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「キョーコ シルフカンパニー編 その2」(2007/01/17 (水) 23:13:19) の最新版変更点
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あれからサカキの身の回りの世話を任されたキョーコ
(と言っても掃除やら連絡係やらその程度だが)
「これだけで月○十万でしょ。ボーナス入れたら――ハッ」
キョーコは自分が警察官だということに気付き我に返った。
(何言ってるのよ、キョーコ!既に犯罪に近いわ。これは潜入捜査よ、捜査!)
あくまでも捜査と割り切る気だ
「また考え事かね?」
「い、いいいえ!大丈夫です。サ……サカキ様!」
一度呼び間違えたのは内緒だ
「やっと名前を覚えてくれたみたいだね」
内緒だったら
「その節は多大なるご迷惑をおかけしまして!
誠に申し訳ないと思っている所存でございます!」
(ああぁぁぁ完っ全に根に持ってるわ。
殺すの?殺すのね?私の命の灯火を消すつもりなのね?)
しかし当のサカキは自分の名前を覚えていなかったキョーコに
むしろ好感を持っていた。
ここ数年そんなことはまず無かったため新鮮だった。
初めにご近所さんの感覚で
『ササキさーん』と呼ばれた時はどうしようかと思ったが。
回覧板かと思った
そんなことをサカキが考えていると一人の訪問者が現れた。
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コンコン
「誰だね」
「失礼します、サカキ様」
「ちょ、ちょっと困ります。まず秘書の私を通していただかないと!」
勝手に自分を秘書に格上げしたキョーコはここぞとばかりに止めた。
結構楽しんでんじゃねえか
「あぁすみません」
目の前にいる少年は年の頃10かそこらだろう。端正な顔立ちである。
恐らく後5年もすれば化けるに違いない
(こんなかわいい子が……いろいろあったのね)
キョーコは一人で感動していたが、少年の言葉ですぐ現実に引き戻された。
「……え?」
「あれ、聞こえませんでしたか?
僕は幹部だからいいんですよ、秘書さん」
出来杉は言った
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(こ、こんな子供が!?
た、確かにジムリーダーやチャンピオンにだって子供がなれるんだから
R団の幹部に子供がいたっておかしくはないけど……)
キョーコは混乱していた。
事実R団にも子供は案外いる。潜入させる時など、
子供の方が便利なことも多いのだ。
流石に幹部ともなると出来杉ただ一人だが……
頭ぐるぐるキョーコに向かって出来杉は頼んだ。
「すみませんが…少し席を外してもらえませんか」
「え?あ、いや、でも……まだ仕事が残って――」
「私からもお願いするよ。少し休憩したらどうだね」
サカキが静かに言う。口調は穏やかだか凄まじい圧力がある
これが格の違いというやつだろう。キョーコは気圧されてしまった。
「あ、はい。わ…かりました。それではキョーコ休憩に入らせて頂きます!」
キョーコは敬礼すると部屋を出た
(……職業病ね)
「さ…てと」
明らかに先程の雰囲気はただ事ではなかった。
中では何か秘密の話がされているのだろう。
キョーコは――
「暇だし探険でもしようかしら」
休憩に入った。
普通はここで仕事するんだよ、姉さん
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「へぇ……ここが休憩室か」
しばらく漫画を読んだ。読みたい巻が無くてイライラした。
「で。ここは遊戯室ね」
ビリヤードをしてみた。強かった。
1000円Getだぜ!
(賭けてはないわよ、もらったの)
「あ!マックが入ってる!」
ファーストフード店を見つけた。
「ほえで……ほほばぞーぼびぶべ」
――それで……ここが倉庫室ね
テリヤキマック、おいしいか?
ビリヤードのお金でテリヤキマックのセットを買ったキョーコは満足気だ。
倉庫番は寝ているようだったので勝手に入ることにした。
(ぶばぁ!ごでばずぼびばべー)
心の中くらい普通に伝えなさい
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(うわぁ!これはすごいわねー)
棚に置かれていた箱には色々なアイテムが入っていたのだ。
回復の薬やら進化の石やら。非常食の乾パンだってある
「これ、総額でいくらよ……」
テリヤキキョーコは自分のポケットにある小銭と比べようとして止めた。
「ふぅ。次…行こう」
キョーコは一階に向かった。
――後にこの探険がタケシsを救うことになるのだが
それはまた別のお話。
……
一階に向かっていたキョーコは異変に気付いた
団員が集まり出していたのだ。しかも偉そうな奴らばかり。
(そう言えばさっき放送でそんなこと言ってた気も……)
しばらくキョーコは考え――
(行っちゃえーー!)
後について行った。
ばれなくて良かったな、下っぱ
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(あからさまに聞くのは……まずいわよね)
キョーコは当然の如く盗み聞くことにした。
ほどなく全隊長が集まり司令室のドアは閉められた・・・
キョーコは耳を澄ませる
『……』『……』
(聞ーこーえーなーいーーーー)
司令室は防音対策バッチリだ。
(ああぁぁぁ予想外です!)
キョーコがしばらく途方に暮れていると
いつの間にかボールから出てきていたゴルダックがドアに親指を向けている。
まるで自分に任せろと言わんばかりに。
(……?)
キョーコには
こうかが ない みたいだ・・・
ゴルダックは涙を流しながら
自分でねんりきを行い、静かにドアを開けた。優秀な子だ。
キョーコは隣で――
コーラを飲んでいる。
「……あ、ポテト食べる?」
ゴルダックの目からは涙…いや、ハイドロポンプが流れていた
がんばれ、ゴルダック!
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(間違いなく……侵入者はタケシsよね)
キョーコはマックで分析していた。先日の司令室の話だ。
本来ならあの後すぐにでも休憩室に籠もり、マンガを片手に考えを
まとめる予定だったのだが……
途中で捕まってしまったのである。
(コイツのせいだわ…)
キョーコは左を睨み付けながら、その日のことを思い出していた。
……
「――そろそろ逃げたほうがいいわよね?」
隣でゴルダックも頷いている。大方重要な話は聞き終わった。ここらが潮時だ。
ばれて今までの努力が台無しになってしまう(この女は特に何もしていない)
それだけは避けねばならなかった。
そして来た道を引き返そうと後ろを振り向くと――
『おい!……はぁ…やっ……と…はぁ……はぁ』
目の前には息を切らせた下っぱがいた。ばれた
(いやーーーーーーーーーーー)
気付いた時にはもう遅い。キョーコは観念した。
(そ、そんなに興奮して……どうせ私のあられもない姿でも想像してたんでしょ?
捕まえた後で身ぐるみはがして汚れ物にする気なのね……
そして私はあなた達の奴隷になるの。堕ちた私は二度と現実世界には戻れない。
『止めて下さい、ご主人様!キョーコは玩具ではございません。どうか…どうか!』)
「初めは優しくお願いしますぅ」
いつものように声に出だしたキョーコ。
『………ろ!』
「女の子はそういうとこ、ちゃんとして欲しいんです!ですから――」
『…いてんのか!?……しろ!』
「ちょ、ちょっと。いきなりはダメですってば、ご主人様!……え?」
やっとキョーコは我に返った
「俺ともう一度勝負しろ!」下っぱは叫んでいた――
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キョーコはしばらく考え……る気もなかった。
「誰?」
「俺だよ!ほら、さっきお前にビリヤードで負けた!」
「あぁ!」
キョーコはぽんと手をたたいて言った。思い出したようだ
「金づる!」
「……」
下っぱは熱くなる目頭を押さえながら耐えていた。俺はもう泣かない。
「い、いいから来い!さっきの負けは不本意だ。もう一度やれば俺が勝つ!」
「え?ちょっとーーちょっとちょっと!」
下っぱはザ・タッチの意見を無視して、遊戯室へと引っ張っていった。
……
「ねえ……もう、止めといたら?」
キョーコは諭すように言った。その右手には3万2千円が握られている。
千円スタートで向こうが倍プッシュ倍プッシュ。
5連勝したところで話を切り出したのだ。
目の前の男は茫然自失の状態だ。灰になる寸前である
「………ラスト……勝負だ…」
下っぱは声を絞りだすようにして言った。取り返すしかない。
田舎の母ちゃんのために――
(逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ)
「ん、もぅ。ホントにあと一回だけよ?」
そして・・・
「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
室内に碇シンジの断末魔が響き渡った――
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下っぱは頭を抱えながら泣いている。憐れだ。
(……やりすぎたかしら)
キョーコもそんな様子を見るのが忍びなかったのだろう。
下っぱに優しく語り掛けた――
「ほら、元気出しなさい。これで今月食いつなぎなさいよ」
「え?」
そう言ってキョーコは
残っていた小銭を全部あげた。キョーコ・リーラ、精一杯の優しさだった
「師匠ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
……
(で、今まですっかり忘れちゃってたのよねえ……)
キョーコは左の席に座っている男を睨んでいた。
「あ、どうしたんっすか?師匠。そんな憂欝そうな顔してーー。
生理でも来ました?」
「まだ先よ!」
あれからなぜか気に入られたようで、この男は金魚の糞のように
キョーコの後ろをついて来る。
(まぁ…師匠って言われて悪い気はしないし、正直ゾクゾクっとくるけど……)
警察官として
きちんとケジメをつけなければならない。R団員を部下にするわけにはいかないのだ。
「君……気持ちはうれしいんだけどね」
キョーコが弟子を破門しようとしたその時――
侵入者を知らせるベルが鳴った!
「行くわよ、下っぱ!」
「は、はい!」
二人は駆け出した
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「あのう、俺には一応名前がありまして……」
走りながら下っぱは訴えている
「っさいわねえ。いちいち覚えられないわよ!」
頭の悪い師匠は冷たく言い放った。
「……」
キョーコたちは他の団員の後に付いて行った。
途中催してトイレに寄ったのは内緒だ。乙女のエチケットだ
そして走り続けること10分。ついに見つけた――
(……タケシ!! とメガネ!)
キョーコとタケシ+α感動の再開・・・とはいかなかった。
残念ながら既に決着はついていたのだ。
どうやら数で押したらしい。
(ひょっとして……今回私の出番なし?)
キョーコが凹んでいると神様…いや、幹部様の声が聞こえてきた。
「こいつ等は牢に入れておこう、連れて行け」
「はっ!」
下っぱたちはそう答えるとタケシたちを担いで牢に運んでいく。
「よし、私たちも行くわよ!」
「……え?いや、もう人数足りてるからいいんじゃないっすかね?だりーし」
「あ、そう。せっかく借金の期限延ばしてあげようと思ったの――」
「なんなりと!」
二人は後を追った。
……
「この野郎!だせー!」
『乙ーー』『今からどうする?パーっと打ち上げでも行くか?』
『お、いいねー』『俺ソープ行きたいな』『一人で行ってこい』
叫ぶタケシを無視してR団は去っていった。2名を除いて――
----
『……なんで俺ら隠れてんすか?』
『いいから!黙って見てなさい!』 二人はこそこそと会話をしている。
牢の中を見ると、もう一人仲間が捕まっているようだ。キョーコは耳を澄ませた――
「出来杉!こんなところに居たのか!」
「何だって此処に居るんだい?」
(ん?なんかこの声聞いたことが……)
キョーコは一瞬疑問に思いながらも話を聞く。どうやら彼らは牢を破るつもりらしい
『や、やばいっすよ、師匠。俺…上に報告してきますわ!』
『……ゴルダック!金縛り――』
戻ろうとする下っぱをゴルダックが止める。
『え、あれ?ちょ、師匠!?』
『黙って見てなさいって言ったでしょ!ただでさえキャラ増えて処理に困ってんだから……
別にあんた出さないなら出さないでもいいのよ!?』
『…………』
それ以降下っぱは何も話さなくなった。可愛そうな下っぱ
後でちゃんと出番やるからね
じっと観察していたキョーコの目は3人の内の一人で止まった。出来杉に気付いたのだ!
『あ、あれ……あの時の少年幹部じゃない!』
どうでもいいんだけど書きながら少年ジャンプに聞こえた
次回『ついに始まる幹部との決闘!どうする、ルフィ!!』
うん、後悔はした
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