんだろう・・・
 続いてはフレンドリィショップに向かった。もちろん仲間を増やすため、
モンスターボールを購入するのだ。モンスターボール8個と傷薬3個に毒消し1個を買うと、
所持金はたったの500円になっていた。もうちょっとくれてもよかったのに・・・
そう呟きながら、新たな仲間をゲットしに向かった。



 仲間を増やすために町を出たが、役に立たないポッポやコラッタを捕まえるはない。
とりあえずタケシに有利なマンキーを捕まえるために、僕は22番道路へ行った。
だがそこには、マンキーは一匹も見当たらず、代わりに何故かビッパがいた。
「何故ビッパが・・・あ、そうか!」
 答えは簡単だった。この世界はゲームから10年もたっている。
野生のポケモンが変わっていてもおかしくは無い。
そうなればやることは1つ、新しくこの辺に生息したいいポケモンを探すことだ。

 だが、新しく生息しだしたポケモンが都合よくいるわけが無い。
ビッパ以外に出てくるのは昔から生息するオニスズメやコラッタだけだった。
ヒトカゲのレベル上げには貢献してくれるが、戦力にはならない。
「ヒトカゲ、もう帰ろうか・・・」
 僕が諦めて帰ろうとしたとき、目の前に1匹の白いポケモンがいた。
「これは、ラルトスだ!ホウエンでも貴重なポケモンがこんなところにいるなんて・・・」
 ラルトスは進化すればかなりの戦力になる。早速捕まえようとしたが、1つ問題があった。
防御の低いラルトスが、レベルを上げたヒトカゲの引っ掻くをくらったら恐らく一発で倒れてしまうのだ。
「こうなったら、ダメージを与えずに捕まえるしかないか・・・」
 仕方なくそのままボールを投げてみるが、簡単には捕まらない。
結局、ラルトス1匹にモンスターボールを5個も使ってしまった。
「ボール5個はもったいなかったけど、収穫は大きいぞ!」

 ヒトカゲを回復させにセンターへ戻ると、そこにはドラえもんがいた。
彼は僕に気がつくと近づいて来て機械のようなものを渡してきた。
「これは何だい、ドラえもん?」
「これはポケモン図鑑だよ。ごめん、渡すの忘れてた・・・さあ、
これでやっと旅が再開できる・・・」
 どうやらドラえもんはスタート時に図鑑を手渡すのを忘れていたようだ。
僕はドラえもんから図鑑についての一通りの説明を受け、彼と別れた。



 ドラえもんの説明によると、先程渡された図鑑にはどうやら手持ちポケモンの
レベルや技を確認する機能が搭載されているらしい。
「じゃあこれを使って早速さっき捕まえたラルトスの技を見てみるか・・・ってえええ!」
 図鑑によると、ラルトスが覚えている技は泣き声だけのようだ。これでは戦闘で使うことができない。
僕は仕方なく、ケーシィ等を育てるときのように、一度出してからヒトカゲに交代して
倒す方法でレベル上げをすることにした。
「・・・やった!やっとラルトスが念力を覚えたぞ!」
 結局、念力を覚える6レベルまで上げるのにかなりの時間を使ってしまった。

「みんなもうトキワの森を抜けたかな?僕も急がないと・・・」
これ以上遅れを取るわけにはいかない。僕は急いでトキワの森へ行った。
トレーナー戦では、キャタピー系はヒトカゲ、ビードル系はラルトスというふうに
2体を敵によって使い分けてレベルを上げっていった。
そうしているうちに、いつのまにか出口付近まで来ていた。
「やった、ようやく抜けられる・・・ん、あれは・・・・・・」
 僕の目の前にいたのは昔は出てこなかったポケモン、キノココだ。
100%相手を眠らせるキノコの胞子を覚えればかなりの戦力になる。
しかも、草タイプなので次のジム戦でも役に立つだろう。
「うーん、捕まえようかな・・・」
 僕はかなり悩んだが、キノコの胞子を覚えるまでが長いこと、
そして序盤から3匹も育てるのは大変なことなどからキノココを諦めることにした。
「ごめんな。いいトレーナーに出会ってくれよ。」
 僕はキノココに別れを告げ、トキワの森を抜けた。



 ニビシティに着いた僕はまずポケモンセンターへ向かった。
この町は特に何も無い平凡なところだった。
とりあえず、町で唯一の観光名物である博物館へ向かうことにした。
「うわぁ、凄い・・・」
 僕は感激して思わず呟いてしまった。博物館は外から見てもその大きさに圧倒され、
中から見るとポケモンの化石などに圧倒される。中の配置がゲームと違うと思ったら、
ここは10年前は改装中だったことを思い出した。
「やっぱり、この世界もちゃんと変わってきてるんだな・・・」
 改めて時代の流れを感じた僕は、次にニビジムへと向かった。いよいよジム戦だ。
岩タイプのポケモンには僕の手持ちでは不利だが、ここをなんとか頑張らなくては・・・

 ジムの中へ入ると、まず認定トレーナーを確かめてみた。
ジャイアン、静香、スネ夫、ドラえもんの順番で名前が書かれている。
のび太はどうやらまだのようだ。僕がビリではないことに少し安心していると、
奥のほうから声がした。
「そこにいるのは誰だ、挑戦者か?」
 威厳のある声だった。僕がYESと答えると、その人物が近づいてきた。
「俺がこのジムのジムリーダー、タケシだ。」
 タケシ、と聞いて一瞬ジャイアンが頭をよぎったが、すぐにこの人物がゲームでも
ジムリーダーだった岩使いのタケシであることに気付いた。
それにしても、アニメであれだけ女好きのタケシを見せられている僕にとっては、
この硬派なタケシは受け入れずらかった。
「さあ挑戦者、始めるぞ。」
 タケシが試合開始を告げた。いよいよ、僕の最初のジム戦の始まりだ!



「行け、イシツブテ!」
 タケシが出してきたのはやはりイシツブテだった。僕はラルトスで応戦する。
「イシツブテ、岩落としだ。」
「そうはさせないよ。ラルトス、影分身だ!」
 ラルトスは岩落としをうまく回避した。
「よし、念力で反撃だ。」
 ラルトスが念力で攻撃したが、イシツブテはほとんどダメージをくらっていない。
この後も、岩落としを影分身で回避率を上げて避け、念力でじわじわと体力を減らしていった。
運よく岩落としは一発しか当たらず、なんとか5発目の念力でイシツブテを倒した。

「なかなかやるな。行け、イワーク!岩落としだ。」
 これまたゲーム通りにイワークを出してきた。この男、外見は変わっても
中身はあまり変わっていないようだ。
そんな事を考えているうちに、ラルトスがやられてしまった。
「おつかれ、ラルトス。頼んだぞヒトカゲ!」
 僕はラルトスに労いの言葉をかけ、かわりにヒトカゲを繰り出した。
「煙幕で相手の攻撃を妨害しろ。
とりあえず岩落としを2発程くらったら負けだ。僕は煙幕で相手の攻撃をはずさせる作戦に出た。
リメイク赤緑ならメタルクローで力押しすれば勝てるのだが、メタルクローの代わりに煙幕を覚えた。
どうやら10年経っているだけあって最新作が基準になっているようだ。
ビッパがいただけに間違いない。
「いいぞ、煙幕と火の粉を交互に繰り返せ!」
 ここまでの調子はよかった。敵の攻撃を回避しつつ、火の粉で順調にダメージを与えていく。
だがその直後、遂に岩落としをくらってしまった。



 岩落としをくらったヒトカゲが苦しんでいる。その隙をタケシは逃さなかった。
「今だ、もう一度岩落とし!」
 体が痛くて動けないヒトカゲに、無常にも2発目の岩落としが迫ってきた。
だが僕の必死の願いが通じたのか、岩落としはギリギリで外れた。
「ふぅ、よかった。」
 僕が安堵の声を漏らすと、それを聞いたタケシがかすかに笑みを浮かべた・・・
気付いたときにはもう遅かった、イワークがこっちに迫ってきている!
「岩落としは止めへのフェイクに過ぎなかったのさ。イワーク、体当たりだ!」
 負けた・・・すっかり諦めていた僕の瞳に驚くべき光景が写った。
イワークがヒトカゲの目の前で突然動きを止め、倒れて動かなくなったのだ。
慌ててイワークに駆け寄ったタケシがその理由を教えてくれた。
「イワークは火傷している、そのダメージで倒れたようだ。おそらくヒトカゲの火の粉で火傷していたんだろう。
それを見抜けなかった俺の負けだ!」
 タケシはそう言うと僕にグレーバッジと岩石封じの技マシンを手渡した。どうやら僕の勝ちのようだ。
「少年、これからも頑張れよ。」
 僕は自分を励ますタケシに礼を言い、ジムを出た。

 ポケモンセンターに戻り、2匹の回復を済ませた僕は改めて先程の戦いのことを考えていた。
運も手伝っての勝利だったせいか、あまり勝ったという実感はわかないが、
現実では味わえない物凄い達成感を感じていた。
「ありがとう、お前たちのおかげだよ。」
 僕は体を張って戦ってくれた2匹に礼を言い、センターを出て3番道路へ行った。
目指すはお月見山、そしてハナダシティだ。



       現在の状況
         3番道路
      手持ち ヒトカゲLV14、ラルトスLV11
      所持金 2100円
      バッジ 1個

       出木杉メモ
    名前     手持ち
    のび太    ナマケロ(マサラタウン時)
    ドラえもん  フシギダネ(マサラタウン時)
    静香     ゼニガメ(マサラタウン時)
    ジャイアン  バルキー(マサラタウン時)
    スネ夫    イーブイ(マサラタウン時)

  • 補足:出木杉がジャイアンをあだ名で呼んでいるのは、
間違いではなく読みやすくするための配慮



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