ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

ドラーモン作大長編 その13

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ルネジム。
三人はウコンをヒースに任せ、ジムに挑戦することになった。
のび太ひとりでは解けなかっただろう氷の床のトラップはしずかやドラえもんのおかげで難なく通過できた。
まずはのび太のジム戦。
それは簡単に決着がついた。
ラティアスの戦闘力は圧倒的だったのである。
「やった、強いやこのポケモン!」
「のび太くん、今回はいいけどあまり頼りすぎちゃダメだよ」
ドラえもんは釘を刺す。
出木杉に戦いを挑むには手持ち全てのポケモンのレベルアップが必要なのだ。

次はしずかの番だ。
しかし、アダンと対面するしずかの顔はすぐれない。
昨日の誘拐未遂事件の影響が残っているのだろうか。
「しずちゃん、がんばって!」
「無理しちゃダメだよ!」
二人の声援に返す笑顔も弱々しい。
『しずかちゃん、大丈夫だろうか』
しかし、ドラえもんの心配も杞憂かのようにしずかはバトルを進めていった。
サーナイトの持つ10万ボルトやサイコキネシスが次々とアダンの水ポケモンを撃破する。
「やっぱしずちゃんのサーナイトは強いや!」
のび太は自分の事のように喜んでいる。
しかしドラえもんはしずかの青ざめた顔色を見逃さなかった。



アダンに残されたのはキングドラのみ。
「サーナイト、さいみんじゅつよ」
しずかのサーナイトがキングドラを眠らせた。
「む……これで終わりか……」
アダンは悔しそうに呻く。
眠らされた状態でサイコキネシスや10万ボルトを連発されてしまうとキングドラの負けは決定的だ。
しかししずかはそうしなかった。
「かげぶんしん!」
サーナイトが分身を生み出す。
「えええーっ!」
この場にいる全員が驚いた。
しずかの勝利は確定的だったのに、この状況で急に守りに入ってしまったのだ。
その後もしずかは催眠術と影分身を繰り返し、攻撃をしようとしない。
その戦い方にはさすがのアダンも口を挟んでしまう。
「勝つ気がないならバトルをやめたまえ……」
「……」
しずかは答えない。
「やっぱり体調が悪いのかな……」
ドラえもんはそう言いながらも、しずかのただならぬ様子にそれだけではないと感じていた。
『勝っちゃいけない理由……』
考えてはみるが、想像すらできない。
もしかしたらしずかが単独行動をしていた時、出木杉が何か吹き込んだんだろうか?



催眠術と影分身のPPが尽きた頃、しずかは躊躇しながらも小声で「サイコキネシス」と言った。
強力な衝撃波を受け、アダンのキングドラが落ちる。
「戦い方はともかく、君の勝ちだ……」
アダンは何か納得いかない顔をしながらもしずかの勝利を称えた。
そしてしずかの元へ行き、勝者の証であるバッジを渡す。

「うっ……」

バッジを受け取った瞬間、しずかはゆっくりと崩れ落ちた。
「君!」
「しずちゃん!」
「しずかちゃん!」
のび太とドラえもんが駆け寄る。
しずかはどうやら気絶しているようだ。
「しずちゃん、しずちゃん!」
「くっ、とにかくここでは何もできん!」
アダンがしずかを抱えあげると、三人は急いでポケモンセンターに向かった。

しずかは個室で寝かされていた。
その様子を確認して部屋を出たのび太とドラえもんに、診察にあたったジョーイが声をかけた。
「どうやらさいみんじゅつが解けた影響で倒れたようね」
しずか本人がサーナイトに命じて自らに催眠術をかけたようだ。
「彼女、昨日は眠れなかったらしいわ……」
「やっぱり昨日の事件の後だったからかな」
のび太が心配そうにつぶやく。
ドラえもんもそれを聞いて安心しながらも、しずかの戦い方に何かひっかかりを感じていた。



センターにのび太を残し、ドラえもんはウコンの元に向かう。

「ウコンさん、しずかちゃんを誘拐するときに催眠術使わなかった?」
そう聞かれたウコンは首を横に振る。
「ワシは当て身をくらわせただけじゃ……」
「そうですか」
ウコンに何かされたのではないかと思ったが、どうやらそうではないようだ。
疑念が解決し、ドラえもんはひとまず胸を撫で下ろした。
出木杉に催眠術をかけられていたならとっくにその兆候は睡魔として現れていたはずだ、出木杉の陰謀でもないだろう。
その時、不意にドラえもんのポケナビが鳴る。
それを見たドラえもんはすぐにポケモンセンターに向かった。

「のび太くん!」
「ドラえもん!エントリーコールに……」
どうやらのび太のポケナビにも同じ事が起こったようだ。
二人は大急ぎでユニオンルームに向かう。

ユニオンルームに入った二人を待っていたのは、今一番会いたかった人物。
皆を裏切り、傷つけ、その心がすっかり変わってしまった仲間。

「出木杉!」

「やあ、のび太君。久しぶりだね」
立体映像だがその姿は間違いなく出木杉だった。
「久しぶりだね。こうして話すのはいつ以来だろう……」
そういう出木杉の顔からはやさしい優等生としての面影はなく、すっかり歪みきっていた……



ユニオンルームとはいえ、ついに出木杉と会うことができた。
ドラえもんは意識を集中させる。
こちらから聞きたいことは山ほどあるが、手の内を見せるワケにはいかない。
「出木杉、君はちょっとひどすぎるよ!」
のび太がまず第一声を発した。
「ひどい?僕はひどい事をしたつもりはないけど」
出木杉は顔色一つ変えることがない。
本当にやましいと感じていないかのようだ。
「君はポケモンリーグをメチャクチャにして、さらにはいろんな人を人質に取ってるじゃないか!」
ウコンを脅し、そしてしずかも脅した。
それがのび太には許せないのだ。
「やっぱり君は劣等生だな。所詮ゲームの世界なんだ、好き勝手に楽しもうじゃないか」
出木杉の言葉にこの世界をいたわる感情は全くない。
ドラえもんはそんな出木杉の言動を聞き逃さぬように観察している。
「ゆ、許さないぞ……」
「もういい、のび太くんは黙ってて」
ドラえもんはのび太を制すると、出木杉の前に出た。
「やあドラえもん、君のおかげで楽しい毎日を送ってるよ」
「君がこんな事をすると分かってたら誘わなかったけどね」
両者の間に緊張が走る。



緊迫した雰囲気のなか、まずはドラえもんが仕掛けた。
「君は所詮ゲームだと言ったけど、僕らは君の悪業を忘れることはないんだよ」
出木杉はやれやれといった顔で答える。
「別に構わないさ。僕が全員をトラウマが出来るくらい隷属させれば現実に戻っても逆らうことは出来なくなるさ」
考え方は狂っているが、その言葉にドラえもんはある疑問がうかんだ。
それを確認するように質問を投げ掛ける。
「けどそれは無理だね。もしもボックスは壊れてしまったんだ、もう現実には戻れない」
出木杉の眉がぴくりと動き、1、2秒の間を置いたあとに口を開いた。
「ああ、あれは僕が壊したんだ。これでもとの世界には戻れない。僕の天下さ」
『ウソだな』
前の言葉とさっきの言葉は矛盾している。
問題はここからだ。
出木杉のハッタリが「ボックスが壊れたことを知らない」のか「本物のボックスを隠している」のかを見極めなければならない。
ドラえもんは切り出した。
「けどおかしいんだよ。もしもボックスが破壊されたら現実に戻ってしまうはずなんだけど……」
出木杉はその言葉を聞いて微妙に狼狽したように見えた。
「さあ、そこまでは知らないよ。君の道具なんだろ?」



出木杉の言葉はドラえもんにも衝撃を与えた。
『やはり、出木杉君以外の誰かが……』
考えを巡らせているその時、出木杉からの問いがくる。
「どうやらパイラ地方のよそ者が入り込んでいるようだが、君たちの仲間かい?」
「パイラ地方?」
何を言っているのか分からない。
しかし出木杉がこっちの仲間だと誤解している以上、出木杉に仇なす存在なのだろう。
「そんな奴知らないよ。君がどこかで恨みをかってるだけじゃないのかい?」
「そんなウソが通ると思ってるのかい、ドラえもん。ホウエンにスナッチシステムがあるわけはないだろう」
ゲームの事を知らないドラえもんだが、出木杉の言葉はなんとなく理解できた。
『ゲーム世界ではありえない何かが起こっているということか』
出木杉の違法データのせいなのか、それとも別の要因なのか、今は判断することは出来ない。
「さあね、優等生ならどういうことか分かるんじゃないかい?」
「少なくともポンコツロボットよりは理論的な答えが出せるさ」
互いに挑発しながらも、相手の言葉から得た情報の分析は忘れない。
そんな二人の間でのび太はただあたふたしていた。



次の質問をしようとしたが、その前に出木杉が声を上げた。
「雑談の時間は終わりだ。」
「まて、まだ聞きたいことが……」
ドラえもんの叫びは爆音に妨げられた。
「な、なんだ?」
「ああ、僕の四天王がルネを襲撃しているんだ」
出木杉がゲラゲラと笑う。
「君たちがチンタラしているから尻を叩いてやるんだよ。早く僕を倒さないと他の町も焼かれるよ」
「な、なんだって!」
建物が大きく揺れ、出木杉の立体映像が歪む。
「じゃあ、生きていたらポケモンリーグで会おうよ」
そう言い残した出木杉の映像がかき消えた。
残された二人は急いでユニオンルームを出る。
向かいの窓から見えたのは緑色の巨大な龍。
「あれは……ナギのポケモンだ!」
そう、ドラえもんが死ぬ思いにあったあの時に乗っていたポケモン、レックウザだ。
レックウザは破壊光線で民家を次々と凪ぎ払っていく。
「ひ、ひどい……」
「はやく止めなきゃ!」
二人は大急ぎでポケモンセンターの階段を駆け降りていく。
センターの入り口を抜けると、そこには赤い巨獣と一人の女が二人を待ち構えていた。
「そこのタヌキ、あんたには先日の借りを返さなきゃね……」
「あ、アスナ……」
グラードンの放つプレッシャーが二人を威圧する。



「やばいよドラえもん!」
「仕方ない、僕らもポケモンを……」
二人が意を決してモンスターボールを投げようとしたとき、その前に一人の男が現れた。
「少年たち、ここは私が引き受けよう」
「アダンさん!!」
アダンはキングドラを繰り出し、水の波動でグラードンを攻撃する。
「まだ他にも敵はいる、少年たちはそっちに回ってくれ!」
「ありがとう、アダンさん!」
ドラえもんとのび太はアダンに頭を下げると、先に走っていった。
「逃すなグラードン!」
「君の相手は私だ!水の波動!」
ドラえもん達に目がいったアスナにアダンが追撃する。
邪魔をされたアスナはアダンを睨み付けた。
「ちっ、しつこい男……」
「おいおい、同じジムリーダーに対してしつこいはないだろう」
とぼけるアダンを見て舌なめずりするアスナ。
「しょうがない、まずはお前を狩ってやるよ。出ろ、ユレイドル!」
アスナが繰り出したのはなんとユレイドルだ。
『炎ポケモンではないのか!』
アダンはジムリーダー時代のアスナしか知らない。
炎ポケモン以外を使ったところを見たことがないのだ。
「ふふふ、グラードンの特性は日照り……この強大な力を最大限利用するのさ!」
ユレイドルは瞬時にチャージを完了しソーラービームを発射した。
「な、なにっ!」
アダンのキングドラが光に飲み込まれた……



レックウザはポケモンセンターの対岸で暴れている。
そこまで行くには波乗りで対岸まで渡らなければならない。
「のび太さーん!」
後ろから声がかかり、二人が振り向くとしずかがこちらに走ってきている。
「しずちゃん!大丈夫なのかい?」
しずかは息を切らしながら答えた。
「ええ、こんな事態になってるのにゆっくり休んではいられないわ」
「実は……」
ドラえもんが事情を簡潔に説明すると、
少し考え込んだしずかはマリルリを繰り出した。
「出木杉さんの言うことが真実なら、アスナさんとナギさん以外の人も来るはずよ。
私は水中からルネの外に出て待ち受けるわ!」
「じゃあボクも行くよ、のび太くんはレックウザを!」
ドラえもんもホエルオーを繰り出す。
「ど、ドラえもんも行っちゃうの?」
「うん、こっちも戦力は均等に別れないとね」
現状ではのび太のラティアスが最強の戦力、ひとりでやってもらうしかない。
「仕方ない、二人とも気を付けてね!」
「のび太くんもヤバいと思ったら逃げるんだよ!」
二人がダイビングで潜っていくのを見送ると、のび太はスターミーを出した。
服が濡れるとかそんなことは言っていられない。
「急がないと……」



ルネジム。
「アダンさんがいないが、ルネジムはなんとしても守りきるんだ!」
ルネジムのトレーナーは街の人々を避難させつつ、周囲を警戒している。
アダンの指示でこのジムを避難場所にしたのだ。
「おい、また来たぞ」
少女がポケモンに波乗りしながらやってくる。
「君も避難しに来たのか!トレーナーならここの守備に力を貸してほしいんだ!」
しかしその言葉が聞こえないかのように少女は懐からボールを出す。
「ごめんなさい、どちらでもないのよ」
少女が投げたボールから現れたのは巨大な岩の塊。
「な……」
驚くトレーナー達を尻目に岩巨人は砂嵐を発生させる。
少女…ツツジは冷たく笑った。
「私はあなた達を倒すために来たのよ。味方でなくて残念ね……いわなだれ」
レジロックが地を砕き、ルネジムのトレーナー達に岩石が降り注ぐ。
「メタグロス、まもる!」
しかしツツジの思惑どおりにはいかなかった。
突然現れたメタグロスが岩雪崩からトレーナー達を守ったのだ。
「ふふふ…なかなか反応が速い奴がいるみたいね」
ツツジが邪魔者を誉め讃える。
「まったく、砂が巻き上がってボクの美しさが台無しだよ」
砂嵐の中を現れたのはドームスーパースター・ヒースだ。



「あら、ナギにやられた変態スターじゃない?」
「変態というのは聞き捨てならないけど、やられちゃったのは事実さ」
ヒースはツツジを睨み返す。
「だが、フロンティアブレーンたるもの一度や二度の負けを
気にしてはいられないからね、コメットパンチ!」
メタグロスのコメットパンチがレジロックに炸裂する。
効果抜群だが、防御の高さでなんとか耐えるレジロック。
「私のレジロックに傷を付けるなんて……許せない」
憎しみの目で睨むツツジだが、今の手持ちではメタグロスに有効打を与えられない。
『ちっ、地震でも覚えさせておけばよかったわ』
しかし今それを後悔するべき時ではない。
「これは……勝てないわね」
ツツジの合図でレジロックが動きを止める。
「まずい、みんな伏せるんだ!」
ヒースが叫んだ次の瞬間、レジロックは吹き飛んだ。
その大爆発はジム前の広場をえぐり、すさまじい爆風と共にツツジは姿を消した。
「自分が逃げるためにポケモンを大爆発させるとは……」
ヒースが砂埃を払いながら立ち上がる。
ヒースの叫びのおかげでルネジムのメンバーも無事のようだ。
「全く、後味が悪い戦いだ」
ヒースは街を焼くレックウザを睨みつけた。



ルネシティ入口。
海上に出たドラえもんとしずか。
「あの影は……」
ドラえもんは自分が乗っているホエルオーのような影を彼方の海上に見つけた。
「ヒースさん達の話にあったカイオーガってポケモンね」
しずかはホエルオーに一緒に乗っている。
サーナイトも出して準備万端だ。
「雷ポケモンがいればいいんだけど、ボク達の中に持ってる人はいないからなぁ」
戦い方を必死で考えるドラえもんの頭にポツリ、ポツリと水滴が落ちてくる。
「ん、雨……?」
「ドラちゃん、カイオーガの特性は雨を降らせるんじゃなかったかしら」
そうだ、情報によるとカイオーガの特性は雨降らし。
ということは、ここはすでにカイオーガとのバトルフィールドになったということだ。
「……!!しずかちゃん伏せて!」
海上の影からすさまじい水流の束が放たれ、それはホエルオーに直撃する。
「きゃああああっ!」
「しずかちゃん、反撃するんだ、もう戦いは始まってる!」
二人が乗っているホエルオーは潮吹きの攻撃を受け体力を削られる。
「サーナイト、10まんボルト!」
「ホエルオー、ねむって体力を回復だ!」
眠りに就くホエルオーの上からサーナイトの電撃が放たれる。
対アダン用に覚えさせていた10万ボルトだ。



普通は海水で電気は拡散してしまうが、ポケモンの電気技は
なぜか海中のカイオーガに命中する。
「ドラちゃん、当たったみたい!」
しずかの歓声にドラえもんも一安心する。
「まさかこの距離で技の撃ちあいが始まっちゃうなんて……」
そう言うドラえもん達の眼前で海中から巨大な影が浮かび上がる。
「あれが……カイオーガ」
ホエルオーより少し小さいが、その威容から発せられる威圧感は
さすが伝説といわれるポケモンだ。
10万ボルトを受けたにもかかわらず、そのダメージも致命傷ではないようだ。
「しずかちゃん、一気に倒すよ!」
ドラえもんはホエルオーに眠気ざましを振りまき、サーナイトは再び10万ボルトを放った。
2発目の電撃を受け、さすがのカイオーガも苦しんでいるようだ。
カイオーガは眠って体力を回復させるが、
その隙を突いてさらに3発、4発と10万ボルトや冷凍ビームを食らい続ける。
「よし、これならいけ…」
ドラえもんが喋りきる寸前、しずかのサーナイトが光の奔流に飲み込まれた。
「いやぁっ、私のサーナイトがっ!」
「これは、はかいこうせん……」
光の放たれた先を目で追うと、そこにはキングドラの背に乗ったイズミが
ニヤニヤと笑っていた。



「そんなところから攻撃するなんて、卑怯だぞ!」
「何を言ってるのかしら?あなた達が二人がかりで攻撃してるから
ダブルバトルを受けたまでよ」
イズミはカイオーガに回復の薬を投げる。
それを浴びて完全回復してしまうカイオーガ。
「そんな……サーナイトがやられちゃうなんて……」
今まで無敗だったサーナイトを失ったショックでしずかはへたりこむ。
「しずかちゃん……」
しずかは戦闘できる精神状態ではないようだ。
『こうなったら!』
ドラえもんはしずかの懐からボールを奪うと、それを投げた。
そして海上に現れたマリルリ目がけしずかを押し出す。
「ドラちゃん!」
「ボクが食い止める!しずかちゃんはのび太くんのところに!」
ドラえもんのホエルオーはイズミのキングドラめがけ突貫していく。
「のしかかれ、ホエルオーっっ!」
海上にジャンプしたホエルオーが巨体を海面に叩きつけた。
その激しい水飛沫と荒波の中、しずかはマリルリと共に海中に沈む。
『ごめんなさい、ごめんなさい、ドラちゃん!』
しずかの涙は泡といっしょに海水に混ざって拡散していった……



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