「ジャイアンの悲劇」(2007/07/17 (火) 23:25:44) の最新版変更点
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あるところに、ジャイアンというガキ大将がいました。
ジャイアンはとても乱暴で、友達のものをよく奪っていました。
ジャイアン「スネオ。 そのゲームよこせよ。」
ジャイアン「のび太! 美味しそうなもの食ってんじゃねえか。 よこせ。」
シャイアン「しずちゃん。 宿題のノート貸してよ。 え?嫌だ? い・や・だ? ほうほう貸してくれるか。」
ジャイアンは皆からとても嫌われました。
今はやりの「ポケットモンスター」にも入れてもらえず、怒って皆を半殺しにもしました。
そんなある日のこと……
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スネオ「なあ、そろそろジャイアンを本格的にやっつけないか?」
のび太「無理だよ… 僕らじゃ。」
空き地でジャイアンを除く皆が相談しています。 皆ジャイアンにいじめられた人たちです。
スネオ「いや、僕の従兄弟のスネ吉兄さんは、空手の達人なんだ。
ちょうど明日来るからさ、あのゴリラをとっちめてやろうぜ!!」
皆はそれに賛成し、名づけて「ジャイアン暗殺計画」と作戦を立てました。
その作戦とは、
1、空き地にジャイアンを誘い出す。
2、落とし穴にはめる。
3、スネ吉が倒す。
こうして夜は明けました。
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―次の日――
スネオ「ジャイアン、サッカーしよう。」
スネオがジャイアンを誘います。 ジャイアンは久しぶりに皆と遊ぶので、とてもよろこびました。
スネオ「さあ、早く空き地に…」
ジャイアン「!! あぶねえ!!」
ドーーーーーーン
ジャイアンは、飛び出してきた車にひかれました。 スネオをかばいながら。
スネオ「きゅ、救急車ーーーーーーーーー!!」
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ジャイアンが気が付くと、そこは病室でした。 ジャイアンのお母さんが泣いています。
ジャイアンは声をかけようとしました。 しかし、声が出ません。
医者がジャイアンのお母さんを呼びました。 会話は遠く、聞こえません。
すると、クラスの皆が入ってきました。 みんな笑っています。
ジャイアンは、起き上がり、皆に声をかけようとしました。 しかし皆は動かずに笑っています。
するとスネオが、休にしゃベリ出しました。
スネオ「さっきの医者が言うにはもう死んでるらしいよ。 哀れだねwww」
ジャイアンは何のことか分かりません。 もう死んでいる? 誰かが死んだのか?
ジャイアンはベッドから起きて、皆の肩に手を置きました。
しかし、ジャイアンの手は、肩をすり抜け、ぶらんと垂れただけでした。
ジャイアンは、死んだのです。
ジャイアンもようやくこの事に気付いたようです。
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ジャイアンは、自分の体をよく見ました。
それは、いつもとは違う、白い装束を着ていた自分の姿でした。
皆は、ジャイアンの事を馬鹿にしています。
「これで開放される」 「死んでよかったブタゴリラ」 「返せよ俺の宝物」
ジャイアンは、いままで自分がした事を後悔しました。
これは罰だ。 俺はもう死ぬ。 と。
しかし、やり残した事にいま、気付いたのです。
死ぬ前に皆の物を返そう――
ジャイアンは、病室を出て、自分の家に帰りました。
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家に着き、玩具箱を手にした時、1つ気付きました。
体が薄くなってる事に。
ジャイアンは、もう時間はないんだな、と腹をくくり、皆の家へと向かいました。
皆の玩具に、一言、「ごめんよ」というメモを貼り、ジャイアンは走り続けました。
そして、最後の1軒、スネオの家に着いた頃、ジャイアンの体はほぼ透明になっていました。
家に入り、玩具を置いている内に、「ポケットモンスター」があるのに気付きました。
ジャイアンは静かにスイッチを入れました。
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スネオのポケモンに、それぞれ1通づつメールを持たせ、記入しました。
「スネオごめん」
「かってにつかわせてもらう」
「みんなのものかえした」
「みんなはゆるしてくれないだろう」
「でもみんなはおれのたいせつな」
「ともだちだからわすれないでく」
ジャイアンは、記入の途中、自分の体が浮くのが分かった。
しかし最後の力を振り絞って、
「たけし」
と打つことが出来た。 こうしてジャイアンは成仏した。
しかし、彼らはジャイアンを許さないだろう。
彼らにとっては、ジャイアンなどどうでもいいのだから。
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