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キョーコ シルフカンパニー編 その3

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3人は二手、いや三手に分かれようとしていた。

(ややこしい……お願い!かたまって!まとまって!)
キョーコの願いが通じたのか3人をまとめるべく、しずかの叫び声が聞こえてきた。
「きゃあああああ!!!」

「しずかちゃん?・・・上からだ!」
ジャイアンの号令と共に3…5人は走り出す

(ったりい……)
そんな下っぱの表情を読み取ったのか、
キョーコは持っていた手帳を下っぱに見せる。
「そ、それは!!」
キョーコは頷いている。そう、その手帳はまさしく――
『R団員限定システム手帳』だった。しかも、しかもしかも……

「こ、これ!初回限定版じゃないっすか!」
「凄いでしょ?私はサカキ…様の秘書として働いてるの。
そのお礼として特別にもらったのよ」
キョーコが持っていた手帳は、元旦限定――発行部数20の超レアものだった。
そう聞くと手帳ごときで何を…と思う方もいるかもしれない。
しかし違う、違うのだ!
その最後のページに付いている『おまけ』が大事なのだ!

毎年発行されるシステム手帳には、必ず2枚の
R団トレーディングカードが付いてくる。(中は袋で見えない)
カードの種類はフィールドカード【遊戯室】や団員No.131【下っぱのユウジ】など。
たかがトレーディングカードと侮るなかれ、
中にはフィールドカード【女子トイレ】や団員No.22【下っぱのユミ・買い物Ver.】など
5万以上で取引される代物もあるのだ。バカにしてはいけない。
そして初回限定版が人気の理由は
必ず人気トップ5の女性団員の私服編、
もしくは幹部以上のレアカードが必ず付いてくることにあった。
今、R団員の仲間内ではそのほとんどが超高値で取引されている!
『ごくっ』知らず知らずのうちに下っぱの喉が鳴っていた――



「欲しい?」
こくこくと、下っぱは犬のように頷いている。
「じゃ、その手帳に今から起こることを逐一書き込むのよ?」
「は、はい!」
さりげに雑用を頼まれた下っぱだが、そんなことは関係ない。
カードが手に入るならそれでいい。
そして・・・キョーコは手帳を下っぱに渡した。もちろんおまけ付きで。

(ドクン…ドクン)胸が高鳴る。いったい誰が入っているのか。
やはり幹部なら一番人気のアンズ。数少ない女幹部に加えてあのルックス。
狙っているとしか思えない。
(忍者萌えーーー)
女性団員の人気トップをひた走るサヤちゃんでも最高だ。ご飯6杯はいける。
(い、いや。あまり期待しすぎるのは良くないな、
うん。3位のミユキちゃんぐらいで心の準備をしとこう)
「ふぅ・・・」
下っぱは精神統一をする。隣で師匠が呆れているのは気にしない。
男のロマンはわかるまい。
そして一枚目の封を開けた・・・


【サカキ様――ついに動き出す】  Attack1億  Defense1億

捨てた。床に投げ付けた。(今度こそ……)
そして、運命の二枚目・・・


【サカキ様――これぞ男の裸体】  
特殊効果:このカードをフィールドに出した時点で勝利確定

下っぱは人目をはばからず――泣いた。

(んだよ、億ってよ!厨か?お前は厨か?痛すぎるわ!
お前のオナ○ーカードなんかに誰も興味ねえんだよ!
このノリ豚が!こんなん入れるな、ボケが!)

殺されるぞ?



下っぱが凹むのとほぼ同時に――ジャイアンが扉を壊した。
(やっと……)
そう、やっと戦闘だ。長かった・・・

『着いたみたいよ』
キョーコは優しく下っぱに語り掛ける。
しかしその声は下っぱの耳には届いていなかった。
焦点の定まらない目でひたすらサカキの裸体を眺めている。
『もう、仕方ないわねーー』
キョーコはそう言うと下っぱの肩をぽんと叩き、ポケットから取り出す――

もう一つのシステム手帳(限定版)を。

「師匠ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
『しーーーー。ばれる!ばれるから!』
そんな二人をよそに、戦闘は始まっている。
(え、マジ?)
「邪魔者め!失せろ!」
幹部のゲンガーが3人を襲う。出来杉が応戦した!
「くそ!反撃だ、サンダース!ミサイル針!」
「ぐわ!」
そして・・・幹部の正体が顕になった。
『ま、また子供!?』
もう訳がわからない。今幹部(スネオ)に攻撃した少年も幹部のはずだ。
幹部同士でなぜ戦っているのか
(仲間割れかしら?)

キョーコがこの難しい状況を理解できるわけがない。
しばらく『ぼーーっ』と戦況を見つめていた。
そして出来杉が仲間にしずかの介抱を申し出たところで――


キョーコは羊の数を数えるのを止めた。寝ないようにしてたんだね



(羊が12匹、羊が13匹、羊が……食べられた。なんで食べられたの?
それはね、生活に困っているからだよ。赤ずきんちゃんは言いました。
ママって現実的なのね…)

「怪我をしてるしずかちゃんが此処に居るのは危険だ、
上の階に仮眠室があるはずた、僕が連れて行くよ」
(――ハッ!)
「スマねえ、頼んだ!」
出来杉の提案にジャイアンが答えた。
キョーコは・・・

当然出来杉の後を追った。面白そうな方について行く。信条です。
『ほら、行くわよ!』
『あ。はい!』
ご褒美のために一生懸命メモっている下っぱを従えて、出来杉を追った――


『師匠、そろそろカードいいんじゃないっすかね、ね?ダメですか?』
キョーコはおねだりする下っぱを無視して出来杉としずかの話に耳を傾けている。
しばらくして、出来杉はキョロキョロと辺りを見渡し出した。
『隠れて!』
『ぐぅ』
キョーコはきちんと隠れていた下っぱの首根っこを捕まえて引っ張ったまま、
再び二人に目をやった。
(離して!せめて離して下さ――)

すると、女の子の後ろからサンダースが攻撃を仕掛けるところだった!
『危ない!』
「「何が・・・ウッ!」」
しずかと下っぱは倒れた。

(なんてことを……)

キョーコは唇を噛み締めた。下っぱの首は絞まっていた。



そして、あの後すぐに出来杉がR団員を呼んだので
キョーコは気を失っていた下っぱを出来杉の元へやった。
どんっ

『お、おばあちゃ――え?』
間に合って良かった

「あ、ちょうどいいところにいたね。この娘を運んでくれないかな」
「え?……いや、はい。もちろんぉkです」
「じゃ、頼んだよ」
そして出来杉はタケシsの所に戻り、種明かしを始めた・・・

「本当の幹部の正体は僕だった・・・とでも言っておこうか」

これから長々と出来杉の話があるので、どうでもいいところは割愛しよう。
(ふーーーん。じゃあタケシsはいい奴らだったのね、つまんない…
空間がなに?え?をををををう!凄っ、手品みたい!)
キョーコは出来杉が創り出した空間を見て楽しんでいた。
まぁ難しいことはわからないが、女の子を支えながら
下っぱが頑張ってメモしてるので大丈夫だろう。
そして質問タイムは終わりを告げた。
代わりに、出来杉のPTお披露目タイムが始まった――

「サンダース、フーディン、ケンタロス、カイリュー、ゲンガー、スターミー・・
お待たせ、僕の選んだ最高のチームだよ、そして・・
君等を消すのに選んだ、暗殺部隊だ!」

(ちょ、ただの厨パwww)

さすがのキョーコもこれにはツッこんだ。いや、ツッこまねばならない。

再び戦闘が始まった・・・



勝負はあっという間についた。あまりにもあっけなかった。

「これで3人ともお仕舞いか、随分早かったよ」
出来杉は決め台詞を吐いていた。
しかしキョーコは騙されない

(そりゃ、そんだけのメンツ揃えりゃ業火猿でも勝てるわよw)
毒舌キョーコが影で笑いを堪えている中、下っぱに
後始末を頼み出来杉は去って行った――

「ふぅ。腹がよじれるかと思ったわ」
「こ、こいつら…どうします?」
「うーーーん……」
この子たちにはR団を倒してもらわなければならない。
となると、このまま牢に入れてTHE ENDでは困る。
(かといって、このまま逃がすわけにはいかないし・・・下っぱジャマー)
キョーコがない頭を振り絞っていると、その頭を
つんつんとゴルダックがつついてきた。
「ん?どったの?」
ゴルダックはジェスチャーで伝えようとしたが止めた。
どうせこの女には通じないだろう。
黙って――ジャイアンとスネオを引っ張っていった。
「え?何?ちょっと、待ってよ。ねえ、ねえったら!ゴルダックーー。
ゴルちゃーーん。ゴウカちゃーーん」

(反抗期かしら)
キョーコは下っぱにのび太としずかを任せ、ゴルダックについて行った。
「ふ、二人ですか!?」
一行が着いた先は――そう、倉庫室である。ゴルダックは中に入ると
周りの棚から、回復の薬や石など必要そうなアイテムを探し、一つの箱にてきぱきと詰めている。
そんなゴルダックを見ながらキョーコは一言。
「……あなた――ホントに私のポケモン?」

違うかもしれない


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