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ルビー その2」(2007/01/21 (日) 13:07:43) の最新版変更点

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≪出木杉サイド≫ ここは石の洞窟。 奥にいるダイゴに会うのが僕の目的だ。 でも、今はそんな事を言ってる場合じゃないみたい・・・。 そう、僕は今、ズバットの大群に囲まれている。 「やるしかないか・・・」 ――かれこれ10匹は倒しただろうか? いくら倒しても次々に出てくる。 「ラルトス、念力だ!」 さすがのラルトスもかなり疲れている。 どうしよう・・・どうすればいい・・・! 「ラルトス、もう一度ねん・・・」 そう言おうとした僕の声は止まった。 僕の目の前には力尽きたラルトス。そして僕の周りには大量のズバット―― 「うわあああああっ!」 気がつくと、僕はベッドの上にいた。 「はぁ・・・はぁ・・・ここは?」 ここはどこなんだ?あれから僕はどうなったんだ? そんな疑問を抱き、僕は辺りを見回す。 「あ、あなたは・・・!」 ---- ≪出木杉サイド≫ 「お、ようやく気がついたようだね」 僕は知っている――この人を。 「君がズバットに襲われていたからね・・・ここまで連れてきたんだ」 そう、僕の眼前にいる男・・・それは紛れもなくリーグチャンピオン、ダイゴだ。 「そうですか・・・。ありがとうございます」 この人がいなかったらどうなっていただろう?考えただけでゾクっとする。 「いや、礼には及ばないよ・・・。でも一つだけ、頼み事がある」 そして、僕はあることを頼まれた。 「それでは、僕はこれで・・・。本当にありがとうございました」 僕はそう一礼すると、トクサネシティを後にした。 向かうのはサイユウシティポケモンリーグ―― 僕は奥へと進んでいく。 「あなたがダイゴさんから受け継いだ新チャンピオンですね?」 「はい」 僕が頼まれたこと。それは自分の代わりにチャンピオンになってくれというもの。 もちろん、僕は喜んで承諾した。 そして、今僕はチャンピオンの部屋にいる。 僕は出木杉英才。リーグチャンピオンだ! ---- ≪のび太サイド≫ あれから僕はカナズミシティについた。 ジム戦も終わった。キャモメのおかげかな。 「ムロタウンにいくには・・・船に乗るんだっけ」 つまり、トウカの森を抜けて戻るってことだね。 僕はトウカの森向かって歩き出した。 ――そして僕がトウカの森付近に来た時だ。 「よう、のび太!今ムシャクシャしてるんだよ・・・だからお前のポケモンよこせ!」 ジャイアンだ。物凄く機嫌悪そう・・・。 なんで渡さなきゃいけないんだ!でも、言う通りにしないと、殴られるよなあ。 でも、ポケモンは絶対に渡せない。絶対に。 どうしよう・・・? 「おい!さっさとよこせ!」 ジャイアンは今にも殴りかかってきそうだ。 ・・・待てよ。ここはポケモンの世界。 そうだ――ここは人間の力が全てじゃない。僕には、ポケモンがある! 今ここで、今までの恨みを晴らしてやる。 そして、僕はスゥーと大きく息を吸う。 「誰が渡すもんか!この豚ゴリラ!」 ---- ≪のび太サイド≫ ああ、言っちゃった・・・。 でも、これでいい。これでいいんだ。 「のび太ぁー!今なんつった!」 うわっ!――でも、ここで怯んでちゃ駄目だ。駄目なんだ。 「聞こえてないのか?豚ゴリラって言ったんだよ。ぶ た ゴ リ ラ !」 ジャイアンの顔がどんどん強張っていく。 それは噴火寸前の火山――いや、そう思っちゃいけない。 今の僕にはポケモンがある。ジャイアンなんて、怖いもんか! 「ぶっ潰してやる!いけ、ワカシャモ!」 ワカシャモか・・・なら、勝てる! 「行くんだ、キャモメ!」 ――でも、やっぱりそんな上手くいかないな。 ジャイアンはワカシャモに「岩石封じ」を覚えさせていた。 当然、僕のキャモメは一発で沈む。 「ハハハ!さぁ、次のポケモンを出せよ!」 ここでタネボーを出しても、勝ち目はない。 寧ろ、タネボーまでジャイアンに取られちゃうじゃないか。 「――僕のポケモンはもういない。僕の負けだ」 ---- ≪のび太サイド≫ 「ハハハハ!やっぱりのび太はのび太だな!弱い所も同じだ」 ジャイアンが高らかに声をあげる。 僕は黙って立ち尽くしていた。 「へへ、勝ったのは俺だ。お前のポケモンもらってくぜ」 ジャイアンは強引に、キャモメの入ったボールを奪った。 本当はジャイアンなんかにあげたくない。 キャモメ、ごめんね――僕が弱いから―― 「じゃあな、のび太!ありがたくもらっとくぜー」 僕の目から一粒の涙が零れ落ちた。 ――そして僕はムロタウンについた。 あれから僕は決心したんだ。 誰にも負けないように、強くなる。なってやる。 僕が不甲斐ないせいで取られたキャモメのためにも、ね。 「頑張ろうね、タネボー!」 タネボーは身動き一つしないが、僕にはそれが暖かいものに感じる。 ――さぁ、いよいよジム戦だ。 ---- ≪のび太サイド≫ ジムの前まできて、僕は重要なことに気がついた。 もうキャモメはいない。タネボーだけじゃ勝てない―― 我慢しか使えないタネボーだけじゃ、負けるのは目に見えてる。 僕は新しいポケモンを捕まえるため、洞窟に入った。 「暗いな・・・でも、頑張って探さなくちゃ」 僕はどんどん奥へ進んでいく。ちょっと怖いな。 ――見つけた!あれは、お相撲さん・・・じゃなくてマクノシタだっけ。 「いけ、モンスターボール!」 マクノシタの不意をついて、僕は死角からボールを投げる。 1回、2回、3回・・・ボールの揺れが止まった。 「マクノシタ、ゲットだぜ!」 アニメのサトシ風に言ってみた。 あれ?なんか様になってないような気がする・・・。 そして、僕は再びジムの前に来た。 「よし、頑張るぞ!」 気合を入れるつもりで自分の腹を1回叩いてみた。 「――痛っ!」 ---- ≪のび太サイド≫ 「タネボー、今は我慢だ!」 今、僕のタネボーと相手のワンリキーが戦っている。 「ワンリキー、空手チョップ!」 「耐えろ、タネボー!」 タネボーは僕の思い通り、ギリギリで空手チョップを耐えた。一安心だな。 「今だ――我慢!」 タネボーの回りから光が放たれ、それはワンリキーに直撃する。 「中々やるじゃないか・・・いけ、マクノシタ!」 僕のポケモンと同じだ。なら僕も! 「こっちもだ、マクノシタ!」 二人のお相撲さん――じゃなくて、二匹のマクノシタが向かい合って立っている。 うまいことに、マクノシタも相撲をとる前のポーズだ。 「はっけよーい・・・じゃない!違う!突っ張りだ!」 さっきから何回も頭の中を流れる相撲の掛け声。それが口に出てしまった。 ああ・・・恥ずかしいな。 「・・・ハハハ!こっちも突っ張りだ!」 双方のマクノシタは突っ張りを繰り返す。 押したり、相手の体を持って踏みとどまったり―― まるっきり、相撲じゃん。 ---- ≪のび太サイド≫ マクノシタは両者一歩も引かず、戦っている。 ここで形勢を逆転させるには・・・どうすればいいのかな? 僕が考えてる間に、相手が仕掛けてきた。 「マクノシタ、ビルドアップだ!」 えーっと、なんだっけ・・・そうだ、攻撃と防御をあげる技。 ってことは・・・このまま同じ技でいくと負けるってことだよね。 ――僕はマクノシタの使える技を見てみた。 体当たり、気合溜め、砂かけ、突っ張り・・・。 砂かけで相手の命中率を下げるには、かなり時間がかかる。 となると・・・早めに決めれる気合溜め、か。 さっさと決めないとビルドアップされて不利になる・・・。 「マクノシタ、気合溜めだ!」 精神を集中させる僕のマクノシタ。これでいいのかな? 「モタモタしてる間に決めさせてもらう!突っ張りだ!」 僕のマクノシタはまだ集中力を高めている。 今は、耐えてくれ・・・。 ――よし、ギリギリ耐えたか。 「反撃開始だ、マクノシタ!」 ---- ≪のび太サイド≫ 「マクノシタ、突っ張り!」 僕の反撃が始まった。このまま一気に押し切るぞ! 1回、2回、3回。急所に当たったこともあってかなりのダメージを与えられた。 「ほう・・・こちらも突っ張りだ!」 「負けるな、僕のマクノシタ!突っ張りだ!」 勝負は再び突っ張り合戦になった。 互いの力が触れ合った所には、赤い火花が飛び散っている。 頼むぞ、マクノシタ・・・。 そして、勝利の女神は僕に微笑む。 僕のマクノシタが押している!さっきの気合溜めのおかげかな。 よし、このまま・・・いけ!マクノシタ! もう一発、叩きこめ・・・!もう一発だ! パチン! 僕のマクノシタの攻撃が当たった。クリーンヒットだ! 案の定、相手のマクノシタは倒れていく。 「よし、やった!」 ジム内に僕の声が響き渡る。僕が勝ったんだ。 ――張り手!マクノシタ関の勝ち! ---- ≪スネ夫サイド≫ 綺麗な海。心地良い潮風。そして活気に満ち溢れた砂浜―― ここが港町、カイナシティかぁ。 ・・・おっと、見入ってる場合じゃないや。 恐らくもう誰かがデボンの荷物を渡したんだろうけど、確かめなきゃ。 僕は博物館向かって走っていく。 ――やっぱりマグマ団はいない。 僕より先に来れる人物だから、出木杉かしずかちゃんあたりか。 まぁいい。僕は戦力を確保しておくさ。 僕はフレンドリーショップでボールを買い、カイナシティを後にした。 よし、ここらへんだな。 ここはサイクリングロードの下の草むら。 そして、僕が探しているアイツはすぐに見つかった。 ラクライ。電気タイプのポケモンだ。 ・・・でも、ちょっと困ったことがあるんだよね。 ラクライを捕まえたはいいんだけど、このまんじゅうみたいな奴がついてくるんだ。 確かゴクリンだったっけ。 「仕方ないな。ボールに入れよ、ゴクリン」 ----
≪出木杉サイド≫ ここは石の洞窟。 奥にいるダイゴに会うのが僕の目的だ。 でも、今はそんな事を言ってる場合じゃないみたい・・・。 そう、僕は今、ズバットの大群に囲まれている。 「やるしかないか・・・」 ――かれこれ10匹は倒しただろうか? いくら倒しても次々に出てくる。 「ラルトス、念力だ!」 さすがのラルトスもかなり疲れている。 どうしよう・・・どうすればいい・・・! 「ラルトス、もう一度ねん・・・」 そう言おうとした僕の声は止まった。 僕の目の前には力尽きたラルトス。そして僕の周りには大量のズバット―― 「うわあああああっ!」 気がつくと、僕はベッドの上にいた。 「はぁ・・・はぁ・・・ここは?」 ここはどこなんだ?あれから僕はどうなったんだ? そんな疑問を抱き、僕は辺りを見回す。 「あ、あなたは・・・!」 ---- ≪出木杉サイド≫ 「お、ようやく気がついたようだね」 僕は知っている――この人を。 「君がズバットに襲われていたからね・・・ここまで連れてきたんだ」 そう、僕の眼前にいる男・・・それは紛れもなくリーグチャンピオン、ダイゴだ。 「そうですか・・・。ありがとうございます」 この人がいなかったらどうなっていただろう?考えただけでゾクっとする。 「いや、礼には及ばないよ・・・。でも一つだけ、頼み事がある」 そして、僕はあることを頼まれた。 「それでは、僕はこれで・・・。本当にありがとうございました」 僕はそう一礼すると、トクサネシティを後にした。 向かうのはサイユウシティポケモンリーグ―― 僕は奥へと進んでいく。 「あなたがダイゴさんから受け継いだ新チャンピオンですね?」 「はい」 僕が頼まれたこと。それは自分の代わりにチャンピオンになってくれというもの。 もちろん、僕は喜んで承諾した。 そして、今僕はチャンピオンの部屋にいる。 僕は出木杉英才。リーグチャンピオンだ! ---- ≪のび太サイド≫ あれから僕はカナズミシティについた。 ジム戦も終わった。キャモメのおかげかな。 「ムロタウンにいくには・・・船に乗るんだっけ」 つまり、トウカの森を抜けて戻るってことだね。 僕はトウカの森向かって歩き出した。 ――そして僕がトウカの森付近に来た時だ。 「よう、のび太!今ムシャクシャしてるんだよ・・・だからお前のポケモンよこせ!」 ジャイアンだ。物凄く機嫌悪そう・・・。 なんで渡さなきゃいけないんだ!でも、言う通りにしないと、殴られるよなあ。 でも、ポケモンは絶対に渡せない。絶対に。 どうしよう・・・? 「おい!さっさとよこせ!」 ジャイアンは今にも殴りかかってきそうだ。 …待てよ。ここはポケモンの世界。 そうだ――ここは人間の力が全てじゃない。僕には、ポケモンがある! 今ここで、今までの恨みを晴らしてやる。 そして、僕はスゥーと大きく息を吸う。 「誰が渡すもんか!この豚ゴリラ!」 ---- ≪のび太サイド≫ ああ、言っちゃった・・・。 でも、これでいい。これでいいんだ。 「のび太ぁー!今なんつった!」 うわっ!――でも、ここで怯んでちゃ駄目だ。駄目なんだ。 「聞こえてないのか?豚ゴリラって言ったんだよ。ぶ た ゴ リ ラ !」 ジャイアンの顔がどんどん強張っていく。 それは噴火寸前の火山――いや、そう思っちゃいけない。 今の僕にはポケモンがある。ジャイアンなんて、怖いもんか! 「ぶっ潰してやる!いけ、ワカシャモ!」 ワカシャモか・・・なら、勝てる! 「行くんだ、キャモメ!」 ――でも、やっぱりそんな上手くいかないな。 ジャイアンはワカシャモに「岩石封じ」を覚えさせていた。 当然、僕のキャモメは一発で沈む。 「ハハハ!さぁ、次のポケモンを出せよ!」 ここでタネボーを出しても、勝ち目はない。 寧ろ、タネボーまでジャイアンに取られちゃうじゃないか。 「――僕のポケモンはもういない。僕の負けだ」 ---- ≪のび太サイド≫ 「ハハハハ!やっぱりのび太はのび太だな!弱い所も同じだ」 ジャイアンが高らかに声をあげる。 僕は黙って立ち尽くしていた。 「へへ、勝ったのは俺だ。お前のポケモンもらってくぜ」 ジャイアンは強引に、キャモメの入ったボールを奪った。 本当はジャイアンなんかにあげたくない。 キャモメ、ごめんね――僕が弱いから―― 「じゃあな、のび太!ありがたくもらっとくぜー」 僕の目から一粒の涙が零れ落ちた。 ――そして僕はムロタウンについた。 あれから僕は決心したんだ。 誰にも負けないように、強くなる。なってやる。 僕が不甲斐ないせいで取られたキャモメのためにも、ね。 「頑張ろうね、タネボー!」 タネボーは身動き一つしないが、僕にはそれが暖かいものに感じる。 ――さぁ、いよいよジム戦だ。 ---- ≪のび太サイド≫ ジムの前まできて、僕は重要なことに気がついた。 もうキャモメはいない。タネボーだけじゃ勝てない―― 我慢しか使えないタネボーだけじゃ、負けるのは目に見えてる。 僕は新しいポケモンを捕まえるため、洞窟に入った。 「暗いな・・・でも、頑張って探さなくちゃ」 僕はどんどん奥へ進んでいく。ちょっと怖いな。 ――見つけた!あれは、お相撲さん・・・じゃなくてマクノシタだっけ。 「いけ、モンスターボール!」 マクノシタの不意をついて、僕は死角からボールを投げる。 1回、2回、3回・・・ボールの揺れが止まった。 「マクノシタ、ゲットだぜ!」 アニメのサトシ風に言ってみた。 あれ?なんか様になってないような気がする・・・。 そして、僕は再びジムの前に来た。 「よし、頑張るぞ!」 気合を入れるつもりで自分の腹を1回叩いてみた。 「――痛っ!」 ---- ≪のび太サイド≫ 「タネボー、今は我慢だ!」 今、僕のタネボーと相手のワンリキーが戦っている。 「ワンリキー、空手チョップ!」 「耐えろ、タネボー!」 タネボーは僕の思い通り、ギリギリで空手チョップを耐えた。一安心だな。 「今だ――我慢!」 タネボーの回りから光が放たれ、それはワンリキーに直撃する。 「中々やるじゃないか・・・いけ、マクノシタ!」 僕のポケモンと同じだ。なら僕も! 「こっちもだ、マクノシタ!」 二人のお相撲さん――じゃなくて、二匹のマクノシタが向かい合って立っている。 うまいことに、マクノシタも相撲をとる前のポーズだ。 「はっけよーい・・・じゃない!違う!突っ張りだ!」 さっきから何回も頭の中を流れる相撲の掛け声。それが口に出てしまった。 ああ・・・恥ずかしいな。 「・・・ハハハ!こっちも突っ張りだ!」 双方のマクノシタは突っ張りを繰り返す。 押したり、相手の体を持って踏みとどまったり―― まるっきり、相撲じゃん。 ---- ≪のび太サイド≫ マクノシタは両者一歩も引かず、戦っている。 ここで形勢を逆転させるには・・・どうすればいいのかな? 僕が考えてる間に、相手が仕掛けてきた。 「マクノシタ、ビルドアップだ!」 えーっと、なんだっけ・・・そうだ、攻撃と防御をあげる技。 ってことは・・・このまま同じ技でいくと負けるってことだよね。 ――僕はマクノシタの使える技を見てみた。 体当たり、気合溜め、砂かけ、突っ張り・・・。 砂かけで相手の命中率を下げるには、かなり時間がかかる。 となると・・・早めに決めれる気合溜め、か。 さっさと決めないとビルドアップされて不利になる・・・。 「マクノシタ、気合溜めだ!」 精神を集中させる僕のマクノシタ。これでいいのかな? 「モタモタしてる間に決めさせてもらう!突っ張りだ!」 僕のマクノシタはまだ集中力を高めている。 今は、耐えてくれ・・・。 ――よし、ギリギリ耐えたか。 「反撃開始だ、マクノシタ!」 ---- ≪のび太サイド≫ 「マクノシタ、突っ張り!」 僕の反撃が始まった。このまま一気に押し切るぞ! 1回、2回、3回。急所に当たったこともあってかなりのダメージを与えられた。 「ほう・・・こちらも突っ張りだ!」 「負けるな、僕のマクノシタ!突っ張りだ!」 勝負は再び突っ張り合戦になった。 互いの力が触れ合った所には、赤い火花が飛び散っている。 頼むぞ、マクノシタ・・・。 そして、勝利の女神は僕に微笑む。 僕のマクノシタが押している!さっきの気合溜めのおかげかな。 よし、このまま・・・いけ!マクノシタ! もう一発、叩きこめ・・・!もう一発だ! パチン! 僕のマクノシタの攻撃が当たった。クリーンヒットだ! 案の定、相手のマクノシタは倒れていく。 「よし、やった!」 ジム内に僕の声が響き渡る。僕が勝ったんだ。 ――張り手!マクノシタ関の勝ち! ---- ≪スネ夫サイド≫ 綺麗な海。心地良い潮風。そして活気に満ち溢れた砂浜―― ここが港町、カイナシティかぁ。 …おっと、見入ってる場合じゃないや。 恐らくもう誰かがデボンの荷物を渡したんだろうけど、確かめなきゃ。 僕は博物館向かって走っていく。 ――やっぱりマグマ団はいない。 僕より先に来れる人物だから、出木杉かしずかちゃんあたりか。 まぁいい。僕は戦力を確保しておくさ。 僕はフレンドリーショップでボールを買い、カイナシティを後にした。 よし、ここらへんだな。 ここはサイクリングロードの下の草むら。 そして、僕が探しているアイツはすぐに見つかった。 ラクライ。電気タイプのポケモンだ。 …でも、ちょっと困ったことがあるんだよね。 ラクライを捕まえたはいいんだけど、このまんじゅうみたいな奴がついてくるんだ。 確かゴクリンだったっけ。 「仕方ないな。ボールに入れよ、ゴクリン」 ---- ≪ジャイアンサイド≫ 俺はジャイアン。ガキ大将。 今、俺はキンセツジムでバッジをとったところだ。 そして、俺がバッジに見入ってる時だ。 ――俺の目に一つのモンスターボールが映った。 のび太から奪い取ったキャモメ・・・か。 今思えば、悪いことしちゃったよな。 またのび太に会ったら、返そうか・・・。 そんな事を考えながら、俺は砂漠の所まできた。 よし、俺の思い通りだ。 そこにはワンリキーがいた。 そしてワンリキー向かって俺はボールを投げる―― だが、その前にワンリキーの拳が俺にヒットした。 どんどん俺の意識が遠のいていく・・・。 俺が最後に見たのは揺れているボールだった。 ---- ≪ジャイアンサイド≫ 「気がついたか?」 目を開けると、そこには巨大な滝が流れている。 「ん?ここはどこだ?」 すぐさま俺は辺りを見回す。 俺が見たのは・・・変なコスチュームに身を纏った男。 「お前、誰だよ」 俺はその男から話しを聞いた。 そして、俺もその男にこれまでの経緯を話した。 ここは流星の滝。倒れていた俺を見つけて運んだらしい・・・。 「へえ。チャンピオンを目指すのか・・・」 男は感心したように言う。 「で、お前は誰なんだ?」 自分でも無愛想だと思ったが、聞いておく。 「ああ、名乗り遅れたな。俺の名はタケル。ドラゴン使いのタケルだ」 そう言うやいなや、タケルは俺を先導して歩き出す。 「おい、どこにいくんだよ?」 「チャンピオンを目指してるんだろ?ついてこいよ」 ---- ≪ジャイアンサイド≫ 俺とタケルがついたのは小さな洞窟。 そこで、ようやく俺はタケルの言ったことを理解した。 「そうだ、ここにはタツベイがいるんだよな!」 タケルは頷く。そして首で俺を促した。 タツベイ・・・だ。 ――タツベイは中々捕まらないな。 もう俺はボールを10個も使っていた。 その時、タツベイがよろけて地面に倒れこんだ。 疲れたのか?だがこれはまたとないチャンスだ! 「いけ、モンスターボール!」 俺は即座にボールを投げた。 そして、それは放物線を描いてタツベイにあたる・・・ カチン! 俺のボールが当たったのはタツベイではなく別のボール。 「誰だっ!」 俺が振り向いた先にいたのは―― 「久しぶりだね、武君」 「お前は・・・出木杉!」 ---- ≪ジャイアンサイド≫ 「なんで俺の邪魔すんだよ!」 俺が叫ぶと、出木杉がニヤニヤ笑い出した。 「いや、そのタツベイがほしくてね」 「てめえ!俺様のものを横取りするとはいい度胸じゃねえか!」 俺は懐のボールに手をかける―― 「フフ・・・ハッハッハ!」 なんだよコイツ・・・。強い。今まで俺が戦った誰よりも。 出木杉はタツベイをボールの中にいれた。 ――その時だ。緑の物体が出木杉を襲った。 緑のボディ、赤い目・・・これはフライゴンか! そしてフライゴンの後ろにはタケルがいた。 「横取りとはいただけないな。俺が相手だ!」 ――タケルまで負けちまった。 「じゃあね。武君・・・次に会う時はもうちょっと骨がある事を期待しているよ」 出木杉は去っていった。 俺は自分の不甲斐なさに怒りを感じ、ひたすら地面を叩く。 だが、俺の拳はタケルの手に抑えられた。 そして、タケルのもう片方の手にはボールが握られている。 「ほら、このタツベイをやるよ。大切にな」 ---- ≪出木杉サイド≫ 「ここは・・・キナギタウンか?」 どういうことだ?僕は目の前の景色に疑問を抱く。 そして、僕は必死に自分の記憶を探る。 確かタツベイをゲットした後ポケモンリーグに戻って・・・ その後から僕の記憶は無い。 「あれ、お前は・・・」 僕の横にいたのは移動用に捕まえたオオスバメ。 まさか、こいつが故意に僕を連れてきたのか? 僕が考えているその時―― ドガーン! 大きな爆音が辺りを支配し、僕の思考は止まる。 僕は恐る恐る、爆音のした方向に首を動かす。 「これは・・・!」 その瞬間、僕は恐怖に襲われた。 眩い光線で町を破壊しているのはまさしく―― 伝説のポケモン・レックウザ。 ---- ≪出木杉サイド≫ 恐怖に襲われていた僕は、無意識のうちに懐からボールを取り出す。 それは紫色の特殊なボール・・・マスターボール。 僕はボールを投げ、それを目で追っていく。 そして、マスターボールは見事レックウザに当たり、僕の手元に戻ってくる。 「フフ・・・ハハハハ!」 思わず奇怪な声を出してしまう。 だが、今の僕にとってそんな事はどうでもいい。 このレックウザ――つまり、強大な力は僕のものになったんだ! そして、僕はポケモンリーグに戻った。 僕は捕まえたレックウザの事を考えながら眠りにつく。 目を閉じたまま暫くした時―― 僕はレックウザが都市を破壊しているビジョンを見た。 たった1回、炎を吐くだけで辺り一面が焼け野原と化してしまう。 「フフ、凄いだろう?これが力だ。全てを破壊する力・・・」 誰だ?僕は気味が悪くなった。 「この力があれば、この世界を我が物にすることも容易だぞ・・・どうだ?」 いつの間にか僕はそいつの話しに聞き入っていた。 「全てを破壊しろ。力を使え・・・」 ---- ≪出木杉サイド≫ 「はっ・・・!」 夢か。それにしても何だったんだ、あれは・・・。 僕は背筋に冷たいものを感じた。 そして、あのビジョンと何者かの言葉を思い出した。 ――なんだ、この感覚。 僕はあの男の言葉通り、破壊の衝動を感じる。 そして、自然に手が動く。 その手が掴んでいるのは、僕の懐のマスターボール。 一瞬で町を焼け野原にする強大な力。 僕は今、その力を従えている。そしてそれは僕の手にある。 「うああああああ!」 僕はこの力を悪用したいなんて思ってない。 でも、何だよ・・・この僕の心を突き刺すような誘惑は。 相反する意識がぶつかり合い、僕は何とも言えない苦しみに襲われる。 この力があれば、この世界を我が物にする事も容易・・・。 その言葉が、僕の頭の中に響いてくる。 ――そうだ。こんな強大な力、使わない手はない。 僕は、僕自身がレックウザを従え町を破壊するビジョンを思い浮かべる。 考えるだけで、なんだか気持ちいい。 「アハハ!・・・ハハハハハハ!」 [[次へ>ルビー その3]] ----

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