「鯉になった狸」(2008/03/02 (日) 17:10:08) の最新版変更点
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朝、目覚ましに驚き呆れる。
知ってる人は知っている。 知らない人は、覚えてね。
そして、のび太少年も、驚き呆れていた。
っつても、ご丁寧に目覚まし時計に驚き呆れている訳ではない。
変わり果てた、友の姿に。 野比家の押し入れの中で、ただ意味も無く、ビチビチとビートを刻む、友人の姿に。
「何でやねん……」
のび太は嘆驚の声を漏らした。 何故か関西弁で。
自分の友人が寝床としている場所で、鬱陶しく跳ね回る、一匹のコイキングを見て……。
―鯉になった狸―
----
まず、のび太は第一に考えた。 これは孔明の、いや、ドラえもんの罠だと。 どこかで、慌てる自分を見て、面白がっているのだと。
「そうはいかないよ、ドラえもん……」
そこで、のび太は部屋を隅々まで引っくり返し、押し入れに隠していたどら焼きをエサにドラえもんを捜索した。
しかし、全く音沙汰は無い。 彼のげに異常などら焼きへの執着心。 この部屋に居るのなら、目の前のそれに、かぶりつかぬ訳は無い。 しかし、それは依然として無い。
と、いうことは、あの青狸はこの部屋に居ないということだ。
「じゃあ、どこに……」
IQ60という、ある意味驚異的な頭脳をフル回転させるのび太少年。 しかし………。
「コココココココココココココココココココココココココココ………」
雑音がうるさくて、集中出来ない。
----
「うるさいな! 全く!」
のび太は、不快感を惜しげもなく表面に出し、雑音の元へと歩み寄った。 そして、のび太の怒りは、一気に吹っ飛んだ。
押し入れの床に、文字が、書いてある。 水で書かれた、拙い文字が。
そこには、今北人にも解りやすいように、産業で、こう書いてあった。
『・このコイキングは、僕。すなわち、ドラえもん。
・何で、こうなったかと言うと、寝惚けて、動物変身ビスケットを食べたから。
・それより何より、体が乾いた。このままじゃ、死ぬ。水をおくれ…』
大変な事になった。
----
「待っててね! ドラえもん!
今から、水持ってくるから!」
のび太は、慌てて部屋を飛び出し、風呂場へ向かう。
友人の今北産業が、ダイイングメッセージになるなど、縁起でも無い。
とりあえず、体長40センチという、コイキングの体にフィットしそうな桶を見つけ、水を入れる。 そして、それを部屋に持っていった。
「コ…コ…コ…………」
ドラえもん?は死にかけていた。 彼には悪いが、吹き出しそうになってしまった。
まぁ、本当に死なれたら、洒落にならないので、持ってきた桶にドラえもんを入れてやる。
「コココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココ」
元気が、戻った。 どうやら、大事には至らなかったようだ。
しかし、庭の錦鯉は、癒しの効用があると、言われているが、何故か、コイツは見ててストレスが溜った。
----
―五分後―
「コココココココココココココココココココココココココココ」
「うんうん」
「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ」
「成程、成程。」
「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ!」
「よし、分かった」
五分後、翻訳蒟蒻を食ったのび太は、ドラえもん、もといコイえもんから、ことの詳細を聞いていた。
その詳細を、産業でまとめると。
・夜中、お腹が空いたから、何か食べようとビスケットをとり出したら、それが動物変身ビスケットだった。
・
・
と、いうことだった。
二行余った。
----
「まぁ、とにかく、動物変身ビスケットの効果は一日位で消えるんでしょ?」
「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ」
のび太の問いに、最弱ポケモンはビチビチをヒレを動かす。 翻訳蒟蒻を食べてない筆者には、良く分からないが、どうやら肯定しているようだ。 のび太は続ける。
「良かったじゃない。 一日なら。
今日、一日、家に居ればいいんだからさ」
しかし、安堵の表情を浮かべるのび太とは対照的に、ドラキングは、モロに不服そうな態度を露にする。 さも、何かあります、と言わんばかりに。
「ココココココココココココココココココ」
「え? 今日は外出しなきゃならない理由がある? 何で?」
「コココココココココココココココココココココココココココ」
「今日の三時から………ミーちゃんとデートォ!? で、僕にデート場所まで連れて行けだってぇ!?」
面倒臭い、そんなものすっぽかしてしまえ、のび太は言う。 しかし、ドラえもんも譲らない。
「コココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココ!」
----
「あ、止めて、ドラえもん! 部屋が濡れちゃう! ママに怒られる!」
「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ?」
「分かった! 空き地でも、裏山でも連れて行くから止めて!」
コイえもんの決死のじたばたにより、結局、コイキングの姿のまま、ドラえもんはミーちゃんとのデートに行き、のび太はそのサポートをする事に決まった。
「はぁ、面倒臭いことになりそうだなぁ…」
これから、二人の身には、面倒臭いで済まされぬ出来事が起こるのだが、今はまだ、筆者以外は誰も知る由も無かった。
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朝、目覚ましに驚き呆れる。
知ってる人は知っている。 知らない人は、覚えてね。
そして、のび太少年も、驚き呆れていた。
っつても、ご丁寧に目覚まし時計に驚き呆れている訳ではない。
変わり果てた、友の姿に。 野比家の押し入れの中で、ただ意味も無く、ビチビチとビートを刻む、友人の姿に。
「何でやねん……」
のび太は嘆驚の声を漏らした。 何故か関西弁で。
自分の友人が寝床としている場所で、鬱陶しく跳ね回る、一匹のコイキングを見て……。
―鯉になった狸―
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まず、のび太は第一に考えた。 これは孔明の、いや、ドラえもんの罠だと。 どこかで、慌てる自分を見て、面白がっているのだと。
「そうはいかないよ、ドラえもん……」
そこで、のび太は部屋を隅々まで引っくり返し、押し入れに隠していたどら焼きをエサにドラえもんを捜索した。
しかし、全く音沙汰は無い。 彼のげに異常などら焼きへの執着心。 この部屋に居るのなら、目の前のそれに、かぶりつかぬ訳は無い。 しかし、それは依然として無い。
と、いうことは、あの青狸はこの部屋に居ないということだ。
「じゃあ、どこに……」
IQ60という、ある意味驚異的な頭脳をフル回転させるのび太少年。 しかし………。
「コココココココココココココココココココココココココココ………」
雑音がうるさくて、集中出来ない。
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「うるさいな! 全く!」
のび太は、不快感を惜しげもなく表面に出し、雑音の元へと歩み寄った。 そして、のび太の怒りは、一気に吹っ飛んだ。
押し入れの床に、文字が、書いてある。 水で書かれた、拙い文字が。
そこには、今北人にも解りやすいように、産業で、こう書いてあった。
『・このコイキングは、僕。すなわち、ドラえもん。
・何で、こうなったかと言うと、寝惚けて、動物変身ビスケットを食べたから。
・それより何より、体が乾いた。このままじゃ、死ぬ。水をおくれ…』
大変な事になった。
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「待っててね! ドラえもん!
今から、水持ってくるから!」
のび太は、慌てて部屋を飛び出し、風呂場へ向かう。
友人の今北産業が、ダイイングメッセージになるなど、縁起でも無い。
とりあえず、体長40センチという、コイキングの体にフィットしそうな桶を見つけ、水を入れる。 そして、それを部屋に持っていった。
「コ…コ…コ…………」
ドラえもん?は死にかけていた。 彼には悪いが、吹き出しそうになってしまった。
まぁ、本当に死なれたら、洒落にならないので、持ってきた桶にドラえもんを入れてやる。
「コココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココ」
元気が、戻った。 どうやら、大事には至らなかったようだ。
しかし、庭の錦鯉は、癒しの効用があると、言われているが、何故か、コイツは見ててストレスが溜った。
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―五分後―
「コココココココココココココココココココココココココココ」
「うんうん」
「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ」
「成程、成程。」
「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ!」
「よし、分かった」
五分後、翻訳蒟蒻を食ったのび太は、ドラえもん、もといコイえもんから、ことの詳細を聞いていた。
その詳細を、産業でまとめると。
・夜中、お腹が空いたから、何か食べようとビスケットをとり出したら、それが動物変身ビスケットだった。
・
・
と、いうことだった。
二行余った。
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「まぁ、とにかく、動物変身ビスケットの効果は一日位で消えるんでしょ?」
「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ」
のび太の問いに、最弱ポケモンはビチビチをヒレを動かす。 翻訳蒟蒻を食べてない筆者には、良く分からないが、どうやら肯定しているようだ。 のび太は続ける。
「良かったじゃない。 一日なら。
今日、一日、家に居ればいいんだからさ」
しかし、安堵の表情を浮かべるのび太とは対照的に、ドラキングは、モロに不服そうな態度を露にする。 さも、何かあります、と言わんばかりに。
「ココココココココココココココココココ」
「え? 今日は外出しなきゃならない理由がある? 何で?」
「コココココココココココココココココココココココココココ」
「今日の三時から………ミーちゃんとデートォ!? で、僕にデート場所まで連れて行けだってぇ!?」
面倒臭い、そんなものすっぽかしてしまえ、のび太は言う。 しかし、ドラえもんも譲らない。
「コココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココ!」
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「あ、止めて、ドラえもん! 部屋が濡れちゃう! ママに怒られる!」
「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ?」
「分かった! 空き地でも、裏山でも連れて行くから止めて!」
コイえもんの決死のじたばたにより、結局、コイキングの姿のまま、ドラえもんはミーちゃんとのデートに行き、のび太はそのサポートをする事に決まった。
「はぁ、面倒臭いことになりそうだなぁ…」
これから、二人の身には、面倒臭いで済まされぬ出来事が起こるのだが、今はまだ、筆者以外は誰も知る由も無かった。
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産業で分かる優しい荒筋
・ドラえもんが
・コイキングに
・なりますた
―――中編――――
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閑静な住宅街。
そこはかつて、人々を和ませる生活の場であった。
静かな路地を歩くだけで、ある種の爽快感、いわば、リフレッシュした気持ちを与えてくれていた。
せわしく飛び回る雀を愛でながら、塀の上で昼寝をする猫に安らぎを感じる、そんな場であった。
しかし、今はなんだ。
昼でもトチ狂った露出狂が辺りうろつき、真っ黒な服来た不審者が、登校中の女子小学生を遠目に見ながら、気色の悪い笑みを浮かべる。
住宅街は限りなくデンジャラスなゾーンへと変わっていった。
こんなことでいいのか日本。
嗚呼、どうなっちまうんだ日本。
----
そして、また残念なことに、今日も、この住宅街には一人の不審者が歩いていた。
「コココココココココココココココココココココココココココココココココココ」
「うわ、ドラえもん暴れちゃ駄目だよ!」
そう、のび太である。
真っ赤な鯉を抱えて、うろつく冴えないメガネ。
これを不審者と言わずして、なんと言おうか。
のび太の黄色い服は、ドラえもんの水分によってビショビショになっている。
それは、ズボンにも達し、端から見たら、とてもはしたないことをしてしまったように見える。
「ミーちゃんとは何処で待ち合わせしたの?」
のび太が聞く。
「コココココココココココココココココココココココココココココココココココ」
「裏山の近く? また遠いなぁ……」
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裏山はのび太の小学校の裏にある。
ここからだと、500メートル程であろうか。
普通ならばなんともない距離だが、今日はとんでもないお荷物が居る。
ビチビチした新鮮なお荷物である。
「ココココココココココココココココココココココココココココココ(おい、のび太君)」
お荷物は言う。
「なんだい?」
会話が成り立ってるのは前編で翻訳蒟蒻的なものを食べたからです。
決して二人は友情で繋がってるとかそんなオシリが痒くなることではありません本当にありがとうございました。
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――剛田家―――
俺はジャイアン。ガキ大将だ。
どのくらいガキ大将かと言うと、友達から借りた『もんすたあレース』をメモリーカードごと一年半借りて、返さないくらいガキ大将だ。
そんな核汚染物質並にニトロなガキ大将の俺だが、ちょっと女の子っぽい趣味がある。
例えば料理とか、お人形ごっことかだ。
こないだ、元気にリカちゃん(人形)と遊んでたら、突然ピンク色のドアが現れて青狸とメガネ猿が出てきやがった。
まぁ、それはともかく俺が最近新たにハマり始めたものがある。
それは、これだ。
テレビ『月に代わって~お仕置きよッ!』
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俺が美少女戦死セーラームーンにハマり始めたのは一ヶ月前だった。
俺は熱心なHUNTER×HUNTERファンで、冨樫が世界中の子供達を救うボランティアをするために、休載してたのを知った時はゲロまで吐いて感動したくらいだ。
それはおいといて、俺は冨樫の休載中、まるでストーカーの様に冨樫の情報を集めたもんだ。
まぁウィキペディア見たり、ググったりしただけなんだが。
そして、その血の滲むような努力の結果、冨樫の奥さんが、元売れっ子漫画家だという情報を手に入れた。
俺は、それに興味が湧き、奥さんの作品を調べてみた。
そして、それを適当にアマゾンで落とし、読んでみた。
その日から、俺の今までの価値観が180度変わった。
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セーラー服に身を包み、バッタバッタと敵を撃破してゆく美少女達。
「パネェ・・・」
一ページ一ページ捲る度に、心が躍った。
これほど面白い漫画は、ゴーゴーゴジラマツイ君以来だった。
次の日、気づいたら俺は、怪しげな電気街の怪しげな店で、セーラー服を購入していた。
カードで一括払いだった。
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俺は、今、そのセーラー服に身を包んでアニメを観ている。
本当ならyoutubeで見たいとこだったが、英語が全く分からなかった。
「つーきーのひーかりにみーちびかーれえええええええ♪
なんーども、めぐりあううううううううう」
嗚呼、俺、今マジで倖田、じゃなくて幸せだ。
感無量な俺を残し、物語は進展してゆく。
そして、物語は佳境を向かえ少女達が敵の前に立ちはだかる。
「言うぞー言うぞー」
俺は変なステッキ片手に準備をする。
少女達は変身をしている。
俺は一度、あの台詞を一緒に言ってみたかった。
そして、少女達の変身が終わった!
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「今だ!月に代わっておしお「おじゃましまーす! ジャイアン、ちょっと水をちょうだ……………」
「あっ……………………」
「……………………」
DIO様が時を止めた。そして、
「何その格好……………………」
大変なことになった。
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ヤバイ、これはマジでヤバイ。
俺の目の前にはのび太。
なんか変な魚持ってズボンびっしょりなのび太。
対して、俺は超ミニスカのセーラー服に右手に変なステッキ。
のび太の格好も不審者だが、多分不審者オーラはこっちのが上だ。
案の定、
「何やってんの……ジャイアン……」
なんか凄い目で見られた。
繰り返すが、これはヤバイ。
俺はブッシュもヒラリーもベジータも避けて通るガキ大将だ。
しかし、そのガキ大将たる所以は俺の強大な権威、いわゆるオーソリティから来ている。
そのオーソリティの崩壊、すなわち俺のガキ大将の地位の崩壊。
もし、クラスに
『ジャイアンが変なコスプレしてセーラームーン見てたよ』
という噂(事実だが)が広まってしまったら、その瞬間、俺はティウンティウンしてしまう。
それだけは、避けたかった。
----
「ジャイアン……その来てる服、誰の?」
完璧に顔をひきつらせなから、のび太が言う。
少なくとも、これが俺の物ということがバレてはならない。
「これは……ジャイ子のだ!」
「えっ?
ジャイ子ちゃんの服着てるの?うわぁ……」
「コココココココココココココココココココココココココココココココココココ(流石の僕も、それは引くわ)」
どうやら逆効果だったようだ。
なんか魚にも馬鹿にされたような気がする。
『キャアアアアア』
気まずい雰囲気の中、俺の後ろで少女達のダメージを受けた的な声がする。
不覚にもおっきしてしもうた。
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絶対絶命の変態、ジャイアン!
彼のガキ大将の威厳は、そして完璧に忘れられかけているが、干からびかけているドラえもんの安否は!?
そしてあえなくおっきしてしまったジャイアンのポケモンは!?
以上、後編に続く!
かもね^^
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