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[[前へ>ビギナー その5]] @のび太 のび太「うわぁ…ここがえんとつやまかぁ~」 のび太は目の前にある大きな山を見上げる。 あれから一週間、のび太達四人はカイナで別れていた。 元から各々で行動する予定だったし、僅かながら手掛かりも見つかった為だ。 のび太はキンセツジムも突破し、これからフエンへ向かおうとしていた。 "何々…次のロープウェイの出発は15分後か。ゆっくり待とう。" のび太が到着する数分前に登りのロープウェイが出たようで、 のび太は少し足止めを食らって待合所のベンチに腰掛ける。 不意に、隣りに居た山男に声をかけられた。 山男「やぁ少年。今は暇かい?」 笑顔で尋ねる山男。 のび太「え?はい…暇ですけど。バトル…しましょうか?」 のび太は山男の言いたい事がなんとなくわかっていた。 山男「ハッハッハ!話が早いな!始めようじゃないか。」 二人は待合所の外に出る。互いに距離をとるなりバトルは始まった。 山男「行くぞ!イシツブテ!」 山男が繰り出したのはイシツブテだ。のび太はそれを確認し、 ボールからキノココから進化したキノガッサを繰り出した。 ---- のび太「キノ!ギガドレイン!」 のび太のキノ─キノガッサがイシツブテからエネルギーを吸い取り、 イシツブテを倒した。 山男「ハッハッ!まだまだ、次はコイツだ!」 山男はイシツブテを戻すと、すぐにゴローンを繰り出した。 山男「ゴローン!丸くなって転がれ!」 ゴローンは体を丸めて辺りを転がり出した。その勢いはどんどん増していくが、 のび太はキノに命令を出さない。 山男「攻撃しないでいいのか?ゴローン、突撃だ!」 山男の命令でゴローンがキノに向かって転がってくる。 のび太「まだだよ…もっと引きつけて。」 そして、ゴローンがキノの目前まで迫ってきたその時─ のび太「今だ!横に回り込んでマッハパンチ!」 ゴローンの突撃を綺麗に回避したキノは、 ゴローンの回転の軸になっている部分に強烈なパンチを打ち込んだ。 山男「ぬおっ、ゴローン!」 バランスの崩れたゴローンは側にあった壁に激突する。 のび太「たたみかけるんだ!マッハパンチ!」 そこに一気に間合いを詰めてきたキノの一発がヒットした。 山男「戦闘不能か…ハッハッ!私の負けだな!」 勝負に負けた山男は、実に爽やかに去って行った。 ---- のび太「お疲れ様、キノ。」 のび太はキノの体力を傷薬で回復させてボールに戻した。 以前よりポケモンのレベルが上がっただけじゃなく、のび太自身も強くなっていた。 のび太"ポケモンの力を引き出すのは、トレーナーの僕なんだよな。" のび太は、カイナでみんな別れる直前にリーフから教わった事を思い出す。 少しでも早く強くなりたくて、リーフにいろいろな事を聞いた。 これもその時に教わった事の一つだ。 のび太"ゲームならただ技を選べばよかったけど…本物のバトルはずっと厳しいな…" のび太はそんな事を考えながらロープウェイ乗り場に入り、 えんとつやまの頂上へ向かうロープウェイに乗り込んだ。 ぐんぐんと山を登るロープウェイ。少し離れたキンセツシティが火山灰で よく見えなくなってきた。 ホウエンにある大きな活火山・えんとつやま。 その山に何か大きな大地のエネルギーを感じる人も多い。 アナウンスが入る。 アナ『間もなくえんとつやま、頂上でございます。 ご利用ありがとうございました。』 そしてアナウンスの後すぐに、のび太はえんとつやま頂上に降り立った。 ---- @ドラえもん ドラえもん"ここから先はヒドい砂嵐だな…" ドラえもんは111番道路に居た。ここは一年中砂嵐のヒドい砂漠らしい。 ドラえもん"こりゃあ突っ切って行くのは無理そうだ…ってアレ…はなんだ?" ドラえもんは砂嵐の中に何かを見つけ、目を凝らす。 ドラえもん"ポケモン…かな?" 目を凝らした向こう、砂嵐の中に居たのはボロボロに傷ついて倒れている ポケモンが居た。 ドラえもん「大変だ!助けなきゃ!」 ドラえもんは傷ついたポケモンを見ていてもたっても居られず、 目を開けるのも困難な砂嵐の中に飛び込む。 激しい砂嵐の中やっとの思いでポケモンの元へ辿り着くと、 そこに居たのはサンドだった。 ドラえもん"とりあえず…ボールに入れて運ぼう。" ドラえもんはサンドを捕まえる。サンドはヒドく弱っていたので すぐにボールに入った。 それから砂漠を大変な思いで脱出したドラえもんは、 ボールを持ってキンセツのポケモンセンターを目指して走って行った。 現在の状況 @のび太▼手持ち:エーフィ・キノガッサ えんとつやま頂上 @ドラえもん▼手持ち:ヒトデマン・ドンメル・サンド 111番道路 ---- @しずか しずか「やっと町が見えてきたわ…」 しずかは火山灰の降る113番道路を抜けて、ハジツゲタウンの手前まで来ている。 111番道路から炎の抜け道や113番道路と、長い間バトルを繰り返していたので しずかもポケモンも疲れていた。 しかし、戦力は上がった。ラッキーもハピナスに進化したし、 マリルはマリルリに、ラルトスはキルリアになっている。 しずか"ハジツゲのポケモンセンターで今日は休みましょう… 灰で体も汚れちゃったし、みんなの回復も必要だわ…" こうしてハジツゲに到着したしずかは、真っ先にポケモンセンターへ向かった。 受付にポケモンを預けて、フロアのソファに腰掛けるしずか。 「トレーナーの方ですね?」 急に後ろから誰かに話しかけられる。しずかが振り向くと、 そこには若い女性が立っていた。 しずか「え?はい、そうですけど…何か?」 女性「いえ、トレーナーの方を見るといろいろと思う事がありまして…」 女性はしずかに優しく話す。 しずか「そうなんですか。」 女性「私の家、114番道路にあるんです。近くに来る事があったら、 よかったら寄って下さい。」 女性は名前を名乗る事なく、そう言ってセンターを出ていった。 ---- しずか"あの人…名前言ってないのに、来てって…マヌケな人ね…" しずかが若い女性を見送ってしばらく… ジョーイ「ありがとうございました!」 そう言ってしずかに回復を終えたポケモンを差し出すジョーイ。 しずかはボールを受け取って二階へ上がり、今日の部屋に入った。 壁にかけられた時計を見ると、短針は六時を差している。 しずかがキンセツを出発したのは今朝八時、それから今までずっと歩き通しだった。 だいぶゆっくりと進んでいた為でもある。 しずか"晩ご飯にはまだ少し早いわね…" しずかは疲れと汚れを落とす為、シャワーを浴びる事にした。 熱いシャワーで、113番道路を通ってきた時についた灰や汚れを落としたしずかは、 夕食も終えて部屋に入った。 しずか"明日は…どうしようかしら。" ベットの中で明日の予定について考えてみるしずか。 ふと、さっきの女性の事を思い出した。 しずか"いろいろな所を周っても損は無いでしょうし、明日はあの人の家探しに 行ってみて、それからフエンタウンを目指す事にしよう…" 長い道のりを歩き続け、疲れていたしずかはそのまま目を閉じ、 夢の中へ沈んでいった。 現在の状況 @しずか 手持ち:ハピナス・マリルリ・キルリア ハジツゲタウン ---- 一方── リーフ「んー!これ美味しい!」 テッセン「そうかい!ジャンジャン食べな。」 リーフ「遠慮なくいただきまふ!」 テッセン"言いながら食ってるじゃないか…" ¨リーフちゃん、食いしん坊なんです(作者のなかでは、ね)。¨ @リーフ リーフ「あー、美味しかった!ご馳走様でした!」 両手を合わせて食卓に礼をするリーフ。目の前には 軽く三人分はあったであろう空になった皿が山積みされていた。 テッセン「いつもよく食べるのぉ!ご馳走し甲斐があるってもんだ。ワッハッハ!」 テッセンは大きく笑う。 この頃リーフは、キンセツにとどまっていた。 東西南北の町に通じる中間地点に位置するキンセツは、 情報を集めるのに向いている町である。 そのためリーフは、テッセンに勝利した後もこの町にとどまり 情報収集と修行に精を出していたのだった。 テッセン「ところでリーフちゃん。何か新しい情報は手に入ったかい?」 テッセンが切り出すと、リーフは飲んでいた飲み物のコップを置いた。 リーフ「えぇ、まぁいろいろと…」 リーフは、どこか不敵な感じを含んだ笑みを浮かべる。 そして、リーフは立ち上がった。 ---- リーフ「あたし…そろそろ出発しますね!」 自分の荷物をまとめながらリーフが言った。 テッセン「そうか…頑張るんだぞ。」 テッセンは、荷物をまとめ終えたリーフにそう言って何かを差し出した。 リーフ「…これは?」 差し出された物を受け取ったリーフが尋ねる。 テッセン「これは"ゴーゴーゴーグル"といって、雨の中でも砂嵐の中でも 前を見通す事が出来るんじゃ。 111番道路にある砂漠の中でもへっちゃらだぞ!更には… サングラスにもなるんじゃ!」 最後のサングラス機能には少し必要性を感じなかったリーフだったが、 便利な物には違いないので有り難く受け取った。 リーフ「それじゃ…お世話になりました。」 テッセンに礼を言うリーフ。 テッセン「何か情報があったらポケナビに連絡しよう。気をつけてな…」 テッセンはそう言って、リーフに手を差し出した。リーフはその手を握り返し、 テッセンと別れた。 ふとリーフは、ポケモンセンターの前を通り掛かった時、 センターの中に見覚えのある姿を見つける。 リーフはセンターの中に入って行った。 ---- リーフ「ドーラちゃん!まだこのへん居たんだね。何してるの?」 ドラえもん「あ…リーフちゃんじゃないか。」 リーフがセンターの外から見つけたのは、ドラえもんだった。 ドラえもんは突然のリーフの登場に少し驚きながらも、 隣りに腰掛けるリーフに話す。 ドラえもん「この先の砂漠で傷ついて倒れてるサンドを見つけてさ… 急いでここまで運んで来たんだ。」 リーフ「へぇ…それで疲れた顔してるんだね。」 ドラえもん「うん…僕の足じゃ自転車にも乗れないし、ずっと走りっ放しでさ…」 リーフ「そっかぁ…あっ!それなら良いものがあるよ!」 リーフは思い出したようにカバンを探りだす。そして中から折り畳まれた キックボードのような物を取り出した。 リーフ「これ、カラクリさんから貰ったんだ。キックボードに 電気エンジンをつけてあって、漕がなくても進む事が出来るんだって!」 そう言ってリーフはそれをドラえもんに渡した。 ドラえもん「ありがたいけど…リーフちゃんは大丈夫なの?」 ドラえもんは遠慮がちに言う。 リーフ「大丈夫だよ!あたしは自転車もあるし、立派な二本の足があるもん!」 ¨リーフちゃんはたくましいんです。俺の妄想では。¨ ---- リーフはすらりと伸びた足をポンポンと叩いてみせた。 ドラえもん「それじゃあ貰うよ!ありがとうリーフちゃん。」 ドラえもんは、リーフからキックボードを受け取った。 更にリーフは、ドラえもんにゴーゴーゴーグルを手渡す。 ドラえもん「これは何なの?」 ゴーグルを受け取ったドラえもんがリーフに尋ねた。 リーフ「これはね(説明略)っていうとても便利な道具なんだって! テッセンさんから三つも貰ったから、一つあげるね。」 ドラえもん「そんなものがあったのか!ありがとうリーフちゃん!」 改めて自分に礼を言ってくるドラえもんに、リーフは少し照れる。 そして照れ隠しをするようにドラえもんに別れを言って、 ポケモンセンターを出たのだった。 リーフは自転車を漕ぎ続けてキンセツを抜ける。 風を切る感じを楽しみながらサイクリング感覚で、えんとつやまを目指して 111番道路と112番道路を進んでいた。 リーフ"とりあえず…砂漠の探険はそのうちにしておこう。" そして途中で勝負を挑んでくるトレーナーを難なく退けてきたリーフは、 えんとつやまのふもとに辿り着いた。 現在の状況 @リーフ 手持ち:ハッサム・タネボー・??? えんとつやま・ふもと。 ----
[[前へ>ビギナー その5]] @のび太 のび太「うわぁ…ここがえんとつやまかぁ~」 のび太は目の前にある大きな山を見上げる。 あれから一週間、のび太達四人はカイナで別れていた。 元から各々で行動する予定だったし、僅かながら手掛かりも見つかった為だ。 のび太はキンセツジムも突破し、これからフエンへ向かおうとしていた。 "何々…次のロープウェイの出発は15分後か。ゆっくり待とう。" のび太が到着する数分前に登りのロープウェイが出たようで、 のび太は少し足止めを食らって待合所のベンチに腰掛ける。 不意に、隣りに居た山男に声をかけられた。 山男「やぁ少年。今は暇かい?」 笑顔で尋ねる山男。 のび太「え?はい…暇ですけど。バトル…しましょうか?」 のび太は山男の言いたい事がなんとなくわかっていた。 山男「ハッハッハ!話が早いな!始めようじゃないか。」 二人は待合所の外に出る。互いに距離をとるなりバトルは始まった。 山男「行くぞ!イシツブテ!」 山男が繰り出したのはイシツブテだ。のび太はそれを確認し、 ボールからキノココから進化したキノガッサを繰り出した。 ---- のび太「キノ!ギガドレイン!」 のび太のキノ─キノガッサがイシツブテからエネルギーを吸い取り、 イシツブテを倒した。 山男「ハッハッ!まだまだ、次はコイツだ!」 山男はイシツブテを戻すと、すぐにゴローンを繰り出した。 山男「ゴローン!丸くなって転がれ!」 ゴローンは体を丸めて辺りを転がり出した。その勢いはどんどん増していくが、 のび太はキノに命令を出さない。 山男「攻撃しないでいいのか?ゴローン、突撃だ!」 山男の命令でゴローンがキノに向かって転がってくる。 のび太「まだだよ…もっと引きつけて。」 そして、ゴローンがキノの目前まで迫ってきたその時─ のび太「今だ!横に回り込んでマッハパンチ!」 ゴローンの突撃を綺麗に回避したキノは、 ゴローンの回転の軸になっている部分に強烈なパンチを打ち込んだ。 山男「ぬおっ、ゴローン!」 バランスの崩れたゴローンは側にあった壁に激突する。 のび太「たたみかけるんだ!マッハパンチ!」 そこに一気に間合いを詰めてきたキノの一発がヒットした。 山男「戦闘不能か…ハッハッ!私の負けだな!」 勝負に負けた山男は、実に爽やかに去って行った。 ---- のび太「お疲れ様、キノ。」 のび太はキノの体力を傷薬で回復させてボールに戻した。 以前よりポケモンのレベルが上がっただけじゃなく、のび太自身も強くなっていた。 のび太"ポケモンの力を引き出すのは、トレーナーの僕なんだよな。" のび太は、カイナでみんな別れる直前にリーフから教わった事を思い出す。 少しでも早く強くなりたくて、リーフにいろいろな事を聞いた。 これもその時に教わった事の一つだ。 のび太"ゲームならただ技を選べばよかったけど…本物のバトルはずっと厳しいな…" のび太はそんな事を考えながらロープウェイ乗り場に入り、 えんとつやまの頂上へ向かうロープウェイに乗り込んだ。 ぐんぐんと山を登るロープウェイ。少し離れたキンセツシティが火山灰で よく見えなくなってきた。 ホウエンにある大きな活火山・えんとつやま。 その山に何か大きな大地のエネルギーを感じる人も多い。 アナウンスが入る。 アナ『間もなくえんとつやま、頂上でございます。 ご利用ありがとうございました。』 そしてアナウンスの後すぐに、のび太はえんとつやま頂上に降り立った。 ---- @ドラえもん ドラえもん"ここから先はヒドい砂嵐だな…" ドラえもんは111番道路に居た。ここは一年中砂嵐のヒドい砂漠らしい。 ドラえもん"こりゃあ突っ切って行くのは無理そうだ…ってアレ…はなんだ?" ドラえもんは砂嵐の中に何かを見つけ、目を凝らす。 ドラえもん"ポケモン…かな?" 目を凝らした向こう、砂嵐の中に居たのはボロボロに傷ついて倒れている ポケモンが居た。 ドラえもん「大変だ!助けなきゃ!」 ドラえもんは傷ついたポケモンを見ていてもたっても居られず、 目を開けるのも困難な砂嵐の中に飛び込む。 激しい砂嵐の中やっとの思いでポケモンの元へ辿り着くと、 そこに居たのはサンドだった。 ドラえもん"とりあえず…ボールに入れて運ぼう。" ドラえもんはサンドを捕まえる。サンドはヒドく弱っていたので すぐにボールに入った。 それから砂漠を大変な思いで脱出したドラえもんは、 ボールを持ってキンセツのポケモンセンターを目指して走って行った。 現在の状況 @のび太▼手持ち:エーフィ・キノガッサ えんとつやま頂上 @ドラえもん▼手持ち:ヒトデマン・ドンメル・サンド 111番道路 ---- @しずか しずか「やっと町が見えてきたわ…」 しずかは火山灰の降る113番道路を抜けて、ハジツゲタウンの手前まで来ている。 111番道路から炎の抜け道や113番道路と、長い間バトルを繰り返していたので しずかもポケモンも疲れていた。 しかし、戦力は上がった。ラッキーもハピナスに進化したし、 マリルはマリルリに、ラルトスはキルリアになっている。 しずか"ハジツゲのポケモンセンターで今日は休みましょう… 灰で体も汚れちゃったし、みんなの回復も必要だわ…" こうしてハジツゲに到着したしずかは、真っ先にポケモンセンターへ向かった。 受付にポケモンを預けて、フロアのソファに腰掛けるしずか。 「トレーナーの方ですね?」 急に後ろから誰かに話しかけられる。しずかが振り向くと、 そこには若い女性が立っていた。 しずか「え?はい、そうですけど…何か?」 女性「いえ、トレーナーの方を見るといろいろと思う事がありまして…」 女性はしずかに優しく話す。 しずか「そうなんですか。」 女性「私の家、114番道路にあるんです。近くに来る事があったら、 よかったら寄って下さい。」 女性は名前を名乗る事なく、そう言ってセンターを出ていった。 ---- しずか"あの人…名前言ってないのに、来てって…マヌケな人ね…" しずかが若い女性を見送ってしばらく… ジョーイ「ありがとうございました!」 そう言ってしずかに回復を終えたポケモンを差し出すジョーイ。 しずかはボールを受け取って二階へ上がり、今日の部屋に入った。 壁にかけられた時計を見ると、短針は六時を差している。 しずかがキンセツを出発したのは今朝八時、それから今までずっと歩き通しだった。 だいぶゆっくりと進んでいた為でもある。 しずか"晩ご飯にはまだ少し早いわね…" しずかは疲れと汚れを落とす為、シャワーを浴びる事にした。 熱いシャワーで、113番道路を通ってきた時についた灰や汚れを落としたしずかは、 夕食も終えて部屋に入った。 しずか"明日は…どうしようかしら。" ベットの中で明日の予定について考えてみるしずか。 ふと、さっきの女性の事を思い出した。 しずか"いろいろな所を周っても損は無いでしょうし、明日はあの人の家探しに 行ってみて、それからフエンタウンを目指す事にしよう…" 長い道のりを歩き続け、疲れていたしずかはそのまま目を閉じ、 夢の中へ沈んでいった。 現在の状況 @しずか 手持ち:ハピナス・マリルリ・キルリア ハジツゲタウン ---- 一方── リーフ「んー!これ美味しい!」 テッセン「そうかい!ジャンジャン食べな。」 リーフ「遠慮なくいただきまふ!」 テッセン"言いながら食ってるじゃないか…" ¨リーフちゃん、食いしん坊なんです(作者のなかでは、ね)。¨ @リーフ リーフ「あー、美味しかった!ご馳走様でした!」 両手を合わせて食卓に礼をするリーフ。目の前には 軽く三人分はあったであろう空になった皿が山積みされていた。 テッセン「いつもよく食べるのぉ!ご馳走し甲斐があるってもんだ。ワッハッハ!」 テッセンは大きく笑う。 この頃リーフは、キンセツにとどまっていた。 東西南北の町に通じる中間地点に位置するキンセツは、 情報を集めるのに向いている町である。 そのためリーフは、テッセンに勝利した後もこの町にとどまり 情報収集と修行に精を出していたのだった。 テッセン「ところでリーフちゃん。何か新しい情報は手に入ったかい?」 テッセンが切り出すと、リーフは飲んでいた飲み物のコップを置いた。 リーフ「えぇ、まぁいろいろと…」 リーフは、どこか不敵な感じを含んだ笑みを浮かべる。 そして、リーフは立ち上がった。 ---- リーフ「あたし…そろそろ出発しますね!」 自分の荷物をまとめながらリーフが言った。 テッセン「そうか…頑張るんだぞ。」 テッセンは、荷物をまとめ終えたリーフにそう言って何かを差し出した。 リーフ「…これは?」 差し出された物を受け取ったリーフが尋ねる。 テッセン「これは"ゴーゴーゴーグル"といって、雨の中でも砂嵐の中でも 前を見通す事が出来るんじゃ。 111番道路にある砂漠の中でもへっちゃらだぞ!更には… サングラスにもなるんじゃ!」 最後のサングラス機能には少し必要性を感じなかったリーフだったが、 便利な物には違いないので有り難く受け取った。 リーフ「それじゃ…お世話になりました。」 テッセンに礼を言うリーフ。 テッセン「何か情報があったらポケナビに連絡しよう。気をつけてな…」 テッセンはそう言って、リーフに手を差し出した。リーフはその手を握り返し、 テッセンと別れた。 ふとリーフは、ポケモンセンターの前を通り掛かった時、 センターの中に見覚えのある姿を見つける。 リーフはセンターの中に入って行った。 ---- リーフ「ドーラちゃん!まだこのへん居たんだね。何してるの?」 ドラえもん「あ…リーフちゃんじゃないか。」 リーフがセンターの外から見つけたのは、ドラえもんだった。 ドラえもんは突然のリーフの登場に少し驚きながらも、 隣りに腰掛けるリーフに話す。 ドラえもん「この先の砂漠で傷ついて倒れてるサンドを見つけてさ… 急いでここまで運んで来たんだ。」 リーフ「へぇ…それで疲れた顔してるんだね。」 ドラえもん「うん…僕の足じゃ自転車にも乗れないし、ずっと走りっ放しでさ…」 リーフ「そっかぁ…あっ!それなら良いものがあるよ!」 リーフは思い出したようにカバンを探りだす。そして中から折り畳まれた キックボードのような物を取り出した。 リーフ「これ、カラクリさんから貰ったんだ。キックボードに 電気エンジンをつけてあって、漕がなくても進む事が出来るんだって!」 そう言ってリーフはそれをドラえもんに渡した。 ドラえもん「ありがたいけど…リーフちゃんは大丈夫なの?」 ドラえもんは遠慮がちに言う。 リーフ「大丈夫だよ!あたしは自転車もあるし、立派な二本の足があるもん!」 ¨リーフちゃんはたくましいんです。俺の妄想では。¨ ---- リーフはすらりと伸びた足をポンポンと叩いてみせた。 ドラえもん「それじゃあ貰うよ!ありがとうリーフちゃん。」 ドラえもんは、リーフからキックボードを受け取った。 更にリーフは、ドラえもんにゴーゴーゴーグルを手渡す。 ドラえもん「これは何なの?」 ゴーグルを受け取ったドラえもんがリーフに尋ねた。 リーフ「これはね(説明略)っていうとても便利な道具なんだって! テッセンさんから三つも貰ったから、一つあげるね。」 ドラえもん「そんなものがあったのか!ありがとうリーフちゃん!」 改めて自分に礼を言ってくるドラえもんに、リーフは少し照れる。 そして照れ隠しをするようにドラえもんに別れを言って、 ポケモンセンターを出たのだった。 リーフは自転車を漕ぎ続けてキンセツを抜ける。 風を切る感じを楽しみながらサイクリング感覚で、えんとつやまを目指して 111番道路と112番道路を進んでいた。 リーフ"とりあえず…砂漠の探険はそのうちにしておこう。" そして途中で勝負を挑んでくるトレーナーを難なく退けてきたリーフは、 えんとつやまのふもとに辿り着いた。 現在の状況 @リーフ 手持ち:ハッサム・タネボー・??? えんとつやま・ふもと。 [[次へ>ビギナー その7]] ----

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