※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。




のび太「なんだ、なんだ、なんだ!?」
ドラえもんが驚いていると、ドアからのび太が飛び出してきた。
外ではサイレンが鳴っている。
センターの人達も様子を見に行ったようだ。
ドラえもん「突然、外で爆発音がしたんだ。
まさか…………」
のび太「時間犯罪者!?」
のび太が叫ぶ。
ドラえもん「いや、まだ分からない!
とにかく、もしそうだとしたら、奴はエンジュに居る僕らを
直接狙っているということになる」
ドラえもんが言った瞬間、
「ドカァァァァァァン!!!」
また、爆発音が聞こえた。
のび太「ドラえもん!!
行ってみよう!」
のび太が急かすが、ドラえもんは少し間をとる。

このまま、いぶり出されるように行くのは、正直危険。
だが、行けば時間犯罪者の姿を確認できる可能性が高い。
虎穴に入らずんば虎児を得ずだ。
ドラえもん「よし!行こう!!」
のび太「うん!!」
ドラえもんとのび太は部屋を飛び出した。



一方、エンジュの焼けた塔前でのこと。
この街のジムリーダー、マツバは重要文化財である焼けた塔を
爆破している男を止めるべく、現場に駆け付けていた。
現場には町中の住人が野次馬となって来ていた。
マツバ「何だって言うんだ?
一体?」
マツバに聞かれたジムのトレーナーは無言で指を指す。
「うぐ、うぐぐぐぐ、爆!漠!縛!幕!博!莫!」
その方向には、まさに常人の精神を持っているとは言いがたい人物がいた。
マツバ「狂ってるとしか言いようがないな……
しかし相手は奴一人だ。
何故とり押さえない?」
マツバが聞いた瞬間、
狂人「しねラァァァ!!
だいばくはつ!!!」
二体のイシツブテが飛んでくる。
マツバ「伏せろ!!!」
「ズワアアアアアン!!!!」
凄まじい爆音が響き渡る。
狂人「もどりぇ、イシツブテ」
変質者はイシツブテを手元に戻し、元気の欠片を使う。
マツバ「くそっ………!
危険すぎる!!!
しかもこれなら、何度でも爆発が可能ってことか!」
マツバが言うか早いか、変質者は第二撃を開始した。
狂人「氏ねねねね。」
マツバ達の方にイシツブテが飛んでくる。
マツバ「ゲンガー!!
止めろ!」
マツバはゲンガーを繰り出したが、間に合わない。
イシツブテから光が発され始めた。



「ピジョン!でんこうせっか!!」
その時、どこからともなく、ピジョンが飛んできて、イシツブテを弾き飛ばした。
遠くで爆発音が聞こえる。
マツバ「誰だい…………?」
マツバが後ろを向くと、見覚えのない冴えないメガネと、
見覚えのある青い狸が居た。
のび太「大丈夫でしたか?」
のび太が聞く。
マツバ「ああ、誰だか知らないが、ありがとう。
もう一人、君はドライモン?だっけかな?」
マツバに名を間違えられたドラえもんはすぐさま、それを正す。
ドラえもん「ドラえもんです。
ところで、マツバさん。
なんなんですか?
あの爆発は?」
マツバは黙って指を指す。
そこには何処かで見たような顔があった。
ドラえもん「あ、あなたは!?」
のび太「船乗りのヨシト!?」



そう、のび太達の目の前には、アサギの灯台でのび太と戦ったヨシトがいたのだ。
しかし、あの時の面影は全くない。
のび太「ヨシトさん………
なんで……?」
のび太が歩み寄ろうとする。
しかし、ヨシトはまだ笑っている。

マツバ「伏せろぉ!!!」
マツバはのび太にのしかかった。
ヨシトの投げたイシツブテが爆発する。
のび太「マツバさん、ありがとう………」
のび太がそう言うと、マツバが訊いてきた。
マツバ「知り合いか?」
のび太は少し躊躇った様子で答えた。
のび太「前にバトルをして………
まさか………こんな……」
知り合いだというのび太の様子を察したのか、マツバが言う。
マツバ「わかった。
それなら、少々危険だが、無傷でとり押さえる。」
のび太「どうやって!?」
のび太の問いにマツバが答える。
マツバ「奴はだいばくはつを使わせた後、ポケモンを戻して、
元気の欠片を使うという、三つの動作を行う。
そこで、敢えてだいばくはつを使わせ、
三つの動作をしているスキを狙って取り抑える。」
マツバの言葉に、のび太は少し間を開けて言う。
のび太「……囮作戦ですか?」
マツバは頷く。
マツバ「だいばくはつを使わせる囮役は僕がやる。
君は彼を取り抑えてくれ。」
マツバの言葉にのび太はこくりと頷いた。
マツバ「よし、いくぞ!
作戦開始!!」



ヨシト「氏ね市ね史ね施ねえええ」
「グワーーン!!」
ドラえもん「くそっ!
ヌオー!」
マツバとのび太が作戦を立てている間、ヨシトからの攻撃は
ドラえもんが足止めをしていた。
しかし、だいばくはつを連発する相手に、流石のドラえもんも押され気味である。

すると、
マツバ「おい!貴様!
何でこんなことをする!!」
ヨシトの注意を引くため、マツバが叫んだ。
しかし、ヨシトは訳の分からない言葉をしゃべって話にならない。
ヨシト「えへえへえへえへ」
マツバは恐怖を感じたが、作戦の為に囮としての役目を果たさねばならない。
マツバ「こい!この低脳の基地外野郎!!」
ヨシト「ん~~?
施ね史ね市ね氏ね市ね氏ね
イシツブテェ!
だ・い・ば・く・は・つ」
マツバの方へイシツブテが飛んでくる。
マツバ「ゲンガー!!
さいみんじゅつで止めろ!!」
ゲンガーのさいみんじゅつでイシツブテのだいばくはつが中断される。
そして、当然の如くヨシトはイシツブテを戻し、なんでもなおしを使おうとする。
マツバ『今だ!!!
メガネ少年!!』
ヨシトから見えない影からピジョン、フーディン、ブーバーを従え
のび太が飛び出す。

しかし、なんということか。
のび太は少し飛び出すのが遅れてしまった。



ヨシト「うわああああああああくるなああああああ」
のび太に気付いたヨシトは、のび太に向けてイシツブテの入った
ボールを投げつける。
ドラえもん「のび太君!!!」
イシツブテがボールから飛び出し、光だす。
ドラえもんが叫ぶ。
のび太「うわああああああああ!!!」
「ドガーーン!!!」
辺りを揺るがす激しい爆発が起こり、それがのび太を包む。
ドラえもん「のび……太……君…?」
周囲は砂塵に支配され、静寂が響く。
ドラえもんはのび太の無事を願った。
しかし、そこは何もかもが跡形もなく吹っ飛んでいた。
ドラえもん「のび太君が……跡形もなく……」
ドラえもんは呆然とし、思考は中断した。
しかし、また、ある声で動き出す。
ヨシト「ひっ、ひっ、人が……吹っ飛んだ……跡形もなく……
俺が……やった?」
ヨシトも呆然としているが、やがて、
ヨシト「うがああああああああ!!!
人をおおお人をおおお!!!」
ヨシトは完全に発狂し、自らの周りにイシツブテを二体、
クヌギダマを一体繰り出した。
それらはやがて、光をおびはじめる。
マツバ「まさか……………。
ヤバい!!
皆!!伏せろぉぉぉ!!」
マツバが叫んだ瞬間、ヨシトの周りで凄まじい爆音が轟いた。




その頃―ワカバタウンで、不審な男女二人組がいた。
別に、この時間帯でうろつくのは、田舎町のワカバタウンでも
おかしいことでもないし、その二人が挙動不審なことをしていた訳でもない。
ただ、その服装は、未来の服を思わせ、胸には大きな赤い拳のマークがある。
そのうちの一人、男の方が言う。
男「…………此所に、辿りつけたのは、俺達だけか………。
他の奴らは…………。いや、考えるまい。」
男はしみじみと周りを見回す。
一体、この世界はどんな世界なのだろう。
女「町の外を見てきたわ。
見たこともない生物がいる。
やはり、ここは異次元空間ね。
何故、この時代にあるのかはわからないけど。」
女は言った。
こちらの心を見透かすように。
男「なんにせよ、任務の為、この世界の情報は必要だ。
それに、ここは恐らく誰かに創られた次元。武器や、通信機器、
特定の道具が全て消えてしまった。
それに、お前の能力は情報収集に向いているからな。」
男の言葉に女が頷く。
すると、女は何処かへ行ってしまった。
男「この仕事に失敗は許されない……
何故なら、この為に俺達は生まれてきたようなものだからな……」
そう呟くと、男は犠牲になった友人達に祈りを捧げた。



マツバ「うえっ……、酷いな……」

ヨシトの体の惨状は凄まじいものだった。
それを書くのは気が引けるので、ここでは省略させてもらうが。

そして、ドラえもんはショックの余り、立ち尽くしていた。
この世界の死、則ち現実の死ではないことは分かっているが、流石に気がめいる。
それより、ジャイアンとスネ夫に、作戦前にこの事を伝えなければならないのは
考えただけでも辛かった。
マツバもそれを察したようで、
マツバ「………君は、もう帰ってもいいよ。
話は明日聞くから……」
と、言ってくれた。
ドラえもん「わかりました………」
ドラえもんは重い足を、ポケモンセンターに向かわせた。
ああ、なんで、頼まれたからといって、皆をこの世界に連れて来たんだろう。
僕のバカバカバカバカバカ。
ドラえもんが失意に陥っているとき、目の前から人影が現れた。
その人影は近付くにつれ、鮮明になる。
そして、それは自分が最も安否を気遣う人物だと解った。
ドラえもん「のっ、のび太君………?」
のび太「ドラえも~ん!!」



ドラえもんはのび太に抱きつく。
ドラえもんの目からは、涙が出てきた。
ドラえもん「のび太君!
なんで無事だったの?」
ドラえもんは泣きながら聞いた。
のび太「話せば短いんだけど、実はビリリダマが爆発したとき、
フーディンのテレポートで逃げたんだ。
それで、ここまで来るのに時間がかかっちゃった。」
ドラえもん「あっ………」
成程。
確かにのび太が爆発で死んだのなら、跡形もなくなるのはおかしかった。
のび太より明らかに強い爆発で死んでいたヨシトは、まあ、あれではあったが
体はちゃんと残っていた。
少し考えれば分かることだが、自分としたことが、動揺して考えつかなかった。
ドラえもん「まあ、良かったよ。
とりあえず、ポケモンセンターまで帰ろう。」



ドラえもんは、そう言うと歩きだした。
無事だったのはいいが、のび太がまだ警戒する存在であることに変わりはない。
この世界では自分達、プレイヤーが干渉しない限り、人が死ぬことはない。
それ故、ヨシトの死も、ゲーム内の誰かの干渉によるものだろう。
それの元凶は恐らく99%、時間犯罪者。
だとしたら、常に自分が監視していたのび太が黒である可能性は低い。
しかし、しずかの時といい、奴は遠隔で人を殺せる。
それがある限り、警戒を緩めるべきではないが、
ヨシトの死は見る限り、どうひいきめに見ても自殺。
故に殺されたとは考えにくい。
だとしたら、のび太ではない人物が直接ヨシトに催眠術などの、なんらかの操作を施した可能性が高い。
しかも、もしのび太が時間犯罪者としたら、わざわざ、自分の前に現れるだろうか?
死体がないことから、のび太=時間犯罪者だとバレても、フスベで待ち伏せ作戦を採った方が得策ではないのか?
ここで、自分が殺されるということも考えられるが、手持ちのレベルや、相性からいって恐らく無理。
それに、もし能力で殺すのなら、やっぱりわざわざ自分の前に現れる必要がない。
やはり、のび太はシロなのか?
考えれば考える程、深いループにはまっていく。



ドラえもんが、その様な思索に耽っている内に、
二人は再びポケモンセンターに着いていた。
ドラえもんとのび太はフロントで部屋の鍵を受取り、各々の部屋へ向かう。
そして、二人がそれぞれ、部屋に入ろうとしたとき、ドラえもんが言った。
ドラえもん「のび太君、ヨシトさんの事は明日話すよ。
今日は、色々あったから、明日の為にゆっくり寝た方がいい。」
のび太「うん、そうする。おやすみ。」
ドラえもん「おやすみ。」
二人は、そう言い合うと部屋へ入った。

ドラえもんは部屋に入った瞬間、またポケットから蚊メラを取り出す。
やはり、疑いは若干晴れたとはいえ、完全にシロとは言えないし、
もし、この状況でのび太が時間犯罪者なら、自分が殺される。
多分ないと思うが、あのタイミングからいってヨシトの凶行は
のび太の挿し金の可能性もある。
自分の身を守る為にも、ここで妥協するわけにはいかない。
ドラえもんの盗聴は朝まで続いた。



のび太は部屋に入るとすぐにベッドの上で横になった。
こみあげる笑いをこらえながら。

のび太の策は、ドラえもんがチェックインの時に書いていた名前を見る
(書いていた時に名前を見れなかったのはのび太最大のチョンボだったが)という
単純な策であった。
しかし、それには問題があった。
あの忌々しい青狸の盗聴である。
部屋から出るのは、単独行動になり、青狸のお付きがつくので不可。
それに、わざわざ名簿を見せてくれと言うのはあからさまに妙だろう。
それ故、フロントの名前を見るには、センターの職員及び、
糞狸達をセンターから引き離すことが必要だった。
そこで今回、ノートの隠された力を使わせてもらった。
このルールは、メガネにも話していないが、実はこのノート、
対象者の死の前の状況、死因、命日をある程度操作することが出来る。
ノートに記入したのは以下の通り。

名前【ヨシト】
死因【爆死】

手持ち【ニョロゾ・メノクラゲ・ドククラゲ】
死の前の状況【ショップで出来るだけ多くの元気の欠片を買い、
アサギから自転車でスリバチ山へ向かい、
時間に間に合うようできるだけ、じばくの使えるポケモンを捕獲。
その後、発狂しながら、エンジュの重要文化財を襲撃。
襲撃中、人を殺したと思い込み、200×年×月×日午後7時30分自殺】



まず人の目につき、この町のシンボルである文化財を破壊することにより、
ポケモンセンターの職員を引き離す。
青狸も当然現場に向かう。
その時点でポケモンセンターはもぬけのカラ。
何故、人を殺したと勘違いするという条件をつけたのかは、
自然な形でテレポートを使い、ポケモンセンターに戻るため。
戻れば無人のポケモンセンターで優々と名簿を見ればよい。
しかし、これも、実行するにはネックがあった。
それは、青狸の監視の可能性。
もし、監視されていた場合、これを実行すれば殺害方法もバレ、
確実にアウトだろう。
しかし、盗聴のみならノートを使い、これを実行することは極めて容易。
だから、青狸が監視をしているか、していないかを確かめる為に
このポケモンを使った。
それはラッタ。
この一週間、一緒にいたお陰で、俺は奴がなぜか、ネズミのたぐいが嫌いで、
見たら発狂しだすことを知っている。
だから、敢えて部屋の中でラッタを繰り出し、
視覚のみの情報を送り続けることにより、奴の反応を確認。
全てのポケモンを繰り出したのは、ラッタだけ出すと余りにも不自然で後々、
疑われる可能性があるから。
そして、奴の反応から少なくとも監視はしていないと判断し、この計画を実行した。

しかし、奴は計画の為には今は殺せない。
いや、殺すと策の成功率が低くなると言った方が正しいか。
とりあえず、明日はあの女に腕をみせつける日だ。
もう、起き続けてる理由もないし。
寝よう。

のび太は修行の疲れを癒すべく、床についた。