ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

出来杉 クリスマス編

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nobita_in_pokemon

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今日はクリスマス。
出来杉は降る雪を見ながら考えていた

(今日くらいは――)

しずか「待ちなさい!この変態!」

「う、ヴわぁああん」
出来杉は泣きながら逃げていた。

(な、な、なんでそんなに追ってくるんだよ。襲ったわけじゃない。ただ写真を撮っただけじゃなひか!)

それも犯罪だけどな。

何がいけなかったんだろうか。自分はただ欲望に忠実に生きただけなのに


だからそれが犯罪なんだって。

あれからどれだけ走ったかわからない。
後ろを振り向くともう追っ手の姿はなかった。どうやら逃げ切ったらしい
(よか…っ……た………)

気付くと出来杉は真っ白な地面にもたれ掛かっていた――



ぽっ
「んっ、んーー?」
(僕の眠りを妨げるのは誰だい?)

永遠の眠りにつくとこだった出来杉は目を開けた

するとそこにはリザードがいた。尾っぽの火で暖めてくれているのだ。
心配そうに出来杉を見ているリザード。

(リザード……そうだよな。諦めちゃダメだよな)

出来杉は震える体を起こして次の行動を考える。
まずこの冬を乗り越えねばならない。
何をすればいいか。考えに考えた末の結論が出た。

マッチ売りならぬリザード売りの出来杉の誕生だった――


「リ、リザード。リザードはいりませんか?」

しかし目の前を通る人たちはちらりと見るだけで笑って過ぎていく。

(やっぱり……ダメなのかな)
出来杉は茫然としながらリザードの尾を眺めていた。すると


尾の向こうに景色が見えてきた
(こ、これは!!)

出来杉はリザードの尾に目を集中させた



リザードの尾の火から見えてきた景色では
出来杉としずかはアルバムを見ながら楽しく会話しているところだった。

「うふふふ。やっだーー出来杉さんったら。」

「おいおい。こんな簡単な問題間違っちゃダメじゃないか。しずかちゃんらしくもない!
右の写真こそが体育会の日に撮ったお風呂写真じゃないか。それが証拠に――ほら」

そう言って出来杉は2枚の写真をしずかに見せる
「左と違って右の写真のお尻には少しアザがあるだろ?」
「ええ。でもそれがどうかしたの?」

「これはね。君が体育会の時ピラミッドで倒れて
尻餅をついた時のアザなんだよ。よって体育会の日のお風呂写真は右…となるんだ」
「すごいわ、出来杉さん!でもよくアザができてるなんてことがわかったわね?」

「ああ。あの日大玉転がしの時にぺろーんとお尻を触ったら君が少し痛がっていたもんでね。
もしかして――と思ってその日お風呂写真を撮ったら案の定さ。」

「すごい推理力ね、出来杉さん!私そんなちょっとHで素敵な出来杉さんが大ーー好き」
「あはははは。困ったちゃんだなぁ。
正解しないとご褒美はあげないって言っただろ。次の問題に正解してからだよ」
「もおぅぅ。出来杉さんったら厳しいんだからあ」
「甘えたってダメだよ、しずかちゃん。次はこれさ!」
そう言うと出来杉は1枚の写真をしずかに見せた。

「これはある君の記念日に撮ったお風呂写真です!
さあ、何の記念日でしょう?」

ここで景色が途切れた――



「リ、リザード!もっとだ!もっと僕に続きを見せるんだ!」
出来杉はリザード売りなんてことを忘れ、続きをせがんだ。凄い形相だ

もうあれだ、般若だ。般若出来杉だ
「……」
リザードは黙って尾の火を強めた――

「えーー?何の記念日なのかしら」
しずかは考えていた。
しかし一向に答えは出てこない。

「……君にはがっかりだよ。しずかちゃん。そんなんじゃ僕の被写体は勤まらないよ?」
「そんな!出来杉さん、私を見捨てないで。お願いだから……」

泣くしずかのお尻を――じゃない、髪を撫でながら出来杉は言った。

「じゃあヒントだ、しずかちゃん。写真の左下にある排水溝の所を見てごらん。
何かが見えてくるはずだよ」

出来杉が指差す排水溝には赤い、粒のようなものが一つだけあった。
「これ――が?」
しずかは怪訝そうな顔をする。

「ふぅ。これは大ヒントだったのに……
IQサプリならぬIQお風呂でいったら98くらいのレベルだよ?仕方ない。じゃあ――」

出来杉は大ヒントを出した。

「8月5日。ここまで言えば君にもわかるかな?」



「そう、その日は君が――
と答えの前に解説をしようか。」

焦らすように名探偵出来杉は言った

「まずこの日の君の食事、ここにヒントが隠されている。」
出来杉は続けた

「そう、この日は普段とは違う食事が出たんだ。そのご飯つぶが君のほっぺにでも付いていたんだろうね
それが体を洗っている時に落ちたんだ」

「まさか!?」
しずかが赤い粒の正体に気付いたようだ

「そう、その食事とは――
お赤飯だったんだ!」

しずかの頬が赤くなる。

「もう、わかるよね?ご飯が赤飯に変わる特別な日――

その日は君の『げっ…あの日記念日』だったのさ!
たまたま撮りに行った日がそんな特別な日だったなんてね。僕もついてるぜぃ!」

自信満々に出来杉は言った。しかし

「違うの――違うのよ!」

しずかが口を開いた。



「確かに私に初めてあの日がきた時に出た食事は赤飯だった。
ママには恥ずかしいから止めてって言ったのに……」
「ほら、やっぱりそうじゃないか」
「違うのよ出来杉さん。私の初あの日は……

8月2日なのよ!」

「何だって!?」


なんつーー会話してんだコイツらは

驚いている出来杉をよそにしずかは続けた。
「痛かった。とても痛くてあの日はお風呂どころじゃなかったの……それでも体は流したけどね」
「くっ」
出来杉は唇を噛んだ
「恐らくそのご飯つぶはパパかママのでしょうね。
それが排水溝に引っ掛かっていたの。」
(しまった……)

「残念ね、出来杉さん。8月2日にお風呂を覗いたら――
私のピーーがピーーで血がピーーーーーーだったのにね!
がっかり、あなたにはがっかりよ出来杉さん!」
「くそぅ」

(ぼ、ぼくのしずかお風呂プロファイリングに誤りがあるなんて――)

「そんな私のあの日もわからない出来杉さんになんて興味はないわ。
さようなら、出来杉さん」

そう言うとしずかは背を向けた



出来杉は必死だった!

「待ってくれ、しずかちゃん!8月2日だね?
もう僕の頭に完全にインプットされたよ!
今度からは絶対間違えないさ。絶対間違えないから!
あれ、しずかちゃん?しずかちゃぁわーーーん!」


そこで景色は途切れた

出来杉はただ膝をついて涙を流していた。
「そうか、8月5日じゃなかったのか。僕もまだまだ甘い……な」


だからそれはアンタの妄想だって

そして――

写真の裏の5日の部分を2日に書き替えている出来杉の後ろから声がした


「この服は間違いありません。少女の証言と一致します」
出来杉が振り向くとそこには警官がいた。

「ノビノビタ……あなたを逮捕します」


リザード売りの出来杉はクリスマスの夜
静かにお縄についた――



出来杉は事情聴取を受けていた――
「だぁかぁらあ。僕はノビノビタじゃないんですってば!人違いですよ、ひーとーちーがーいーー」
「じゃあこのアルバムはなんなんだ!」
警察官は怒鳴りつけていた。
しかし出来杉は自信満々で切り返す

「それはのび太本人から僕が預かってたんです。というより
『僕は今疑われている。だから中身は見ないで黙ってこれを預かっててくれ』
ってのび太に念を押されて渡されたんですよ。ムリヤリね
でもまさかアイツがこんな変態まがいのことをしてたなんてねぇ……友人として恥ずかしいですよ」

もう出来杉は自分を取り戻していたのだ。
(どうやらしずかちゃんは僕のことをのび太と間違えているみたいだ。
これを利用しない手は無い……な)

「なんならしずかちゃん本人に聞いてみて下さいよ」
「…いや、その少女はノビノビタの顔すら見たくないそうだ。彼女は来んよ」
「そりゃそうだよ。こんな写真撮るようなカスの顔なんて見たいわけないよな」

(ぼぼぼぼ僕はカスじゃない。大丈夫、出来杉英才は特別なんだ)

出来杉が持論を展開していたその時、警察官はある疑問をぶつけた。
「だいたい『中身は見ないように言われた』と君は言ったが、
ウチの警官は君がアルバムを『見ている時に』捕まえたそうなんだが?」


「あぼーん」
(ししししまったーー墓穴掘っちゃったあぁぁぁ!
いや、考えろ考えるんだ出来杉。お前ならできるお前なら必ずや突破口を開けるはずだ!)

ここから出来杉『怒濤の嘘八百祭り』が始まった――



「そりゃー仕方ないですよお巡りさん。見るなって言われたら見たくなるのが人の性
まさかあんな素晴ら……もとい変態写真で満載だとは思いませんでしたけど」

「ふむ。」
警察官はどこか腑に落ちないといった様子だったが筋の通った発言に納得していた。
やはりノビノビタではないというのが効いているのか

(お、マジ?いける、いけるぞ出来杉。切り抜けるんだ!
お前はこんなところで朽ち果てる男じゃねえんだ。世界にはばたく男なんだぞ!)

出来杉が密かにガッツポーズをしているその時だった。女性警官が入ってきたのは――


「花田の八百屋の主人から証言がとれました。あの日泊まっていたのはこの男だそうです」

女性警官はそう言って『出来杉英才』の写真を見せた。


「ぷげら」

「やはりあの時逃げたのは君だったんだね?」
警察官は確かめるように訊いた。

(ぐおえうおおぉぉぉおおお落ち着けえぇ。ダメだ、ここで認めたらアウトだ)
出来杉は頭をフル回転させた。

「ちちちが…だあかあらーー
あの時は既に中身を見た後だったから子供心にヤバいと思って逃げ出しちゃったんです。
そっか。今思えばそれが誤解を生んだ始まりだったんですね……
くそぅ!あの時僕が正直にしずかちゃんに伝えていればこんなことにはならなかったんだ!」

出来杉は大げさに両手を机に叩きつけた――



「こ、こらこら。落ち着きなさい。私たちも疑ってかかってるわけじゃないんだ。
ただ参考人として訊いてるだけなんだから」
「あ、すみません。取り乱してしまって。気を付けます……」

そう言うと出来杉は落ち着きを取り戻した。

(くくくく。憎いねー出来杉君。自分の才能が憎い。
よ、この千両役者!)

役者出来杉は話を続けた。
「確かに…確かに逃げた僕はいけなかった。それは認めます。
でも、お巡りさん!これだけは聞いてください。僕は彼女…しずかちゃんのことが好きなんだ!
自分の好きな子にあんなことがばれたら…たとえ勘違いでも生きていけませんよ!
その……実際中の写真も少し見てるし」
「……確かに。それはそうかもしれんな」

(納得すんなよwこのおっさんDQNすぎ)
完全に出来杉ペースになりつつあったその時
ゴルダックを引き連れた警官が入ってきた。
(今度はなんだよ、ウゼェ)

「その出来杉氏の所持ポケモン『リザード』からゴルダックが話を聞いた結果――

全面的に容疑を認めました。」

(りりりりリザーードーーーーーーーーーー)

「これは……重要な証言になるよ?」


出来杉の思考回路はショート寸前。



「今すぐぅ会いたいぃーよ……
じゃない!こ、ここここれは何かの間違いです。僕ははめられたんですよ!」

セーラー出来杉はリザードを見ている。そしてリザードも潤んだ瞳で出来杉に答えた。

(ごめんね、ご主人様……僕ウソつけないんだ。それだけはわかってよぅ)

(んだとぉ?『捕まりやがってこの哀れな変態が』だと!?
ポケモンの分際で…この俺を哀れむのか!)


残念ながら二人のアイコンタクトは全く噛み合っていなかった。
そして――

「……そのリザードはね。のび太からもらったんですよ」

(ぉおおぅ?出来杉さーーん!?)

主人のびっくり発言に驚いているリザードを尻目に出来杉は続けた。

「のび太が『アルバムを預かってくれるなら』とそのリザードをくれたんです。
まさかこんな時のために渡されていたとはね。通りで虫が良すぎると思いましたよ。」
「……」
警察官は少し考えて隣の署員に言った。

「君。リザードのポケモンIDを調べてくれたまえ」

(そうきたか――)
しかし出来杉はいたって落ち着いていた

リザードは涙で明日が見えなかった



「意味ないと思いますけどねぇ。のび太のことだからリザードは改造ポケだと思いますけど」

(くっくっくっ……ムダムダーーー!
この世界にドラえもんのアイテムで来た僕らにIDなんてあるわけないじゃないか。
おかげで自演し放題だよ。


このポケモン板のようにね!)

荒らし厨…いや、荒らし消タネン出来杉は笑っていた。
そして30分ほどして結果が出た。リザードのIDはオール0 改造IDだ。

「参ったなぁ……PAR厨かよ」
警察官は腕組みをした。
目の前にいる少年が一番怪しいのは確かだ。確かだが……
やはりノビノビタは気になる
しばらく考えていると――

「あのぅ……」
出来杉が口を開いた。
「すみませんがのび太をここに呼んで頂けませんか?それで二人で話したいんです。
もちろんお巡りさんは僕らの会話を聞いてくれて構わないんで。それから判断すればいいじゃないですか」
「ふむ…」
確かにそれが一番早いかもしれない

そして出来杉の発言により、祝初出演

『変態出来杉VSなんで僕が呼ばれたの?のび太』世紀の元日決戦が幕を開けた――
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