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ドラーモン作大長編 その3」(2007/06/03 (日) 16:36:40) の最新版変更点

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《インターミッション》 ドラミです。 今お兄ちゃんやのび太さん達がどうなっているのか、おさらいしてみますね。 のび太さんは今キンセツシティ付近でお兄ちゃんやしずかさんを待ちながらジョギング中。 103番道路の川を越えちゃったせいで本来のルートを大幅にショートカットしちゃったわね。 手持ちポケモンは色違いメノクラゲLV29とスネ夫さんと無理矢理交換させられたナマケロ。 ナマケロは育て屋でかなり成長してるらしいわ。 お兄ちゃんとしずかさんはゲームとほとんど同じルートを通って今はムロタウン。 お兄ちゃんはそこで大怪我しちゃってポケモンセンターで療養中。 お兄ちゃんの手持ちはポチエナLV4。今はしずかさんが借りているわ。 しずかさんの手持ちはキルリアLV24、ジグザグマLV18、ジグザグマLV17、ジグザグマLV17、ジグザグマLV16、ジグザグマLV6 物拾いジグザグマが拾ってくる豊富なアイテムは旅の助けになっているわ。 ---- スネ夫さんと剛さんは煙突山、次はフエンタウンに向かうらしいわ。。 今のところトップグループ、バッジも順調に獲得しているわね。 剛さんは気付いてないみたいだけど、スネ夫さんはかなりセコいやり方で剛さん以上に戦力をアップしてるみたい。 剛さんの手持ちはヌマクローLV26、スネ夫さんと交換したキャモメLV20、ココドラLV24。 ココドラを大切に育ててるようね。 スネ夫さんの手持ちはジュプトルLV25、ゴルバットLV27、ツチニンLV19、のび太さんと交換したマルノームLV26。 剛さんよりかなり戦力が高いわね。ツチニンが進化すればさらに戦力アップするわ。 そして出木杉さん。 トウカの森でしずかさんに完敗してから人が変わってしまったわ。 カナズミシティで見かけられたのを最後に消息は不明。 彼は今後どうなっちゃうのかしら…… 手持ちはバシャーモLV48、キノココLV22。 じゃあ私は未来に帰るわ、じゃあね! ---- キンセツシティ。 のび太はただ途方に暮れていた。 「なんか全然強くなってる気がしないなぁ。しかもこいつのせいで恥をかきっぱなしだよ…」 のび太はナマケロを見ながらため息を吐いた。 さかのぼる事半日前、育て屋からナマケロを引き取ったのび太。 「ノビタさんのナマケロ……名前は「のびた」?ブフーッ!www」 育て屋のばあさんは笑いすぎて救急車で運ばれるし、せっかく引き取ったこのナマケロといったら全然動かない。 しかもあくびをしたり、物忘れが激しかったり、事あるごとに怠けている。 「ふう、勝った…」 ナマケロの力を借りる事無く、メノクラゲのみでトレーナー戦を勝利したのび太。 一応ナマケロも出してはいるが、ほとんど戦力になっていない。 勝利報酬を受け取りながら考え込むのび太。 「メノクラゲが進化するまで戦うしかない……って、なんだ?」 ナマケロの様子がおかしい。 その姿は徐々に変わっていき… 「な、ナマケロが進化したの?」 のび太、おめでとう!ナマケロはヤルキモノに進化したのだ! 「つ、強そう……やっと戦ってくれるんだね!」 ---- ヤルキモノの強さはかなりのものだった。 技はナマケロのものを受け継いでいるが、唯一の打撃技の騙し討ちは次々とポケモンを撃破していく。 「すごいや、ボクのヤルキモノ!」 勢いに乗ってキンセツの東のトレーナーも撃破していく。 最後に対戦するのはギタリストのテリー。 ノーマルや悪の攻撃が効きにくいコイルの使い手だが、レベルの高さに任せてヤルキモノで力押しする。 そして…… 「やった、勝ったぞ!わーいわーい!」 のび太が飛び上がって喜ぶその横ではヤルキモノの体が大きくなっていく。 ナマケロの引き取り時のレベルは34、レベル35でヤルキモノに進化。 ということは… おめでとう!ヤルキモノはケッキングに進化した! いきなり巨大化したので、横にいたのび太は勢い良く体を押され、そのまますぐ横の川に落ちてしまった。 「かばごぼ、だずげごぼぼ…」 カナヅチののび太はそのまま川の底に沈んでいった。 「うーん、ここは……」 「大丈夫かい?」 釣り人がのび太を抱き起こす。 「偶然君が釣り針にひっかかってね。ボクの持っていたのがいい釣り竿だったから折れずに助けることができたよ」 ホエルコすら釣り上げるいい釣り竿、人間くらいではびくともしないのだ。 ---- 「ありがとうございます、あなたは命の恩人です!」 感激のあまり釣り人の手を握ろうとしたとき、のび太は手に持ったケッキングのボールに気付いた。 中にケッキングは入っていないようだ。 「戻れ!」 すると川の対岸から光がやってきてボールに収まった。 「ま、まさか……おじさん、キンセツシティはどっち!?」 釣り人が指差したのは川の向こう。 「そ、そんなぁ~~」 のび太は再び望まぬショートカットをしてしまった。 しかものび太はもっと重大なことに気付いていない。 ここから先ヒマワキシティまではかなり長い道程であり、それまでポケモンセンターは存在しない。 ドラえもん達との連絡もとれないのだ。 ショックを受けて崩れ落ちるのび太に釣り人は声をかける。 「いい釣り竿、いります?」 この日、のび太は初めての野宿をした。 近くになっていたオボンの実を食べて飢えを凌ぐ。 「さ、寒いや……どうしよう」 寒さと孤独に耐えかねてケッキングをボールから出してみる。 ケッキングはほんのり暖かかった。 ---- 石の洞窟。 しずかは自分のパーティーを育成しながらドラえもんのポチエナも育てていた。 しかしトレーナーとしてそんなに経験を積んだわけではない。 やっと噛み付くことができるようになったが、正直ポチエナでは頼りない。 「確かポチエナは悪タイプ、格闘タイプとは相性が良くないって習ったわ」 トレーナーズスクールでの授業を覚えているところはさすがしずかである。 「ドラちゃんに新しい友達を捕まえてあげればいいんだろうけど、どんなポケモンがいいのかしら……」 しずかはポケモンのタイプをよく知らない。 『とりあえず次会ったポケモンをドラちゃんにプレゼントしましょう』 その時、闇に輝く二つの瞳が近づいてきた。 「わぁ、きれい!」 宝石のような目を持つポケモンだ。 とりあえず捕まえるためには弱らせなくてはならない。 「キルリア、ねんりき!」 キルリアの念力は発動したはずなのに、相手のポケモンは全くダメージを受けていないようだ。 「効いてないみたい……もしかしてすごく強いポケモンなのかしら」 キルリアをひっこめて次はジグザグマを出してみる。 「ジグザグマ、ずつきで攻撃よ!」 しかし頭突きすら効果がないようだ。 ---- ジグザグマは驚かされたが特にダメージはないようだ。 「どうすればいいの…」 このままでは弱らせることすらできない。 残るポケモンはただ一体。 「仕方ないわ、ドラちゃんのポチエナで!」 ジグザグマの代わりに現われたポチエナ。 「お願い、噛み付いて!」 ポチエナが勇猛果敢に飛び掛かり、噛み付く。 初めて相手のポケモンがよろめいた。 「効いてる、もう一回!」 敵がひるんでいる間に再び噛み付く。 「今ね、お願いモンスターボール!」 しずかが投げたボールは弱ったポケモンを吸い込み、そしてボールの振動が止む。 「捕まえた!やったわドラちゃん!」 しずかはそのポケモンの名前を図鑑でチェックする。 「んーと…あったわ。ヤミラミっていうのね」 偶然捕まえたこのヤミラミがただ一匹でトウキのポケモンを完封できる相性を持つということをしずかは知らない。 「やあ、見せてもらったよ」 洞窟の奥から拍手がこだまする。 暗闇から現われたのは一人の男…… 「おっと、まずは自己紹介を。私はダイゴだ」 偶然出会ったその男は、デボン社長からの手紙を渡す相手だった。 ---- ムロタウン。 翌日になるとドラえもんの怪我はすっかり良くなっていた。 さすがポケモンセンター、瀕死のポケモンすら簡単に全快させる医学力は素晴らしい。 「ドラちゃん、今日こそは勝ってね!」 ドラえもんの手にはしずかが育ててくれたポチエナ、そして新しい仲間ヤミラミがいる。 「よし、行ってくるよしずかちゃん!」 しずかは徹夜でドラえもんのポケモンを育てていたので疲労がピークに達していた。 「ヤミラミを捕まえて、ダイゴさんに会って、手紙を渡して……」 そのまましずかはスースーと寝息を立てていた。 ムロジムではトウキVSドラえもんの戦いが行なわれていた。 ヤミラミは格闘とエスパーを無効化するのでトウキのポケモンは全くいいところを見せる事無く、ナイトヘッドをくらって沈んでいく。 「やった!勝ったぞ!」 トウキはやれやれといった顔をしながらドラえもんにジムバッジを渡す。 これでしずかもドラえもんも二個目のバッジを獲得したのだった。 ---- 119番道路。 「はひぃ、はひぃ」 のび太はただ一人、どうしようもない状況に陥っていた。 なぜなら現状の戦力がメノクラゲ一匹だからである。 最大の戦力であるケッキングはまるで動こうとしない。 実はのび太は気付いていなかったがナマケロの頃もほとんど動いておらず、ヤルキモノの時には勝手に暴れていただけなのだ。 そう、のび太はジムバッジを持っていない。 スネ夫から貰ったポケモンがいうことを聞かないのは当然のことである。 トレーナー達から逃げ回り、ようやく吊り橋を渡りきったが、辺りは見渡すかぎりの緑、そして頭上からは雨が降り続いていた。 『このままでは本当に死んでしまう!』 そんなのび太の眼前に巨大な影が現われる。 「わわわっ!」 長い首とシダ植物のような翼を持ったその生物はゆっくりとのび太の前を横切っていく。 その姿を見てのび太はとても懐かしいものを思い出した。 「ピー助……?」 そう、昔飼っていた首長竜のピー助だ。 「おーい、ピー助、ピー助!」 のび太の声も耳に入らないかのように悠然と歩いていく巨大生物。 ---- のび太は咄嗟にメノクラゲを出し、命令した。 「メノクラゲ、ピー助を捕まえて!」 メノクラゲは絡み付いてその生物…トロピウスの動きを止める。 「いいぞ、このまま捕まえておくんだ……えーと……」 キンセツシティで買っておいたスーパーボールを投げる。 しかしボールはメノクラゲのほうに飛んでいってしまう。 「ああーーっ!」 ボールが直撃しようとした刹那、メノクラゲは触手でボールを邪魔そうに叩いた。 そのボールは偶然トロピウスに命中し、その巨体をボールに収める。 「やった、やったぁ!」 のび太は新しい仲間、トロピウスのピー助を入手したのだ。 手持ちポケモンが2体になった事でのび太の旅はかなり楽になった。 食糧問題もトロピウスの黄色い房を食べることで当面はしのげそうだ。
[[次へ>ドラーモン作大長編 その2]] 《インターミッション》 ドラミです。 今お兄ちゃんやのび太さん達がどうなっているのか、おさらいしてみますね。 のび太さんは今キンセツシティ付近でお兄ちゃんやしずかさんを待ちながらジョギング中。 103番道路の川を越えちゃったせいで本来のルートを大幅にショートカットしちゃったわね。 手持ちポケモンは色違いメノクラゲLV29とスネ夫さんと無理矢理交換させられたナマケロ。 ナマケロは育て屋でかなり成長してるらしいわ。 お兄ちゃんとしずかさんはゲームとほとんど同じルートを通って今はムロタウン。 お兄ちゃんはそこで大怪我しちゃってポケモンセンターで療養中。 お兄ちゃんの手持ちはポチエナLV4。今はしずかさんが借りているわ。 しずかさんの手持ちはキルリアLV24、ジグザグマLV18、ジグザグマLV17、ジグザグマLV17、ジグザグマLV16、ジグザグマLV6 物拾いジグザグマが拾ってくる豊富なアイテムは旅の助けになっているわ。 ---- スネ夫さんと剛さんは煙突山、次はフエンタウンに向かうらしいわ。。 今のところトップグループ、バッジも順調に獲得しているわね。 剛さんは気付いてないみたいだけど、スネ夫さんはかなりセコいやり方で剛さん以上に戦力をアップしてるみたい。 剛さんの手持ちはヌマクローLV26、スネ夫さんと交換したキャモメLV20、ココドラLV24。 ココドラを大切に育ててるようね。 スネ夫さんの手持ちはジュプトルLV25、ゴルバットLV27、ツチニンLV19、のび太さんと交換したマルノームLV26。 剛さんよりかなり戦力が高いわね。ツチニンが進化すればさらに戦力アップするわ。 そして出木杉さん。 トウカの森でしずかさんに完敗してから人が変わってしまったわ。 カナズミシティで見かけられたのを最後に消息は不明。 彼は今後どうなっちゃうのかしら…… 手持ちはバシャーモLV48、キノココLV22。 じゃあ私は未来に帰るわ、じゃあね! ---- キンセツシティ。 のび太はただ途方に暮れていた。 「なんか全然強くなってる気がしないなぁ。しかもこいつのせいで恥をかきっぱなしだよ…」 のび太はナマケロを見ながらため息を吐いた。 さかのぼる事半日前、育て屋からナマケロを引き取ったのび太。 「ノビタさんのナマケロ……名前は「のびた」?ブフーッ!www」 育て屋のばあさんは笑いすぎて救急車で運ばれるし、せっかく引き取ったこのナマケロといったら全然動かない。 しかもあくびをしたり、物忘れが激しかったり、事あるごとに怠けている。 「ふう、勝った…」 ナマケロの力を借りる事無く、メノクラゲのみでトレーナー戦を勝利したのび太。 一応ナマケロも出してはいるが、ほとんど戦力になっていない。 勝利報酬を受け取りながら考え込むのび太。 「メノクラゲが進化するまで戦うしかない……って、なんだ?」 ナマケロの様子がおかしい。 その姿は徐々に変わっていき… 「な、ナマケロが進化したの?」 のび太、おめでとう!ナマケロはヤルキモノに進化したのだ! 「つ、強そう……やっと戦ってくれるんだね!」 ---- ヤルキモノの強さはかなりのものだった。 技はナマケロのものを受け継いでいるが、唯一の打撃技の騙し討ちは次々とポケモンを撃破していく。 「すごいや、ボクのヤルキモノ!」 勢いに乗ってキンセツの東のトレーナーも撃破していく。 最後に対戦するのはギタリストのテリー。 ノーマルや悪の攻撃が効きにくいコイルの使い手だが、レベルの高さに任せてヤルキモノで力押しする。 そして…… 「やった、勝ったぞ!わーいわーい!」 のび太が飛び上がって喜ぶその横ではヤルキモノの体が大きくなっていく。 ナマケロの引き取り時のレベルは34、レベル35でヤルキモノに進化。 ということは… おめでとう!ヤルキモノはケッキングに進化した! いきなり巨大化したので、横にいたのび太は勢い良く体を押され、そのまますぐ横の川に落ちてしまった。 「かばごぼ、だずげごぼぼ…」 カナヅチののび太はそのまま川の底に沈んでいった。 「うーん、ここは……」 「大丈夫かい?」 釣り人がのび太を抱き起こす。 「偶然君が釣り針にひっかかってね。ボクの持っていたのがいい釣り竿だったから折れずに助けることができたよ」 ホエルコすら釣り上げるいい釣り竿、人間くらいではびくともしないのだ。 ---- 「ありがとうございます、あなたは命の恩人です!」 感激のあまり釣り人の手を握ろうとしたとき、のび太は手に持ったケッキングのボールに気付いた。 中にケッキングは入っていないようだ。 「戻れ!」 すると川の対岸から光がやってきてボールに収まった。 「ま、まさか……おじさん、キンセツシティはどっち!?」 釣り人が指差したのは川の向こう。 「そ、そんなぁ~~」 のび太は再び望まぬショートカットをしてしまった。 しかものび太はもっと重大なことに気付いていない。 ここから先ヒマワキシティまではかなり長い道程であり、それまでポケモンセンターは存在しない。 ドラえもん達との連絡もとれないのだ。 ショックを受けて崩れ落ちるのび太に釣り人は声をかける。 「いい釣り竿、いります?」 この日、のび太は初めての野宿をした。 近くになっていたオボンの実を食べて飢えを凌ぐ。 「さ、寒いや……どうしよう」 寒さと孤独に耐えかねてケッキングをボールから出してみる。 ケッキングはほんのり暖かかった。 ---- 石の洞窟。 しずかは自分のパーティーを育成しながらドラえもんのポチエナも育てていた。 しかしトレーナーとしてそんなに経験を積んだわけではない。 やっと噛み付くことができるようになったが、正直ポチエナでは頼りない。 「確かポチエナは悪タイプ、格闘タイプとは相性が良くないって習ったわ」 トレーナーズスクールでの授業を覚えているところはさすがしずかである。 「ドラちゃんに新しい友達を捕まえてあげればいいんだろうけど、どんなポケモンがいいのかしら……」 しずかはポケモンのタイプをよく知らない。 『とりあえず次会ったポケモンをドラちゃんにプレゼントしましょう』 その時、闇に輝く二つの瞳が近づいてきた。 「わぁ、きれい!」 宝石のような目を持つポケモンだ。 とりあえず捕まえるためには弱らせなくてはならない。 「キルリア、ねんりき!」 キルリアの念力は発動したはずなのに、相手のポケモンは全くダメージを受けていないようだ。 「効いてないみたい……もしかしてすごく強いポケモンなのかしら」 キルリアをひっこめて次はジグザグマを出してみる。 「ジグザグマ、ずつきで攻撃よ!」 しかし頭突きすら効果がないようだ。 ---- ジグザグマは驚かされたが特にダメージはないようだ。 「どうすればいいの…」 このままでは弱らせることすらできない。 残るポケモンはただ一体。 「仕方ないわ、ドラちゃんのポチエナで!」 ジグザグマの代わりに現われたポチエナ。 「お願い、噛み付いて!」 ポチエナが勇猛果敢に飛び掛かり、噛み付く。 初めて相手のポケモンがよろめいた。 「効いてる、もう一回!」 敵がひるんでいる間に再び噛み付く。 「今ね、お願いモンスターボール!」 しずかが投げたボールは弱ったポケモンを吸い込み、そしてボールの振動が止む。 「捕まえた!やったわドラちゃん!」 しずかはそのポケモンの名前を図鑑でチェックする。 「んーと…あったわ。ヤミラミっていうのね」 偶然捕まえたこのヤミラミがただ一匹でトウキのポケモンを完封できる相性を持つということをしずかは知らない。 「やあ、見せてもらったよ」 洞窟の奥から拍手がこだまする。 暗闇から現われたのは一人の男…… 「おっと、まずは自己紹介を。私はダイゴだ」 偶然出会ったその男は、デボン社長からの手紙を渡す相手だった。 ---- ムロタウン。 翌日になるとドラえもんの怪我はすっかり良くなっていた。 さすがポケモンセンター、瀕死のポケモンすら簡単に全快させる医学力は素晴らしい。 「ドラちゃん、今日こそは勝ってね!」 ドラえもんの手にはしずかが育ててくれたポチエナ、そして新しい仲間ヤミラミがいる。 「よし、行ってくるよしずかちゃん!」 しずかは徹夜でドラえもんのポケモンを育てていたので疲労がピークに達していた。 「ヤミラミを捕まえて、ダイゴさんに会って、手紙を渡して……」 そのまましずかはスースーと寝息を立てていた。 ムロジムではトウキVSドラえもんの戦いが行なわれていた。 ヤミラミは格闘とエスパーを無効化するのでトウキのポケモンは全くいいところを見せる事無く、ナイトヘッドをくらって沈んでいく。 「やった!勝ったぞ!」 トウキはやれやれといった顔をしながらドラえもんにジムバッジを渡す。 これでしずかもドラえもんも二個目のバッジを獲得したのだった。 ---- 119番道路。 「はひぃ、はひぃ」 のび太はただ一人、どうしようもない状況に陥っていた。 なぜなら現状の戦力がメノクラゲ一匹だからである。 最大の戦力であるケッキングはまるで動こうとしない。 実はのび太は気付いていなかったがナマケロの頃もほとんど動いておらず、ヤルキモノの時には勝手に暴れていただけなのだ。 そう、のび太はジムバッジを持っていない。 スネ夫から貰ったポケモンがいうことを聞かないのは当然のことである。 トレーナー達から逃げ回り、ようやく吊り橋を渡りきったが、辺りは見渡すかぎりの緑、そして頭上からは雨が降り続いていた。 『このままでは本当に死んでしまう!』 そんなのび太の眼前に巨大な影が現われる。 「わわわっ!」 長い首とシダ植物のような翼を持ったその生物はゆっくりとのび太の前を横切っていく。 その姿を見てのび太はとても懐かしいものを思い出した。 「ピー助……?」 そう、昔飼っていた首長竜のピー助だ。 「おーい、ピー助、ピー助!」 のび太の声も耳に入らないかのように悠然と歩いていく巨大生物。 ---- のび太は咄嗟にメノクラゲを出し、命令した。 「メノクラゲ、ピー助を捕まえて!」 メノクラゲは絡み付いてその生物…トロピウスの動きを止める。 「いいぞ、このまま捕まえておくんだ……えーと……」 キンセツシティで買っておいたスーパーボールを投げる。 しかしボールはメノクラゲのほうに飛んでいってしまう。 「ああーーっ!」 ボールが直撃しようとした刹那、メノクラゲは触手でボールを邪魔そうに叩いた。 そのボールは偶然トロピウスに命中し、その巨体をボールに収める。 「やった、やったぁ!」 のび太は新しい仲間、トロピウスのピー助を入手したのだ。 手持ちポケモンが2体になった事でのび太の旅はかなり楽になった。 食糧問題もトロピウスの黄色い房を食べることで当面はしのげそうだ。 [[次へ>ドラーモン作大長編 その4]]

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