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≪出木杉サイド≫

ここは石の洞窟。
奥にいるダイゴに会うのが僕の目的だ。
でも、今はそんな事を言ってる場合じゃないみたい・・・。
そう、僕は今、ズバットの大群に囲まれている。
「やるしかないか・・・」

――かれこれ10匹は倒しただろうか?
いくら倒しても次々に出てくる。
「ラルトス、念力だ!」
さすがのラルトスもかなり疲れている。
どうしよう・・・どうすればいい・・・!
「ラルトス、もう一度ねん・・・」
そう言おうとした僕の声は止まった。
僕の目の前には力尽きたラルトス。そして僕の周りには大量のズバット――

「うわあああああっ!」
気がつくと、僕はベッドの上にいた。
「はぁ・・・はぁ・・・ここは?」
ここはどこなんだ?あれから僕はどうなったんだ?
そんな疑問を抱き、僕は辺りを見回す。

「あ、あなたは・・・!」



≪出木杉サイド≫

「お、ようやく気がついたようだね」
僕は知っている――この人を。
「君がズバットに襲われていたからね・・・ここまで連れてきたんだ」
そう、僕の眼前にいる男・・・それは紛れもなくリーグチャンピオン、ダイゴだ。
「そうですか・・・。ありがとうございます」
この人がいなかったらどうなっていただろう?考えただけでゾクっとする。
「いや、礼には及ばないよ・・・。でも一つだけ、頼み事がある」

そして、僕はあることを頼まれた。
「それでは、僕はこれで・・・。本当にありがとうございました」
僕はそう一礼すると、トクサネシティを後にした。
向かうのはサイユウシティポケモンリーグ――
僕は奥へと進んでいく。

「あなたがダイゴさんから受け継いだ新チャンピオンですね?」
「はい」
僕が頼まれたこと。それは自分の代わりにチャンピオンになってくれというもの。
もちろん、僕は喜んで承諾した。
そして、今僕はチャンピオンの部屋にいる。

僕は出木杉英才。リーグチャンピオンだ!



≪のび太サイド≫

あれから僕はカナズミシティについた。
ジム戦も終わった。キャモメのおかげかな。
「ムロタウンにいくには・・・船に乗るんだっけ」
つまり、トウカの森を抜けて戻るってことだね。
僕はトウカの森向かって歩き出した。

――そして僕がトウカの森付近に来た時だ。
「よう、のび太!今ムシャクシャしてるんだよ・・・だからお前のポケモンよこせ!」
ジャイアンだ。物凄く機嫌悪そう・・・。
なんで渡さなきゃいけないんだ!でも、言う通りにしないと、殴られるよなあ。
でも、ポケモンは絶対に渡せない。絶対に。
どうしよう・・・?
「おい!さっさとよこせ!」
ジャイアンは今にも殴りかかってきそうだ。
…待てよ。ここはポケモンの世界。
そうだ――ここは人間の力が全てじゃない。僕には、ポケモンがある!
今ここで、今までの恨みを晴らしてやる。
そして、僕はスゥーと大きく息を吸う。

「誰が渡すもんか!この豚ゴリラ!」



≪のび太サイド≫

ああ、言っちゃった・・・。
でも、これでいい。これでいいんだ。
「のび太ぁー!今なんつった!」
うわっ!――でも、ここで怯んでちゃ駄目だ。駄目なんだ。
「聞こえてないのか?豚ゴリラって言ったんだよ。ぶ た ゴ リ ラ !」
ジャイアンの顔がどんどん強張っていく。
それは噴火寸前の火山――いや、そう思っちゃいけない。
今の僕にはポケモンがある。ジャイアンなんて、怖いもんか!
「ぶっ潰してやる!いけ、ワカシャモ!」
ワカシャモか・・・なら、勝てる!
「行くんだ、キャモメ!」

――でも、やっぱりそんな上手くいかないな。
ジャイアンはワカシャモに「岩石封じ」を覚えさせていた。
当然、僕のキャモメは一発で沈む。
「ハハハ!さぁ、次のポケモンを出せよ!」
ここでタネボーを出しても、勝ち目はない。
寧ろ、タネボーまでジャイアンに取られちゃうじゃないか。

「――僕のポケモンはもういない。僕の負けだ」



≪のび太サイド≫

「ハハハハ!やっぱりのび太はのび太だな!弱い所も同じだ」
ジャイアンが高らかに声をあげる。
僕は黙って立ち尽くしていた。
「へへ、勝ったのは俺だ。お前のポケモンもらってくぜ」
ジャイアンは強引に、キャモメの入ったボールを奪った。
本当はジャイアンなんかにあげたくない。
キャモメ、ごめんね――僕が弱いから――
「じゃあな、のび太!ありがたくもらっとくぜー」
僕の目から一粒の涙が零れ落ちた。

――そして僕はムロタウンについた。
あれから僕は決心したんだ。
誰にも負けないように、強くなる。なってやる。
僕が不甲斐ないせいで取られたキャモメのためにも、ね。
「頑張ろうね、タネボー!」
タネボーは身動き一つしないが、僕にはそれが暖かいものに感じる。

――さぁ、いよいよジム戦だ。



≪のび太サイド≫

ジムの前まできて、僕は重要なことに気がついた。
もうキャモメはいない。タネボーだけじゃ勝てない――
我慢しか使えないタネボーだけじゃ、負けるのは目に見えてる。
僕は新しいポケモンを捕まえるため、洞窟に入った。

「暗いな・・・でも、頑張って探さなくちゃ」
僕はどんどん奥へ進んでいく。ちょっと怖いな。
――見つけた!あれは、お相撲さん・・・じゃなくてマクノシタだっけ。
「いけ、モンスターボール!」
マクノシタの不意をついて、僕は死角からボールを投げる。
1回、2回、3回・・・ボールの揺れが止まった。
「マクノシタ、ゲットだぜ!」
アニメのサトシ風に言ってみた。
あれ?なんか様になってないような気がする・・・。

そして、僕は再びジムの前に来た。
「よし、頑張るぞ!」
気合を入れるつもりで自分の腹を1回叩いてみた。

「――痛っ!」



≪のび太サイド≫

「タネボー、今は我慢だ!」
今、僕のタネボーと相手のワンリキーが戦っている。
「ワンリキー、空手チョップ!」
「耐えろ、タネボー!」
タネボーは僕の思い通り、ギリギリで空手チョップを耐えた。一安心だな。
「今だ――我慢!」
タネボーの回りから光が放たれ、それはワンリキーに直撃する。

「中々やるじゃないか・・・いけ、マクノシタ!」
僕のポケモンと同じだ。なら僕も!
「こっちもだ、マクノシタ!」
二人のお相撲さん――じゃなくて、二匹のマクノシタが向かい合って立っている。
うまいことに、マクノシタも相撲をとる前のポーズだ。
「はっけよーい・・・じゃない!違う!突っ張りだ!」
さっきから何回も頭の中を流れる相撲の掛け声。それが口に出てしまった。
ああ・・・恥ずかしいな。
「・・・ハハハ!こっちも突っ張りだ!」
双方のマクノシタは突っ張りを繰り返す。
押したり、相手の体を持って踏みとどまったり――

まるっきり、相撲じゃん。



≪のび太サイド≫

マクノシタは両者一歩も引かず、戦っている。
ここで形勢を逆転させるには・・・どうすればいいのかな?
僕が考えてる間に、相手が仕掛けてきた。
「マクノシタ、ビルドアップだ!」
えーっと、なんだっけ・・・そうだ、攻撃と防御をあげる技。
ってことは・・・このまま同じ技でいくと負けるってことだよね。

――僕はマクノシタの使える技を見てみた。
体当たり、気合溜め、砂かけ、突っ張り・・・。
砂かけで相手の命中率を下げるには、かなり時間がかかる。
となると・・・早めに決めれる気合溜め、か。
さっさと決めないとビルドアップされて不利になる・・・。

「マクノシタ、気合溜めだ!」
精神を集中させる僕のマクノシタ。これでいいのかな?
「モタモタしてる間に決めさせてもらう!突っ張りだ!」
僕のマクノシタはまだ集中力を高めている。
今は、耐えてくれ・・・。

――よし、ギリギリ耐えたか。
「反撃開始だ、マクノシタ!」



≪のび太サイド≫

「マクノシタ、突っ張り!」
僕の反撃が始まった。このまま一気に押し切るぞ!
1回、2回、3回。急所に当たったこともあってかなりのダメージを与えられた。
「ほう・・・こちらも突っ張りだ!」
「負けるな、僕のマクノシタ!突っ張りだ!」
勝負は再び突っ張り合戦になった。
互いの力が触れ合った所には、赤い火花が飛び散っている。
頼むぞ、マクノシタ・・・。

そして、勝利の女神は僕に微笑む。
僕のマクノシタが押している!さっきの気合溜めのおかげかな。
よし、このまま・・・いけ!マクノシタ!
もう一発、叩きこめ・・・!もう一発だ!
パチン!
僕のマクノシタの攻撃が当たった。クリーンヒットだ!
案の定、相手のマクノシタは倒れていく。
「よし、やった!」
ジム内に僕の声が響き渡る。僕が勝ったんだ。

――張り手!マクノシタ関の勝ち!



≪スネ夫サイド≫

綺麗な海。心地良い潮風。そして活気に満ち溢れた砂浜――
ここが港町、カイナシティかぁ。
…おっと、見入ってる場合じゃないや。
恐らくもう誰かがデボンの荷物を渡したんだろうけど、確かめなきゃ。
僕は博物館向かって走っていく。

――やっぱりマグマ団はいない。
僕より先に来れる人物だから、出木杉かしずかちゃんあたりか。
まぁいい。僕は戦力を確保しておくさ。
僕はフレンドリーショップでボールを買い、カイナシティを後にした。

よし、ここらへんだな。
ここはサイクリングロードの下の草むら。
そして、僕が探しているアイツはすぐに見つかった。
ラクライ。電気タイプのポケモンだ。
…でも、ちょっと困ったことがあるんだよね。
ラクライを捕まえたはいいんだけど、このまんじゅうみたいな奴がついてくるんだ。
確かゴクリンだったっけ。

「仕方ないな。ボールに入れよ、ゴクリン」



≪ジャイアンサイド≫

俺はジャイアン。ガキ大将。
今、俺はキンセツジムでバッジをとったところだ。
そして、俺がバッジに見入ってる時だ。
――俺の目に一つのモンスターボールが映った。
のび太から奪い取ったキャモメ・・・か。
今思えば、悪いことしちゃったよな。
またのび太に会ったら、返そうか・・・。

そんな事を考えながら、俺は砂漠の所まできた。
よし、俺の思い通りだ。
そこにはワンリキーがいた。
そしてワンリキー向かって俺はボールを投げる――
だが、その前にワンリキーの拳が俺にヒットした。
どんどん俺の意識が遠のいていく・・・。

俺が最後に見たのは揺れているボールだった。



≪ジャイアンサイド≫

「気がついたか?」
目を開けると、そこには巨大な滝が流れている。
「ん?ここはどこだ?」
すぐさま俺は辺りを見回す。
俺が見たのは・・・変なコスチュームに身を纏った男。
「お前、誰だよ」

俺はその男から話しを聞いた。
そして、俺もその男にこれまでの経緯を話した。
ここは流星の滝。倒れていた俺を見つけて運んだらしい・・・。
「へえ。チャンピオンを目指すのか・・・」
男は感心したように言う。
「で、お前は誰なんだ?」
自分でも無愛想だと思ったが、聞いておく。
「ああ、名乗り遅れたな。俺の名はタケル。ドラゴン使いのタケルだ」
そう言うやいなや、タケルは俺を先導して歩き出す。
「おい、どこにいくんだよ?」

「チャンピオンを目指してるんだろ?ついてこいよ」



≪ジャイアンサイド≫

俺とタケルがついたのは小さな洞窟。
そこで、ようやく俺はタケルの言ったことを理解した。
「そうだ、ここにはタツベイがいるんだよな!」
タケルは頷く。そして首で俺を促した。
タツベイ・・・だ。

――タツベイは中々捕まらないな。
もう俺はボールを10個も使っていた。
その時、タツベイがよろけて地面に倒れこんだ。
疲れたのか?だがこれはまたとないチャンスだ!
「いけ、モンスターボール!」
俺は即座にボールを投げた。
そして、それは放物線を描いてタツベイにあたる・・・

カチン!
俺のボールが当たったのはタツベイではなく別のボール。
「誰だっ!」
俺が振り向いた先にいたのは――
「久しぶりだね、武君」

「お前は・・・出木杉!」



≪ジャイアンサイド≫

「なんで俺の邪魔すんだよ!」
俺が叫ぶと、出木杉がニヤニヤ笑い出した。
「いや、そのタツベイがほしくてね」
「てめえ!俺様のものを横取りするとはいい度胸じゃねえか!」
俺は懐のボールに手をかける――

「フフ・・・ハッハッハ!」
なんだよコイツ・・・。強い。今まで俺が戦った誰よりも。
出木杉はタツベイをボールの中にいれた。
――その時だ。緑の物体が出木杉を襲った。
緑のボディ、赤い目・・・これはフライゴンか!
そしてフライゴンの後ろにはタケルがいた。
「横取りとはいただけないな。俺が相手だ!」

――タケルまで負けちまった。
「じゃあね。武君・・・次に会う時はもうちょっと骨がある事を期待しているよ」
出木杉は去っていった。
俺は自分の不甲斐なさに怒りを感じ、ひたすら地面を叩く。
だが、俺の拳はタケルの手に抑えられた。
そして、タケルのもう片方の手にはボールが握られている。

「ほら、このタツベイをやるよ。大切にな」



≪出木杉サイド≫

「ここは・・・キナギタウンか?」
どういうことだ?僕は目の前の景色に疑問を抱く。
そして、僕は必死に自分の記憶を探る。
確かタツベイをゲットした後ポケモンリーグに戻って・・・
その後から僕の記憶は無い。
「あれ、お前は・・・」
僕の横にいたのは移動用に捕まえたオオスバメ。
まさか、こいつが故意に僕を連れてきたのか?
僕が考えているその時――
ドガーン!

大きな爆音が辺りを支配し、僕の思考は止まる。
僕は恐る恐る、爆音のした方向に首を動かす。
「これは・・・!」
その瞬間、僕は恐怖に襲われた。
眩い光線で町を破壊しているのはまさしく――

伝説のポケモン・レックウザ。



≪出木杉サイド≫

恐怖に襲われていた僕は、無意識のうちに懐からボールを取り出す。
それは紫色の特殊なボール・・・マスターボール。
僕はボールを投げ、それを目で追っていく。
そして、マスターボールは見事レックウザに当たり、僕の手元に戻ってくる。
「フフ・・・ハハハハ!」
思わず奇怪な声を出してしまう。
だが、今の僕にとってそんな事はどうでもいい。
このレックウザ――つまり、強大な力は僕のものになったんだ!

そして、僕はポケモンリーグに戻った。
僕は捕まえたレックウザの事を考えながら眠りにつく。
目を閉じたまま暫くした時――
僕はレックウザが都市を破壊しているビジョンを見た。
たった1回、炎を吐くだけで辺り一面が焼け野原と化してしまう。
「フフ、凄いだろう?これが力だ。全てを破壊する力・・・」
誰だ?僕は気味が悪くなった。
「この力があれば、この世界を我が物にすることも容易だぞ・・・どうだ?」
いつの間にか僕はそいつの話しに聞き入っていた。
「全てを破壊しろ。力を使え・・・」



≪出木杉サイド≫

「はっ・・・!」
夢か。それにしても何だったんだ、あれは・・・。
僕は背筋に冷たいものを感じた。
そして、あのビジョンと何者かの言葉を思い出した。

――なんだ、この感覚。
僕はあの男の言葉通り、破壊の衝動を感じる。
そして、自然に手が動く。
その手が掴んでいるのは、僕の懐のマスターボール。
一瞬で町を焼け野原にする強大な力。
僕は今、その力を従えている。そしてそれは僕の手にある。

「うああああああ!」
僕はこの力を悪用したいなんて思ってない。
でも、何だよ・・・この僕の心を突き刺すような誘惑は。
相反する意識がぶつかり合い、僕は何とも言えない苦しみに襲われる。
この力があれば、この世界を我が物にする事も容易・・・。
その言葉が、僕の頭の中に響いてくる。
――そうだ。こんな強大な力、使わない手はない。
僕は、僕自身がレックウザを従え町を破壊するビジョンを思い浮かべる。
考えるだけで、なんだか気持ちいい。

「アハハ!・・・ハハハハハハ!」