「イエロウ その1」(2007/07/29 (日) 12:43:07) の最新版変更点
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ある日の朝、此処マサラタウンにとある声が響いた。
「こらのび太起きなさい! 今日はオーキド博士のところに行くんでしょう!」
のび太と呼ばれた少年は、まだベッドから起きようとしない。
呆れたのび太のママはのび太の耳を思いっきり引っ張った。
「あいたたた、ママごめんなさ~い」
のび太は耳がヒリヒリしながらも、パジャマから着替え荷物を持ち、
急ぎ足で出掛けた。
「ママ、行ってきまーす!」
凛とした声で叫びながらのび太はオーキド研究所へ駆け出した。
「全く誰に似たんだか…あの子も大きくなったわね」
そう言うとママはのび太の影が見えなくなるまで見送り、家へと戻った。
----
―オーキド研究所
此処は、カントー地方の中でもとても有名なポケモンの研究所。
11歳になった子供たちは年に一回、各地のポケモン研究所でポケモンを貰える。
今日がその日である。
のび太もポケモンを貰いに来たのだが、
約束の時間より遥かに遅れてしまった。
「はぁ…やっとついた……」
倒れそうになるのび太をよそに、男女二人がオーキド研究所から出てきた。
「ようのび太! 相変わらずノロマだなー」
無駄に高い声の主は、町の大金持ちの息子、スネ夫だった。
----
「これじゃポケモンバトルでもノロマて駄目駄目だろうねー」
「そんなのわからないじゃないか! それにスネ夫には関係ないじゃん」
のび太が反抗した。それを待ってたかのようにスネ夫は、
「だけどのび太には無理だねー、しかもポケモンも貰えるかどうか…」
「やめなさいスネ夫さん!」
少女が口を挟んだ。この町のアイドル、しずかだ。
「のび太さんも今はノロマでドジで馬鹿でただの雑魚かもしれないけれど、
もしかしたら強くなるかもしれないんだから」
「しずかちゃん…なんかムカつくけどありがとう」
のび太が泣きながら言った。
「まぁしずかちゃんが言うなら仕方ないね、せいぜい頑張るといいさ。
僕は行くね、モテモテのポケモントレーナーになるからさ」
スネ夫は一足先に旅立った。
「のび太さんも、早くポケモンもらっていつかバトルしましょうね」
のび太と一通りの挨拶をした後、しずかも研究所を後にした。
「よし、僕も急がなきゃ…」
のび太はオーキド研究所に入っていった。
----
「こんな大事な日になんでおくれるかね?」
初老の男性の問いに、
「家から遠かったせいです、オーキド博士」
のび太は言い訳をしたが、オーキドは全く聞いていなかった。
「ともかく、用意してたポケモンはニビシティからきた少年と
スネ夫としずかに全部渡してしまったぞ」
「そんなぁ、何か他にポケモンはいないんですか?」
のび太が問いかけた。しばらくしてオーキドが
「ないわけでもないが…正直のび太にはきついかもしれんのぅ」
申し訳なさそうに言ったが、
「それでもいいです、なんでもいいからポケモンください!」
「仕方ない、それなら捕まえたばかりだがこれをやろう」
「やったー! オーキド博士早く!」
オーキドは何かの機械の中から一つのモンスターボールを取り出し、
「これがお前のパートナーじゃ!」
勢いよくボールから出てきたのは、黄色いネズミのようなポケモンだった。
「これが僕のポケモン…」
「……ピカ…?」
----
みんなのてもち
のび太:ピカチュウLv.5
しずか:フシギダネLv.5
スネ夫:ゼニガメLv.5
----
のび太はトキワシティのポケモンセンターにいた。
「なんでこんなポケモン貰っちゃったんだろう…」
そんなことをずっと考えていた。
ピカチュウは言うことを全く聞かない。オーキド博士は捕まえたばかりで
なついてないと言っていたが、なつく気配がなかった。
野性のポケモンに遭遇しても、ピカチュウは戦ってくれなかった。
いつもそっぽばかり向いて、のび太ばかりが攻撃を受けて、ピカチュウは
それについて何も気にしなかった。
「でもいつかなついてくれるからいいや」
のび太はあまりにも楽天的な考えでポケモンセンターを出ようとした。すると、
すれ違った人から、
「のび太君、困ったことがあったらいつでも言ってね」
はっとしたのび太は振り返って声の主を見た。そこにいたのは、
青く背の低いまるで狸のような人。けど気付いたらいなくなっていた。
「なんで僕の名前を…」
変に思いながらも、のび太なんとなく懐かしく感じた。
----
「ふぅ、のび太君に会えたはいいけどこれからどうしようか」
青い狸のような人はそう呟き、ポケモンセンター内のイスに座った。
「それよりもようやく常盤屋のどら焼きが買えたんだ、さっそく食べよう♪」
のび太の近くからいつのまにか居なくなってた理由はこれである。
青い狸のような人はどら焼きの入った袋の中に手、というよりは
白くて丸い腕の先でどら焼きを持ち、とても大きな口に運ぼうとした瞬間。
「ドラえもーーーん!!」
のび太が泣きながら入り口から走ってきた。いきなり呼ばれた
ドラえもんというらしい青い狸のような人は、びっくりしてどら焼きを落としてしまった。
「アッー!!どうしてくれるんだ、のび太君!なんでいきなり来るんだよ」
「なんでって、困ったときいつでも言えと言ったのは君じゃないか」
もっともらしいのび太の言葉にドラえもんは言い返せなかった。
のび太は後でちゃんと弁償するからと言い、何があったかを話し始めた。
「実は、ポケモンバトルで負けちゃったんだ」
----
ドラえもんがどら焼きを買いに行ってる頃、のび太は町外れの草むらにいた。
のび太はこの先にポケモンリーグ本部があると聞き、
せっかくだから行ってみようと思っていた。
「それにしてもこの辺は草むらがおおいなぁ」
相変わらずピカチュウはポケモンと戦かわない。のび太の言うことも聞かない。
すると前方から来た男に、
「おい、そこのメガネ」
いきなり自分に向かって話してきたので、のび太は自分を指差すと、
「そうだお前だ。どうやらポケモンリーグに行くみたいだがバッジが
無いと入れないぜ。まぁお前みたいなメガネザルは一個も持ってないだろうがな」
オレンジ色の服を着たのび太と同年齢くらいの少年は偉そうに言った。
「し、失礼な。確かに僕はまだバッジを持ってないけど、戻ってきた君も
一緒だろ?それにメガネザルじゃなくてのび太だ!」
のび太は負けずに返した。それを聞いた少年は怒りにより、
「なんだと、のび太のくせに生意気な!!こうなったらニビシティ最強
と言われたこのジャイアン様が貴様をポケモンバトルで倒してやる!」
こうしてのび太には初のトレーナー同士のバトルが始まった。
----
ジャイアンはコラッタを、のび太はピカチュウをボールから出した。
「ピカチュウ、今度こそは言うことを聞いてくれよ、電気ショック!」
だがピカチュウはそっぽを向いた。それを待ってましたと言わんばかりに
「攻撃しないのならこちらから行くぜ。コラッタ、でんこうせっか!」
土煙が上がるとコラッタはピカチュウめがけて走ってきた。
「まずい、ピカチュウ避けろ!」
ピカチュウは初めてのび太の言うことを聞いたものの、
コラッタのあまりの速さに間に合わず、そのまま地面に倒れた。
「なんだ、その程度かよ」
「ピカチュウ、起きろ!」
ピカチュウは立ち上がり、戦闘体制に入る。
「よし、ピカチュウ、電気ショックだ!」
ピカチュウの小さな体から電気が放たれ、コラッタに当たり大きい音がした。
しかし、コラッタにはあまり効いておらず、
「やっぱりその程度か、早く楽にしてやるよ、とどめの体当たり!」
ピカチュウはダメージと電気ショックの反動により動けずコラッタ
の体当たりが直撃し、跳ばされてダウンした。
「ピカチュウ!」
のび太の叫びも虚しく、ピカチュウとのび太は負けた。
----
のび太が話し終わる頃には、ピカチュウの傷も治り、ジョーイさんが届けてくれた。
「よくわかったよのび太君、だけど君は負けたことにより大切なものを得たよ」
「え、ドラえもん、それはなんだい?」
のび太の問いにドラえもんは答えた。
「それはポケモンとの『信頼』さ。いままで君もピカチュウも
お互い信じてなかったけど、今日のバトルで心が通じ合った。
ポケモンバトルで大切なのは、ポケモンと心を通わすことなんだ」
「心を通わす…」
のび太は少し考えたあと、
「……ピカチュウ、また戦ってくれるかい?」
相変わらずピカチュウはムスッとしていたものの、“コクっ”と小さく頷いた。
「よし、そうと決まれば僕のイーブイと一緒に特訓しよう!
あのジャイアンを倒したいだろ?」
「うん!あのブタゴリラに絶対買ってやる!」
二人と1匹は勢いよくポケモンセンターを飛びだした。
(だけどなんで僕はこの人の名前を知ってたんだろう…)
そんなことをのび太は心の隅で考えていたが、すぐに忘れた。
----
みんなのてもち
ドラえもん:イーブイLv.7
のび太:ピカチュウLv.5
ジャイアン:コラッタLv.8他
スネ夫:ゼニガメLv.8
しずか:不明
----
のび太とドラえもんは町外れの草むらにいた。ジャイアンにリベンジするために。
ジャイアンはレベル上げをしていた。それを見たのび太の口が動いて、
「やいジャイアン!次こそお前には負けないぞ!!」
この言葉にジャイアンは、
「なんだと、のび太のくせに生意気な。面白い、もう一度叩き潰してやる」
こうしてポケモンバトルが始まった。さっきと同じく、
のび太はピカチュウ、ジャイアンはコラッタを出した。
が、コラッタを見たドラえもんは、
「ぎゃぁぁぁぁぁネズミぃぃぃぃぃぃ!!」
ドラえもんは何処かに走っていってしまった。どうやらネズミが嫌いらしい。
「失礼な、ピカチュウもネズミなのに。あんなの放っておいて体当たりだ!」
「ピカチュウ、避けて電気ショック!」
コラッタをピカチュウはギリギリで避け、電気を放った。
それはコラッタに命中しダメージを与えた。
「どうやらさっきよりは面白くなりそうだな、コラッタ、気合いだめ」
----
コラッタの動きが止まり力をためている。
「(厄介だな…決めるよ)ピカチュウ、電気ショック!」
「コラッタ、電光石火だ!」
電光ショックを素早く避けたコラッタは一瞬のうちにピカチュウに攻撃した。
「ピカチュウ大丈夫!?」
急所に当たったようだがピカチュウの目はまだ死んでなかった。
「よし、電気ショック!」
スキが出来ていたコラッタに命中し、コラッタは地面に倒れた。
「やったぁ!ピカチュウの勝ちだ!」
「くそっ、…だが俺の持ってるポケモンはコラッタだけじゃないぜ」
そういうとコラッタをモンスターボールに戻し、別のボールからポケモンを出した。
「今日オーキドのおっさんから貰ったヒトカゲだ、頼んだぜ!」
凛としたしっぽの炎を漂わせているヒトカゲを見たのび太は、
「ヒトカゲ…ピカチュウはダメージが残ってるし決して油断出来ない。
……だけどこっちには秘策があるんだ」
のび太はピカチュウに叫んだ。
----
―ドラえもんと特訓してた時
「大分強くなったね、のび太君」
「ありがとう…だけどドラえもんのイーブイもさすがに強いね」
二人は最後の調整にバトルをしていた。
「ピカチュウ、電気ショックだ!」
「またその技か…あれ、イーブイ?」
イーブイの体はダメージは受けてないものの痺れて動けなくなっていた。
「のび太君、違う技が出たみたいだね。もしかしてその技は―――
「電磁波!」
「なにぃ!?」
ジャイアンが驚いた時には、既にヒトカゲは痺れて動きにくい状況にあった。
「これが僕とドラえもんの特訓の成果だ!」
----
ジャイアンは慌てたみたいに、
「ちきしょう!ヒトカゲ、火の粉だ!」
ジャイアンが命令してもヒトカゲはマヒにより動けなかった。
「よし、勝てるぞ!ピカチュウ、電気ショック!」
電気ショックはヒトカゲに直撃し、かなりのダメージを受けたようだった。
「ジャイアン、次の攻撃で僕の勝ちだ!電気ショック!」
「のび太にしては強いな…だがレベルを上げたのはお前だけじゃないぜ。
ヒトカゲ、煙幕!」
ヒトカゲの口から黒い煙が発生し、あたりを包んだ。
ピカチュウも電気ショックを放ったが、ヒトカゲには当たらなかった。
「ダメだ、これじゃ前が見えない」
「ヒトカゲ!ひたすら火の粉だ!」
煙幕の発生によるピカチュウの一瞬のスキを突き、火の粉がピカチュウに当たった。
煙幕が晴れると、立っていたのはヒトカゲだった。
----
のび太はピカチュウを抱きかかえ、ジャイアンはヒトカゲをボールに戻した。
「また負けた…ジャイアン、やっぱり強いね」
のび太の弱々しい声にジャイアンは、
「何言ってんだ、あの煙幕が失敗してたら俺は負けてたぜ。
強いのはのび太の方だ」
のび太はあまりにも予想してなかったジャイアンの言葉に、少し驚いた。
「ふぅ、ネズミは怖いや…」
ドラえもんはポケモンセンターまで逃げていた。そこへのび太が戻ってきた。
コラッタを倒したこと、特訓の成果の電磁波を使ったものの、負けてしまったこと、
だけど、お互いに認め合えたことをドラえもんに事細かに話した。そして、
「ドラえもん、一緒に旅をしない?ジャイアンみたいな奴と出会い、
闘い、強くなりたいんだ」
のび太の誘いにドラえもんは、
「もちろん行くよ!これからもよろしくのび太君、だけどどら焼きは弁償してね」
「ちぇ、忘れてると思ったのに」
のび太は呟いた。
「あのことを言おうと思ったけど、まだ別にいいかな…」
「ドラえもん何か言った?」
「ううん、なんでもない。それよりもどら焼き買ってよ」
二人は出会ったばかりとは思えないほど仲が良かった。
----
みんなのてもち
ドラえもん:イーブイLv.10
のび太:ピカチュウLv.10
ジャイアン:コラッタLv.8、ヒトカゲLv.10
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ある日の朝、此処マサラタウンにとある声が響いた。
「こらのび太起きなさい! 今日はオーキド博士のところに行くんでしょう!」
のび太と呼ばれた少年は、まだベッドから起きようとしない。
呆れたのび太のママはのび太の耳を思いっきり引っ張った。
「あいたたた、ママごめんなさ~い」
のび太は耳がヒリヒリしながらも、パジャマから着替え荷物を持ち、
急ぎ足で出掛けた。
「ママ、行ってきまーす!」
凛とした声で叫びながらのび太はオーキド研究所へ駆け出した。
「全く誰に似たんだか…あの子も大きくなったわね」
そう言うとママはのび太の影が見えなくなるまで見送り、家へと戻った。
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―オーキド研究所
此処は、カントー地方の中でもとても有名なポケモンの研究所。
11歳になった子供たちは年に一回、各地のポケモン研究所でポケモンを貰える。
今日がその日である。
のび太もポケモンを貰いに来たのだが、
約束の時間より遥かに遅れてしまった。
「はぁ…やっとついた……」
倒れそうになるのび太をよそに、男女二人がオーキド研究所から出てきた。
「ようのび太! 相変わらずノロマだなー」
無駄に高い声の主は、町の大金持ちの息子、スネ夫だった。
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「これじゃポケモンバトルでもノロマて駄目駄目だろうねー」
「そんなのわからないじゃないか! それにスネ夫には関係ないじゃん」
のび太が反抗した。それを待ってたかのようにスネ夫は、
「だけどのび太には無理だねー、しかもポケモンも貰えるかどうか…」
「やめなさいスネ夫さん!」
少女が口を挟んだ。この町のアイドル、しずかだ。
「のび太さんも今はノロマでドジで馬鹿でただの雑魚かもしれないけれど、
もしかしたら強くなるかもしれないんだから」
「しずかちゃん…なんかムカつくけどありがとう」
のび太が泣きながら言った。
「まぁしずかちゃんが言うなら仕方ないね、せいぜい頑張るといいさ。
僕は行くね、モテモテのポケモントレーナーになるからさ」
スネ夫は一足先に旅立った。
「のび太さんも、早くポケモンもらっていつかバトルしましょうね」
のび太と一通りの挨拶をした後、しずかも研究所を後にした。
「よし、僕も急がなきゃ…」
のび太はオーキド研究所に入っていった。
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「こんな大事な日になんでおくれるかね?」
初老の男性の問いに、
「家から遠かったせいです、オーキド博士」
のび太は言い訳をしたが、オーキドは全く聞いていなかった。
「ともかく、用意してたポケモンはニビシティからきた少年と
スネ夫としずかに全部渡してしまったぞ」
「そんなぁ、何か他にポケモンはいないんですか?」
のび太が問いかけた。しばらくしてオーキドが
「ないわけでもないが…正直のび太にはきついかもしれんのぅ」
申し訳なさそうに言ったが、
「それでもいいです、なんでもいいからポケモンください!」
「仕方ない、それなら捕まえたばかりだがこれをやろう」
「やったー! オーキド博士早く!」
オーキドは何かの機械の中から一つのモンスターボールを取り出し、
「これがお前のパートナーじゃ!」
勢いよくボールから出てきたのは、黄色いネズミのようなポケモンだった。
「これが僕のポケモン…」
「……ピカ…?」
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みんなのてもち
のび太:ピカチュウLv.5
しずか:フシギダネLv.5
スネ夫:ゼニガメLv.5
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のび太はトキワシティのポケモンセンターにいた。
「なんでこんなポケモン貰っちゃったんだろう…」
そんなことをずっと考えていた。
ピカチュウは言うことを全く聞かない。オーキド博士は捕まえたばかりで
なついてないと言っていたが、なつく気配がなかった。
野性のポケモンに遭遇しても、ピカチュウは戦ってくれなかった。
いつもそっぽばかり向いて、のび太ばかりが攻撃を受けて、ピカチュウは
それについて何も気にしなかった。
「でもいつかなついてくれるからいいや」
のび太はあまりにも楽天的な考えでポケモンセンターを出ようとした。すると、
すれ違った人から、
「のび太君、困ったことがあったらいつでも言ってね」
はっとしたのび太は振り返って声の主を見た。そこにいたのは、
青く背の低いまるで狸のような人。けど気付いたらいなくなっていた。
「なんで僕の名前を…」
変に思いながらも、のび太なんとなく懐かしく感じた。
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「ふぅ、のび太君に会えたはいいけどこれからどうしようか」
青い狸のような人はそう呟き、ポケモンセンター内のイスに座った。
「それよりもようやく常盤屋のどら焼きが買えたんだ、さっそく食べよう♪」
のび太の近くからいつのまにか居なくなってた理由はこれである。
青い狸のような人はどら焼きの入った袋の中に手、というよりは
白くて丸い腕の先でどら焼きを持ち、とても大きな口に運ぼうとした瞬間。
「ドラえもーーーん!!」
のび太が泣きながら入り口から走ってきた。いきなり呼ばれた
ドラえもんというらしい青い狸のような人は、びっくりしてどら焼きを落としてしまった。
「アッー!!どうしてくれるんだ、のび太君!なんでいきなり来るんだよ」
「なんでって、困ったときいつでも言えと言ったのは君じゃないか」
もっともらしいのび太の言葉にドラえもんは言い返せなかった。
のび太は後でちゃんと弁償するからと言い、何があったかを話し始めた。
「実は、ポケモンバトルで負けちゃったんだ」
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ドラえもんがどら焼きを買いに行ってる頃、のび太は町外れの草むらにいた。
のび太はこの先にポケモンリーグ本部があると聞き、
せっかくだから行ってみようと思っていた。
「それにしてもこの辺は草むらがおおいなぁ」
相変わらずピカチュウはポケモンと戦かわない。のび太の言うことも聞かない。
すると前方から来た男に、
「おい、そこのメガネ」
いきなり自分に向かって話してきたので、のび太は自分を指差すと、
「そうだお前だ。どうやらポケモンリーグに行くみたいだがバッジが
無いと入れないぜ。まぁお前みたいなメガネザルは一個も持ってないだろうがな」
オレンジ色の服を着たのび太と同年齢くらいの少年は偉そうに言った。
「し、失礼な。確かに僕はまだバッジを持ってないけど、戻ってきた君も
一緒だろ?それにメガネザルじゃなくてのび太だ!」
のび太は負けずに返した。それを聞いた少年は怒りにより、
「なんだと、のび太のくせに生意気な!!こうなったらニビシティ最強
と言われたこのジャイアン様が貴様をポケモンバトルで倒してやる!」
こうしてのび太には初のトレーナー同士のバトルが始まった。
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ジャイアンはコラッタを、のび太はピカチュウをボールから出した。
「ピカチュウ、今度こそは言うことを聞いてくれよ、電気ショック!」
だがピカチュウはそっぽを向いた。それを待ってましたと言わんばかりに
「攻撃しないのならこちらから行くぜ。コラッタ、でんこうせっか!」
土煙が上がるとコラッタはピカチュウめがけて走ってきた。
「まずい、ピカチュウ避けろ!」
ピカチュウは初めてのび太の言うことを聞いたものの、
コラッタのあまりの速さに間に合わず、そのまま地面に倒れた。
「なんだ、その程度かよ」
「ピカチュウ、起きろ!」
ピカチュウは立ち上がり、戦闘体制に入る。
「よし、ピカチュウ、電気ショックだ!」
ピカチュウの小さな体から電気が放たれ、コラッタに当たり大きい音がした。
しかし、コラッタにはあまり効いておらず、
「やっぱりその程度か、早く楽にしてやるよ、とどめの体当たり!」
ピカチュウはダメージと電気ショックの反動により動けずコラッタ
の体当たりが直撃し、跳ばされてダウンした。
「ピカチュウ!」
のび太の叫びも虚しく、ピカチュウとのび太は負けた。
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のび太が話し終わる頃には、ピカチュウの傷も治り、ジョーイさんが届けてくれた。
「よくわかったよのび太君、だけど君は負けたことにより大切なものを得たよ」
「え、ドラえもん、それはなんだい?」
のび太の問いにドラえもんは答えた。
「それはポケモンとの『信頼』さ。いままで君もピカチュウも
お互い信じてなかったけど、今日のバトルで心が通じ合った。
ポケモンバトルで大切なのは、ポケモンと心を通わすことなんだ」
「心を通わす…」
のび太は少し考えたあと、
「……ピカチュウ、また戦ってくれるかい?」
相変わらずピカチュウはムスッとしていたものの、“コクっ”と小さく頷いた。
「よし、そうと決まれば僕のイーブイと一緒に特訓しよう!
あのジャイアンを倒したいだろ?」
「うん!あのブタゴリラに絶対買ってやる!」
二人と1匹は勢いよくポケモンセンターを飛びだした。
(だけどなんで僕はこの人の名前を知ってたんだろう…)
そんなことをのび太は心の隅で考えていたが、すぐに忘れた。
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みんなのてもち
ドラえもん:イーブイLv.7
のび太:ピカチュウLv.5
ジャイアン:コラッタLv.8他
スネ夫:ゼニガメLv.8
しずか:不明
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のび太とドラえもんは町外れの草むらにいた。ジャイアンにリベンジするために。
ジャイアンはレベル上げをしていた。それを見たのび太の口が動いて、
「やいジャイアン!次こそお前には負けないぞ!!」
この言葉にジャイアンは、
「なんだと、のび太のくせに生意気な。面白い、もう一度叩き潰してやる」
こうしてポケモンバトルが始まった。さっきと同じく、
のび太はピカチュウ、ジャイアンはコラッタを出した。
が、コラッタを見たドラえもんは、
「ぎゃぁぁぁぁぁネズミぃぃぃぃぃぃ!!」
ドラえもんは何処かに走っていってしまった。どうやらネズミが嫌いらしい。
「失礼な、ピカチュウもネズミなのに。あんなの放っておいて体当たりだ!」
「ピカチュウ、避けて電気ショック!」
コラッタをピカチュウはギリギリで避け、電気を放った。
それはコラッタに命中しダメージを与えた。
「どうやらさっきよりは面白くなりそうだな、コラッタ、気合いだめ」
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コラッタの動きが止まり力をためている。
「(厄介だな…決めるよ)ピカチュウ、電気ショック!」
「コラッタ、電光石火だ!」
電光ショックを素早く避けたコラッタは一瞬のうちにピカチュウに攻撃した。
「ピカチュウ大丈夫!?」
急所に当たったようだがピカチュウの目はまだ死んでなかった。
「よし、電気ショック!」
スキが出来ていたコラッタに命中し、コラッタは地面に倒れた。
「やったぁ!ピカチュウの勝ちだ!」
「くそっ、…だが俺の持ってるポケモンはコラッタだけじゃないぜ」
そういうとコラッタをモンスターボールに戻し、別のボールからポケモンを出した。
「今日オーキドのおっさんから貰ったヒトカゲだ、頼んだぜ!」
凛としたしっぽの炎を漂わせているヒトカゲを見たのび太は、
「ヒトカゲ…ピカチュウはダメージが残ってるし決して油断出来ない。
……だけどこっちには秘策があるんだ」
のび太はピカチュウに叫んだ。
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―ドラえもんと特訓してた時
「大分強くなったね、のび太君」
「ありがとう…だけどドラえもんのイーブイもさすがに強いね」
二人は最後の調整にバトルをしていた。
「ピカチュウ、電気ショックだ!」
「またその技か…あれ、イーブイ?」
イーブイの体はダメージは受けてないものの痺れて動けなくなっていた。
「のび太君、違う技が出たみたいだね。もしかしてその技は―――
「電磁波!」
「なにぃ!?」
ジャイアンが驚いた時には、既にヒトカゲは痺れて動きにくい状況にあった。
「これが僕とドラえもんの特訓の成果だ!」
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ジャイアンは慌てたみたいに、
「ちきしょう!ヒトカゲ、火の粉だ!」
ジャイアンが命令してもヒトカゲはマヒにより動けなかった。
「よし、勝てるぞ!ピカチュウ、電気ショック!」
電気ショックはヒトカゲに直撃し、かなりのダメージを受けたようだった。
「ジャイアン、次の攻撃で僕の勝ちだ!電気ショック!」
「のび太にしては強いな…だがレベルを上げたのはお前だけじゃないぜ。
ヒトカゲ、煙幕!」
ヒトカゲの口から黒い煙が発生し、あたりを包んだ。
ピカチュウも電気ショックを放ったが、ヒトカゲには当たらなかった。
「ダメだ、これじゃ前が見えない」
「ヒトカゲ!ひたすら火の粉だ!」
煙幕の発生によるピカチュウの一瞬のスキを突き、火の粉がピカチュウに当たった。
煙幕が晴れると、立っていたのはヒトカゲだった。
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のび太はピカチュウを抱きかかえ、ジャイアンはヒトカゲをボールに戻した。
「また負けた…ジャイアン、やっぱり強いね」
のび太の弱々しい声にジャイアンは、
「何言ってんだ、あの煙幕が失敗してたら俺は負けてたぜ。
強いのはのび太の方だ」
のび太はあまりにも予想してなかったジャイアンの言葉に、少し驚いた。
「ふぅ、ネズミは怖いや…」
ドラえもんはポケモンセンターまで逃げていた。そこへのび太が戻ってきた。
コラッタを倒したこと、特訓の成果の電磁波を使ったものの、負けてしまったこと、
だけど、お互いに認め合えたことをドラえもんに事細かに話した。そして、
「ドラえもん、一緒に旅をしない?ジャイアンみたいな奴と出会い、
闘い、強くなりたいんだ」
のび太の誘いにドラえもんは、
「もちろん行くよ!これからもよろしくのび太君、だけどどら焼きは弁償してね」
「ちぇ、忘れてると思ったのに」
のび太は呟いた。
「あのことを言おうと思ったけど、まだ別にいいかな…」
「ドラえもん何か言った?」
「ううん、なんでもない。それよりもどら焼き買ってよ」
二人は出会ったばかりとは思えないほど仲が良かった。
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みんなのてもち
ドラえもん:イーブイLv.10
のび太:ピカチュウLv.10
ジャイアン:コラッタLv.8、ヒトカゲLv.10
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